全同教2日目・特別報告

今回の全同教のわたし的な最大の目玉は全体会での特別報告です。実は、Hさんも教員ではないのですが、特別報告を聞きに来られていたんです。
宮崎県同教は、いまから4年前、わたしにはじめて「語る」機会を与えてくれた組織です。報告者は、その宮崎県同教の前会長。この方は、その集まりのあいさつの時、「いつきさんが自分を語るなら、自分もきちんと自分のことを語らなくてはいかん」と、ご自分の出身について語られた方です。それまで、オフィシャルな場ではそういう話は滅多とされず、ご自分の実践を背景にした話をされていたそうです。そういう意味でははじめてだったそうな。
とにかく、今回この方の話を聞きたいと思っていました。
この方、41歳の時にたまたま参加したムラの忘年会への道を歩きながら、自分の記憶の中にこの「道」があることに気づかれます。そして、ムラのおばちゃんにそのことを告げ、自分の出身のムラの子とを話した時「あんたもわたしらと同じや」と告げられます。そこから、自分の過去の中にあったさまざまな経験の中にある、部落出身の「徴」を掘り起こしていかれます。と同時に、まわりの人間が自分に告げなかった「41年間の無言」という重みを感じられます。しかし、ご自分が自分のことを掘り起こされた時、決してまわりの人々は「隠し」はしませんでした。こうして、まさに41年目にしてご自分を取りもどしていかれます。
やがて、話は識字のおばあちゃん・おじいちゃんへと移っていきます。そして、宮崎の高校生たちの話。1996年に宮崎で行われた全奨*1の中で起こった一人の高校生の変容。わたしは、この全奨に自分のクラスの生徒をつれて参加していました。そして、やっぱりその子もこの全奨で元気をもらって、2学期に自分のことをクラスで語ったことを思い出しました。
そして、ご自分の子どもに伝えきれていなかったこと。でも、子どもたち自身が、大きくなるにつれて、自ら変わっていった姿。そして、お孫さんの名前のこと。語られる言葉の端々に「世代をつなぎ、思いをつなぐ」という思いがあふれていました。
思わず泣いちゃいました。

*1:全国高校奨学生集会

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