「「京あまべの歴史」を語る」を聴く

明日はリビングライブラリだというのに、今日は1日出張です。昨日、かなり準備しておいたつもりだけど、きっとたりないだろな。でも、しかたないです。一日の労苦は一日でたれりです(笑)。今日は今日を楽しみましょう。
ということで、今日は「あまべ」のフィールドワークです。
「あまべ」というと、まぁ、ものすごくお世話になっています。花見はするわ、花見の現場に出前をしてもらうわ。てか、2ヶ月に1回行ってますからね。
でも、「あまべ」の歴史についてはかじるていどにしか知りません。まぁ、漠然と「日本最古のムラ」かなぁとは思ってますけど、であればこそ、もっともっと深く知りたい。だからこそ、「あまべフィールドワーク」を実現したかったんですよね。で、今日がその当日です。当然テンションはあがってますo(^^)o

フィールドワークの集合場所に行くと「やぁ」と声をかけられて、ひょいと横を見ると、なぜかこの人がおられました(笑)。なんでも映画を見に行こうと思ったら支部長に声をかけられて、こちらに来られたとか。

で、フィールドワークの開始です。
いや、もう、すごいです。ムラって「貧しさ」で表現されないってことは百も承知だけど、でもやはりすごいです。あるいは「あまべ」は移転させられたことも知ってたけど、それが「境界線」という形で残ってるというのを知って、これまたショックです。そしてなにより差別と闘う人々の営みがここにあるってことを、改めて感じることができました。
その後、もともとのあまべの場所に移動。んー、豊臣秀吉菩提寺をあまべにつくりたいからあまべを移動させるって、それ、考えてみるとすごい話です。だって、「その場所」がケガレていると考えられていたら、そこに菩提寺を建てようとは思わない。
なんかもう、脳みそがひっくり返りそうな思いを抱きながら、昼休憩。案内されてたYすださんに昼ごはんをおごってもらったりして。すんませんすんません。

昼からはあまべの歴史についての講演です。午前に歩いてきたそこここの歴史的な位置づけとつながりがわかります。てか、洛中洛外絵図に載ってるって、ほんとに日本最古でしょう。なんかもう、あっという間の2時間でした。

ほんとはこのあと飲みに行きたいところだけど、今日はガマンするために車で来たのでした。
さてと帰ろう。後ろ髪を引かれながら(笑)。

食肉の街をフラフラ歩く

今日の午前は、わたしの第二のふるさとの人権教育研究会主催のフィールドワークです。向かうは向野です。ここには、ものすごくお世話になっている塩谷さんがおられます。向野の町も歩きたいけど、塩谷さんの話も聞きたい。今回のフィールドワークはずっと願っていたのが一気に実現する企画なので、万難を排して行かねば!
でも、昨日の…というか、ここしばらくの無茶がたたって、若干遅刻気味。駅からタクシーと思ったけど、タクシーなんて止まってません。しかたない、炎天下のもと、歩くかと決意したのですが、暑い!とにかく、ジャスミンティーを飲みながら、15分ほど歩いたところで、「畜魂碑」のまわりに群がってる一群を発見。合流しました。
ここで、いろいろ説明を聞いて、その後町歩きの開始です。確かに食肉関係の話もおもしろいのですが、それよりも町並みがほんとうにおもしろい。歴史が感じられる町並みです。そしてそれは、たぶんひとりで歩いたのではわかりません。やはり、案内してくださる方が、その歴史を掘り起こしておられるからこそわかることなんですね。説明を聞きながら歩いていると、あちこち寄り道をしたくなります。
てことで、お寺やお風呂や病後保育施設なんかの見学のあと、「特製さいぼし弁当」をいただいて、再び自主フィールドワークに出発。さっき聞いた話を念頭に置きながら町をフラフラとさまよい歩くと、いろんなものが目に飛び込んできます。おもしろい!これは本気でまた来たいと思いました。でも、さすがに暑さには勝てません。隣保館にもどって、塩谷さんにごあいさつ。
「いつきちゃん!来たんか!なんで言わへんねん」
「いや、こっそり来ようと思って(笑)」
「こっそり来たらあかんやんか!言うてくれたらさいぼし用意しといたのに!」
しもた^^;;。
それからしばし、自主フィールドワークの成果の検証です。
そして、いよいよ塩谷さんの講演。
迫力です。近年の差別文書の話から鳥取ループの話へ。そして、直接差別を受けるということがどういうことなのか。そんな話から、次第に生い立ちへと話が移っていきます。
塩谷さんの話を聞きながら、塩谷さんが塩谷さんであることの理由が少しずつわかってきました。今までは単に「すごい人だ」って思ってたけど、そうじゃないんですね。生い立ちがあり、自分の出自から逃げた経験もあり、でもそれと向きあう瞬間があり、変わっていく人生を目の当たりにさせてもらいました。そして、塩谷さんの魅力がどこにあるのかも、ほんの少しだけどわかりました。わたしみたいなほんの少ししかたまにしか会わないものも大切にしてくれる。出会った人はすべて大切にしてくれる。だからこそ惹かれるし、そんなわたしを大切にしてくれる。だから、いろんな人が向野にかかわるんだな。
2時間ほどの講演だったけど、ほんとに聞いてよかったなと思いました。
てことで、移動開始です。

またまた新ネタ→辺野古にタッチダウン→上映会

今回の沖縄は、今日の午前が本番です。なにせ、このために来たわけですから。ですから、昨日の夜「すぐ帰ってきてください」と言われるのはあたりまえです。
琉大に着いて、まず案内されたのが「開学の鐘」です。

ガスボンベを切って鐘にしたそうな。叩くとクワンクワンした音がしました。
で、研究室に向かうべく歩いていると、グワーという音。見上げると、F15トムキャットが2機編隊飛行をしています。野入さんもMりさんも、あたりまえの顔をしておられます。つまり、あたりまえってことですね。爆音はいつまでも続きます。これはアカンやろ…。
てことで、講義です。過去2回は「トランスネタ」だったのですが、今回は、この間に引き続き、またまた新ネタです。と言っても、この間とは違って、今回は「沖縄人権学習にとりくんで」というネタです。社会の教員でもないし、沖縄が専門でもない、というより、ほんとうは北海道好きのわたしが、なぜにそんなネタかというと、いうまでもなく沖縄人権学習の独自教材をつくったからです。しかも、その独自教材には沖縄の中高生が登場しているという。まぁ、そんな縁で「ナイチャーがつくった教材をウチナーに見てもらう」という、ある種無謀な試みです。
かなり緊張したけど、とにかくやるしかありません。人権教育研究会のレポートをするつもりで、ガンガン話をして、みなさんを煙に巻く作戦です(笑)。
てことで、30分ほど話をして、40分ほどのビデオを見せました。なかなか好評だったのは、きっとマブヤーのおかげです。だって、大学生のみなさん、まさにマブヤー世代ですからね。最終的に、けっこう反応もよかったのでホッとしました。

お座敷が終わったら、お昼ご飯。「うちなーイタリアンSOLA」というお店です。いやぁ、久しぶりに本格的なパスタを食べました。
ちなみに、コーヒーを持ってこられた方が「熱いので気をつけてください」と言われたので、その場では「はい」と答えたのですが、皿の片づけをしておられる最中に「ソーサー持って「熱っ」ていうネタを考えたのに」って言ったら、お皿がぷるぷる震えてたから、たぶんウケたな。

その後、いつもの通りゼミに乱入。今回は野入さんから「仕切ってね」とかムチャ振りされてどうしようかと思ったけど、なんとか無事終了。やはり、ゼミの仕切りは難しいです。あたりまえだけど。

で、名護に移動。今日は名桜大学で「coming out story」の上映会があります。名護に行く途中、せっかくだからと辺野古を通ってくださいました。

今はみんな高江のヘリパッド反対闘争に行ってるので、あまり人は多くありませんでしたが、「不屈館」に行った昨日の今日ですから、「ぐぉー…」という感じでした。

で、名桜大学へ。ここの平上さんという方と、たまたま3月のGID学会で出会って、それからのご縁でいろいろお世話になっています。
今日は、「語れない想いのBar♪」という、いろいろな想いを持っておられる方々が自分の話を交換する、セルフヘルプグループ的なイベントです。今日はそれの特別編ということで、普段の参加者にプラスして、いろんな人が来られたみたいです。ありがたい話です。
久しぶりに映画を見て、その後みんなでいろいろ感想を述べあったり、わたしからコメントしてみたり。あの映画、やはり、すごく「考えて」いるんですね。登場人物は、みんなすごく考えている人たちばかりです。それが「考える」ことの大切さを観た人に伝えるみたいです。だからこそ、終わってからのみなさんの感想が、見事にバラバラ。それは、それぞれの人の置かれた状況に依存するからこそのものなんでしょうね。

てことで、予定を30分ほどオーバーして終了。あとは打ちあげです。場所はBLUE TRIPというカフェです。いやぁ、ここ、いい!食事もおいしいし、飲み物もおいしい。そして、屋上にテラスもあります。暑いけど(笑)。
ここでさんざん呑んだり食べたりしゃべったりして、最後は平上さんのお家へ。
なぜかここで「沖縄人権学習ビデオ」上映会なんかをしてしまったり、なぜか「ルーツを見つめる」上映会をしてしまったりしたのですが、あまり遅くになるとヤバイです。そろそろ寝ましょう。2時だから。

さて、今年もだ

今日から3日間、沖縄です。
いつもの通り、jetstarに乗って、那覇空港に着くと、いつも声をかけてくださる野入さんが待ってくださっていました。
てことで、不屈館へ。ここは瀬長亀次郎さんについての資料館です。
野入さんとわたしが入館したら、すぐに「こんなの上映しますけど」ということで、いきなり「その時歴史が動いた」の上映です。なんか、涙が出てきますね。だって、瀬長さんの悲願だった「アメリカによる支配」が単に「日本による支配」にかわり、なにより基地が変わらずある「今」があるわけですから。しばらく館内の写真を見ていたら「こんなの上映しますけど」ということで、今度は「標的の村」のテレビ版の上映です。わたしのまわりの人たちが「標的の村!」って言ってるのがよくわかりました。
なんかもう、やるせない気持ちがふつふつと沸いてきます。が、これが現実だし、それよりもなによりも、この現実をナイチャーとして引き受けなきゃならないということを、あらためて感じました。

その後、野入さんとしばしカフェでゆんたく。
やがて、Mりさんがやってきました。今晩のコーディネーターです。
てことで、パイカジにてピンクドット沖縄の人たちと交流会。
ちなみに、今回はおそらく観光はほとんどできないのですが、それもまた楽しいですね。「土地と出会う旅」ではなく、「人と出会う旅」ということです。
ピンクドット沖縄のイベントは、ついこの間終わったばかり。きっとみなさんまだお疲れだろうに、しかも完全平日の水曜日というのに、いっぱい集まってこられました。
そういや、ピンクドット沖縄のプレイベントで、とんでもないミスをしてしまったんですよね。でも、Mりさん曰く「いつきファンが増えました」って、結局みなさんネタが好きなんだな。てことで、泡盛を飲みながら、またまたゆんたく&三線のひとときです。野入さんから「10時に電話してね」と言われていたのに、あっという間に11時前。あわててメールしたら「すぐ帰ってきてください」という厳しいメール。これはヤバイ!本番は明日だ!

ヘイトスピーチに抗して→いつもの会議

今日は某研究会の鶴橋フィールドワーク&講演です。案内&講師は郭辰雄さん@コリアNGOセンター。
去年「どんな話が聞きたい?」って質問したら「ヘイトスピーチについて」って返ってきたので、じゃあということでお願いしました。もっとも、状況は去年からどんどん変わっているので、その人が持っている関心事と今が一致するかどうかはわかりません。が、実は変わらないこともある。チヌンさんなら、きっと「変わったこと/変わらないこと」を話してくださるだろな。
で、まずはフィールドワーク。
でも、わたしはスイーパーだから、ほとんど話が聞けませんでした(笑)。まぁ、主催者なので、これでいいのです。
で、講演。
まずはご自分の話。そして、鶴橋/生野における在日の歴史の話。それを押さえたうえで、いよいよ本題へと入っていかれます。久しぶりに「あの」映像を見ました。きついです。なにがきついかって、いろいろきついです。なぜなら、「知りながら動かなかった」自分をあらためて感じさせられる映像なんですよね。
で、あのようなヘイトスピーチがもたらすものはなにかって話。ひとつは当事者に与える傷。そしてもうひとつはこの社会の人権意識の低下。そこなんです。まぁ、鶏/卵の関係ってことも言えますが、であるなら両方のとりくみをするしかない。そして、まずはできることからやる。
それにしても、法律ができてほんとうに変わったんだなって思いました。川崎の映像を見て、涙が出てきました。
でも、たぶんいろいろ形を変えながらヘイトは続くんでしょうね。楽観をせず絶望もせずに、ひたすらできることをやるしかないのかな。

その後、茂利屋で呑み(笑)。
でも、わたしは6時半には出なきゃなりません。さっくり呑んで、次の会議の場所へ。
毎月やってる某会議です。今日も熱い議論をふっかけてしまいました。
で、会議のあとは、またまた呑み会。「帰るぞ」って言われたのが11時半。今日も日付変更線をあっさりとまたぐなぁ。

午前も午後もムラ関係

今日の午前は「第二の故郷」の定例の会議です。内容は中学校の学力についての分析。
ジーっとグラフとデータをにらみながら、何が出てくるのかを考えて、「あぁ、なるほど、そうか」と。
とかくみなさん平均点とか正答率を気になさるのですが、わたしは少なくともテストの結果については点数分布が気になります。そしてできれば、その分布がどのように推移していくのかがわかれば、よりよい。
ちなみに、全国とか京都府のように母数が多くなると、当然0点〜100点まで分布します。ただ、これ、すべての学校に0点〜100点がいるのではなく、点数分布が低いところに固まっている学校もあれば高いところに固まっている学校もある。そんな、いろんな学校が混じり合って、全体の分布ができる。だから、当然「標準偏差」は、全国>京都府>学校となる。で、その学校の分布がどのあたりに位置づいているかは、平均点とか中央値を見ることでわかる。
今回のデータを見て感じたのは「学力が上がってきてる」ってことでした。いや、性格が悪いから、なんとかあら探しをしようとするのですが、まぎれもなく「下が切れてる」んですね。これはものすごく大きな変化です。
となると、今までの猛烈に勉強が苦手な子へのサポートはやめちゃいけないけど、その少し上の層をターゲットにしたとりくみをする必要が出てくる。逆に言えば、その段階に来たってことなんですね。
これ、「子どもの実態が変わった」なんて言葉では片づけられない大きな変化です。なんというか、25年くらいかけた、ものすごく地道なとりくみが実を結んでるんだろうなってことをあらためて感じました。

そんなことを考えながら、午後からはそこから山ひとつ隔てたムラのフィールドワーク。ここでは、古ーい友だちが、これまた地道なとりくみをしながら子どもたちを集めています。でも、そこのムラをきちんと歩いたことは、実はありませんでした。
一歩歩くとびっくりです。「未実施か?」と思わず感じてしまうほどの悪条件な場所に、今も人は日々の営みを続けておられます。が、「そんなん、引っ越したらええやん」とは言えない。引っ越すかどうかについては、それぞれの家のさまざまな事情があり、その事情は単に「その家」にまかされるのではなく、「地域」とからまっています。そして、その「地域」は地域単独では存在せず周辺地域ともからまっていて、しかもそれは歴史的にもからまっている。そうやって、「家族」や「個人」は存在している。
そういうことを、やはりムラ中を歩くとそこここから感じとることができます。
そして、説明を聞くと、それが立体的に浮き彫りにされてきます。
そんな中で、友だちの地道なとりくみはもちろん、地域の運動の行政の地道なとりくみが人々を助けてきたんだなって感じさせてくれるところもありました。
いや、とてもいいフィールドワークでした。
これからも、こことは細くともつながっていこう。

こんなフィールドワークもいい

どうやらわたしは「人」にあまり興味がないらしいです。こないだ生徒にも言われました(笑)。かと言って、「自然」に興味があるかというと、ないわけじゃないけど、そんなにガッツリとあるわけでもない。じゃ、きれいな町並みが好きかというと、ぜんぜん興味はありません。じゃ、なにに興味があるかというと、例えばトマソン的なものとか、人の生活臭のするものなのかな。「人」そのものではなく「痕跡」に興味があって、その痕跡から「人」を感じる。たぶん、そんなあたりなんでしょうね。
そんなわたしにとって、「竹田地方」はうってつけのところのようです。というのは、このあたり「隠れキリシタン」の痕跡があるとか。なので、連れて行ってもらいました。
うわぁ!こ、これは!

T字型の十字架です。
別のところに行くと、こんなものが…。

隠れキリシタンの洞窟礼拝堂です。前の白い扉、実はカギはダミーでかかっていません。中をのぞくと…。暗くて何も見えない。けど、ストロボをたくと…。

ぼんやり十字架が浮かび上がります。
こんなものが武家屋敷のすぐ裏手にあるんですから、江戸時代の武士たちがこっそりキリシタンやってたんだろなとか、妄想が広がります。
時間はちょうど5時すぎです。この暗さがいい。きっと、こんな時間にここに集まってたんでしょうねぇ。

てことで、フィールドワークを堪能したところで、懇親会会場へ。
友喜荘」というところです。
雰囲気、最高です。料理おいしいです。ビールはヱビスです。
そんなところで、いろいろ話。楽しい話も、しょーもない話も、ちょっとつらい話も、こんな時は大切です。
もしかしたら、こういう時のわたしは「マレビト」的ななにものなのかもしれません。ふだん誰にも言わないことを、ふと話す。それは「わたし」に話しながら「自分」に話すこと。すでに結論はわかってる。でも、「自分に話す」ことで、その結論を発見する。
わたしは、ただ、そこにいるだけ。

8時すぎにおいとまして、そこからK村さんのおうちへ。
暖炉で焼いたピザをごちそうになりながら、呑み直しです。
楽しい夜はまだまだ続きますo(^^)o

首まで浸かる

今日は某人権教育関係の研究会。テーマは「部落差別」です。午前はフィールドワーク。午後は部落史の講演。
まずはフィールドワーク。いやぁ、やはり「パチモン」とは違います。講師の山内さんは、地元でガッツリ研究と実践と運動をやっておられる方ですから、中身が濃い。しかも、「個人の立場」とか「私見」とかを遠慮なく話されるのでおもしろい。
にしても、こういう話を聞いたら、またまたそれを「パチモンお散歩」に取り入れてしまうのが、わたしの小器用なところです^^;;。

午後は「戦前から戦後の部落史」。これまたおもしろい。いままで戦前から戦後の部落史って、どうしても「運動の視点」とか「実践の視点」で見てきました。でも、現実には政治体制とか社会状況とか経済状況とかっていう大きな流れの中で「それ」があるわけですね。例えば「戦前の10カ年計画」が総動員体制の中で必要だったとか、同和対策事業が高度経済成長とリンクしてるとか。まぁ、運動側からすると「運動の結果勝ちとった」ってならなくなるのはイマイチな話です。が、もちろん「運動がなければ実現できなかった」ということを含み込んでなお、大きな時代状況を踏まえなきゃ、「次の一手」が打てない。というか、打っても実現に結びつかない。
だから、「醒めた目」って必要なんだろうなぁ。

研究会のあと、若手教員から「なぜ最後の人権学習って結婚差別なんですか?」という質問を受けて、しばし絶句。いや、15年前なら答えられただろうけど、なんか答えられなくて。なので
「なんでやろねー」
「でも、センセーのところでもやっておられるんでしょ?」
「いや、やってないですよ」
みたいな会話。
たぶん、一般的には「もっとも誰にでも起こりうる話で、今も残る差別」みたいな説明になるんでしょうね。でも、わたしはその前提となる結婚制度そのものを問わなきゃならんと思ってるし、その観点で教材つくると文句言われるし(笑)。
ちなみに、結婚差別と言えば、やはり出てくるのは「宿毛」です。で「宿毛 結婚差別」でググるこんなのが出てきました。

「センセーなら最後にどんな話をされますか?」
って聞かれたので
「「人権とは考えることではなく行動すること」って言うだろうなぁ。で、それを子どもたちに言うってことは、自分に返ってくるってことで、だからいろんなことをやってるんですよね」
みたいな返し。
なんか、話が盛り上がって、「じゃあ、少し飲みますか」と、思わず「わかば」に行ってしまいました。だって、人権担当者にはあの空気を吸わせたいんですよね。
で、おもしろかったので、次の予定は遅刻確定です(笑)。

フィールドワーク?→懐かしい面々

朝、食べ過ぎです。おなかが減っていない。でも、今回宿泊しているホテルの朝ごはんはおいしいので、がんばって食べることにしました。てことで、干しタラのスープ。

おなかも一杯になったことなので、お仕事でもしましょうか。「なんでここまで来て」って話なんですが、今日やるかどうかは大きいんですよね。11時までゴリゴリ仕事をして、なんとかやっつけました。
その後、T−マスと新中野で合流。念願の「DGBZ」です。注文したのはもちろん「辛ソバ」。一面真っ赤です。

でもこれ、不思議なほど辛くないです。てか、おいしい。天一以外で完食しようと思ったのはここだけです。さらに、Tシャツも送ってもらえることになり、ほんとうにラッキーです。
で、そのままなぜか神奈川へ。到着したのは「山手」という小さな駅。向かったのは「根岸の外国人墓地」です。

ここにはGIベイビーがたくさん眠っています。なんというか、息を呑む静けさです。墓石があるのはおそらくGIベイビーではない。墓石と墓石の間の広い「空白地帯」にGIベイビーが眠っているんじゃないかな。ところどころに倒れて朽ちた白い小さな十字架があります。
うーん、やはりここは…。このままそっとしておくべき場所なんだろうな。
もしかしたら「この下」に眠っているのかもしれない。そんなことを思いながら花を手向けました。

で、Tーマスとバイバイして、わたしは今日の呑み会会場へ。
久しぶりに会う東ジュンさんやKずみさん。そして、東京でははじめて会う玖伊屋の参加者のIチさん。そしてなぜかKーちゃん。
なんか、おいしい日本酒をガンガン呑んで、あとは「いつきさん、闘ってないよ!もっと闘え!」みたいなことを言われながら、ゲラゲラ笑う楽しいひとときでした。
にしても、帰りに寄った沖縄料理の店のソーキそば。昨日のラーメンといい、おいしかったけど、致命傷だな…。

ウトロづくし

今日は某研究会の課題別研究会。
午前はウトロのフィールドワーク。午後は場所を「第二のふるさと」にうつしてちゃんへん。さんのパフォーマンス&トークです。

まずは午前のフィールドワーク。案内してくださるのはウトロ守る会の斎藤さん。今回は新資料がプリントされてました。どんな話になるんだろ。期待がふくらみます。
斎藤さんの話は、まずは歴史からはじまりますが、これが濃い。なんというか、午前二時の天一のスープのように濃い。こってりとした歴史の話を聞いて、いよいよフィールドワークです。
ところが、これがまた濃い。ふだんはサラッとまわっていかれるのですが、今日はひとつのところで、そこに刻まれた歴史を丹念に話されます。まわったのは、南側の水路と集会所と飯場跡と会長の食堂(笑)と北側の看板くらい。距離にして数100メートルですが、これを1時間ほどかけて話されました。あと、ラッキーなことに途中キョンナムさんが登場されて、しばし思い出話を聞かせてもらえたり。
ものすごく濃いウトロの2時間を過ごして午後の部へ。

「第二のふるさと」の体育館に着くと、すでにリハーサル中です。えらいこってす。
で、しばしパタパタして、パフォーマンス開始。今回は隣にある保育園の園児さんも見に来てくれました。もう、世界一のお手玉にやんやの拍手です。
今回はトーク&ラップのあとは質疑応答があるのですが、これがまたなんというか。トークって「完成されたもの」なんですね。ところが、質疑に対する応答を聞いていると「生身やなぁ」という感じが伝わってきます。
なんというか…。
トークの最中は声も大きいし、そもそも声を張ってる。そして身体も大きく見えます。ところが、質疑応答になると声も普通になるし、そのぶん身体も小さく見えるけど、距離が近くなる。
いろんな顔のちゃんへん。さんを感じて、今日の課題別も終了。

さてと。
帰りに歯医者に寄らなくちゃ(笑)。