しでかしたった!・GID学会(2日目)

朝、メッチャしんどいです。でも、そんなことは言ってられません。とにかく起きなくちゃ。
てことで、いつもの朝ごはんを食べて会場に向かいます。と、まだ開いてない。まぁええか。しばしみんなで「しんどいなぁ」と言いあっているうちに会場もあきました。
Xジェンダー
会場に入ると、ややこし系の連中が集まりはじめてます。
GID学会でXジェンダーがとりあげられる日が来るとはねぇ…」
みんな感慨深げです。なにせ、みんなX系の人たちですから。そんな中、わたしひとりXではない。妙な居心地の悪さは、きっとXの人たちがこの学会で感じてきた気持ちなんでしょうね。いや、それどころか排除されてきたというか「下」に見られてきたというか。
わたしがXに対して抱いていた「単にジェンダーの押しつけを嫌っているだけだろう」みたいな感覚を変えてくださったのは原ミナ汰さんでした。ある飲み会で、自分の疑問をぶつけたところ、「そうじゃない」と。その時の驚きは、かつて「Wぃんたさん」と出会った時の驚きとそっくりでした。きっと原さんとの出会いがあったからこそ「ここ」にいられるんだろうな。
とは言え、すごく関心があるシンポだけど、今日の午後のプレゼンがまだできていません。話1/3、プレゼン2/3では話が頭の中に入ってくるはずもなく…(;_;)。もったいないことをしてしまいました。

続いてのシンポも同様に頭の中に入ってきません。
松本さんのガイドラインの歴史はなつかしかった。そういや、『セクシュアルマイノリティ』を書いた時、常に最新版を追っかけてたなぁ。
お次の康さん、メッチャ早口やな(笑)。なんか、口調を聞いてると、月一の恒例の会議を思い出しました。
ちなみに阿部センセが「「患者」を使わず「受信される方」を使うんですね」と言われたのは、さすがによく気づかれたなと。ちなみに、康さんだけじゃなく織田さんもです。そう言えば「トランス男性/トランス女性」を使うのもそのふたりですね。
石丸さんの認知行動療法は、これまた前のおべんきょ場所のことを思い出したり。
最後のまめたさん。ずいぶん毒を抜いたな(笑)。「明と暗」というより「注意すべきこと」くらいになりました。
てことで、午前の部終了。昼ごはんを呑みながら次のシンポの登壇者たちの打ち合わせに合流しました。
でも、さっさと呑んで会場に行かなきゃ。今日の総会も何が起こるかわかりません。
ところが総会がなかなかはじまらない。と、康さんが来ました。理事会終わったか。三橋さんがなにやら話をしたあと「今日は出ない」と情報をくださいました。そうか、今日は名称問題は論議せずか…。
と、いずみちゃんが中塚さんに理事長解任要求。唐突に見えるかもしれないけど、妥当でしょうね。保険適用という中塚さんにとっての悲願とも言える大きな役割は果たされました。後任が誰かという問題はあるにしろ、病理派の人では、これからのトランスジェンダーの健康と権利を求める学会は担えないと、わたしは思いますけどね。でも、中塚さんは続投宣言をされました。そうか、本人が「やめる」と言わない限り退任はないんだ。たしかにゼロ島さんも、自分から「やめる」って言ったしな。
で、お次のシンポが出番です。

  • 性別違和のある子どもたちの居場所づくり

会場担当の方がハラハラしておられたみたいですけど、なんせ総会ですから、それと並行してのシンポはありえませんよね。なので、少し遅れてのスタートです。第二会場はガチの満席です。ほんとにイスがひとつも余っていません。立ち見も出ています。みなさんの関心の高さを感じましたが、あたりまえですよね。交流会参加者がしゃべるんですからね。
でも、その前に、交流会の主宰からそれぞれのグループ紹介。まずはわたし。座長席から演者席に移動したところでさっそくウケました(笑)。てか、みんな何を期待してるんだ^^;。その後も何回かウケたので、まぁ成功ですね。次の石崎さんは緊張のあまり3分で終了。てか、わたしが伸ばした分を吸収してくださったのかな。さらにお次の真木さん、すごいなぁ。ほんとうにあちこちでていねいな活動をされてます。でも、人数が集まらない。そりゃ東北だもん。でも、続ける。すごいなぁ。そしてまめたさん。プレゼンうまいわ。でも長いぞ(笑)。
そして「公開交流会」のスタートです。これ、昔からやりたかったんですよね。それがやっと実現できる。きっと聞いてる人は子どもたちの話の内容に注意がいくだろうけど、そしてそれも聞いてほしいけど、本当に経験してほしいのは、子どもたちが集まると話を引き出し合うというところなんですよね。誰かの話を受けて自分の話を出す。そこで起こる化学反応です。そういうメタレベルの経験をしてほしかったんです。そして、みなさん、見事にそれを実現してくれました。ちなみに、個人的には、うちの交流会の子どもたちがわたしのことを「いつきセンセイ」と呼んでくれるのが、少しこそばゆかったです。
とにかくいい「公開交流会」でした。
にしても、最後の
い「あんなふうになりたいっていうあこがれの人、いる?」
ま「りぽたん」
い「他にもおるで」
の意味、わかってもらえたかなぁ。ロールモデルの選択肢があるってことなんですよね。

  • 私たちのつくる明日

前半は交流会シンポの人たちとダラダラしたので聞けず。後半のみの参加でした。
りぽたんの「トランスジェンダーは開拓者」はかっこよかったな。少しうれしかったです。とまとさんの質問も強烈でした。「GID」から「transgender」にシームレスに移行することはありえないです。なぜなら概念がまったく違うからです。そして、仮にそれをする人がいたとしたら、それは「transgender」というものに込められた思想をわかっていないということになります。とまとさんはそれをあぶりだしたかったのかな。
ちなみに、わたしは一貫して「transgender」を使っています。『セクシュアルマイノリティ』では医療と法律の部分を担当しましたが、それは宮崎留美子さんとの分担の問題です。だって同時期に『トランスジェンダリズム宣言』を書いたもん。でもまぁ、当時は他者から「性同一性障害」と言われてたからなぁ。
てことで、最後の針間さんのあいさつで今年の学会も終了です。来年は岡山か…。

しでかしたった!・GID学会(2日目)” に7件のコメントがあります

  1. 私が要求したのは解任ではなく自発的な辞任です(笑)。だからあの応答になったわけで。

  2. 教員としてもXとしても今までで最高に興味深い学会&シンポでした。
    マッサージはコミュニケーションと思ってますのでお気遣いなく。
    今回もありがとうございました。

  3. > いずみちゃん
    そっか、辞任要求。記憶力の欠如でした。

    >K川さん
    こちらこそ、ありがとうございました。
    うん、刺激的な学会でした。2015年に匹敵する(笑)

  4. こんにちは。

    よく多様性が語られますが。新参者で業界事情に疎い私には、多様性と言っても「連続的な」(Spectrumな)多様性をイメージしておられる方と、「離散的な」(discreteな)多様性をイメージしておられる方、両方おられるように見えました。

    もはや「X」が無視できない存在であること自体は当然で、意見の違いはそこにあるのかしら?と。

    「連続的である」が多数説なら、ASDみたいに、そのうちGender Spectrum conditionと診断名や学会名が変わったりして、、、やっぱ、それはないかー

  5. 樹村さん
    たぶんそうなんでしょうね。
    かつてはXは「genderからの逃避」みたいにとられていて、「それだけではGIDではない」みたいな、まぁいわば性別二元論を強化する論が大勢を占めていたのかな。そのあたりは、鶴田さんの『性同一性障害のエスノグラフィ』にある「なんちゃって」への扱いと似ている気がしますね。
    でも、「そうじゃない」ということが明らかになったのが、今回の学会だったのかなとか…。

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