まんまるの会まで1時間ほどあったので、散歩と買い出し。
で、5時半くらいからボチボチ第一部のスタートです。
まんまるの会の第一部は、単なる自己紹介です。とは言え、常連メンバーがほとんどなので、普通の自己紹介ではダメです。なので、「近況報告とその日のお題でひとネタ」にしています。これが苦しい。まずは「近況報告といっても、なにもないなー」ってなります。
でも、それが大切なんだと思います。だって、2ヶ月も間があいていて、なにもないはずがない。いや、なにもなくてもいいんです。なにかひとつはものを考える。それを振り返り、思い出し、掘り起こし、言葉化し、伝えるという作業が、トランスをするためには必要なんだと思うのです。そして「お題」は、それを「自分の人生」という、さらに長いスパンで行う。
たいていの人は「なにもないなー」って言ったあとに「あー、そう言えば」って語りはじめられます。それがおもしろい。そして、みんなでその話に集中する。
教員してると、自分の話にみんなが集中するなんてことは日常のことですが、そうでない仕事をしている人にとっては、もしかしたら日常あまりないことなんじゃないかと思います。ましてや、こもり気味のトランスなんかだと、ほとんどふだん経験できない。それを経験することもまた大切なんじゃないかな。
そんなことを考えています。
で、話を聞いていると「あー、それそれ!」ってことに突き当たることがよくあります。
今日の「それそれ!」は「伝える」ってことでした。簡単に言うとこんなことでした。
いま、巷で「カミングアウト、イェーイ!」っていう感じがある。でも、実はとても少数です。トランスをほんとうに成功させている人間は、基本的にはカミングアウトしない。カミングアウトしないから顕在化しない。だから、後輩トランスからは、たとえそこにいたとしても、出会えない存在になる。ということはロールモデルにならなくなってしまう。すると、「トランスを成功させるためのノウハウ」が伝わらなくなってしまう。
じゃ、なにが伝わるか。
それは、例えば「カミングアウト、イェーイ!」的なキラキラ感。あるいは、「顕在化せざるを得ない」「同じような人」。いやもう、某所で「クラブの先輩に同じような人がいて」なんてことをどれほどよく聞くことか。たぶん、パンデミック状態です。しかも、社会の中に最近「トランス枠」みたいなのができつつあって、そこで受け入れてもらえるもんだから、それを「成功」としてしまう。で、それが顕在化しているから、「トランス枠」に入ることが成功なんだとなってしまう。
で、その人が言っていたのは
「なんかあかん気がする」
ってことです。
「伝えなきゃならないものがあったのに、それを伝えてこなかった自分が、最近伝えなきゃならないんじゃないかと思いはじめた」
ってことです。
クローゼットで生きながら伝えるという難しさ。でも、たぶんわたしはそれを可能にする「場」をつくってきたのかな。もしもそうなら、やってきてよかったな。
ちなみにわたしは…。
完パスでもないし、カミングアウトもしてないけど、たぶんクローゼットでもないし。やはり一周まわって「不完全フルタイムトランスジェンダー」なのかな(笑)。
で、こんな生き方もまたあるということは、伝えなきゃならないことなのかもしれません。