いけたのか?いけただろう…

今日は思い切って、普段よりも2本早い電車で出勤することにしました。さすがに6時台の、それも勤務先の最寄り駅止まりの電車に乗る観光客はほとんどいませんでした。が、なぜか高校生が乗っています。部活関係ではなさそうなので、早朝補習かなにかでしょうね。ハードやな。
職場に着いたら7時20分。なんでこんなに早く出勤するねんと思うけど、うちの職場は5時台に出勤する人もいて、朝がメッチャ早い人と夕方がメッチャ遅い人にくっきり分かれるんですね。ちなみに、もちろんわたしはどちらでもなく、朝はそこそこ早い派です。
で、ふと思い立って、人権教育だよりをつくることにしました。内容はこの間の薬物乱用防止教育の講師である谷家さんがfacebookに投稿された文章です。

高校で薬物乱用防止の授業をすることがたまにありまして、私に直接依頼をしてくださるのですからもともと個人的なつながりがあるということもありますが、それ以前から生徒ファーストが揺るぎない先生方ばかりで、はじめから「『ダメ。ゼッタイ。』はやめてください」というオーダーをいただき、私としては驚くやら嬉しいやらです。
 そんな学校のひとつである京都のJ高校に4月初旬に行って参りました。人権教育に力を注いでいらっしゃるJ高校では、私が本当に伝えたいことだけを“言いっぱなし・言い放ちっぱなし”をしたとしても、安心してその後を学校にお任せすることができる大変ありがたい学校なのです。
 「依存症は孤独の病。でもね、孤独になっている人に責任はないよ。これまで誰かにヘルプを求めてもその声をうまく受け止めてもらえなかったのかもしれないし、それでもひとりで頑張るために、心身の症状を抑えるために、物質やゲームなどにハマることで乗り切ってきたんだよね」。
 かつて、性暴力被害予防のための性教育をしていた時期があって、その頃から「予防」に違和感が強くありました。「予防」という言葉は、使い方によっては、すでにそのような体験をしている生徒を透明人間化させしまい孤立させ孤独に追い込んでしまいかねません。これも立派な二次被害です。
 「薬物乱用防止」というワードもそれと同じ。私も、先生たちだって、みんな何かに依存しながら生きているその渦中にいる当事者だよねっていうメッセージを発信することが大事だと思うのです。
 J高校の体育館で、ある生徒さんが、ノートをとりながら首を上下にブンブンさせてくださっていたのがとても印象的でした。“言いっぱなし・言い放ちっぱなし”を聴いてくれてありがとう。

これを読んだ生徒指導部長さん、しみじみと
「うれしいですね」
と言ってくださったので、これがまたうれしい。でも「安心してその後を学校にお任せすることができる大変ありがたい学校」と書かれたら、それに応えられる実践しなきゃなりません。心地よいプレッシャーを感じました。
今日の授業は2コマ。とにかく楽です。なんでこんなに楽なんだろう。長く教員をやっていると、授業に行くのが気が重いという経験は何度もしています。が、まったく気が重くない。もちろん、ルンルン気分[1]死語で行くわけではないですが、まぁ気軽に行ける感じですか。で、思った通りのところまで進める。前で問題解きをしてくれて間違いが起こることもあるけど、そこから授業が展開できるからありがたい。そんな感じで、穏やかに午前を過ごしました。
ちなみにうちの校時は午前の授業が終わると1時前です。すでに午後に食い込んでいる感じです。おべんとを食べたら担任さんのところに行って情報収集をしたりして、書類をつくって事務に持っていって、今日の仕事は終了です。労働者の権利を行使しましょう。
で、京都府中部の町まで移動。ここで車に乗せてもらって、到着したのは兵庫県中部の町です。今日はここでお座敷です。
依頼が来たとき、どうしようと思いました。いや、行くのは行くのですが、まず遠い。でも、京都府中部まで迎えに来てくださるということで、ありがたくお言葉に甘えさせていただくことにしました。もうひとつの懸念が時間が短い。1時間10分です。でも、1時間バージョンもつくったほうがいいかなと思いはじめているので、これもなんとかしましょう。最後の懸念は「ゆっくり話さなきゃならない」です。まぁチャレンジあるのみです。
ということで、控え室に入れてもらって「どうぞ」と出されたのが「押し寿司」です。

ひとつつまむとおいしい!これは、帰りの電車にとっておきましょう(笑)。
そうこうするうちに、なぜか町長さんが来られました。マジか。なんでも、今年度からパートナーシップ制度が導入されて、このゴールデンウィークに最初のカップルが登録されるんだとか。すごいな。
で、町長さんの開会あいさつ。
「部落差別の動画を削除した…」
あ!これか!そう言えば、部落差別のプレゼンで使ってます。舞台裏でそんな話をしていると、
「解放同盟の集会で…」
「え?ムラの人ですか?」
「はい」
みたいな会話もあったり。それにしても、この町、どんだけ人権に力入れてるねん。しまった、もう少し下調べをしてきたらよかった。後の祭りです後の祭りです。すでにプレゼンはつくられていて変更できません。このままやるしかないな。
ということで、お座敷スタート。とにかくゆっくりと話しましょう。
んーと。反応している人もいれば、反応していない人もいるような気がします。ちょっと焦ります。しかも、ネタを大幅に刈り込んでるので、笑いのポイントが少ない。もちろんお座敷の前に予習はしていますが、いざ本番になると「やっぱりアレを残せばよかった」と思ってしまったりもします。でも、それを残すと時間が延びます。むずかしい…。
そんなこんなで、なんとか1時間10分しゃべりきりました。なんか1時間30分とか2時間しゃべるよりもむずかしいですね。
終わったら、要約筆記の方と手話通訳の方にごあいさつ。
「思いっきりゆっくりしゃべりました」
「メッチャ早かったです」
マジか…。
それでも帰りがけに声をかけてくださる方もおられてホッとしたり。
で、車に乗せてもらって京都府中部の町へ。駅に着いたらちょうど電車が来ています。さっさと乗り込んで、途中のコンビニで仕入れたものを取り出します。

完璧なツーショットです。
ぷしゅ!んごんごんご。うまい!お寿司もうまい!
うん、たぶんお座敷も伝わったんだろうな。おそらくいい1日でした。

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1 死語