最後の秘境

まぁ、なんだかあちこち顔出しをしているんで、世間のたいていの人にはばれているだろうと思っていたのですが、ところが、ぜんぜんばれていないんですよね。
そういえば、前に書くのを忘れていたけど、いままで町中で一回だけ声をかけられました。あれは、忘れもしない11月9日のことです。
昼間、用事で京都駅で切符を買っていたら、突然「あの…」という声がかかりました。で、振り返ると
「テレビに出ておられた方ですよね?」「はぁ」
「あの、先生されているんですよね」「はぁ」
「見ました。こんなところで会うなんて…。わたし、別の意味で当事者なんですけど、とても勇気づけられました。ありがとうございました」って。
いや、本当にびっくりしました。でも、なんとなくうれしかったです。たった一人かもしれないけど、確実に一人の方が「勇気づけられた」って言って下さったわけですから。なので、「こちらこそ声をかけていただいてありがとうございました。すごくうれしかったです」と答えました。

で、これはまぁいいとして…。
実はわたし、毎年冬にスキースクールにスタッフをしに行ってますが、ここにはまったくカムアウトをしていないんです。去年とか、校長から
「おい、行くぞ」
って言われて「どこですか?」と聞くと
「風呂行くぞ」って言われてしまいました。
「え゛〜」と思ったのですが、しゃーないです。行きました、男風呂。そらもう、みなさんの視線を一身に集めてしまいました。てか、子どもさんなんて正直なもんで「お、お父さん!女の人が入ってきた!」。で、お父さんは「み、見るんじゃない!」って。まぁ大騒ぎでした。もっとも、すぐにみなさん慣れたみたいですけどね(笑)。
で、今年です。
この間の骨折で、今年の正月はスタッフで行くのは不可能になってしまいました。なので、
「すみませんが、今年は行けないんです」
と電話をしました。すると、
「あら〜、それはたいへんね〜。でも治ったらまた来てね〜」
といつもの調子です。
「すみません」と謝っていると
あ、そうそう、テレビ見たわよ!
「へ?NHKですか?」
「そうそう。いや、うちの子どもがね、「あれ、土肥先生がテレビに出てる」って言ってね、みんなで「うそだろう」って言ってたんだけど、みたら、土肥さんじゃない!」
「はぁ…」
「まぁ、いろいろあるもんね〜。また、電話ちょうだいね〜!」
…。
最後の秘境も、簡単になくなりました。
さて、次にスタッフで行ったら、どうなってるかなぁ…。