そして日常

朝、起きようと思えば起きられるけど…。ほんの少しだけ寝坊をしましょうか。と言っても、朝の雑事を少し省略するだけで、いつもの時間にスタート。
立番が終わったら、タスクリストにしたがって雑事を開始。まずはノートチェックから。その後、校正原稿を送ったり、連載の校正をしたり。とは言え、金曜日にめっちゃがんばったので、急ぎの仕事はありません。
と、支店長からメール。いつもの仕事がやってきました。まぁそんなに文章を変える必要もないのですが、少しゆっくりと見てみましょうか。そうそう、新しいゲンコの続きもやらなくちゃ。
そんな感じで昼間を過ごして、いつもの通り夜の仕事へ。
今日のテーマは「非行は学校教育と密接に結びついている」です。発表してもらう前に、少しだけ全同教の話。その後、発表してもらいました。
まず押さえておかなきゃならないところをきっちり押さえてくださっています。それは「逸脱=ある基準からはずれた望ましくない行動や社会事象」ということです。その「基準」や「望ましくない」は、どのように決まるのかというあたりです。
さらに話は統計調査結果と、その読み方の話へと移行します。大麻もそうだけど、「見つける」から「見つかる」。そして「件数」が増える。実は極めて恣意的なものです。そういうからくりを知っておかないと、「少年の凶悪犯罪が増えている」みたいな論調に簡単に乗せられてしまいます。さらに話は「理論」へと移行します。「学習理論」「コントロール理論」「ラベリング理論」なんかが出てきます。わたしとしては、頭の中にこれまでのいろんな生徒の顔が浮かんできます。それぞれにあてはまるところとあてはまらないところがあるので、ひとつの理論ですべてを押し切るというよりは、ある事象に対して複数の理論を交差させる方がいいんだろうなと思ったり。そして、階層と非行の関係性の話。
さてさて、学生さん達、どんなことを考えるかな。てことで、ホワイトボードの書き書きです。
今回のお題は、簡単に言えば「事象」を書いたあと、「原因」を書いて、最後に「対処法」を書くという感じです。今回は、というか、今回あたりから、わたしは書くのをやめましょう。教員のバイアスが入ってしまう。
みなさん「事象」については、「ありがち」なことを書かれます。そこで「酒も呑んでタバコも吸ってバイクにも乗ってたけど、別に非行というラベルを貼られなかった70年代の先輩」みたいな話をしてみました。そして「原因」です。これが見事です。誰も「本人の弱さ」みたいなことを書きません。階層の話や排除の話、あるいは社会関係資本のことを書いてこられます。すばらしい。
てことで、わたしからコメント。
「かつて「非行は教育の宝」という言葉があってね。これは「非行」はその子の社会背景や教育課題を顕在化させるものだということです。だから、教員がやらなきゃならないことは、その非行の背景にあるものを解決していくことなんです。ただ、これだけじゃなくてね。「非行は差別に負けた姿」という言葉もある。だから「差別に打ち勝つ」ことを通して非行を克服していこうという話なんです」
ただ、「対処法」になると、個人モデルになります。次はここだな。てことで、わたしからコメント。
「原因が社会にあるなら、その対処も社会で考えないといけない。ただ、ここでは「どんな言葉をかけますか」ですからねぇ。わたしが出せるのは美浪和行さんが言われた言葉かなぁ。それはね。「あなたが悪いわけじゃない」っていう言葉なんですよ」
学生さん達が原因を社会に求めてくれたのは、ほんとうにうれしかったです。確実に学んでおられるってことです。
さぁ、帰ってビールを呑もう。久しぶりに日常のビールです。