事前合宿2日目

朝、ちょっと早めに起きて朝ご飯のおにぎりづくり。やがて起床の時間です。女性の部屋のドアを開けて「あと、15分でパーテーションをはずすよ!かまわないね?」と声をかけました。なかなかややこしい…。
で、朝ご飯。そして話しあい。
昨日ディープな自己紹介をしているので、それなりに話は進みそうなものですが、やはり膠着状態になったり脱線したりします。そのあたりをさばくのがわたしの仕事。適当に休憩をとったり、適当に相談の時間をとったりしながら、なんとか4時間の話しあいの時間を終了して、ひとつの成果を出すことができました。
途中、地元の人たちのホットケーキの差し入れがあったりして、ほんとうにお世話になりました。
で、バスで最寄りの駅まで移動→解散です。みんな名残惜しそうに、それでも、「夏にまた会える」という安心感のある解散でした。

事前合宿1日目

今日は午後からの会議は失礼して、全国在日外国人生徒交流会の事前合宿に参加です。ところがまぁすごい雨。京都からの参加者はわたしの車で行ったのですが、合流地点がすごかったです。いや、雨もすごいんですが、迎えの車も多いんです。ま、しゃーないといえばしゃーないのですが、2列に並ぶのはやめようよ…。
事前合宿の会場は滋賀県東部のある町です。ここの全面的な支援をもらいながら、今回の事前合宿〜夏の全国交流会をすることになっています。
集まってきた子どもたちを見ると、さすがは各地からの代表という感じです。「交流するぞ!」という気迫がみなぎっています*1
まずは、簡単に自己紹介。すでに何回も参加して互いに知りあいになっている子もいるし、今回が初めてでちょっと緊張気味の子もいます。でも、それぞれがそれなりに自分のことを話したり、各地の活動状況を話したり。それにしても、数年前までは各地の「交流会」なんてほとんどなかったのに、今ではずいぶんとそういう活動も広がってきています。ほんとうに分厚くなってきたなぁと思いました。
次に、みんなで晩ご飯づくり。今回は、参加者のエスニシティにあわせてフォー(ベトナム)、バンシット(フィリピン)、Arroz con pollo(ペルー)、水ぎょうざ(中国)、チャプチェ(朝鮮)の5品です。ちなみに、今回のテーマは「パスタ」。ぎょうざがパスタというのはちょっと苦しい気もしますが、まぁ広い意味ではパスタ料理なんじゃないかと。で、それだけではなんなので、Arroz con pollo(ペルー風チキン炊き込みごはん)でボリュームをつけるという感じです。
つくっている風景を見ると、すごくおもしろいです。特に、中国にルーツを持つ子どもたちがおもしろいです。ジェンダーに関係なく、それぞれがこだわりを持っています。なので、時として互いのこだわりがぶつかることもあります。中国語で互いに主張しあっている姿を見るのって、それはそれでなかなか興味深い感じがします。
そんなこんなでできあがった料理のおいしいこと!かなりたくさん食べてしまいました。
で、夜は再び話しあい。今度は「ディープな自己紹介」というテーマだったのですが、これがまたすごいです。ほんとうにディープな話を、みんな笑顔で話します。でも、内容だけを聞いたら、とてもじゃないけど笑顔で話す内容じゃないんです。そんなこんなで、12時頃まで話しあい。その後、就寝です。
あ、わたし、ふつうに女性の部屋*2。でした。もちろん、みんなわたしのことを知っていて、でも特に何かあるわけでもなく、トランスのわたしをトランスのまま受けいれてくれている感じがします。こういうのも、たぶんこの交流会だからなんだろうなぁ。

*1:大人の「交流するぞ」は「=呑むぞ!」ですが、子どもたちは「交流するぞ」=「しゃべるぞ!」なんです。えらい違いやわ(笑)。

*2:というか、大きな部屋を移動式の壁で区切っただけですが

会議

昨日が昨日だけに少々疲れ気味ですが、今日は午前中、某在日外国人教育関係の事務局会議です。といっても、参加して何をしゃべればいいのやら…。どちらかというと、会議の場所で事務作業があったので、そちらに重点を置いていたりした午前中でした。

もちろん交流会(笑)

交流会の意味がわかる・わからないという話がどこかに書いてあった気がしますが(笑)、交流会はもちろん飲み会の意味ですよね。
で、今日は大学院の人とか今日の講義に参加していた人とか、こぢんまりとしながらもおもしろい集まりになりました。やっぱ大学生と話をするのはおもしろいですねぇ…。
その後、帰る方向が同じ先生と一緒に、京都市内のキーステーションまで移動。さらにもうひと呑みして解散。

散歩

質問が終わって学生さんが返ったあと、1時間ほど時間があったので、大学の近くを散歩することにしました。
大学は大和川のすぐ北側にあります。この川、知る人ぞ知る銀座通り*1のような川なんですよね。で、大学の近くにもA香というムラがありますここ、まちづくりでも有名ですし、なんと言っても、やっている活動がおもしろいんです。なので、そこを散歩したいなぁと思ったわけです。いっしょに行きたいという学生さんがいたので、ふたりでいろんな話をしながらぶらぶらと歩きました。
実は数年前に散歩したことがあるんですが、今回歩いてみて、前には建っていなかった新しい住宅が建っていたりして、やっぱり変化していました。なにせ、昔からの家なんて、ここいはほとんど残っていませんから。というか、もともとのムラは大和川に張り出すように建っていて、1軒の家に1階がふたつあったとか*2。で、川で金魚を飼っていてそれが生業だったという話を聞いたことがあります。なので、昔からの家はすべて撤去されているわけです。でも、なんかなぁ…。そんな中、前に来た時にも建っていた家が一軒だけ残っていました。3年ほど前まで住んでいた家とちょっと似た感じなんで、「なつかしいなぁ」と。
ムラの端っこにはムラ墓があります。そこに入ってみると、旧日本軍で戦死した人たちのお墓がいっぱい建っていました。みんなすごく立派なお墓です。このお墓、どんな思いで建てたのかなぁなどと思いながら*3、あちこち見てまわりました。
このムラでは、長い間まわりの社会と隔絶されてきた*4歴史を変えていくために自分たちの設計した広い公園や立派な温泉*5があります。温泉は、ともすれば分断されがちなコミュニティをつなぎなおすものですし、公園もまた、そういうものです。その隣には、障害者施設や老人福祉センターがあります。まさに、「福祉の街」という感じです。ただ、なんとなく「それでいいのかな?」という気がしないでもないです。というのは、こういう街づくりが、新たな「隔離」を生み出してしまいはしないかということなんです。もちろん、買い物や仕事や学校の関係でムラの中に閉じこもりきりということはないとは思います。でも、その気になれば、一生をムラの中で過ごすことも可能なのではないか。ある意味わからないわけでもないけど、少なくとも子どもたちにとってそれがいいかどうかは、かなり論議の余地があるんじゃないかと思います。
なんていうことを学生さんと話しながら約1時間の散歩も終了。

*1:ってあるのか?

*2:河川敷側と堤防側ね。しかも、それぞれ住んでいる人が別の家もあったとか。

*3:いや、「どんな思いだったか」は、ほんとうにわからないんです…。

*4:地下鉄の操車場や川や大学なんかで、ほんとうに地理的に隔絶されていたんです。

*5:共同浴場

大学生

今日は、年に1回あるO阪市がつくった大学(笑)で高座がある日です。
授業をすませて職場を飛び出して、どうにかこうにか待ちあわせの時間に間あいました。講義の時間までちょっと余裕があったので、しばらく大学院生とかがたまっているところでダベリ。なかなか愉快な人たちで、「レポートにWIKIを使うのは許せない!」みたいな話で盛りあがっていました。なんだかなごみますね。
で、講義。学生さんの人数は、わずか9人+先生2人。
ここで話をすると、学生さんにはウケないんですけど、先生方にはすごくウケるんですよね。というのは、先生方はともに京都で学生時代を過ごした方。しかも、お一人はわたしと年が一緒。違うのは学校ですが、それも鴨川をはさんであちらとこちらなので、ほとんど同じ文化の中で、学生時代を過ごしたことになります。なので、細かいネタのひとつひとつが「そうそうそう!」みたいな感じになるんです。
一方学生さんはというと、わたしが学生だった頃は、まだこの世には影も形もなかったわけで、1980年代の話をしても、そらウケるわけないです。なので、先生ウケをするところは、今日はさらりと流すことにしました。自分としては、なんとなく寂しかったけど、まぁしゃーないです。
講義の時間が終わったら、ひとりの学生さんが質問に来られました。なんでも、セクマイのことをレポートにまとめたいとかいうことで、いろいろ調べているそうな。わたしが話の中ではあまりしなかった「葛藤」にかかわる話とか、現在やっている活動趣味のこととかをいろいろ質問されました。
さすがにO阪市がつくった大学に合格されているだけあって、知的好奇心は旺盛ですし、答えた内容がすごく入っていくのがよくわかります。ただ、ひとつ不安なことが…。それは、「鵜呑みにしてない?」ということです。
たしかに疑問を持ち、それを聞き、理解するということはできます。でも、そこで得た答えをかみ砕いて自分のものにしていくというのは、また次のステップなんじゃないかなと思います。そのあたりができているのかどうか…。たしかに素直なんだけど、素直すぎるような気がします。例えば「葛藤」にかかわる話なんて、するりと飲み込むものじゃなくて、自分の「葛藤」と重ねながら、自分自身が揺れるものなんじゃないかなぁ、と。そのあたりが、なんとなく希薄な気がします。つっても、まぁ大学2回生だからしゃーないか。

で、研究授業

なんで↑みたいなことを書いたかというと、とうぜん今日は研究授業をやったわけです。いちおう出さなきゃならないので、授業展開案も出しました。ま、30分ぐらいでちょこちょこっと書いただけですが…。教科書の該当部分のコピーは、サービスとしてやらなきゃなりませんわな。
ただ、気が重い…。ここ数日のストレスのうちのひとつは、確実にこの研究授業でした。↑では、「よそいき」を否定している書き方をしていますが、下手すると授業が成立しないかもしれない危機感を持っていたら、やっぱり「この時間ぐらいはよそいきでいってくれ〜」などと、ふと思ってしまいます。こんなん、ほんとうに久しぶりです。

ところで、「学び」には表面的には2種類あるように思います。静的な学びと動的な学びかな。
「静的な学び」っていうのは、こういうの…。
「静まりかえった教室。響くのは教員の声、チョークが黒板を滑る音、そして鉛筆の音。予定された内容をすべてこなして終了」みたいな。
「動的な学び」っていうのは、こういうの…。
「特に静まりかえるわけでもないけど、教員と生徒の間で会話がある。わからなければ、互いに教えあったり教員に質問したり。だから展開案通りには授業は進まない。でも、ごく短時間集中する瞬間はある」みたいな。
効率よく知識を伝達するためには、前者のほうが圧倒的にいいです。そして、そういう時間を望んでいる生徒もたくさんいます。でも、そういう教室が成立するためには、クラスのメンバー全員にそうとうなモチベーションが必要だと思います。で、ウチの学校ではそんなの望むべくもない。なので、「動的な学び」をねらわざるを得ません。

で、思いっきり迷いながら、授業突入。
「へ?」
みんなえらい積極的です。まさに「動的な学び」の空間です。子どもたちがそうであれば、わたしのパフォーマンスも引き出されます。わたしがパフォーマティブな授業をすると、また子どもたちのパフォーマンスも引き出されます。すると、「学び」からはずれている子どもの顔にすぐに気がつくので、フォローもできます。
1時間終わって、あのストレスはなんだったんだと思うような経験ができたことに気がつきました。

しかし…。疲れた。パフォーマティブな授業は、体力使うわ(笑)。

「研究授業」考

この時期、学校は「教育実習」の季節です。で、それに並行して、教員も授業を公開する、いわゆる「研究授業」があります。
これ、わたしはさほど抵抗がないのですが、いやがる人が多いんですよね。まぁたいていの場合は「見られるのが恥ずかしい」なんだと思います。で、「恥ずべき授業をしているか」というと、ぜんぜんそういうのじゃありません。それぞれの教員は、それぞれの経験にもとづいて自分の創意工夫をこらして授業をしています。あたりまえです。プロですから。たぶん、学校の中というより「美しい国(笑)」の「美しい価値観」として、そういうことは「一歩引いて…」というのがあるんでしょうね。で、「美しい価値観」を持っていないわたしみたいな人間が「抵抗ないけどなぁ…」と引き受けてしまうわけです。
ただ、いやがる気持ちがわからないわけではないです。というのは、めんどくさいんですよね。「授業展開案」というペーパーを印刷しないといけないんです。そこに「この教科の目的は〜」とか「この単元の目的は〜」とか「このクラスの生徒の情況は〜」とか、まぁさまざまなことを書かなくちゃなりません。たぶん、そんなの誰も読んでいないのにね(笑)。だって、同じ教科の人間だったらそんなもの書かなくてもわかるし、別の教科の人間だったらそんなもの書いてもわからない。さらに、「生徒の情況」なんて、同僚であれば書かなくても誰もが知っているわけです*1
たぶん、「展開案」というやつは、「お前書いてみ」みたいな感じのものであり、生徒の状況を知らない人に向けて書くものなんだと思います。つまり、「外部の人間に指導を仰ぐ*2」ためのものなんですね。まぁ、そういうのはわたしもキライです(笑)。
わたしが「ええやん」と思う研究授業(公開授業)は、そういう格式張ったものではなくて、互いに気軽に授業を見に行けるもの。他の人の持っているテクニックに学び、自分の持っているスキルを他の人にも公開するもの。そうすることによって、みんなのスキルアップがはかれると思うのです。で、もしも授業を批評するとするならば、生徒の「学びの状況」にもとづいて、それをどう引き出したか(あるいは、引き出すのに失敗したのか)というあたりを論議をする*3
わたしが考えるもっとも非効果的な研究授業のパターンはこういうのです。

  1. 授業案を書くためにたんまり時間をかける
  2. よそいきの教員とよそいきの生徒→よそいきの授業*4
  3. 終わってからの格式張った授業研
  4. 中身は、まずは担当者から一言
  5. 続いて沈黙(笑)→しかたないので順番にあてる→すると意見が出てくる*5
  6. 最後に指導主事からの「助言」

あー、時間がもったいない(笑)

*1:知らなければ、それは知らない教員のほうが問題

*2:たとえば、教育指導主事とかね

*3:このあたりは、佐藤学のパクリです(笑)

*4:お客さんがいるから、多少はしゃーないですけどね

*5:最初から意見を言おうよ!

だれた放課後

今日は、昼休みは立ち番。しまった、日傘かなにかを持ってきたらよかった(笑)。もう、照りつける陽射しに、だんだんと腕がヒリヒリとしてきます。これはやばいぜ…。てか、顔も焼けるぞ。シミになるぞ。またIちゃん先生に怒られてしまいます。
そんな午後のはじまりだったので、ダラダラと仕事をしていると、いつのまにか放課後です。「ふ〜ん、放課後かぁ」と思いながらパソコンに向かって雑事をしていて、ふと気がつきました。「なんか、静か…」。ひょいと会議室の方を見ると…。職会じゃんorz
あわてて会議室に走っていきました。で、30分後には終わってました。
帰り際、副校長との会話。
「今日は暑かったなぁ」「暑かったですねぇ。いやぁ、そのせいで、職会忘れてしまいましたわ(笑)」「そうかぁ(笑)」「ほな、お先に失礼します」「ごくろうさん!」
ええ職場や(笑)。

だれた授業

今日はなんか暑い!
生徒が暑い時は、教員も暑いんです。生徒がだれる季節は、教員もだれるんです。しかも、そんな日に限って問題をあてるのにだれた生徒があたります。もう、授業はダレダレ。
ところが、そういう時に限って、それなりに授業がうまくいくのが不思議なところ。
たぶん、無理をしていないからなんでしょうね。だれた空気とだれた時間の流れにうまく乗っていくと、生徒たちもわたしも、かえってスムーズな流れになります。
結局、「ここまで進めばめっけもの」と思っていたところまでいってしまいました。すげえよ。