作文うち

先々週やった人権学習の講演会の感想文がボチボチ集まってきています。てか、それを打って生徒に返すの、あさっての金曜日なんですけど(;_;)
で、いい話だったから、生徒たちがしっかりと感想文を書いているのはわかります。それをできるだけ生徒たちに返したいというのもわかります。でもね、いくら「これいい!」と思ったからといって、一クラスで7枚とか8枚も出すのはやめてほしいんですよ。それも長いのばっかり。
これを7クラス分打ったら、はたしてB4*1で何枚分になるか考えていますか?
で、まぁ打っていたのですが、だんだんイヤになってきました。
というのは、みんなの感想が同じパターン。「話を聞いて泣けた」。そらね、部落のおっちゃんのしんどかった体験談だからそういう反応をするんだろうけど、その涙って、えてして簡単に乾いてしまうのよ。「差別はいけないと思いました」。だれだって思ってます、とりあえずは(笑)。大切なんは、そこと違うだろう…。
そんななか、キラリと光る作文もありました。その生徒にしか書けない感想文を、講演を聞いて触発されて思わず書く。そういう瞬間に立ち会えることがうれしいです。

そうそう。最近の作文で増えたのが「部落ってなんなん?」です。かつては関西では考えられなかったんだけど、そういうご時世なんだなぁ。もはや、伝えなくてもいいことなのかなぁ?

*1:学校では、生徒向けプリントはいまもB4が標準です(笑)

なので、教材づくり

昨日の放課後、「明日には教材をお渡しします」と言ってしまいました。マジでできるかできないか、自信はないのですが、こうやって自分にプレッシャーをかけることで小人さんが発動してくれるかもしれないという、一縷の望みをかけるわけです。
で、今日も通勤途中いろいろ考えながらバイクを走らせ、1時間目の授業中も半分はそっちの方を考え…。
まずは困ったのが、生徒たちからの最も多い質問「なぜ部落ができたのか?」
いや、これ、マジで説明に時間がかかります。でも、これをコンパクトにまとめなくちゃなりません。困った…。それでも約2時間、なんとかできあがった、超コンパクト版の部落史プリント。

(1)平安時代(800年頃〜1200年頃)
「死」「病気」「火事」「犯罪」「天変地異」など、「秩序の乱れ」を「ケガレ」とする考え方がありました。そして、このような秩序の乱れた状態を回復することを「キヨメ」と呼んでいました。
 このキヨメに従事する人たちは、人々から「すごい力をもっている」という尊敬のまなざしと、「ケガレに触れている」という賤視するまなざしの入り交じった、複雑な思いで見られていました。

(2)鎌倉時代室町時代〜安土・桃山時代(1200年頃〜1600年頃)
このころになると、民衆の「キヨメ」に従事する人たちへのまなざしは、次第に尊敬の思いが薄れ、賤視し排除する意識が強くなってきました。
しかし一方で、庭づくりなど、日本の伝統文化を担っている人たちも「キヨメ」に従事する人たちでした。
また、「キヨメ」に従事する人たちの中でも、皮革産業に従事する人たち(かわた)は、実は武士・大名にはなくてはならない存在でした。なぜなら、皮革産業は同時に軍需産業でもあったからです。そのため、各地の大名は自分の藩にお抱えの「かわた」を住まわせました。

(3)江戸時代(1600年頃〜1870年頃)
江戸時代は、身分を強化する時代でした。そのため、武士身分・町民身分・百姓身分などがつくられました。また、被差別身分も身分としてハッキリとさせられる時代でした。
しかし、このような身分は突然できたのではなく、それまで民衆の中にあった差別意識を助長・固定化していったと考えられています。
ところで、被差別身分の人たちは、皮革産業をはじめさまざまな仕事をしていたので、けっしてみんなが貧しい暮らしをしていたわけではありませんでした。

(4)明治時代〜(1870年頃〜現在)
明治になって、法律上の「身分」はなくなりました。
しかし、人々の意識の中には、江戸時代までの被差別身分の人たちやその人達が住んでいる地域への差別意識は強く残っていました。
さらに、戦争や不況のため、決して貧しくなかった「地域」に住む人たちの暮らしは、一気にしんどくなりました。まわりの人たちは、そうした「地域」の姿を見て、厳しい差別のまなざしを持ちました。そして、その「地域」を「部落」と呼ぶようになりました。
現在、地区改善事業により、かつての「貧しい」部落の姿はほとんどなくなりました。しかし、いろいろな差別はまだまだ残っているし、なによりも人々の中にある差別意識がなくなったわけではありません。それが一番はっきりとあらわれるのが「結婚差別」なのです。

我ながら、よぅまとめたわ^^;;。
これができたら、あとはなんとか…。京都府のさまざまな意識調査なんかを織り交ぜながら、どうにかこうにか8割方は完成。
最後は、「映画を受けて」ということだったので、代表的なキャストの「心の動き」を追うことで「変わり目」を感じさせ、その後を予測させる、と。
できた!と思ったら、すでに4時。そこから「解説プリント」をつくって、最後のブラッシュアップ*1をして完成。と、5時10分。やべっ!なんとか「今日中」に間にあいました。ホッ…。
さて、ご意見を待ちますか…。

*1:一枚一枚のプリントを独立させて、順番や、やるかやらないかを自由に選択できるようにするとか…

教材づくり

来週の人権学習に向けた教材、ようやく先週末にできたんですが、どうも不満らしいです。なにが不満なのか、やっとわかりました。
実は、先週、生徒たちには映画を見せたんですが、わたしの教材にはそんなもの一切入っていません。どちらかというと、「それはそれとして…」という形で組んだんです。ところが、みなさんが持たれた不満は「映画を踏まえてほしい」ということだったんです。
そうか、ぜんぜん違うんだ…。
わたしにとっては、映画は「ネタ」なんですよね。あってもなくても関係ない。じゃぁ、「ネタ」だからそんなものはいらないかというと、それは違うんです。たくさんの「ネタ」を振ることで、中身が豊かになっていく。つまり、網の目をどれだけたくさんにしていくか。わたしはそう考えているんです。
ところが、不満を持たれた方は、すべてがひとつの「線」である必要があると考えられているようです。なので、その線の上に教材を準備していき、ひとつの結論を導き出していくことが「指導」であるということのようです。
根本的に、わたしの考え方と違うなぁ。
わたしのテーマは「気づき」。いつだってそうです。なにに気づくのかは、その子の関心によるし、でも、そういうものを喚起していくのがわたしの役目だと思っています。だから、すべては「ネタ」。
こういうのって、はやらないのかなぁ…。
でも、しゃーないです。そういう教材をつくろうか…。

ハードな1日・はじまり

今日は学校公開の日です。最近の高校って、こういうことをやるんですよ。でも、ウチの学校のありようを地域の人たちに公開するの、悪いことではないとは思うんですが…。なので、わたしとしては、ガイダンスの放送担当は、あえて部員にやらせたいと思っているので、みんなで一緒に休日出勤です。
とりあえず、セットを組んだところで、「何ごとも経験!」と1・2年生にまかせて、3年生とわたしは放送室で待機、という名目でダラダラ。まぁガンガレや…。
で、終わったら、速攻、次の目的地へ…。

語り

今日は2学期の人権学習。2年生は部落の人に来てもらって講演です。
この人、高校時代メチャクチャやんちゃをしていた人で、その後の人生も、そうとうハードな日々を送っておられました。でも、そういう自分のありようを、常に心の中では「あかん」と考えられていたようです。で、やがて子どもができて、もう一度人生をやり直して行かれたんです。と同時に、そういう自分の人生のバックに、部落差別があることもわかってきて、「語ること」をはじめられた。
ところで、かれこれ10年くらいこの人の話をあちこちで聞くんですけど、最近本当に「ええ話や!」と掛け値なしに誰に対しても言えるなぁと感じてきました。かつては、ものすごく攻撃的だったんですよ。それが、最近は、一度自分の心の奥をくぐらせて、そこからわきあがってきた語り口になってきました。すると、そのソフトな言葉が、わたしの心にしみ通ってくる。
なんでかなぁ…。
ふと気づいたのが、今回。
いままでその人、「自分のこと」を語っていたんですね。どうしてもそこには「うらみつらみ」とか「忸怩たる思い」が込められてしまう。ところが、最近は変わってきた。自分のことも話をするんだけど、自分の妹のこと、自分の子どものことを話されるようになってきたんです。なんか、「大切な人」のことを話す感じなんですね。それがすごくいいんです。
まぁ、単純に歳をとっただけかもしれないです。でも、一方で、だからこそできる「年輪」みたいなのを感じました。今年も来て下さって、ありがとうございました*1

*1:って、こんなとこ読んでねーよ(笑)

間にあわなかった…

1時間目、授業。昨日の夜、テレビを見ながら、それでもなんとか採点を終了して、朝、えんま帳に転記。どうにかテスト返しができました。もっとも、採点間違いだらけでしたけどね(笑)。
で、次の授業は4時間目。こいつもテスト返しがしたいんだけど、とてもじゃないけど2時間ではムリポ。というか、実質1時間だし、いかに採点の早い数学といえども*1、やっぱり採点は無理。てことで、あきらめました。はぁ…。
午後からは、あさっての人権学習の準備でなんだかんだんとやっていたら、あっという間に夕方。

*1:他の教科の人たち、「テストをつくるのはあっという間だし、採点もあっという間やし…」ってうらやましがっています。

小ネタの神様降臨

この間、長らく苦しんでいた「人権学習」のプリントがようやくできました。
なにせ、内容は結婚差別。でも、今日日の子どもたち「結婚差別なんてせぇへんもん」「好きやったら関係あらへん」でおしまい。もう少しつっこんでも「わかってる、わかってる。差別したらあかんにゃろ?」程度でおしまいです。ちなみに、実はその通りなんです(笑)。したらあかんのです。
で、こんなに「わかりきったこと」について学習をしようと思うと、それなりに意表をついたり、新しい資料を提示したり、なによりも子どもたちの気を引いたりしなくちゃなりません。
で、考えついたのが、以下のような流れでした。

  1. 多様なパートナーシップがありうる
  2. にもかかわらず、「結婚」という形態だけが優遇
  3. 日本の場合、結婚制度と戸籍制度が不可分
  4. なので、「家筋」「血筋」などの考え方が存在する
  5. そのひとつのサンプルとしての「釣書」→書いてみよう!
  6. 「人の価値」は「釣書」ではどこにあるのか
  7. まとめへ

まぁ、自分的には「釣書」を思いついたのがヒットという感じです。ついでに言うなら、結婚制度に乗っかるつもりがない・のれない生徒について、最初のところでフォローをしたいな、と。まぁこんなことを考えて、一気につくりました。まぁ、学校でやってる人権学習の教材としては、ちょっと斬新だと自分では思うんだけどなぁ…。

トドは収束に…

ようやく学校の方は中間テスト直前の時期まで来ました。さすがに、ほとんどの子(笑)は「勉強しんと…」というモードに入っています。しかも、テスト範囲は全部終わっているので、復習プリントを配布したらたいてい授業をしなくてすみます。あー、楽だ…。つかの間の休息の時期です。
おかげさまで、たまりにたまった仕事の方に頭をまわす余裕も出てきて、午後にはレポートをひとつしあげることができました。
レポートを書くことって、自分のやってきたさまざまなとりくみを振り返る絶好の機会なんですよね。なので、基本的には、言われたらやるようにしています。逆に言うと、「言われる」っていうことが「やっている」ことの証左でもあるのかとも思います。
さて、当面やらなきゃならないのは、あとひとつだ…。これが難関。

しんど…

昨日の夜、遅すぎ。ものすごくしんどいです。でも、いかなくちゃならないのは勤め人の義務ってもんですか。しゃーないですね。
とにかく1時間目はなんとか終了。その後、プリントづくり。途中電話がかかってきて思考が中断されるのがしんどいです。それでもなんとかプリントの骨格だけはつくって、4時間目の授業突入。もうすぐ中間テストなんで、基本的には演習の時間。楽だわ…。
てな感じで、とりあえず午前半日をなんとかこなして学校を飛び出しました。

体育祭

放送部の仕事の山場とも言える、体育祭の当日です。今年は、ケーブルの引き回しを変えるので、けっこう準備がたいへんな予感がします。
で、生徒たちの集合は、午前6時半(笑)。もう、むちゃくちゃです。わたしはというと、そんな時間に間に合うわけがない*1ので、はなからあきらめていました。と言っても、6時過ぎの電車でスタート、到着は7時半でしたが…。
グランドに着いたら、やってました。いちおう打ちあわせ通りにことは進んでいるみたいです。ほどなくケーブルの引き回しが終わって、火を入れました。ところが、音が出ない…。なんでだろう。いろいろ探ると、きのう自作した100mのケーブルがダメポです。「え〜?」と思ってよく見ると、プラグがこわれています。なんで…。まぁしゃーないです。グランドで急遽半田づけ。で、無事音が出ました。
なんしか、ウチの学校の放送設備、どんどんこわれていってます。なによりグランドのトランペットスピーカーが壊れていて、前から「直してくれ」って頼んでいるんですが、予算の関係か、ぜんぜん直してくれません。なので、体育祭では仮設のスピーカーを出すんですが、やっぱり出力が厳しいです。ちょっとあげると音が割れてしまう。ギリギリのところを保つのがけっこうむずかしいですね。
でも、開会式も無事すんで、それなりに「ながら」になったところで職員室へ。普通に動きはじめると、生徒はたいへんだけど顧問はヒマになります。まぁ、たまりにたまっている仕事でもしようかと。
でもやっぱり、仕事の方は思うように進みません。半日かけた結果が

  • 在日外国人生徒の交流会のビラ

完成

  • 人権学習のプリント*2

半分完成

  • 某研究会のレポート

存在を忘れていた(笑)
です。やれやれ。
夕方はくずし。けっこうサクサク進んで楽チンでした。
で、夜は打ち上げ。
いろんな話をしていたのですが、やっぱり一部の教員がわたしに期待しているのは「教職員劇の復活」と「ドリームチーム*3の復活」みたいですね。まぁ、来年は実現しなくちゃね。って、まだいるのか。来年もいたら23年目だよ_| ̄|◯
2次会にも参加したけど、無事終電に間にあってよかったよかった。よくなかったのは…。仕事か。

*1:バイクだったら大丈夫だけど、夜に飲み会があるので、電車で行かなくちゃならないんですよ

*2:おとついグチってたやつです

*3:リレーの教職員チームのこと