ちゃんとしたフィールドワーク

今日は午後から、某研究会のフィールドワークです。「お散歩」などとは違う、ちゃんとしたフィールドワークに参加しなくちゃと思い、参加しました。
コースは、「耳塚」→「祇園さん」→「水平社設立記念の碑」です。
感想をひと言で言うと…。よく知ってはりますねぇ。だって、説明のたびに「質問はありますか?」って、ちゃんと聞かれるわけです。「質問はしないでください」というわたしとは大違いです(笑)。さらにもうひとつ、確信を持てないことは言わない。例えば、豊国神社の鐘楼ですが、当然の疑問として
「戦時中になぜ持って行かれなかったのか」
なーんていうことを考えるわけです。で、質問するわけです。すると、案内の方は
「重かったということですけど、それだけかなぁとは思いますよねぇ(笑)」
とは答えられます。でも、本編では語られません。思わずその答を聞いて
「重かったって、ぜったいウソですよね(笑)」
と言ってしまうわけです。で、たぶんわたしなら
「ウソだと、わたしは思います」
と言ってしまうと思うのです。まぁはじめに「ウソが混じってます」と言ってるから、ウソが混じっててもいいんですけどね。
てことで、これがちゃんとしたフィールドワークかぁと思いました。なんしか、もう少し勉強しないと、案内するの、恥ずかしいですね^^;;

甘い香り

朝、とりあえず出勤して、軽く仕事。
で、電車→バスと乗り継いで、さらに飛行機に乗れば、あっという間に沖縄です(笑)。
高速バスに乗って、途中野入さんと合流して、到着したのは沖縄南IC。今日の目的地はコザです。
まず向かったのは、「ヒストリート」なる沖縄市資料館みたいなところです。
去年は「伊波普猶」からはじまる旅でしたが、今回は「コザ暴動」なんかに代表される米軍統治下の沖縄を知る旅のようです。もちろんプランニングは野入さんなので、裏の裏を楽しめます。

で、ヒストリート、おもしろい!いや、おもしろいと言ったら語弊があるのかもしれませんが、やはりおもしろいんですよね。とにかく、写真がおもしろい。もちろん、写真の真ん中あたりもおもしろいんですが、その周辺がおもしろい。野入さんとふたりで声をかけあう内容は
「あ、アメラジアン!」
です。
なんというか…。べたりと単色で塗られた風景にアメラジアンの子どもたちの存在は色鮮やかに浮かび上がる感じがするのです。それは、本人の意思かどうかは関係なく、時代の申し子が「単色であること」を拒否して「多様性」を主張している、そんな気がしてならないのです。
他にもコザ暴動の写真とか、「black is beautiful」の写真とか。複雑です。幾重にも重なった抑圧の構造がここにある感じがします。
「A票」の話とか「off limit」の話とか、なんしかこの小さな資料館ひとつで半日かかりそうな豊富な資料があります。

でも、そろそろお腹が減ってきました。
ヒストリートでPクさんとかK城さんとかと合流して、向かうは「ブンガロ」。ところが、クーラーが故障してるとかで休業です。「では」ということで、「大衆食堂Mickey」へと向かいます。沖縄の定食屋、一度行ってみたかったんですよね。もう、タコライスとかテビチとか、めっちゃおいしいです!

その後、中の町へ移動。ここで、エイサーの練習の見学です。とはいえ、今日は二軍。中高生の練習です。ところが、これがいい!もう、目の前で繰り広げられる練習風景が、そのままドキュメンタリーになりそうです。なんか、青年団の結束というか…。先輩のにぃにぃがロールモデルなんですね。子どもたちがにぃにぃを見上げるその目がキラキラしています。こうやって世代を継いでいるんだろうなぁ。感動しました。

そんな風景を堪能して、さて、帰ろうかとタクシーを探しに再びまちなかへ。と、前を歩く米兵らしきバディの手元にはタバコが…。匂い、甘っ!タバコじゃないじゃん(笑)。
ま、そんなこんなで、ようやく野入さんのおうちへ。ここで古酒呑んでるうちに寝ちゃいました。
てか、明日が本番だよ^^;;。

どの角度から語るのか

今日はウトロのフィールドワークです。
大雪注意報が出て、京都府南部にも小雪がちらつく今日、なにが悲しゅうて外を歩くねんって話ですが、夏に日程を決めたのでしかたないんです(笑)。
今日お願いしていた講師はもともとはS藤さんって方だったんですが、体調を崩されて、急遽T川さん*1って方がピンチバッターです来られました。
T川さんの話、とてもよかったです。
もちろんS藤さんの話はウトロの現実をとてもていねいに話されて、すごく勉強になります。それはそれでとても大切だと思います。それに対して、T川さんの話は「守る会」としての話なんですね。つまり、支援者としてウトロをどうまなざしてきたのか。そして、自分にできることはなんだったと考えたのか。そして、支援者として今後ウトロにどうあってほしいのか。そんなことを話されたように思います。
これ、一歩間違えると「当事者の主体性をさしおいてなにを」みたいはことになりかねないのですが、きっと、いや、絶対にそうはならない。なぜなら、ウトロと守る会はそういう関係をつくってきたからです。その何人かのうちのひとりがS藤さんでありT川さんである。そして、T川さんの「役割」は、たぶんT川さんが語られたことなんだろうなって、わたしなりの20年のウトロとのつきあいの中から感じました。

ひとつの町をめぐって、いろんな語り口がある。ひとつの物事には多面的な見方がある。そんなあたりまえのことを、今日再び感じさせてもらいました。

*1:外川さんではない(笑)。って、わかんねーよな^^;;

さて、帰ろう

今日は帰るだけです。でも、フライトの時間が遅いので、どこかちょっとまわろうかなと。でも、ガイドブックもないし車もないし。ま、出たとこ勝負です。行きたいところはもちろんあります。栄町市場の昼の姿を見たい。
てことで、宿舎を出てバスに乗って安里へ。って、バス停の安里とモノレールの安里、ぜんぜん場所が違うじゃん。ま、いいか。歩きましょう。
なんだろ。京都の夏の暑さは湿度との闘いです。沖縄は…。やはり湿度は低いですね。でも、気温は高い。どんどん汗が吹き出てきます。サウナです。ま、昼の○ールがおいしいってもんです。
で、到着。
とりあえず、夜は一変する「街」の写真をパチリ。

ここ、初日に野入さんから
「今度来る時、あそこの旅館に泊まる?飲み屋も近いし、便利よ」
って言われたところです。ちょっと違うな^^;;
で、栄町市場をふらふら。もう、おばあとおじいの街です。でも、みなさん野菜の掃除なんかをしながら働いておられます。あ、一部「自然食品の店のレクチャー」のために並んでいる人もおられましたが…。
さて、お昼ご飯を。なににしようかなと思いながら、あたりをふらふら。ちょこっとネットで調べてみたりして、最終的に入ったお店が、初日に野入さんに教えてもらった「万富」というお店。なんでも「むじ汁」で有名な店だとか。

そうか。ずいきをこうやって食べる方法もあるんですね。今度つくってみよう。いつかわからないけど^^;;
さてと、あとはお土産を買いに国際通りに行きましょう。
うわ。観光客多!こんなに人が来てたんや…。それにしても暑っ!
途中で「こりゃだめだ」と思い、てきとうに買って空港へ。
さぁ、帰りましょう。

てことで、今回の反省点。
日傘か帽子は必需品。日焼け止めは必ず塗る。ですね。

沖縄てんこ盛り

さて、ここからは「趣味の沖縄」のはじまりです。
まずは「アメラジアンスクールインオキナワ」です。

小さなスペースに、おもちゃ箱のようにいろんなものがぎっしりと詰まっている感じです。なんか「もの」だけじゃなくて「思い」も詰まっているんでしょうねぇ。そんな空気が伝わってきます。
で、感じたのは、なるほど。暴走機関車にとっては、ここは「アウェイ」だなということ。そんなことを野入さんに話すと
「海外帰国生徒が「なつかしい」って言いますね」
とのこと。これまたなるほど…。

昼ご飯の後は、野入ゼミに乱入。今日は学生さんがふたり発表です。ひとりはジェンダー関係の話。もうひとりは離島出身者の話。おもしろい!荒削りだし、思考の深さも足りないんだけど、「そこを見るか!」という感じです。僭越ながら、いろいろツッコミを入れたりもしながら
「温泉掘り当てた感じが…。あ、温泉ないのか。油田を掘り当てた感じですよ」
とわけのわからないコメントをしちゃいました。
それにしても、あんなんでよかったのかなぁ…。

その後、学生さんの車に乗せてもらって、伊波普猶のお墓参りです。
今回野入さんから
「どこに行きたい?」
と聞かれて、う〜んと答えに詰まって、最初に出てきたのが
「伊波普猶のお墓」
でした。もちろん野入さんからは
「お墓^^;;」
というメールが返ってきたのは言うまでもありません。
でも、わたしにとっては「沖縄学のまなざし」という映像と出会ったことで、ようやく沖縄人権学習の教材ができたわけで、やはりお礼を言いたかったんですよね。
ちなみに、道中に学生さんに
「伊波普猶って、学校で習いますか?」
と聞くと、
「小学校の時に」
との答えでした。やっぱり教えてるんだ。教える内容が地域によって違うのは、おそらくは本来の姿なんだと思うんですよね。それを全国一斉のテストで学力を測ると、そりゃ地域差が出ます。もしも沖縄で教えていることをベースに全国一斉テストをやったら、たぶん他地域はボロボロですよね。
「桜は一番寒い時に咲くものだよね〜」
「テレビで梅雨の話をしている時、こっちは台風で大変だもんね」
なんて話をしています。そりゃそうだわな。経験から積み上げられたものとテストに出題されるものの2重構造は、もしかしたら過重な負担をかけているんじゃないかなぁ。
てなことを考えながらお墓参り。

有名な言葉

彼ほど沖縄を識った人はいない
彼ほど沖縄を愛した人はいない
彼ほど沖縄を憂えた人はいない

さて、次に行くのは嘉数高台です。
ここはもともとは拝所(うがんじゆ)だったとか。

「なーんにも飾ってないし書いてないのは、みんなここが「うがんじゅ」だっていうことを知っているから。そして、この山そのものがうがんじゅだからなのよ」
って野入さんが説明してくださいました。
ところが、地上戦においては高台をとると優位に立てるために、ここをアメリカ軍と日本軍が取りあって、山の形が変わるほどの激戦地になったとか。
階段を上っていくと…
「あ!」

オスプレイです。
山の上には各地の戦没者の慰霊碑があります。すべて兵隊さんの慰霊碑です。地元の人の慰霊碑をあとで見に行ったのですが、なくなっていました。なんでも赤いペンキをかけられたり削り取られたりしていたとか。
少し山を下りると「大獅子」がいました。

もう一回上に上がって、今度は展望台から普天間基地を見ます。

ひっきりなしに飛行機が飛んでます。同じジェット機がしょっちゅう飛んでいるところを見ると、タッチアンドゴーの練習をしているんでしょうか。ちなみに、下界からはエイサーの練習の音や子どもたちの遊ぶ声もしています。遠くの方で聞こえる放送に耳を澄ますと、
「来週不発弾の処理をします。○○交差点は全面通行止めです」
って言ってます。ここはまだ戦後なんだなぁ。そして今は戦前でもあるなぁ。てことは、ここは戦中なのかなぁ…。そんなことをふと思いました。
その後、近くのガマに移動。そうかぁ、こういう自然の洞窟にみなさん避難していたのかぁ。

その後、沖縄の野菜を使った朝鮮料理のお店へ。
ここで朝鮮大学校出身の弁護士さんと合流。めっちゃ変な人です。
「ひとつの枠でものを考えようとすると、必ずそこからはみ出るものがありますよね」
「うんうん」
「てことは、すべてを包括する概念は…」
「変態ってことですか」
「そうですよね」
「そのうち、変態のサマースクールとかできて」
「変態の先輩がグループの論議を聞きながら「うんうん」ってやって」
「「自己開示だ!」とか言って」
「僕も学校に帰ったら変態を自己開示します!って宣言したりして」
「変態の先輩が「よーし!」とか言ったりして」
ツボにはまって、おなかがよじれました。

で、帰りに寄ったのが沖縄国際大学です。もちろんヘリの墜落現場を見るためです。

まぁここでもお金があちこち動くわけで…。

てことで、部屋に帰ったらバタンキューでした。

はーるばる来たぜおきなっわ〜♪

昨日の呑みすぎで、少々しんどいです。外へ出るのがおっくうです。でも、行かなくちゃ…。
てことで、電車に乗って南の方へ。途中乗り場の検索をすると…。「関空第2ターミナルビル?」そんなのあるんだ…。はー、ピーチ専用なんだ…。
とりあえず第2ターミナルビルのコンビニで昼ご飯を買って、燃料補給です。
で、飛行機に乗り込む…。いやぁ、地べたを歩いてタラップへ向かう、このオープン感覚はいいですね!クセになりそうです。
てことで、しばらくウトウトしたら、沖縄です。
さて着陸…。は?F15?んなもんおるんや!そう言えば千歳にも戦闘機がいますね。
空港からモノレールへ移動。爆音が聞こえてきました。音でか!てか、音の移動スピード、ハンパないです。遠慮ってものを知らない感じです。ま、「戦場の延長線上にある」ってことなんでしょうね。
で、モノレールに乗車。途中、天一の看板を発見してひとりにやついたりして。
お次はバスです。バス停で座り込んで待っていると、おばあがやってきて
「どこから来た?」
「京都です」
「あー、京都か。うちの子どもがR大学行って、いまは横浜で仕事をしてる。本土の大学にいったものは、みーんなあっちで結婚して住みよる」
「あー、それはあっちの田舎でも同じですよ」
「そうか。あっちは仕事あるんかねぇ」
みたいな会話。なんか、いきなりすごい会話をしてしまいました。
で、バスに乗り込んでひょいと上を見ると…。

あー、飲食禁止ですね。しかし、ハンバーガーか…。

で、到着したのは琉球大学。ちょっと迷った後、無事、野入研究室に到着。
とりあえずあいさつをかわして、「おばあ」の話なんかをして…。
「えー!いつきさん、それ、めっちゃ典型的な語りですよ。でも、インタビューしてもなかなか話をしてくれないし、すごい!」
みたいな反応でした。ラッキーだったんだ(^^)

で、呑みに出かけます(笑)。
連れて行ってもらったのは栄町市場。もう、ワクワクします。
「しばらく散歩しましょう。行きたいところへ行ってね」
てことで、あちらこちらをグルグル。もう、この路地感覚のあやしさがたまりません。
で、「うりずん」というお店へ。
まずはオリオンビールで乾杯。続いて古酒に挑戦です。うん、おいしい!古酒もおいしいけど、料理もおいしい。料理もおいしいけど、話がまたおいしい。

こっちの精神科医はね、ユタとの闘いなんですよ。
ユタも最近人材が不足していて、通りを歩いていて引きこもりの人を見つけたりしたら
「薬なんて飲むな」
ってやるんだって。で、精神科医
「やっと治ってきたのに」
「薬なんていらない」
「いや、本人サラリーマンになりたいって」
「ユタになればいい」
「お金どうするんですか」
「薬なんか呑むからお金がいるんだ。薬飲まなければお金はいらん」
「…、なるほど」

みたいな話とか

ユタもたまに聞こえすぎる時があってね、そんな時は精神科に行くんだけど、治っちゃうと聞こえなくなるから、薬の量を調整して、蛇口をちょっと閉めるぐらいにするみたいよ。

とか…。思わず、「沖縄のマリオさん」もそんな闘いやってんのかなぁとか創造しちゃいました。

で、お店を出て野入さんとバイバイ。小腹が空いたので、近くの沖縄そばの店に行って半そばを食べて、表に出ます。
ちょっとぐるりを歩くと…。
いきなりT田新地感あふれる街になっています。
なんか、もう…。
ディープな夜は更けていきました。

大きな宿題

今日の午後は釜ヶ崎のフィールドワークと講演です。こんなことやってて仕事って、少し気がひけるといえばひけるのですが、「行くこと」「見ること」「聞くこと」「感じること」はとても大切なことだし、なによりそれを「伝える」ことへとつなげることで、フィールドワークは生きると思います。なので、喜び勇んで釜ヶ崎へ。
わたしは記録担当なので、ビデオカメラと三脚とテーブルタップを持っていかなきゃなりません。もう、リュックはパンパン。お弁当が入りません。てことで、お昼ごはんは現地で食べることにしました。
さて、どこに行こうかな…。
と、ダメダメ先輩から天の声。
「西成行くならココルーム。!」
てことで、ココルームへ。

なかなかおしゃれでぁゃιぃ感じです。サイトには「ランチ」なるメニューがあったので、
「すみません、ランチありますか?」
と聞くと
「みんなで食べますか?みんなで食べるのがうちの名物なんです。もう少しなんですけど…」
と、なんか難解なことを言われてしまいました。まぁ、ちょい早めに着いたので
「じゃぁ「みんな」で」
ということで、しばし上田假奈代さんと話。というか、
「ダメダメ先輩に行けって言われまして。わたしいつきっていいます」
と自己紹介したら
「こないだいつきさんの話をしてたところで」
とか、これまた難解なことを言われてしまいました。
まぁ、そんなこんなで自己紹介をしているうちに
「そろそろ食べましょうか」
と声がかかったので、奥の座敷コーナーへ。
なるほど。これが「みんな」の意味ですか。簡単に言うならスタッフの昼ごはん時に一緒に食べるということなんですね。
てことで、机の上にはおかずがいっぱい!

たぶん、「みんなで食べる」ことに意味を見出しておられるんでしょうね。みんなで話をしながら食べると、なんともいえずおいしいし、なんとなく気が緩むのか、ふだんなかなか聞けそうにないこぼれ話を聞かせてもらったり。わたしも初対面なのに「居候気分」でごはんをパクついてしまいました。

で、昼ごはんを食べたところでココルームをあとにして、集合場所へ。
今日の案内は「野宿者ネットワーク」の生田武志さんです。
まずは、フィールドワークをするにあたっての注意事項から。そりゃそうです。生活の場によそ者が踏み込むことをフィールドワークというのですから、それなりの礼儀は必要です。
で、街を歩きはじめます。
わたしは大学時代に何度かカマには来たことがあるし、3年ほど前にも一度来させてもらっています。なので「新鮮」って感じではないのですが、やっぱり「来る」って違います。テレビなんかでは絶対に伝わってこない暑さとにおい。そして、きっとカメラでは捉え切れないであろう細かなところ。というか、カメラの場合も細かなところを捉えられるんでしょうが、それはあくまでもカメラさんやカントクさんの感性であって、わたしの感性ではない。あとは「ノイズ」の出す空気感ですか。
約一時間のフィールドワークで、カマの空気をたっぷり吸って、「喜望の家」へ。ん?ここ…。大学時代の夜回りの時に泊めてもらった家でした。そっかぁ、ここだったんだ。

生田さんの話は…。
おそらくは今の日本が抱えている「軋み」みたいなものがすべて詰まった話でした。
現在、野宿者の数は20000人。かつてと比較して激増していること。そして、広域化していること。これを生田さんは「釜ヶ崎化」と呼んでいました。そして、現在の特徴として、若者と女性の野宿者の増加がある。その背景にはさまざまなものがありますが、虐待とDVも無視できない要因である。
そしてもうひとつ、なにが一番困っているかというと、「襲撃」があげられる。数々の襲撃事件を紹介してもらいましたが、「襲撃」ではなく「殺人」ですね。そしてやっているのは10代の男性。つまり、中・高生であるということ。この子らは「人を傷つけないと生きていけない」状況に追い込まれている。「ハウスはあってもホームがない」という言葉が印象的でした。
ちなみに、「傷つけなきゃ生きていけないのは男性だけではない。女性はどうしてると思いますか?」との質問。自分を傷つけている。つまり、リストカットや拒食。たぶんODも入るんでしょうね。
つまり、襲撃をなくすためには「人に優しくしましょう」などという「道徳心」が必要なのではなく、こうした子どもたちの抱える状況をなんとかしなくてはならない。
わずか一時間と少しではあったけど、そんなこんなを聞き、考えさせられる話でした。

にしても…。
この話から、わたしは学校の中で、更に言うならば、人権学習の中で何ができるんだろうか。あるいは労働の学習を通して何ができるんだろうか。「野宿者にならずにすむ学習」?違いますよね。「野宿者に優しくする学習」?これも違いますよね。ふたつとも大切ではあるけど、それを目的にするのは間違っている気がするのです。貧困問題。それはそうなんですが、教材に落とし込むのはあまりにも漠然としすぎてます。たぶん、この間つくった教材は、そこのブレや迷いがあったんでしょうね。ま、ブレや迷いがあることが悪いとは思いませんが…。
いずれにしろ、すごく大きな宿題をもらえた半日でした。

大人の遠足・刑場跡をたずねる

朝、パートナーは美容院に行くとか。。わたしはヒマなんでポテサラをつくったり、小芋を炊いたり、ゼンマイを炒めたり。今週もおべんとがいりますからね。
で、選挙に行って、「マシな選択」をしてお出かけ。
今日はヒューライツ大阪の大人の遠足・三回目です。
実は、刑場あとのフィールドワークの原型ともいえるものは、かつてA久○さんに案内してもらっていたんですよね。てか、さらにその原型になったのは、いつぞや一緒に呑んだあと、帰りひとりで歩いて帰られた時で、数日後
「いつきちゃん、おもしろいのよ!」
みたいな話だったような記憶があります。で、その時の「思いつき」をそのままにせずに形にするところがさすがということです。
で、遠足ですが…。車の音がうるさくて説明が聞えない(T_T)。まぁいいや。また個人的に教えてもらおうo(^^)o
その前にすんごい資料をつくってくださっているので、そいつの読み込みをしなくちゃね。
遠足のあとのIルソンさんの話は時間が足りなくて残念!まぁ、これもそのうちどこかの呑み屋で聞かせてもらいましょう^^;;。

てことで、みなさんは懇親会に行かれたけど、わたしは別方面へ…。

お散歩とか

今日は滋賀県にある「お肉の町」のフィールドワーク&講演です。にもかかわらず、こんな日に限って雨!それも警報出ています。やはり日頃の行いの悪さかなぁ^^;;。しかも、JR神戸線で人身事故!ダイヤ乱れまくりらしいです。まぁ、わたしは車に乗せてもらったので関係ないのですが、他の参加者が大変です。
それでもなんとか予定通りの時間に開始。
まずは地元の会館の中にある歴史資料館の見学。なんというか、おどろきです。いろんな資料が、あまりやる気なく(笑)おいてあります。でも、かなり貴重な資料です。まぁ「町史」も出ていることですから、基本的にはすでに既知のものでしょうけど、それでも興味深いものが多々あります。
その後、雨もこやみになってきたので、お散歩開始。講師のM下さん、いちいち
「ぬくいなぁ(笑)」「でも雨でよかった。人が出てへん。人がいたら「見せもんちゃうで!」て言われる」
と、いちいちあさって方向のギャグを飛ばします。それで笑う人、たいがいやし(笑)
「ここ、百貨店がふたつもあるんです(笑)」
とか
「このあたり、昔はパチンコ屋とか映画館がありました」
とか、かつてほんとうに栄えていたことがわかります。というか、今もお店がメッチャ多いです。
「ここの町にいたら、外に行かなくても生活できるんです。だから、一歩も出たことない人が「差別ってまだあるんや」って言わはるんです」
うんうん。そういえば、かつて山口にいるK口くんも、ばぁやんのことで同じことを言っていたなぁ。
やがて、M下くんの職場の食肉加工会社に到着。社長さんが快く冷蔵庫の中の枝肉を見せてくださいました。
かつてわたしはこのムラの屠場を見学させていただいたことがあります。あの時、
「牛を割るって芸術やなぁ」
と思いました。その同じ経験をみなさんにしてもらいたかったのですが、いまはなかなか屠場の見学ができません。そういえば、もうひとつ感動したのが自動車解体業だったのですが、あれもいまは芸術じゃなくなっているみたいです。
でも、冷蔵庫の中の枝肉を見た瞬間、みなさんのテンションが一気にあがりました。そりゃそうです。せいぜいが本やテレビの中でしか見られない光景が目の前にあるんですから。
続いてムラの神社に行きました。この神社、まさにムラの神社なんです。すごく珍しいです。でも、M下さんはそんなことおかまいなしに神馬を指して
「サイボシ」
とか言ってます(笑)。この人、ダメです。
で、フィールドワーク終了。お昼ごはんの時間ですが、M下さん
「このへんに食堂ないので、あそこのスーパーでなんか買ってください。地元に金、落としていってください(笑)」
と、郷土愛あふれる案内です。

午後からは、M下さんの講演。
とりあえずモノマネから入ってきたのにはビックリしたけど、なかなかのものです。で、生い立ちとか、ムラの思い出とか、その中で考えてきたこととか、今やっていることとか。とおり一遍といえばそうかもしれないけど、どの青年の言葉ひとつとっても、それぞれがそれぞれの生い立ちの中を通して「いま」を生きていることが伝わってきます。その共通点からいかに学べるか、小さな違いをいかにして見つけそこから学べるかは、講演者の問題ではなく、わたしたち聞く側の問題かなぁと、いつも思います。
ちなみにM下さんの話を聞くのははじめてでしたが、うん、よかった!モノマネもうまかったし(笑)
てことで、楽しく充実した一日を過ごさせていただきました。
M下さん、ありがと!また総括呑み会しようね*1

*1:参加希望の方は連絡ください(笑)

突然フィールドワーク

今日は伊丹の人たちのフィールドワークが京都市内であるとか。知り合いの渡辺さん@穀雨企画室の案内だとか。東九条マダン事務局長でもある渡辺さんがどんな案内をされるのか、すごく興味があったので、
「これは行きたい!」
と思ってました。でも、通常営業日なので無理かなと思っていました。で、けさのけさまで迷っていたのですが、
「やっぱり行こう!」
と決断。管理職にも話を通して(笑)、昼前にガッコをりだりだ。
円山公園でお弁当を食べて、待ち合わせ場所へ。と、向かってる最中、渡辺さんとばったり。ちょうどいいので、いろいろ互いに近況報告をしたり、愚痴を言いあったり(笑)。
で、フィールドワーク開始。伊丹のみなさんはすでに午前中の部を終えられています。午前は鳥野辺の話だったとか。行きたかったぁ!で、午後の部は花街*1の話。たしかにこのへんはそうですわな。その後、阿国の像へ。
「江戸期のはじめのことなんですが、やはり女が男の格好をして踊ることはダメだったんでしょうねぇ。で、男がやりはじめたけど、歌舞伎には女役もいる。だから女形も出てくる。でも、女が男の格好をするのがダメなら、男が女の格好をするのもダメだと思うんですがねぇ」
って解説があったので、思わず大ウケしてたら、伊丹の皆さんも気がついて、みなさん大ウケ。と、渡辺さんも大ウケ。
「それが、現代はこうなるんですよ」
と、わたしを指して言われたので、思わず阿国の像に向かって
「先輩!」
と叫んでしまいました(笑)。
今度から使おう(笑)。
そのあと、東九条へ。こちらの方はマダンセンターで、東九条マダンの話。途中何回かこちらにも振られて冷や汗かきました^^;;。
それにしても、渡辺さんの案内、幅広さだけではなく、あちこちに小ネタがあって、
「深いなぁ」
と思いました。うん、勉強になった!
伊丹の皆さん、渡辺さん、ありがとうございました!

*1:「かがい」と読むそうな。そう読まないと、そのスジ人から笑われるらしいです^^;;