なぜにわたしが・GID学会最終日

朝、めっちゃ眠いです。が、今日は9時からはじまるので急がなきゃなりません。とりま、8時にごはんを食べて、片づけはなぜか他の人に任せて、とりまシャワーを浴びて。そうこうするうちに、みなさんはスタート。わたしも遅れてスタート。

昨日一度走ってるので、コースはわかっています。なので、迷いはしません。が、あののぼりも覚えています。しかも寝不足と飲み過ぎです。完全に登り道はダウン。結果、4.9kmを33分33秒で、アベレージは6分45秒でした。スプリットは5分53秒→6分21秒→6分38秒→7分34秒→7分19秒でした。完全にやる気を失ってますね。

会場に着いたら、しばし外で寝てました。水分補給したいけど、リュックがどこにあるかわからないので、お金がない。まぁしゃーないか。
どこかのセッションに入る元気もないし、しばしうろうろ。とりあえず、針間さんの「特定の芸能人が性別違和感を抱く契機となった症候群」を聞きましょうか。症候群の名前は「ストプリ症候群」でした。それにしても、しんどそうな子らみたいです。その逃げ場が「トランス」であるとしたら、それくらいに性別って「根源的」なんだなと思ったり。
で、立石結夏さんによる講演「トランスジェンダーバッシングから見える法と社会」です。まずは経産省の裁判の事例から。いやぁひどいな。そして最高裁まで争わなきゃトイレも使えないって、どういうことなんだと思いますね。そしてその背後にあるのは「ルッキズム」であるという分析は、なるほどなと。で、ルッキズムのさらに背後にあるのは「女性を劣位におく」ということ。そして「トランス女性は女性の劣位性を濃縮した形で存在している」という指摘は、そりゃそうだよなと。にしても、それを突きつけられると、あらためてうーんってなりますね。そこから「特例法」の今後についての私見を述べられました。「特例法」は、あくまでも法的な性別の取り扱いを定めているだけなのに、そこに医療が介入している。言い方を変えると、医療に依存することで特例法を成立させてきた。でも、パラダイムは変わっている。なので、医療分野と法律分野を分け、さらに法律分野についても「性別の規定」と「性別による処遇」を分けるべきみたいな話で、かなりクリアな話でした。まぁでも、ここまで力強い話を聞くのは久しぶりです。ちょっと泣けました。
で、あいさつをしに行ったら、前の人がディスカッションをはじめたので、「ごめんなさい」と割って入ってお礼だけ言って、理事会へ。が、場所がわからない。大幅に遅刻して理事会の部屋の扉を開けると、完全に「間違って扉を開けた人」の扱いを受けて、そりゃそうだよなと。なにせ、上はジャージで下はジーンズですからね。それでも、議案書とおべんとをいただいて、理事会に参加。

おべんと、おいしい。
そして、総会です。名称については「GI(性別不合)学会」になったという「報告」がなされて、その後、わたしにマイクがまわってきました。なんでわたしやねんとは思うけど、まぁわたしがいいんでしょう。

今回、もっとも争点になったのは、病名を学会名にすることの是非でした。国際的な潮流を言いますと、例えば「ハリーベンジャミン国際性別違和協会」というように「性別違和」を用いていた組織が、「世界トランスジェンダー健康専門協会」というように「トランスジェンダー」を組織名に用いるようになり、さらにSOC8では「transgender and gender diverse」というように、さらに包括的な名前を用いるようになっています。
さらに「健康」という言葉にも意味があります。「健康」は、単に病気ではないという意味にとどまらない、より広範な概念、ちょうど「well being」といった意味になるかと思います。
病名を組織名に使うことはふたつの排除を招きます。
ひとつは当事者です。やはり、性別違和や性別移行は「病理」であるということになります。
もうひとつは「かかわる人」です。午前に立石さんが講演されたように、トランスジェンダーの健康のためには法律も必要です。あるいは、座長の山本さんが言われたように「医療モデルから社会モデルへ」という変化の中があります。したがって、さまざまな分野の人がかかわらなければなりません。にもかかわらず、病名を学会名にすることは、やはり医療を全面に押し出してしまうことになってしまいます。
このような意見がありました。
もうひとつ、名称の決定方法についても論議がありました。多数決という声もありましたが、わたしは拒否しました。なぜなら、多数決は常にマイノリティが負けるからです。したがって、多数決をせずに論議をし、結局「GI(性別不合)学会」という名称になりました。
ただし、今後、インクルーシブな方向に向かうという方向性については、理事の中で一致しています。したがって、今回の名称は、その途中経過であると考えていただければと思います。

こんなんでいいのかなぁ。石丸さんは「よかった」と言ってくださいました。佐々木さんは「優しいね」って言ってくださいました。
で、最後のセッションは三橋姐さんの講演「琉球弧における性別越境文化と、その普遍性」です。基本的には「双性原理」です。それを歴史的広がりと地理的広がりを加味しながら話をされました。何より「病理」ではなく「職能」として捉えられてきたことのポジティブさを主張され、そこから「脱病理」へと話をつないでいかれたのは「なるほどな」と。
最後、ごあいさつをしたいと思ったけど、まわりに人がいっぱいいるので断念。M木ちゃんの車に乗せてもらってKうさんと一緒に空港へ。ふたりで小さな宴会です。

飛行機の中ではうとうと。帰りのバスの中でもうとうと。疲れたけど楽しかった。楽しかったけど緊張した。緊張したけど、まぁよかったかなぁ。
そして今日が「GID学会」の最終日。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です