で、長い夜がはじまった

サクッと鶴園さんのセッションを切り上げて、そのまま懇親会に突入。そうか、こういう方法もあるんですね。GID学会でもこういうやり方やってみたらおもしろいかもしれません。「後ろでビールビンの音がしてきたから、講演やめましょう」とか(笑)。
で、ビールを呑みながら、いろいろ連絡。
いや、ここは埼玉と違ってバリバリ「ホーム」です。ならば、当然「2次会」の会場をとるのは地元民の役割でしょう(笑)。リビングライブラリーの事務局の方々が「中邑先生の許可が…」とか言っておられるので、講演を終えたばかりの中邑さんに「事務局の方々を呑みに連れて行ってもいいですね?」と直談判。中邑さんもさすがです。「どうぞ。あ、ロニーさんも一緒にお願いします」とのこと。大歓迎です。事務局の人にその旨伝えたら、えらい喜んでおられました。
懇親会は1時間もかからずサクッと終了。わたしたちは、めばさんの車でピストンしてもらいながら、2次会の会場へ。
なんだかんだ言って、12〜3人のテーブルに18人がぎゅうぎゅう詰めになって座ります。もう、自己紹介もなにもあったものじゃないです。ちなみに、来ているのはスタッフの人々はもちろん、本の人たちなんですが、アスペルガーの人とか骨形成不全の人とかリューマチの人とか盲の人とか高次脳障害の人とかオタクとかオカマ*1とか、もう、わけがわかりません。でも、みんなで仲よく大騒ぎして、なんかそれぞれの距離が少しずつ縮まってきているような気がしますね。
で、10時頃に、事務局の人たちが「そろそろ明日の打ち合わせをしなくちゃならないので…」ということでお開きです。

*1:わたしね(笑)

障碍者プロレスの衝撃

夕方からのセッションは、障碍者プロレスのスーパーヘビー級チャンピオン・鶴園さんの講演です。といっても、これまた中邑さんとの掛けあいになります。どうもATACって、そういうスタイルなようです。
ビデオを見せてもらいましたけど、あれは「ガチ」ですね。プロレスというよりも「プライド」っつぅか「K1」っつぅか。見せていただいた試合では、相手は絞め技と打撃で落ちてましたから。
「なぜ障碍者プロレスを?」という中邑さんの問いに「各闘技が好きだから」というベタな答を返しておられましたが、まぁ当たり前といえば当たり前か…。

本になる(1日目)

会場はうちから自転車で行ける距離です。ギリギリまで家にいて、さぁ出動。
会場に着いたら、昨日の面々がワラワラいます。とりあえずあいさつをかわして、オープニングセミナーへ。
今回は、ATACという団体のセミナーのひとつのセッションとして「リビング・ライブラリ」が行われるらしいです。
さて、ATACってどういう団体だろうと興味半分斜めから見てみたのですが、いい感じの「ゆるさ」を持った、なかなかおもしろい団体のようです。
とりあえず、オープニングセミナーで主催者の中邑さんが提示された*1内容を途中からとったメモ。

社会の「速度」がどんどんあがっていく現在。その中で、さまざまな理由で情報に「ついていけない」人が生み出されてくる。
では、社会の速度を落とすことはできるのか?→容易ではない。
(情報)から取り残された人々、混乱した人々に対し、われわれひとりひとりが人の多様性に気づき、認めた上でともに生活する気持ちを有することは可能では?ECO?時間の浪費が必要では?

・テクノロジーによるエンパワメント
・コミュニケーション技術
・環境調整
  物理的環境整備。
  人の環境整備
   障碍理解
   リビング・ライブラリ
     固定観念を崩す。溶かす。

完璧にバラバラなメモなので、もしも聞かれた方で補足があればお願いします*2
続いて、今回のオープニングセミナーの目玉。リビングライブラリーの創始者のうちの1人、ロニー・アベルゲル(?)さんの講演です。
タイトルが
「Don’t judge a book by it’s cover(本を表紙で判断しないで)」
なるほど、「本」を提供しながらも、それを「表紙*3」で判断するなっていうの、いい感じです。「まぁじっくりと中身を読んで下さいな」というところでしょうか。
もちろん(?)講演は英語です。てことは、わたしにはそのままでは「情報」はほとんど伝わりません(笑)。でも、ところどころに聞き覚えのある言葉が出てきます。例えばそれは、これまでにどんな「本」が提供されたかというあたり。真っ先に出てきたのが「transgender」ですよ。ところが、同時通訳の人の訳を聞いて「にゃ?」。わたしのメモ。
ホモセクシュアルと訳したよ!」
まぁいいけどね(笑)。
そう言えば、朝日新聞のリビングライブラリーの紹介記事には「性転換者」と書いてあったけど、あれ、たぶんもともとは「transgender」なんでしょうね。
ロニーさんの講演のメモ

divercity(多様)な方々から学ぶ。
情報を報道から得ている人がほとんど。
でも、例えばtransgenderにとって、手術の選択をどのようにするかは人それぞれ。
internetも大事だけど、顔と顔をつきあわせて話しあうことが大切。
日本は23番目。8年前デンマークではじめておこなった。
ともすれば反対側になってしまう人たちに橋渡しをする
「権利を認められたい」「受けいれられたい」という気持ちは、普遍的なもの
(出てきた写真を見ると、あちこちにレインボーがあるなぁ…)
図書館のルールは以下の通り
・静かである必要はない
・借りた時と同じ状態で返す
・本は大切に(セッションを中断する権利がある)
・時間を守る
・書き込み・破りはダメ(笑)
リビングライブラリーの成果は次のとおり
知識を得た、見方が広がった。語り部は肯定的な感想。
来年、コペンハーゲンで世界大会がある。
「みなさんはどういう本になるか?」「どういう本を借りたいか?」

これまた、完璧にバラバラなメモなので、もしも聞かれた方で補足があればお願いします*4

で、いよいよ図書館開館です。
ひとつのセッションが30分。30分の休憩をはさんで次のセッションになります。全部で5回のセッションで今日は終了です。ちなみに、予約が入っていなければそのセッションの時間は休憩です。予約状況は、司書コーナーのディスプレイに表示されています。「×」がついていたら予約済み*5、その時間にどうしてもということであればキャンセル待ちになるそうな。で、自分のところを見てみると…。全部「×」がついてるよ(;_;)。
さぁ、どういうふうにはじめを切り出そうかと思ったのですが、いい切り出し方を思いつきました。
「どうしてわたしを選ばれたのですか?」
そうか。これがリビングライブラリーなんですね。
ふだんの高座だと、聞かれている方々の個々のニーズを拾いあげることができず、とりえず最小公倍数でしゃべってしまいます。当然「ネタ」も振らなきゃならないし(笑)。でも、リビングライブラリーは1対1(〜3、4人)。だから、相手のニーズによって話す内容を変えることができるし、こちらから質問もできます。「効率」は悪いけど、「効率」を追い求めないことが大前提なので、そんなことを考える必要はありません。
てことで、それぞれの方のニーズを聞いて、最後は自分の「落ち」に持っていくというスタイルがとりあえずつくれました。
聞かれる方々は、ほんとうにさまざまなニーズを持っておられます。単に「知りたい」という方から、なんらかの当事者性を持っていたり、なんらかの悩みを持っていたりして「ヒント」を求めておられる方まで。とにかく、30分を5回、合計2時間半の濃密な時間を過ごしました。
にしても、疲れたよ…。

*1:ただし、講演というよりも漫才形式(笑)

*2:って、誰も読んでねーよ(笑)

*3:みてくれ?カテゴリー?

*4:って、誰も読んでねーよ(笑)

*5:なんでも、「新幹線ふうにしました」とのことです。よーわからんけど(笑)