木を植えるように

今日は毎年恒例のフィールドワークの日です。去年は、とある大きなムラに行ったのですが、今年は打って変わって小さなムラです。ここ、山肌にへばりつくようにあるムラです。どんな歴史があるんだろう。いったいなにがあったんだろう。ほんとうに興味深いムラです。
ということで、まずは支部長さんの話。
なるほど。冒頭「木を植えるように家を植えているムラ」という比喩。まさにその通りです。道を見ると、めくりあがるようにそびえ立つ道です。こんなところに人が住んでいるということそのものが驚きです。でも、きっと意味があってそこに住んでおられるはずなんですよね。
ここのムラの歴史を聞いていると、かつては火葬場があったとか。お墓の話とか、やたら出てきます。支部長さん、直接はおっしゃいませんが、もしかしたら隠亡系なのかな。わかりませんがね。
それにしても、同和対策事業ができて、なにを改良したいかといった時に、火葬場・お墓、そして上水道、住居。生業と生活です。当然ですよね。そして、子育て。つまり、保育園です。でも、もうひとつあるのはお寺です。ムラの人たちが何を大切にしながら、どんな生活をしてこられたのかがすごく伝わってきます。これがフィールドワークの楽しさですね。
そして外まわり。建物の中で聞くだけではわからないことが、外をまわるとわかります。坂道のたいへんさも、水くみのたいへんさも、すべてが想像できます。もちろん「わからない」けどね。それは、わたしだけじゃなくて、そこにいる人すべてが感じられたんじゃないかな。だからこそのフィールドワークです。そしてなにより大切なのは、例えばわたしの勤務校にも「ここ」から通う子がいるという事実を知ることなですよね。
なんだか、ほんとうに奥深さを感じたフィールドワークでした。

歴史的和解

毎回荒れる呑み会が、今回もやってきました。原因は、まぁ単純に言うなら、人権教育というか、人権学習に関する「軸足」の置き方なワケです。これ、まったくスタンスが違う人であれば荒れもしないわけですが、なまじスタンスが近いだけに荒れるわけです。
ということで、今日も楽しい教科セクションの呑み会が、楽しく荒れました。
が、呑み会が終わったら、いつも荒れる人が「もう一軒行こう」と。となると、しかたありません。どこに行こうかと思ったけど、ここは「リド食堂街」かなと。ということで、いつものお店に行きました。いつものお店のいつものおかあさんは、いつもの通り温かく迎えてくださって、そんなせいもあってか、なんとなくいつも荒れる相手の教員と、のんびりと話をしてみたり。話が終わったら、いつの間にか仲よくなっていました。
まぁ、明日仲がいいかどうかはわかりませんが、こういう日が大切ってことです。

特殊業務2連発

今日はこないだに引き続き特殊業務の日です。でも、今日はこないだに比べたら気が楽です。なにせ、鐘を鳴らさなくていいですからね。基本的には卓を触るだけです。それは簡単なんですが、実はアナウンスの方が話すことに集中できるようにするのが自分の最も大切な役割だと思っています。なので、火の気のない放送室にストーブを持ってきたり、手元が暗い放送机にスタンドを持ってきたり。そういった環境整備は必要だし、タイムマネージメントもすべてやります。
かつて「ふたりも必要ないだろう。ひとりでやれ」と言われたことがあって、あの時は大変でした。てか、神経がもちません。さすがにまわりの人が「それはアカンやろ」と言ってくれたおかげで、その次の年からは2人体制になりました。
まぁ、そんなこんな。
で、特殊業務はさっくり終わって、そのあとは雑務です。と、内線がかかってきました。ジャージが届いた!
さっそく着てみると、薄い!みなさんから
「透けてる」
「アウト!」
と厳しい声が飛んできます。いいんです。どうせ上にウインドブレーカーを着るんですから。
てことで、おニューのジャージを着てジョギング。軽いなぁ。動きやすいなぁ。20年前のジャージとはずいぶんと違います。

ジョギングが終わったら、大阪へ向けて移動開始。何が悲しくて、昨日に引き続き今日も某在日外国人教育関係の謀議やねんと。でも、たぶん他にできる人がいないんでしょうね。まぁ、某団体、つぶすのは簡単です。でも、つぶしたら、もう次はありません。ますます増加し、困難も増えている在日外国人の子どもたちのことを考えたら、その必要性はさらに増していると思います。なので、動かざるを得ないなと。というのがわたしの判断なんですが、こうやって用事を入れると、わたしの時間はどんどんなくなり、雑務をする時間が詰んでいきます。もちろん、家に帰ってからやればいいんだけど、すでに気力がなくなってますからねぇ。
でも、謀議はそれなりに意味があったかな。次につながります。
謀議が終わったところで、なぜか某セミナーの実行委員の人たちが集まっているので、そこに合流して、なぜかミーティングに参加してみたり。
なんだかんだで、大阪を出たのは10時半過ぎ。それでもまぁ、終電ではないから、よしとしましょうか。

限界超えるかもな(;_;)

今日はカントク3連発です。なんでこんなことになったかというと、急遽あさってお座敷が入ってきたからです。あまり気乗りはしなかったけど、お世話になっている人を通してなので、断るわけにもいきません。なので、あさってのカントクを代わってもらった結果3連発になりました。
ある仕事Bが入ってきて、そこにあった仕事Aをどけた時、もともとあった仕事Aはなくなりません。別のところに行くだけです。なので、仕事の総量は増えます。で、時間は一定ですから、密度があがるということです。
さらに、今日は午後から休みをとって滋賀県北部の町に行かなきゃならない用事ができました。なので、午後ゆっくりやるはずだった仕事も午後一番にしなくちゃならなくなりました。
とにかく、職場に着いたらバタバタバタです。

時間を刻むように用事をして、あわただしくおべんとを食べて、職場を飛び出しました。
で、滋賀県の町へ。わたしを待ち構えてくださったのは、町のトップのおふたりです。とは言え、そのうちのおひとりは「講座ではお世話になりました」とか言ってくださったので、やはりお座敷にはいくもんだなと^^;。
で、話の内容は、来年度の某在日外国人教育関係の生徒交流会の会場の交渉です。交渉といっても、もともと受け入れてくださるつもりのところにお願いに行ったようなものなので、格段難しいことはありません。
ということで、ひと通りお願いをしたら、万全の体制で迎えてくださる空気が伝わってきました。まぁ、11年前に受け入れてくださったので、今回もきっと同じように受け入れてくださるんだろな。ほんとに心強いです。

「お願い」が終わったら、湖岸道路をめざします。駐車場に車を停めて、ジョギングです。湖岸を走りたかったんですよね。でも、今日は風が強い!頭の中に「風が強く吹いているー♪」なんて歌がでてくる余裕もありません。
とりあえず、10分走って、そこからもどってきたら20分です。時間走の場合よくやるパターンです。汗なんか出ないほど寒くて、帰ってきたら速攻車の中で着替えて、さてと帰りましょう。今日もビールがうまいだろなo(^^)o。

わたしでええのか?

今日は京都府中部の街でお座敷です。ここの街からはかつては年に何度も呼ばれていましたが、最近はあまりお声がかかりません。それでも、この間久しぶりに「来て」と言われたので「久しぶりやなあ」と思いながら行かせていただきました。ところが、そのあと「新採職員の研修に来てくれ」というオファーがありました。
えーと、「部落差別解消法」とか「障害者差別解消法」とか「ヘイトスピーチ規制法」とか、いろいろ大切な課題があるでしょうに、なぜに大トリをわたしに依頼されるんですか?まぁ、この街のことだから、他のことは先に全部やってはいるんだろうけど、トリってのが照れちゃいます。でも、オファーがあれば喜んで行かせていただくというものです。
てことで、午前遅くに出発。午後早めの時間に到着。会場に入ると、さすがに新採とあって、みなさん若いです。しかも、すでに1年間苦楽をともにしておられるからでしょうね、仲がよさそうです。てことは、場はあったまってるわけで、あとはその場にわたしがシームレスに入っていけるかどうかですね。とりあえず、駅でおにぎり買った時に「ピンク29」を押されたので、そのノリでいきましょうか。
で、話しはじめたのですが、やはり固いな。まぁしかたないですよね。だって、新採研だし、研修担当の人が同じ部屋にもおられるわけで、緊張もしますわな。しかもわたしのネタは古い。一部マニアにはウケるかもしれませんが、万人にウケるネタではありません。でも、そういうのをこじ開けながら話をすると、ところどころでウケる人も出てくるわけで。というよりも、研修担当の人が一番ウケてるし(笑)。
そんなこんなで、中盤以降の仕掛けには、けっこう反応があって、かなりホッとしました。中でも、反応をきちんとこちらに向けてくださる方がおられるんですよね。それがうれしいです。反応は、笑顔だったり、メモだったり、うなずきだったり、表情の変化だったり。そうそう、こちらを見ない人が、こちらに動くのも「変化」ですよね。そういうひとつひとつの挙動の変化がパワーをくださいます。全体的に固さはあったものの、そういう人から元気をもらいながら、なんとか2時間5分のお座敷終了。
ちなみに、今日もテーマは「ゆっくりと」です。で、ふと気づいたのですが、しゃべるスピードが同じでも、わたしが「ゆっくりと」と思っているのと「フルスピードで」と思っているのでは、言葉の初速が違うので、もしかしたら受けとり方が変わるのかもしれないなと。あと、「ゆっくり」を意識すると、余裕ができるので、「これをしゃべるかしゃべらないか」とか「これを入れた方がいいかな」とか、いろんな判断をする余裕が生まれますね。で、今日もブロックごとの時間を計測しながら、タイムテーブルをつくってみました。だいたい、5分の誤差はあるものお、トータルでは昨日と同じです。あと、長くなるにはなるだけの理由もはっきりしました。ということは、もう少しこのデータを集めていけば、より柔軟なこともできそうな気がしてきました。
ちなみに、お座敷のあとはグループ討論とコメントです。グループ討論、こわいです。だって、わたしが話した内容が届いているかどうかがその時その場でわかってしまいます。でも、みなさんの論議のまとめを聞いていると、それぞれの人がそれぞれの生活や仕事と結びつけながら話を聞いてくださった感じが伝わってきました。なので、コメントは、それに直接言及するよりも、そこの残余について話をしてみたり。
そんなこんなで、今日のお座敷も終了。さぁ、帰りの特急でビールを呑もう。

ワイン探し

お座敷が終わって、お昼ごはん。食べるのは、上越妙高駅の近くの「フルサット」です。会場から駅まで4km。今日もジョギングで移動です。今日は24分。たった1分、されど1分がジョギングの世界です。少し飛ばしすぎたかな。
「フルサット」集合住宅のようなお店ですね。ここで、それぞれが思い思いの食べ物を買ってきて食べることになりました。わたしはというと、当然のことながらビールです。ここはせっかくだから妙高高原ビールでしょう。昼ごはんに選んだのは、「ズワイガニパスタ」です。でも、ビールはあっという間になくなります。でも、次に呑むものがない。ワインがほしいけどない。パスタ屋さんに行って「ワインないですか?」と聞いたけど、ない。しかたないので、昨日の残りのウィスキーを呑んだり。

と、パスタ屋さんが来られて「あそこの洋食屋さんにあるみたいです」。わざわざ探してくださったみたいです。なんと優しい!
ということで、無事ワインにもありつけて、昨日今日一緒に行動した高卒生の子とか、新潟市から来られて高校生とかとしばし話。若い子の邪魔をするのが大人の仕事です。いままでいっぱい邪魔をして、嫌われながらも感謝されてきました。だから、今回も若い後輩の邪魔をしましょう。
そんなこんなで楽しい昼ごはんも終了。
新幹線に乗って、しばらくボーとしてたら爆睡してしまいました。目が覚めると金沢。乗りかえなくちゃ。さてと、帰ったらビールだな。

「性と生を考える」学習会

昨日の夜は着替えずに寝たようで、朝方「これはいかん:とジャージに着替えて2度寝していました。それでも7時前に起床。なんでもA井家の定番の朝ごはんをゆっくりといただいて、しばしダラダラ。こんな朝がいいですね。窓からチラリと見える妙高がきれいです。
9時前に会場に移動開始。会場に着くと、すでに準備がしてあります。わたしがやるのはPCをプロジェクタに接続するのとアンプに接続するのと。あり?音声が出ない。うーん、正しいはずだけどなぁ。ふと思いついて、ボリュームをフルまであげたら音声が出ました。原因はこれか…。
そうこうするうちに、お客さんが来られはじめました。事前にかなり宣伝をしておられたようですが、A井さん「知らない人がいっぱい来てる」とのことです。びっくりしたのは、新潟市の高校生がわざわざ来て下さったとのこと。メッチャ遠いですよ!距離は135km。ということは、京都から考えたら、舞鶴の向こうぐらいか。すごいな…。
で、お座敷開始。
今日もテーマは「ゆっくりしゃべる」です。そのために、A井さんに、それぞれのセクションで何分しゃべっているかを計測してもらうことにしました。たぶん、きちんとお座敷してる人からしたら「それ、いままでやってなかったん」とあきれられそうですけど、やってないです。よくあるのが「スライド一枚で◯分」とかいうのもありますけど、わたしはスライドの使い方がよくわかってないので、無駄のスライドがいっぱいあって、「1枚◯分」は通用しないんですよね。
ということで、本題に入る前に「今日はゆっくりしゃべろうと思っています。フルスピードでしゃべって2時間なので、どこまで時間が延びるかわかりません」と宣言。あきれた笑いが心地いいです。
話しはじめると、なんだか調子がふだんと違います。たぶん、わたしのお座敷は、あのスピードで話をすることを前提につくられているんでしょうね。それは、単に早口というだけじゃなくて、リズムとテンポの問題なんです。何が変なんだろう。「間」か。「間」がもたない(笑)。まぁしかたないです。このスピードで最後までやってみましょう。
A井さんは「新潟の人は、あまり感情を出さないから」と言われますが、なんのなんの。あちこちで笑ってくださる方がおられます。あと、メッチャ若い人もそれなりいおられますが、全体的には年齢層が高く、かつ「たぶん男性かなという人」が多くて、通常ならば「これはきついな」という状況なんですが、それがまったく違います。ずっとこちらをニコニコしながら見つめられている方もおられます。なんか、話が伝わってる感がハンパないです。話をしながら、「上越市、いいなぁ」としみじみ思いました。でも、これ、なにもなく上越市がいいんじゃなくて、A井さんも含め、いろんな人たちがこういう空気をつくってこられたからなんでしょうね。
話し終わってもらった拍手はとてもあったかかったです。
ちなみに、かかった時間はたったの5分オーバー。まぁ、そんなもんだろうとは思っていました。2倍速で話すなんて不可能で、スピードを落とすといってもほんの少しのことなんですよね。あと、話すスピードが速くなると、逆にロスタイムが増えたりもします。結局、わたしのお座敷の時間問題は、話すスピードよりもネタが多すぎるということなんですよね。もっとも、A井さんのパートナーさんからは「途中から早くなった」と言われたので、それはそうかな。まだまだ修行が足りません。
あと、A井さんに計測してもらったタイムテーブルを見ると、ほぼ予想通りです。これで、1時間半バージョンとか1時間バージョンをつくる手がかりができました。
今後、もう少しゆっくり話ができるようにしましょう。きっとその方が伝わるはずですね。

セクシャルマイノリティ生徒交流会

現在、セクシュアルマイノリティの集まりの中で子どもたちをターゲットにしたものは、全国にどれくらいあるんだろう。青森の「トランスジェンダー生徒交流会」、東北の「サークル・カメレオン」、東京の「にじーず」、関西の「トランスジェンダー生徒交流会」、福岡の「FRENS」あたりが、まぁ老舗というか、ここ数年のグループですか。
でも、今年度新しく新潟でも交流会が立ちあがりました。それが「セクシャルマイノリティ生徒交流会」です。きっかけは、お友だちの高校教員A井さんが、トランスの生徒をトランスジェンダー生徒交流会に連れて行きたいと思ったんだけど、新潟からはあまりにも遠いので、どうするかと思っていたら、A井さんの仲間が「新潟でも交流会をつくったらいい」と言って、そこから立ちあがりました。ほんとに、極めて正しいですね。どこかの交流会が全国から子どもたちを集めるのではなく、各地にそれぞれの場所にカスタマイズした交流会があることがいいと、わたしは思っているので、「交流会をやった」と聞いて、すごくうれしかったのです。
で、今日は第4回の交流会。なぜかわたしも呼んでいただけました。
てことで、サンダーバード北陸新幹線と乗り継いで、上越妙高に移動。ちなみに、金沢駅のトイレでトレーニングウェアに着替えたり。で、上越妙高駅から会場までの4kmは恒例のジョギングです。25分かぁ。かつてより1kmあたり1分遅いです。でも、しかたないです。これでいいんです。25分走り続けられたことがうれしいです。

で、17時から交流会スタート。それにしても、うちの交流会とは違い、名義だけとは言え、すんごい後援団体の数です。A井さんのパワーを感じます。
今回は残念ながら現役高校生はひとりとのことですが、卒業して間なしの若い人が来ておられます。みなさん、「悩み」のまっただ中です。そんな人たちが、自分の思いを口に出してくれます。たぶん、すごいパワーを使うんだろうな。でもそうやってパワーを使って言葉にすることを通して、自分を見つけることができるんでしょうね。
それにしても、集まってきてる子ら、すごくしっかりしています。この交流会をやるきっかけになった子も来ておられましたが、前に一度会った時とはずいぶんと違っていて、自分を見つめてきたんだなとあらためて思いました。
そして、この交流会を支える大人達の多いこと!それも、教員が多い。京都で交流会をやったとして、これだけの教員が一緒にやってくれるだろうか。無理でしょうね。うらやましいです。
でもまぁ、あまり「すごいな」とばかり思っていてもしかたないので、ふだん交流会で「ツッコミ」を入れてるのと同じように、「自分を女/男と思う根拠はなに?」みたいな、ほとんど回答不能な問いを出してみたりしました。まぁ、ものわかりのいい教員のフリをしてもしかたありません。わたしが呼ばれたのは、子どもたちの脳みそをシャッフルするためだろうから、その役まわりを果たすのが仕事というものです。
てことで、1時間半の交流会は2時間になってしまって終了です。

そのあとは懇親会。A井さんが選んで下さったお店は「DINING BAR SUN LIGHT」です。ちなみに選択の基準はヱビスビールがあることです(笑)。てことで、ビール→ワインをガブガブ飲みながらも、もちろんわたしは「若者」と遊びです。でも、あまりわたしが独占するのもアレなので、、解放同盟の県連の人や、工業高校の教員なのに日本性科学会の会員という人や、議員さんなんかとも話。
議「LGBTの人たちが生きやすいようにするためには、どんな法整備が必要ですか?」
い「LGBTではない人たちと同じ処遇を得られることです。単にそれだけ、とても簡単です」
という、身もふたもない話をしたりして^^;;
そんなこんなで、懇親会も終了です。その後、A井さんの案内でフィールドワークをしながらA井さんのお家へ。A井さんはレズビアンカップルで生活しておられて、なんかとてもいい雰囲気の生活をしておられます。でももちろん、困難は山のようにあるんでしょうね。なんか、こういう家族に諸権利が与えられないことの理不尽さを、あらためて感じました。
とは言え、そういうややこしい話をするわけではなくて、ワインを飲みながら、なんだか話をしていました。が、そのうち、こたつにふとんを敷かれたので、そこに横になると、あっという間に爆睡です。そりゃ、走ってしゃべって呑んだら寝るわな。

打ちあげは延々と

で、打ちあげです。16日のスピーカーの東さんも来られていたけど、車を移動させようと思ったらパンクしていることが判明したとかで、結局車をレッカー移動させなきゃならないところまでいってしまい、今回はパス。
それにしても、あたりを見わたすと、なんだかトランスジェンダー生徒交流会の打ちあげのようなメンバーです。いったいなんなんだ(笑)。でもみんな、それだけ勉強したいと思っているんだろうから、それはとてもいいことですね。
ということで、韓国料理店の1次会は無事終了。その後、O崎さんが「2次会!」とか言うので、2次会へ(笑)。ちなみに、ここで康さんは脱落です。なんでも、こないだの交流会のあとの打ちあげで家に帰れなくなったとかで、その二の舞をおそれてのことだとか。懸命な判断ですね。
ちなみに、2次会の店に入った時点で、ラストオーダーまであと30分とかいう時間なので、ダメダメです。「おなかがへった」というSん輔のリクエストで、食べるわ呑むわですごいことになりました。で、当然のことながら帰れない人も出てきて、いい夜です。

セクシュアリティの病理化と非病理化

今日は夕方から阪大で「SOGIの多様性と共生の課題」なるセミナーです。なので、午後から休みをとって阪大に行こうと思ったのですが、そうは問屋が卸しません。ちょいとヤバイ生徒に追い込みをかけなくちゃ。渡り廊下に呼び出して話をするなんて、本当に久しぶりです。でも、追い込みかけるの、なにげに楽しいです。
その後、駅まで同僚に送ってもらって移動開始。乗換を少しずつ早めていくと、最終的には予定より20分早く着けました。よかった。
軽く打ち合わせをしていると、続々と参加者が来られます。なんだかんだで、30人以上来られたかな。けっこう盛況というか、ニーズがあるんだなと、あらためて思いました。
今日のスピーカーは康さん。テーマは「セクシュアリティの病理化と非病理化」です。「「SOGIの多様性」がテーマなのに、なぜ精神科医がしゃべるねん」という疑問は当然ありますよね。でも、わたしはここからはじめたかったんです。なぜなら、「非病理」あるいは「脱病理」を考えるためには、その前史としても「病理」を抑えておかなきゃならないと思っているからです。ではその時誰に頼むか。それははやり康さんかなと。いや、誰かアクティビストの方にお願いすることも可能だけど、そちらのバイアスは避けたかったんですね。というか、はっきり言って、康さん、「非病理化のアクティビストと違うん」と、わたしは思っています。精神科医として脱精神医療化をするということは、まぁ言うなれば、「自己否定」ですね。
ということで、康さんからの問題提起スタート。はっきり言ってマニアです。なぜに『変態性慾論』を自分で買うのかなぁ。でも、それを自分の手元に持っていないと気がすまないんでしょうね。話の中身は、まさに「非典型的なセクシュアリティを持つ人が、宗教的な罪→犯罪→病理を経て脱病理化されてきた」という世界の動きを押さえた上で、日本においては、「病理」のロジックでものごとが進んでいるということをきっちりと話されました。特に、最後のところでは保険適用についても触れてもらって、最新の状況を教えてもらえたかな。
ただ、いかんせん、gender dysphoriaに偏ってしまうんですよね。まぁそれはある意味しかたないです。だって、康さんはそっちの専門家だし、わたしもトランスジェンダーが専門だし、唯一ほんまなほさんが全体を網羅した感覚を持っておられるけど、司会者ですからね。なほさん、司会者の役割として、一生懸命LGBについても話題が進むようにしようとされるんだけど、聞いておられる人たちもトランスジェンダーに話題を移していくので、なかなかたいへんそうでした。って、そんな他人事でいいのかという話はありますが。
それにしても、日本って、トランスジェンダーに限らず、病理化することで「配慮の対象」にするという感覚が強いですね。それは例えば「落ち着きがない子」も「ADHD」にすることで「配慮の対象」としていることからもわかります。そういう社会において、あるゲイの人が「同性愛も病気だったらよかったのに」という、もうなにがなんだかわからないつぶやきが出てくるんでしょうね。こうなってくると、日本社会全体が病理化されているという感じがするわけで、そんな中でgender dysphoriaの脱病理を人口に膾炙させるのは難しいですよね。さらにそれは、保険適用で一層拍車がかかった気がします。
ちなみに、今回のセミナーでのわたしのチャレンジは「しゃべるスピードを落とす」でした。どうやらそれはうまくいったみたいで、けっこう好評でした。これからもがんばろう。
そんなこんなで、セミナーも修了。