午前は進路研修。某教育産業の人を講師に招いて、大学受験の現状と、ウチの学校の改善点についての話を聞きました。
大学受験の状況って、激変しているんですね。特に、理系の易化が激しいとか。たぶん、人気がないんだろうなぁ。か、そもそも高校段階で理系選択をしていないので、選択の範囲外になっているのかなぁ。そこへもってきて、そもそもの大学受験人数の減少がある。なんかえらいことになっていますわ…。
後半の「改善点」の話。模擬試験(みたいなもの)からウチの学校の学力の変化を分析して、対応策を簡単に話をされたのですが…。まぁ分析はあたってますわな。実感として、学年進行に従って、学力が下がっているというのは、よくわかります。でも、その原因が某教育産業の人が言っているような、授業のノウハウにかかわるところとはずいぶんと違う気がします。なので、「成功例」として出された他校のとりくみ*1とか聞いていても、「ハァ?」という感じしか残りません。でも、学ぶところは学ばなくっちゃね。
午後は、国際教育*2をどう授業に活かすかという話。講師の方は、開発教育の方でかなり有名な人です。ただ、同じ府立高校の教員なので、話にくそうでした。あと、教員の側が「なんだかなぁ」な雰囲気で、これがまた話にくさを倍増させていたみたいです。でも、参加体験型をつかったりして、アイスブレーキングをうまくされたせいか、後半はいい反応があったんじゃないかなぁ。
内容的には、数学科としては、かなり厳しいものは感じましたが、根本的なところで「そう!そう!そう!」というものでした。ちなみに、この人を呼んだ分掌は、開発教育の持つ根元的な意味を知らなかったみたいで、イトしていたであろう内容とのギャップに、思わず笑ってしまいました。
*1:例えば、国公立大学に数十人合格するような学校における習熟度授業のありかたとか…。
*2:≠国際理解教育。詳細はhttp://blog.ituki-d.net/20060714#p1
理系離れはなんででしょうね?すぐ思いつくのは…
1) ゆとり教育で、数学とかの一番面白い(だから一見分かりにく
い)部分が削られたので、数学等理系教科が単にシンドイだけの
ものに見えるようになってしまった。
2) 理系は損だ、という事実が世間に広まった(毎日新聞社「理系
白書」によると、生涯賃金で比較すると理系は文系より5000万円
少ない)。
の2つなんですけど。他にもあるかも?
有名受験コミック「ドラゴン桜」(困難校の生徒が東大を目指す話。ドラマ化もされた)によると「馬鹿とブスは東大(理系)に行け」だそうですけど。結構ホントかも。
関係ないけど(小中教員向けだし)、「京都教師塾」が評判ですね。
生徒からよく言われる言葉「数学やって、なんか役に立つの?」。なんか、最近「役に立つ/立たない」というのが、価値の軸になっているような気がします。その中の最上位は、「即、役に立つ」。
理系って、そういう価値体系の中では、まぁ低いでしょうね。
「京都教師塾」…。思わずなんかのマンガかなぁと思ってググったら、あれでしたか(笑)。まぁ、がんばって…という感じですね。
ウチの学校に来たら、きっと勉強になると思うけど、そういうところに行ったら、みんなつぶれてしまったり嫌気がさしてしまったりするからね〜。
> 「数学やって、なんか役に立つの?」
> 最近「役に立つ/立たない」というのが、価値の軸になっている
??「なんか役に立つの?」を、文字通りの意味に受け止めていませんか?単に生徒さんは、この表現で「数学ってツマラナイ」って言ってるんだと思うんですけど。
私だって、体育の球技や、美術や音楽をやらされる時は「こんなツマラナクって苦痛ばかりのことやって、なんか役に立つの?」ってブーたれてましたし。
そもそも、文科系の学問だって、すぐには役に立たないものなんて一杯あるし。国語の詩歌漢文古文、社会科の多く…
で、「数学ってツマラナイ」が表層の原因だとするなら、昨今の理系離れは上記私の仮定の1)が元の原因な可能性あるかしら。昔っから数学を面白いって思うヒトは少数派でしたけど、最近さらに減った原因は、これくらいしかすぐには思いつかないので。
> 「京都教師塾」
新聞では内容が書かれていなかったんですけど。いつきさんの書き方だと、いつきさんは批判的なんですね。東京の同種のものよりずいぶん人気があるみたいなので、どうかしら?と思ったんですけど。
う〜ん、「役に立つの?」には、おそらく樹村さんの書かれているような意味で言っている生徒もいるかと思いますが、ほんとうに「役に立つ/立たない」を価値基準にしている生徒もいるように思われます。これは、数学に限ったことじゃないですけど。
で、これも書かれているとおり、1)が原因じゃないかなぁ思います。最近のカリキュラム、ものすごいもん…。「積み重ねがなくても大丈夫なように」とか。すると、表面的なところをサラッとなぞるだけになったり「解き方中心」に教えざるを得なかったりするようになってしまいます。
個人的には、「数1」「基礎解」「代幾」「微積」「確統」のころがよかったです。確かに苦手な子はたくさんいたけど、その中にも好きな子もたくさんいたように思います。
> 教師塾
もちろん、詳しい内容はわたしも知りませんが、「教員になりたい人」の意欲をそそり、人材を確保するという意味では、いいかもしれません。でも、あそこで得た知識や技量が、たとえば底辺校で通用するかというと、はなはだ疑問。なので「やった」という変な自信があるとこわいなぁと思う程度です。
もっとも、同じことは「ええ学校」と底辺校の間でも言えることなんで、そういう意味では、やらんよりマシなのかもしれない。
> 「役に立つ/立たない」を価値基準にしている生徒もいる
そういう打算がある生徒さんは、上記2)も気にしてそうですね。
でも、そもそも「数学が出来たバッカリに、つい理系に行ってしまった人は、数学が出来なかったので文系に行った人よりも安いお給料で生涯働くハメになる」ってこと自体、なんか理不尽なような気が…
> 底辺校で通用するかというと、はなはだ疑問
教師塾は小中教員向けですけど。公立の小中でも底辺校とかあるんですか?あ、西日本は住んでる地区によって格差が大きいんでしたっけ…
実は、打算がある生徒は、はじめからやらないという…。なので、2への到達はないとか。
へい。住んでいる場所で大きく違います。
> 打算がある生徒は、はじめからやらない
それは、理系離れの原因云々というより、もっと大きな問題の話なような… 格差社会で、生きる意欲自体減退してきている、とかだったりして
> 住んでいる場所で大きく違
まだあるんですね、たいへんですね。東京でも、昔っから多少の地域差はあった(昔は、都心副都心に近いほど、あるいは公務員宿舎=国家公務員の社宅に近いほど教育熱心、という傾向がありました)し、地域無関係に学級崩壊学校崩壊なんてゆうのもありましたが。そちらでの問題は、もっと大変そうですね。