海辺のムラ

車に乗せていただいて、まずは港へ。
「うちらのムラにはかつては港はなかったのよ。だから、漁もさせてもらえなかった。やってたのは、せいぜい素潜り」
あたりを見渡すと、農業ができるような土地もなさそうです。ここで漁師ができなかったらそうとうきついでしょうねぇ。で、対岸にある港をさして
「あれが同対事業でできた港。あれができてやっと漁ができるようになったのよ」
なるほどなぁ…。やがて、向こうの港とこっちの港をつなぐ橋を渡ります。
「これも同対事業でできた橋よ。反対もあったけど、結局あったらみんな使うからねぇ(笑)」
よくある話です。さんざん反対しておいて、できたらけっこう使って便利をしているという…。
やがて、公民館へ。中にはいると、昔の写真が貼ってあります。なるほど、たしかに向こうには港があって漁船が浮かんでいるけど、こっちの側は石ころだらけの河口部の岸です。そこには櫓舟みたいなのが一隻河原に浮かんでいるだけです。さらに昔の写真を見ると、このあたりは松林。そのなかにバラックみたいなのが何軒か建っています。こらたいへんやわ…。
公民館を出ると、すぐに保育園。その向こうは太平洋です。ある意味ぜいたくな立地です。もっとも台風の時は大変でしょうね。
その後、しばらくムラ中を散歩。もともとのムラの中心のあたりを歩きながら「ここが昔のメインストリート」などという話を聞くと、わたしがかつて住んでいたムラを思い出します。舗装のはりかえをした痕跡に、昔の道の狭さがうかがわれます。
あっという間に一回りを終えて、再び公民館へ。その後、隣町にあるムラにもつれていってもらいました。こちらの方も松林を抜けた先にあります。ムラとまわりの境界は細い川一本。でも、そこに厳然たる「境界」があるんでしょうね。松林の向こうにはらっきょう畑が広がっています。なんでも、ムラ人たちの主要産業のうちのひとつだとか。もっとも、最近ではムラ外の人もやっているらしいです。
隣町の方は案内して下さった方の地元ではないので、サクッと通過。その後、四万十川の河口を見せてもらったり「沈下橋」を見せてもらったり。
四万十川の河口っておもしろいんですね。あのきれいな川がそのまま海に続いているかと思いきや…。そうそう、台風の影響とかで波がすごく高かったです。考えてみると、太平洋の波をまともに見ることはほとんどないので、これもいい経験でした。
ちなみに、四万十川の近くにも小さなムラがあります。ここも瞬間案内していただきました。山の斜面の上の方に、突然改良住宅が数軒あります。斜面の下には公民館や保育園があります。かつてはここに屠場もあったとか。
そんなこんなで3時間ほどいろいろな場所を案内してもらって、今夜の交流会の場所へ。

大移動

休みの土曜日というのに、つい早くに目が覚めました。なんか、遠足の日みたいな感じだな。
7時過ぎに電車に乗って京都駅へ。ここから高速バスに乗ります。ちなみに、予約した座席は1B。Bって…。となりに人が座るのか…。予約の時の2択の某項目、「心(笑)」にあわせて選択したけど、どやろなぁ…。と思ったのですが、結局キャンセルだったみたいです。AB席を独占できました。よかった…。
さて、バスは明石海峡大橋を越えて、四国へ。さらに、吉野川を上って左折。太平洋側に出ると、そこは高知でした。ここで高知在住のお友だちと軽くミーティング。そして列車に乗って1時間ちょい。到着したのは、黒潮町です。
駅に着くと、先日の交流会で出会った人が迎えに来て下さっています。ここから、プチフィールドワーク。

統一見解の重要性

今日は上の子どもの学校の文化祭。パートナーは「ぜひとも行きたい」とのこと。なので、わたしは早めに帰って下の子どもの習い事の送り迎えの担当ということになりました。
さて、お家に帰ってまずは送り。習い事の場所は近いと言えば近いのですが、微妙な距離なんですよね。で、日が落ちるのも早いことだから、めんどくさいけど送った方がいいらしいです。それにしても、家を出る瞬間までマンガを読むの、やめてくれないか^^;;?
帰ってきて、ホッと一息。考えてみると、6時過ぎに家に帰ってきてゴロゴロするのはいつ以来だろうと思います。せっかくなので、テレビを見て、お風呂に入ってしばしなごみのひとときです。
そうこうするうちに、あっという間に迎えの時間。
送りは送るだけだからいいんですが、迎えがめんどくさいんですよね。まず、床に引いてあるリノリウムを巻いて運ぶという片づけ作業があります。しかも、それを同じく迎えに来ておられるお母様たちと一緒にやらなくちゃなりません。となると、当然会話もあるわけで…。
で、迎えの場所に到着。「あ、どうも、どうも」とあいさつをしていると、
「あの…、◯◯ちゃんのところの…」
「あ、はいはいはい」
「あの〜、お母さんにこれ渡しておいていただけますでしょうか」
「あ、はいはいはい」
「また、説明は電話でしますから」
「あ、はいはいはい」
あとは、向こうで来年の役員のことを話しておられます。なんでも、うちのパートナーが役員をやる気だそうです。また仕事を増やすのかいな…。にしても、なんでわたしがいるのにそういう話をしているのかなぁ…。
などと思っていると、片づけの時間。
リノリウムを巻きはじめると、となりで作業をしているお母ちゃんが、わたしにこう言いました。
「たいへんですね、妹さんですか?」
「へ*1?、あ、いやちがいます」
「あ、じゃぁどんな…」
「あ、まぁいろいろと…」
「あ、そうですか、たいへんですね」
「いえ…」
なかなかとっさには答えられないものです(笑)。
あとは無事作業をやって子どもを連れてお家へ。
しばらくして、今度はパートナーの迎えです。
「あ、今日な、お母ちゃんに「妹さんですか?」って聞かれたよ*2
「なんでやの!」
「まぁ、そう見えるんやろ*3
「ほんまにもう…」
「そやけど、どう答えたらいい?1妹、2娘、3パートナー」
「どれでもいいけど、ややこしくなるから、あんたとわたしで統一しよな」
「へいへい」
そりゃそうだ。
それにしても、ノンカムってむずかしいなぁ…。

*1:\(^o^)/

*2:わほほーい!

*3:へへーん!

ケンミン

ケンミンと聞くと、当然「ケンミンの焼きビーフン」なのですが、最近はカミングアウトするものらしいです。
わたしとしては、これの司会者は大嫌いなんですが、つい見てしまいます。
ついでにいうと、これのスタンス*1も大嫌いなのですが、つい見てしまいます。
なんでかなぁと思っていたのですが、ようやくわかりました。おそらく、逆の考え方をすると、「揺るぎない位置を与えられている東京には「ネタ」がない」ということがはっきりするからなんですね。で、「カミングアウト」をしているケンミンのみなさんが、そういう形で「ネタ」を増幅してくださるわけです。
で、やっぱり「秘密のOSAKA」がおもしろい。

大阪府民は「バーン」と指鉄砲で撃たれると撃たれたポーズをとる。

その通りです。てか、単なるポーズではダメです。先日、石川県でトイレの前でつい「バーン」とやってしまったのですが、やられた相手*2は、お約束のように手のひらを見ながら「なんじゃ、こりゃぁ!」とやってくれました。
昨日の放送でもいいのがありました。

大阪府民は擬音なしでは道案内できない!?

その通りです。大阪府民だけではありません。京都府民もやります。
かつてわたしが職場の近くでバイクで事故ったとき、気が動転した教頭が「あのな、事故の場所な、校門を出て、ダーッと行ってバーッと行ったところや!」と叫んでいたそうです。非常にわかりやすい。その教頭、かつて教員が文句を言った時「そんなもん、ケッチョンパーや!」と叫んでいました。非常にわかりやすい。

ま、べつにどうでもいいことですけどね…。

*1:東京は揺るぎない位置を与えられていて、それ以外を笑う

*2:三重県のIさん

アイドリングストップ

アイドリングストップなぁ…。
バスがやっているけど、あれ、エンジンかける時の排気ガスを考えたらどっちが環境にいいのかわからないし、そもそもバスの後ろについていてエンジンかけられた日にゃぁえらい目にあいます。それは、わたしの車も一緒。環境にハイインパクトディーゼルエンジンなので、そもそも動かしただけでアカンやろうという。で、動かしていないからバッテリーも弱いし、アイドリングストップをやってそのままエンジンがかからなかったら、渋滞の原因になるし。
バイクについてはキックしかないから、めんどくさいというのと、これまたかからなかったら困るやんかということで、やっぱりアイドリングストップにはなじめないなぁ…。

と思っていたのですが…。
ここ半月ぐらい、ガソリン価格の高騰もあるんでしょうね、アイドリングストップしているバイクがやたら多いんです。で、みんなセルがついている。セルつきだったら楽は楽だけど、バッテリーがやばいバイクだと目も当てられないことになりそうです。それでもアイドリングストップをしています。
で、一度やってみました。

静か…。
ヘルメットの中の音楽の小さい音が聞こえてきます。まわりの音もきこえてきます。
これはいい。やみつきになりました。
となりのビグスクとかアメリカンとかドラッグ系のバイクの音がすごいうるさい。

みなさん、環境のためにもアイドリングストップをしましょう(笑)。

在庫のあるうちに

最近、寒さのせいか、通勤の行きの時間帯、アクセルがもどりません(笑)。そういう時は、一度からぶかしをして明示的にアクセルをもどしてやるともどるのですが、困るのはパーシャルな状態なんですよね。速度を維持したいだけなのに、だんだん加速していきます。
てことで、思い切ってスロットルワイヤを交換してもらいました。ついでに、スロットルカラーとグリップも交換。
いやぁ、軽い!アクセルが軽い!軽く手首を動かしただけでアクセル操作ができます。こんなんだったんだぁ…。そう言えば、いままで「握力養成ギブス」みたいな感じだったからなぁ。
にしても、予想外にアクセルがまわりすぎることもあります。注意しなくちゃ[1]なにせ、あと1点しかない(;_;)

footnotes

footnotes
1 なにせ、あと1点しかない(;_;

なんかおかしい…

実は先週頼まれていた高座、出張が入ったので今日に変えてもらっていたんですよね。なので、午後から休みをとってバイクで高座入り。
にしても、「いったいなんでやねん」というのが、最近の正直な感想。そりゃぁ「ウケ」を考えているから笑ってもらうよう努力はしていますが…。わたしの高座って、そんなに聞いてみたいものなのかなぁ…。

わたしは白鳥…ちゃうなぁ…

6時間目の授業が終わって、ヒマなので教室でグダグダ生徒と雑談。最近ちょっとやる気をなくしている生徒と「どないしてんの?」みたいな話をしていると、横にいたその友だちが
「先生って仕事、ストレスたまるよね。心中お察し申し上げます」
と、えらいていねいな話をしてくれました。
「そやなぁ…」
とボーっとしたことを言っていると、別の生徒が
「でも、先生はストレスたまってへんやろ。のんびりやってるやん」
と、これまたズバリな発言。やられたな…。でもね、水面を優雅に泳いでいる白鳥も、水の中では…。

と思ったのですが…。
先日の健康診断の時に書いた問診票のことを思い出しました。こいつには自覚症状を書く欄があるのですが、あてはまる項目がほとんどないんですよね。たまにお腹がゆるい時もあるけど、たいていビールを飲み過ぎた翌日だし、だいたい、朝50分も寒空をバイクで走ったら、そうなりますわな。腰も最近痛くならないし、肩も凝りがマシです*1。「なんでかなぁ」と考えたら、最近猫背が治ってきたんですよね。「冴えないヒゲのおっさん」のフリをすることもないし、「上半身の一部(笑)を隠す」必要もありません。てか、今後のことを考えたら、姿勢良くしているほうがいいのかもしれないぐらいで(笑)。
そうそう、この間もパートナーから
「あんたの血液検査の結果みたら、正常値をはずれているマークがついているとこ見たら、全部女性の正常値におさまってるやん(笑)」
と言っていました。
なんか、トランスすることって、体にいいのか?

そうそう。体調がメチャ悪だったのですが、授業が終わったらずいぶんとマシになっていました。変や(笑)

*1:痛い時はたいてい前日に思いものを持った時で、原因がわかっている

トリプルヘッダー

昨日までの体力的なダメージを回復すべく、家でグダグダしていたのですが、パートナーから「間にあうん?」とひとこと。時計をみると、8時過ぎ。9時過ぎには阪急に乗っていないといけません。てことは、ギリギリやんか…。
あわててコーヒーを飲んで、パートナーに駅まで送ってもらって地下鉄に飛び乗りました。
途中、Y子ちゃんと待ちあわせ。阪急電車の車窓をながめながらグダグダと沿線の某所にまつわる話。
降りたのは、崇禅寺。ここでさらに4人が合流して、近くのスーパーで今日の昼ご飯の食材の買い物です。
実は、今日は「トランスジェンダー生徒交流会・秋の交流会」です。
今日は日程的につまっているので、鍋だな。
重い荷物をみんなで持ちながら、A鳥から日之出へ移動です。まぁ、重い荷物もみんなで分担すると楽ですけどね。
みんなはそのまま会場へ。わたしは待ちあわせ場所の新大阪駅へ。しばらくすると、なんかぁゃιぃのが続々とやってきます(笑)。今日は盛況だな\(^o^)/。それにしても、2年ぶりにあったAちゃん、ぜんぜんわからんかったわ。「なんかやってる?」って言ったら「なんにも」という答え。若いってうらやましいです。他にも、東京からわざわざ夜行バスでこられた方もいたりして、もう、感激です。
会場の日之出人権文化センターに着くと、すでに調理ははじまっていました。中には、支部の人たちも混じって鍋の用意をして下さっています。ん〜、11時半に解禁になるものを呑むのがはばかられるな(笑)。
やがて、完成した鍋を持って隣の部屋へ。鍋をつつきながら、支部長さんが語られる「肉の話」を聞いたり、それぞれの自己紹介をしたり、しばし交流の時間です。

で、2時から会場を移して、シンポジウムの開始。こんなんがあるんです。
このシンポジウム。実は事前の打ち合わせをしようと思っていたのですが、まったく時間がなくて、なにもなし。とりあえず話をしておいたのは

  1. 最初の自己紹介は名前と所属だけ
  2. 前半は「テクニカルターム」を使わずに話をする
  3. そのあと、わたしがテクニカルタームの説明をする
  4. あとは出たとこ勝負(笑)

の4点です。さてさてどうなることやら…。
やっていてわかったのが、「テクニカルターム」を使わずに話をするのって、けっこう難しいのかもしれませんね。というのは、たぶん、自分の感覚って、あとから振り返る時にはなんらかの概念にからめながら顕在化させているわけで、そこから「概念」を抜いて話をするとなると、伝え方が難しい。でも、「伝える側」としては、それをしないといけないというのが、わたしの持論なんですが…。まぁそれはいいです。
みなさん、その難しい注文によくこたえて下さいました。おかげさまで、約1時間、3人のパネラーの「半生」を聞くことができました。
そこからわたしが少し話。で、休憩。後半戦は30分しかありません。
後半戦は「いま、そしてこれから」というお題です。これ、まさに打ち合わせをしていなかった「出たとこ勝負」のところなんですね。ここもみなさん、うまくまとめてくださいました。
最後に質問を受けて終了。
まぁ、シンポの内容そのものは、いわゆる「性同一性障害」の3人を招きながらも*1性同一性障害らしくない」話というか、簡単に言うならば「いろんな人がいる」みたいなところに持っていくことが少しはできたかな、という感じです。
シンポジウムのあとは、生徒たち同士で感想の出しあい。
ある参加者*2の「なんでこだわるのか。こだわっているのがもったいない」という発言に微妙な空気が流れた気がして、これがまたいい感じです。「そうそうそう!」みたいな話ばっかりじゃ、やっぱり話が揉まれないです。そうそう、「成人式に振り袖が着たいけど…」というMTFの発言に、まわりにいた大人達が「へー、成人式に出たいんや〜」という根本的な違和感を感じていたのが、またなんとも(笑)。

その後、さらに場所を変えて、大人はちょっとビールなど。子どもは当然ノンアルコールで、話したりないことなんかを交流。
8時終了のつもりが9時までグダグダ話をしていました。
帰りの電車ではY子ちゃんが倒れそう。わたしも倒れそう。
がんばってお家に帰ろうね…。

*1:全員ジェンダークリニックに通っているので、厚生労働省のカウントに入っているはず(笑)

*2:≠トランス

壁に耳あり障子に目あり

で、「悪いことがでけへんようになってしもたなぁ」と思ったことがありました。
昨日の分科会の休憩の時、斜め前に座っていた人から「あの、NHKに出られていませんでしたか?」との発言が。思わず「あぁ、そんなこともありましたっけ」と噴き出しそうになってしまいましたが。
で、今日も電車を待っている時「あ、全同教の参加者やなぁ…」とぼんやり近くのグループの人を見ていると、軽く会釈されます。で、「どなたやったっけ」と思いながら近づくと「NHKに出られてましたよね」「はぁ」「うわぁ〜!」「いや、単なる飲んだくれなんですけど…」という会話。
昨日の人も今日の人も、「会うことがあれば話したいことがある」という思いを持っておられたみたいです。で、ちょっとだけの時間だったけどそんな話を聞かせてもらいました。
悪いことはでけへんわけやけど、そういう出会いの時を与えられるっていうのは、やっぱよかったかなぁ…。