今日も今日とて…

今日は、大阪府南部の高校の教職員研修で高座です。ここ、実は、うちの交流会の生徒の在籍校なんですよね。まぁ、それが理由ということです。
とは言え、まずは午前中は仕事仕事。試験監督を2発こなして、すぐにお家へ。で、電車に飛び乗って移動です。
最寄りの駅からブラブラ歩いて学校へ。
なんでも今日の午後はすでに研修があって、わたしのは2発目だとかで、なかなか厳しいシチュエーションです。でもまぁ、だからこそのんびりと聞いていただければいいかと思い、いつもの通りネタ振り開始。そこそこ笑っていただいて助かりました。
ここ、校長さんも教頭さんも同推校経験者で、さすが肝がすわっておられる感じです。この間の教頭さんといい、大阪の管理職は(みんながみんなというわけではないでしょうけど)、いい感じの人が多いなぁ。もっとも、これからなる人はたいへんだと思いますがね。なにせ、ある意味、偏った情報と思いこみだけの、偏見ありまくりの人が社長やから…。
でも、おとつい・きのうの今日ですから、さすがに疲れました。
とりあえず、軽くビールを呑んで帰ることにしましょう(笑)。

でも帰らないヤツもいる(笑)

きのうの晩東京から夜行バスで来られて、今晩夜行バスで帰られる学生さんが3人おられました。で、「今晩ヒマ」という浪人生(笑)とか、「用事があるけど帰りたくないなぁ」とか言っている造形作家(笑)とかと一緒に、近くの居酒屋へ。
最後の最後まで宴会がついてまわるわたしです(笑)。

来年、呼んでくれるかなぁ…。素行不良で呼ばれなかったりして(笑)。

本になる(2日目)・本になった人々

リビングライブラリーって、読者の方々もたくさんの出会いをされますが、「書庫」にいるわたしたちにとっても、本仲間同士ですごい出会いができます。
ちなみに、書庫から出る時に「いつきさん、読者の方が来られました」とか言って呼び出されるんですが、つい「ドナドナドーナード−ナー♪」とか歌ってしまいました。そんな感じなんですよね(笑)。
例えば、高次脳機能障害の人。18歳の時に脳梗塞で倒れて、その後視野狭窄と「認知」にかかわる障碍が残ったそうです。「認知にかかわる」ってどういうことかというと、例えば「落ちる」という認識は通常は「下への移動」ですが、その方の場合は「奥への移動」が落下感覚になるそうです。なので、長〜い廊下とかメチャメチャ怖いそうな。じゃぁ、落下方向はどう認知するかというと、左に移動するそうな。さらに、文章を読んでいると左が欠けるので「働く」が「動く」に見えるそうな。それが顕著なのは、英語。「she」とか「the」とかは、すべて「he」に見えるわけで、「なんか、ヒーヒー言ってますよ」とか笑ってました。
この人、現在大学入試のための浪人中なんですが、試験のための「配慮」がないのでものすごくしんどいそうです。そりゃそうです。もしも読みあげソフトが使えれば充分に対応できる学力があるにもかかわらず、大学入試センターは「マニュアルにない」という一点で配慮なしにしているそうな。そりゃマニュアルないです。こんな人、そうそうたくさんいないからね。でも、それっておかしい。少数だからこそ対応しなくちゃならないわけで。
この人の弁。
「入試の目的には「高校卒業程度の学力があるかどうかを調べる」と書いてある。で、試験っていうのはインプット→思考→アウトプットというプロセスを経てされるんだけど、問われているのは「思考」の部分のはず。インプットやアウトプットは問われないはず。にもかかわらず、そこのところでつまづいてしまう。これはおかしい」
これ、新渡日の子どもたちについても同じことが言えるよあなぁと思ってしまいました。

ホームレスの方もおられました。
「橋の下に住んでいると、わずか数センチで行政区が変わるねん」。そうか、行政区の境界って、橋とか川ですからね。

めばさんとの雑談では、薬物依存の人々の会の持ち方の中にある「約束事」あたりについて聞くこともできて、これまたいい勉強になりました。

アスペルガーの方は「話すの苦手なんですけど、話しはじめるととまらなくて、どうしても長くなるんですよね」とおっしゃっていました。わたしが言うのもなんだけど、この人、ほんとうに長いんだもん(笑)。

造形作家の方、中学校時代ぜんぜん学校に行かなかったそうな。そのかわり、東大の先端研に出入りしていたとか。そのあたりから、必要な情報を自分で選択してそれをみにつけていくという手法を知らず知らずのうちに身につけていったそうです。この人の作品見たら、ほんとうにすごいです。おそらくは、筋肉の構造とかきちんと知っていないとつくれないんだろうけど、そういうものを、お仕着せではなく、自分の力で手に入れる手法を知っておられる。これって、まさに「学力」なんですよね。

「夢ってなんですか?」と聞かれた全盲の方。この方、盲聾のアクセスビリティについての研究開発をしておられるすごい人みたいなんですけれども、この質問には「はた」と困ってしまったそうな。
「僕、時間をつぶすのが苦手なんですよね。あと、ある場所からある場所への移動はできるんだけど、ブラブラ歩くのも苦手なんですよ」
なるほどなぁ。
「あぁ、オレって夢のない人間なんだと思ってしまいました(笑)」
うぅ〜む。

さて、今日もわたしは5回中5回出動。さすがに5回目は集中力も切れて、かなり疲れました。
でも、他には経験できない、ほんとうにすごい2日間を過ごさせていただきました。
すべて終わって、みんなで総括の話しあいの時間。2日前の顔合わせの時とはまったく違う、ほんとうに「近い」空気があたりに漂っていました。そして、いよいよ解散の時間。みんな動きません。なんだかんだと理由をつけて、動きません(笑)。それでもみんな帰らなくちゃなりません。ほんとうに別れを惜しみながら、なんども握手を繰り返し、それぞれの帰り道につきました。

で、長い夜がはじまった

サクッと鶴園さんのセッションを切り上げて、そのまま懇親会に突入。そうか、こういう方法もあるんですね。GID学会でもこういうやり方やってみたらおもしろいかもしれません。「後ろでビールビンの音がしてきたから、講演やめましょう」とか(笑)。
で、ビールを呑みながら、いろいろ連絡。
いや、ここは埼玉と違ってバリバリ「ホーム」です。ならば、当然「2次会」の会場をとるのは地元民の役割でしょう(笑)。リビングライブラリーの事務局の方々が「中邑先生の許可が…」とか言っておられるので、講演を終えたばかりの中邑さんに「事務局の方々を呑みに連れて行ってもいいですね?」と直談判。中邑さんもさすがです。「どうぞ。あ、ロニーさんも一緒にお願いします」とのこと。大歓迎です。事務局の人にその旨伝えたら、えらい喜んでおられました。
懇親会は1時間もかからずサクッと終了。わたしたちは、めばさんの車でピストンしてもらいながら、2次会の会場へ。
なんだかんだ言って、12〜3人のテーブルに18人がぎゅうぎゅう詰めになって座ります。もう、自己紹介もなにもあったものじゃないです。ちなみに、来ているのはスタッフの人々はもちろん、本の人たちなんですが、アスペルガーの人とか骨形成不全の人とかリューマチの人とか盲の人とか高次脳障害の人とかオタクとかオカマ*1とか、もう、わけがわかりません。でも、みんなで仲よく大騒ぎして、なんかそれぞれの距離が少しずつ縮まってきているような気がしますね。
で、10時頃に、事務局の人たちが「そろそろ明日の打ち合わせをしなくちゃならないので…」ということでお開きです。

*1:わたしね(笑)

障碍者プロレスの衝撃

夕方からのセッションは、障碍者プロレスのスーパーヘビー級チャンピオン・鶴園さんの講演です。といっても、これまた中邑さんとの掛けあいになります。どうもATACって、そういうスタイルなようです。
ビデオを見せてもらいましたけど、あれは「ガチ」ですね。プロレスというよりも「プライド」っつぅか「K1」っつぅか。見せていただいた試合では、相手は絞め技と打撃で落ちてましたから。
「なぜ障碍者プロレスを?」という中邑さんの問いに「各闘技が好きだから」というベタな答を返しておられましたが、まぁ当たり前といえば当たり前か…。

本になる(1日目)

会場はうちから自転車で行ける距離です。ギリギリまで家にいて、さぁ出動。
会場に着いたら、昨日の面々がワラワラいます。とりあえずあいさつをかわして、オープニングセミナーへ。
今回は、ATACという団体のセミナーのひとつのセッションとして「リビング・ライブラリ」が行われるらしいです。
さて、ATACってどういう団体だろうと興味半分斜めから見てみたのですが、いい感じの「ゆるさ」を持った、なかなかおもしろい団体のようです。
とりあえず、オープニングセミナーで主催者の中邑さんが提示された*1内容を途中からとったメモ。

社会の「速度」がどんどんあがっていく現在。その中で、さまざまな理由で情報に「ついていけない」人が生み出されてくる。
では、社会の速度を落とすことはできるのか?→容易ではない。
(情報)から取り残された人々、混乱した人々に対し、われわれひとりひとりが人の多様性に気づき、認めた上でともに生活する気持ちを有することは可能では?ECO?時間の浪費が必要では?

・テクノロジーによるエンパワメント
・コミュニケーション技術
・環境調整
  物理的環境整備。
  人の環境整備
   障碍理解
   リビング・ライブラリ
     固定観念を崩す。溶かす。

完璧にバラバラなメモなので、もしも聞かれた方で補足があればお願いします*2
続いて、今回のオープニングセミナーの目玉。リビングライブラリーの創始者のうちの1人、ロニー・アベルゲル(?)さんの講演です。
タイトルが
「Don’t judge a book by it’s cover(本を表紙で判断しないで)」
なるほど、「本」を提供しながらも、それを「表紙*3」で判断するなっていうの、いい感じです。「まぁじっくりと中身を読んで下さいな」というところでしょうか。
もちろん(?)講演は英語です。てことは、わたしにはそのままでは「情報」はほとんど伝わりません(笑)。でも、ところどころに聞き覚えのある言葉が出てきます。例えばそれは、これまでにどんな「本」が提供されたかというあたり。真っ先に出てきたのが「transgender」ですよ。ところが、同時通訳の人の訳を聞いて「にゃ?」。わたしのメモ。
ホモセクシュアルと訳したよ!」
まぁいいけどね(笑)。
そう言えば、朝日新聞のリビングライブラリーの紹介記事には「性転換者」と書いてあったけど、あれ、たぶんもともとは「transgender」なんでしょうね。
ロニーさんの講演のメモ

divercity(多様)な方々から学ぶ。
情報を報道から得ている人がほとんど。
でも、例えばtransgenderにとって、手術の選択をどのようにするかは人それぞれ。
internetも大事だけど、顔と顔をつきあわせて話しあうことが大切。
日本は23番目。8年前デンマークではじめておこなった。
ともすれば反対側になってしまう人たちに橋渡しをする
「権利を認められたい」「受けいれられたい」という気持ちは、普遍的なもの
(出てきた写真を見ると、あちこちにレインボーがあるなぁ…)
図書館のルールは以下の通り
・静かである必要はない
・借りた時と同じ状態で返す
・本は大切に(セッションを中断する権利がある)
・時間を守る
・書き込み・破りはダメ(笑)
リビングライブラリーの成果は次のとおり
知識を得た、見方が広がった。語り部は肯定的な感想。
来年、コペンハーゲンで世界大会がある。
「みなさんはどういう本になるか?」「どういう本を借りたいか?」

これまた、完璧にバラバラなメモなので、もしも聞かれた方で補足があればお願いします*4

で、いよいよ図書館開館です。
ひとつのセッションが30分。30分の休憩をはさんで次のセッションになります。全部で5回のセッションで今日は終了です。ちなみに、予約が入っていなければそのセッションの時間は休憩です。予約状況は、司書コーナーのディスプレイに表示されています。「×」がついていたら予約済み*5、その時間にどうしてもということであればキャンセル待ちになるそうな。で、自分のところを見てみると…。全部「×」がついてるよ(;_;)。
さぁ、どういうふうにはじめを切り出そうかと思ったのですが、いい切り出し方を思いつきました。
「どうしてわたしを選ばれたのですか?」
そうか。これがリビングライブラリーなんですね。
ふだんの高座だと、聞かれている方々の個々のニーズを拾いあげることができず、とりえず最小公倍数でしゃべってしまいます。当然「ネタ」も振らなきゃならないし(笑)。でも、リビングライブラリーは1対1(〜3、4人)。だから、相手のニーズによって話す内容を変えることができるし、こちらから質問もできます。「効率」は悪いけど、「効率」を追い求めないことが大前提なので、そんなことを考える必要はありません。
てことで、それぞれの方のニーズを聞いて、最後は自分の「落ち」に持っていくというスタイルがとりあえずつくれました。
聞かれる方々は、ほんとうにさまざまなニーズを持っておられます。単に「知りたい」という方から、なんらかの当事者性を持っていたり、なんらかの悩みを持っていたりして「ヒント」を求めておられる方まで。とにかく、30分を5回、合計2時間半の濃密な時間を過ごしました。
にしても、疲れたよ…。

*1:ただし、講演というよりも漫才形式(笑)

*2:って、誰も読んでねーよ(笑)

*3:みてくれ?カテゴリー?

*4:って、誰も読んでねーよ(笑)

*5:なんでも、「新幹線ふうにしました」とのことです。よーわからんけど(笑)

本になる(0日目)

夕方家に帰って、すぐに出発。
今日は、明日・あさってと開催される「リビングライブラリ」の顔合わせ会*1だあとか。簡単に言えば「本」になる人が集まってこられるわけです。
会場に着くと、いはりますねぇ。なんか、いい感じのオーラが出まくっている一角があります。「きっとここだな」と思って行くと、やっぱりそうでした。で、わたしもそこに座って「オーラの一員」に混ぜてもらいました(笑)。そうそう、ひょいと横を見ると、倉田めばさんがおられてびっくり。そうか、ダルク関係で来られているんですね。
で、自己紹介をはじめたのですが、「オタク*2」の方とか、アスペルガーの方とか、障碍者プロレスのチャンピオンとか、まぁみなさん、ひとクセもふたクセもある方々みたいです。で、自己紹介をしているうちに、結局予定の2時間半ほどが過ぎてしまい、お開きです(笑)。あしたからどうなるんだろう…。

*1:つまり宴会

*2:本人は「ちょっと違うんだけど」と言っておられました。「フィギュアをつくっています」とか言われたので「カードキャプチャーサクラとかつくってはるんですか?」と愚問を発したら、「いえ、恐竜をつくっています」とのことでした。どちらかというと、造形芸術作家だそうです。

さて、試験も近いしな(笑)

来週から期末試験。
生徒たちはもちろん火がついてくる時期です。というか、火がつかない子がいたらまずい。というか、そういう子がいるからまずいという話もありますが…。まぁ、そういう子には火をつけてまわるのですがね(笑)。
で、わたしたち教員はというと、こちらも火がつくタイプの人と、楽になっていくタイプの人がいます。わたしは明らかに後者です。
だって、それまでは放課後の補習もやるし、そのためにはプリントもつくらなくちゃならないし、なによりモチベーションの低い状況*1の子ら相手に授業をしなくちゃならないわけで、これはたいていしんどいです。
で、試験が近づいてくると、生徒たちは「先生教えて〜」とやってきます。でも、わたしは絶対にこのあたりでの補習はしません。だって、そんなんずるいやん。直前にチョコチョコっとやって点数稼ごうなんて。わからないことがあったら、その時に聞けばいいわけですよ。だから、それまでに手をかけるんです。
てことで、試験問題をつくったら、あとは悠々と他の仕事をしてしまうという時期なんですね。
ちなみに、授業の方も試験範囲はすべて終わっているから、やることもない。
あ〜。天国天国(笑)。

*1:かつ、2学期は暑い!

なんのための改革か

今日は、職場の教職員人権教育研修会。講師は、西成高校の教頭さんです。題して「格差を越える高校−西成高校が大切にしていること−」。
すごくよかったです。
程度の差はあれ、うちの学校とそれなりに似ているところが多々あります*1。その状況をどうとらえ、そこからなにをしていくのか。「改革の中味」がともすればとりざたされますが、それ以上に、「改革」のスタートとめざす方向について、ほんとうに勉強になりました。
ともすれば、「しんどい学校」は、いかにして「いい生徒*2」を集めるかというところに腐心しがちです。でも、これって、「しんどい生徒*3」をよその学校に押しつける、あるいは、その子らの進路を中学段階で閉ざしてしまうことにつながります。さらには、今、自分の学校にいる「しんどい生徒」を放置する・放り投げることにもつながりかねません。
でも、西成高校の改革の方向は、今いる「しんどい生徒」。これからも入って来るであろう「しんどい生徒」と、今も、これからも、どう一緒に歩んでいくか。そのための「改革」なんだということです。そのために、西成高校の「今」を分析し、「これから」を展望している。そして、「何が必要か」ということをそこから導きだし、実践を積み重ねている。
もちろん、こうした方向に行かざるを得ない、「大阪」の状況*4があります。だからこそ、そこまで腹をくくれるんだろうとは思いながらも、やっぱり「すごいよ!」と思わざるを得ませんでした。

にしても、今日からはじまった「公立高校の復権*5」はどういうふうに展開していくのかなぁ…。「京都」という大豆のエキスから湯葉一枚だけを取り出した学校やからなぁ…。

*1:程度の差=さすがは大阪の「しんどい」学校です。うちの学校はまだまだ足元にも及びません(笑)。

*2:この表現そのものがダメダメなんですが、こういう言葉がまかり通るキョーイクギョーカイなんですわ

*3:こちらは、ギョーカイによっては、往々にして愛情を持って使われることが多いです(笑)。

*4:それは、「問題」と言ってもいいかもしれないですね。

*5:朝日新聞の特集ですわ

2日遅れだけど

朝、いきなり
「ショートホームルーム、代講頼むわ」
とのこと。担任さんが休みだそうです。
てことで、職員室のレターケースから、今日、配布するプリントを持ち出して、と。
お、今日は生徒の手づくりの「保健委員会だより」ですか。ネタは「世界エイズデー」。
そういえばそうでした。
てことで、急遽手づくりのレッドリボンをつけてみました。
休み時間に廊下で出会った生徒に「ほれ」と見せます。
「かわいい*1
「うん。これ、レッドリボンやねん」
別に、わざわざ特設の時間をとって「エイズ教育」なんてしなくても、5分でつくれるリボンひとつで、いつでもどこでもできますわ(笑)。

*1:もちろん、「リボンが」です