公教育における部落問題学習の充実にむけて②

朝起きると雨が降りそうです。天気予想どおりです。午後から出張があるので車にしようか電車にしようか。出張だけだったら電車ですが、その他諸々を考えたら車かな。
てことで、車出勤。到着が早い。普段1時間半かけてる通勤時間が1時間かかりません。まぁそのぶん、朝がゆっくりできます。
今日の授業は3・4時間目です。ええかげんテストをなんとかしなくちゃならないので、とりま問題を解こうかな。
てことで解きはじめましたが、どうにも文字が見にくい。なんなんだと思ったら、飛蚊症の糸くずが文字と重なってるんだ。なんか、右目がどんどんヤバくなってますね。てことは、左目をメッチャ使ってるわけで、そりゃ疲れるわ。それでもなんとか問題を解き終えて、スペースの調整をしたり問題の修正をしたり。まぁこんなもんでしょう。
授業の方は試験勉強です。が、少しずつ和やかになっていきます。これはアカンな。40分ほどしたところで、ひとこと。
「みんな、楽しむのはええんやで。ただ、楽しんだ結果テストの点が10点さがるやん。数学が得意な子はええんやで。90点が80点になるだけや。でも、苦手な子はえらいことになる。30点が20点になって赤点や10点の意味が違うねん。それを考えてや」
あまり雰囲気は変わりませんね(笑)。
で、速やかにおべんとを食べて、スタートです。ちなみに途中で銀行に寄ります。
この銀行、時間外のATM使用は手数料がかかります。&小銭まで出せるのはお店だけ。職場から最寄りはATMしかない。お店は少し離れてます。しかも今日の出張先のあたりにはお店がない。家の近くにはあるけど、そこに行くと時間外になります。なので、今しかないという。なので車に頼るしかなかったのです。
で、用事をすませて出張先の第2のふるさとへ。今日は地域の人権教育研究会の総会です。高校教員はオブザーバー参加をさせてもらってます。とはいえ、何十回も来てますけどね(笑)。
到着したら、いろいろあいさつ。その後総会です。オブザーバー参加なので議決権はありません。でも、保・小・中でなにをやってるかがわかるのが大切です。
そして記念講演。今日の講師は上杉總さんです。演題は「公教育における部落問題学習の充実にむけて②」です。「②」とあるように、「①」が去年あったようです。てか、その前も呼んでるし、どんだけ上杉さんが好きやねん(笑)。
ちなみに、部落問題学習のDVDは黒川さんたちもつくっておられます。みんなすごいな。
今回の上杉さんのトピックは3つです。ひとつは「日本国憲法」もうひとつは「渋染一揆」、そしてもうひとつは「東山文化」です。上杉さん曰く、これらはつながってるんだとか。
まずは日本国憲法の話。これは前に聞いた
話なので、ゆるゆると聞いてました。が、小学生が言った最後のセリフに違和感が…。
「今度差別する人がいたら、「あなたは憲法違反してる」って言ってやる」
あとで質問しよう(笑)。
続いて渋染一揆です。わたしはこういう立場なので渋染一揆は授業では扱いません。が、小中のみなさんはお好きなようです。なので、それをどう扱うかですね。
上杉さん、さすがです。まずは「法の下の平等」に引っ掛けられます。つまり、「えたの人たちは渋染を着ろ。それ以外の人は着なくていい」というのが「法の下の平等ではない状況」ということだと。なるほど。
さらに、「渋染でも何でもいい。とにかくえたである印を強制するのが意図である」と。つまり、差別するのが掟だった時代に誰がえたかを明らかにすると、差別する側もその人を差別しなければならなくなる。
このような状況で、なぜ一揆が成功したか。それは「差別したくない人がいた」というところにもっていかれます。なるほど。それなら扱う意味がありますね。
てか、制服って性別で着る服を変えてるわけで、それって法の下の平等に反するなと、ふと思ったり。
そして東山文化です。
これも河原者の話を延々としたあと、東山慈照禅寺の話へと移行します。なんでも足利義政が河原者を奈良に行かせて石か何かを選ばせようとしたとか。ところが奈良の側は拒否したんだとか。それに対して義政がメッチャ怒ったと。まぁそういう話なんですが、つまり奈良が拒否したとき、義政はそれに同調することもできたけど、河原者を擁護する側にたったと。だからこそ、庭つくりを任せていたんだと。つまり、慈照寺銀閣の庭園は河原者がつくっただけでなく、義政もまたつくった一員だったと。そして世界遺産が遺ったと。
なるほど、こういう展開であればいいですね。
歴史を使って伝えるときに、誰の立場で考えるかってのがすごく大切だと思ってます。そして多くは被差別当事者にスポットをあててしまう。でも、被差別当事者とともにいた人にスポットをあてることが大切ってことです。水平社の話も三浦参玄洞にスポットをあてたらおもしろいかも…。
そうそう、質問ですね。
「憲法違反というのは個人に対して言うものではなく権力に対して言うものだと思うのですが」
です。
もちろん差別は指摘すればいい。でも私人間で「憲法違反」はおかしい。もしも言うなら「憲法で保障されている権利を侵害した」とかいう話になるのかな。
細かいようだけど、人権の問題を私人間のことにしたくないんですよね。制度の問題にしたい。そのときに、私人間で起きた差別の行為をどのように制度の問題に結びつけるかってことです。
あとで上杉さんのところに行ってその話をしたら
「「○○しちゃいけない」というメッセージを出したくないってことですね?」
と言われました。そうそう、それもあるんです。
ただ、いいんです。啓発ビデオだから正しいと考えるのではなく、それを使ってなにを伝えるかです。そこでわたしたち教員の力量が問われる。
てことで、帰りましょうか。帰りにウトロに寄って、少し雑談。こんなことができるのが、またいい。
さぁでも、あまり寄り道したら帰るのが遅くなります。帰ってビールを飲まなければ。