なんか、夏の中ごろにメールが来て「座談会やるので参加して」っていう話がありました。で、C京大学へ。
テーマは「家族」。
なんか最近、どんどん自分の身の丈よりも大きなオファーが来はじめているような気がしていて、ちょっとこわいです。もっとも、わたしに声をかけて下さった方は、別にわたしに学術的な話を求めているんじゃなくて、経験談を話をしてほしいそうですから、それはそれでいいんですけどね。
てことで、な〜んにも考えずにいきました。
最初のお題は「(教育再生会議が提言をあきらめた)親学について」。
とりあえず紹介など…。
◇「親学」提言のポイント
(1)子守歌を聞かせ、母乳で育児
(2)授乳中はテレビをつけない。5歳から子どもにテレビ、ビデオを長時間見せない
(3)早寝早起き朝ごはんの励行
(4)PTAに父親も参加。子どもと対話し教科書にも目を通す
(5)インターネットや携帯電話で有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」の実施
(6)企業は授乳休憩で母親を守る
(7)親子でテレビではなく演劇などの芸術を鑑賞
(8)乳幼児健診などに合わせて自治体が「親学」講座を実施
(9)遊び場確保に道路を一時開放
(10)幼児段階であいさつなど基本の徳目、思春期前までに社会性を持つ徳目を習得させる
(11)思春期からは自尊心が低下しないよう努める
これ、あらためてよく読んだのですが、ここ10年ぐらいかけて部落の子どもたちの学力調査と生活実態調査の中から出されてきた内容(以下、「調査」)とすごく似ているんですよね。
たとえば、「朝食を食べるかどうかと学力には相関関係がある」なんていうことは、「調査」でも論じられているんですよ。ただ、その結論は「相関関係があるみたいだけど、「それがなぜか」についてはたくさんの要因があるのでわからない」なんですよね。ある調査を具体的なとりくみにかえていくためには、おそらくていねいな論議を踏まえながら、「不安だけどやってみて、軌道修正をおそれない」くらいの態度が必要なんだと思うのです。
ところが、こレを見ると、「調査」をみごとにうわべだけかっさらって、都合よく解釈した感じがありありです*1。
なにせ、最後のところが「自尊心」だったりするわけですよね。これ、「自尊感情」じゃないのがポイントですよね(笑)。この違い、おそらくは「pride」と「self esteem」なんだと思うのです。で、「pride」の行き着く先は、「提言」には書いてないけど「nationalism」なんだろうな…。
そうそう。ある人から「家族っていったいなんだろう」という疑問が出され、一同「う〜ん」となっていました。で、いろいろ話しあったのですが、一つのキーワードが「親密圏」という言葉。でも、これだけだと「家族」である必要がないですよね。で、もうひとつが「相互の批判があっても安心できる場所」みたいな感じだったかなぁ。まぁ、だから「=家族」とはならないんだろうけど、わたしにとっての「家族」というのは、「自己否定」を促す場所ではあった/あるような気がしますねぇ…。よくわかんないけど…。
まぁ、あとはいろいろぐたぐた話をしてあっという間の2時間でした。
あとは近くの居酒屋でお食事会。
帰りはK都大学のI藤公雄さんといっしょに、家の近くまで帰りました。てか、家が近所だってはじめて知りましたよ。