京都の部落史連続講座(第3回)

といっても、わたしにとっては2回目ですけどね*1…。
今回は、奈良県同和問題研究史料センターの吉田栄治郎さんのお話で「喜田貞吉と部落問題〜京都を中心に〜」というテーマでした。
「部落史の見直し」が言われてずいぶんになるのですが、いままでわたしが触れることができた内容は、「地域史」の掘り起こしから多様な被差別民の姿を浮き彫りにしていくという感じでした。そのなかで、それぞれの地域の被差別民の成り立ちや地域の成り立ちを読み解いていくということになりましょうか。ですから、あくまでも対象は「被差別民」であり「それをとりまく人たち」であり「地域」だったわけです。言い換えるならば、「ある時」を読み解くために、「その時」を対象にする問いことになりましょうか。
ところが、今回の内容は、喜田貞吉という部落史研究をした人を対象にすることで、喜田の生きた時代の差別意識を読み解くと同時に、そこからさらに部落の成り立ちを読み解こうという手法だったのかなというふうに考えました。これ、すごくスリリングな試みだなぁと思いました。
もちろん、わたしはそもそも歴史が苦手な人間で、そこで話されている「自明」とされている内容がさっぱりわからなかったという情けない状況でした。でも、それをおいても、そこでなにをしようとしているかということが伝わってくる。これは、語り手であった吉田さんの存在に負うところが大きかったんだろうなぁと思いました。
それにしても、吉田さんの豊富で深い知識というのを、本当に実感しました。いままで、人前で部落の歴史について話したことがないわけではないのですが、まぁ恥ずかしい限りです。つっても、「素人だからこそ」みたいなところで逃げていたんですけどね(笑)。
吉田さんの話が終わってからがまたビックリ。「喜田貞吉と会ったことがある」という崇仁小学校の元教員の人、さらにその人が教員をやっていた当時、崇仁小学校に通っていたという人の話が出てきて、「あぁ、ここに部落史が生きているんだなぁ」と実感しました。
いや、おもしろかったです。
次回は、12月2日。崇仁小学校の教員たちの話の予定です。これまた、大期待…。

*1:1回目はバイク事故の衆の金曜日だったので、さすがに行けませんでした。