本になる(1日目)

会場はうちから自転車で行ける距離です。ギリギリまで家にいて、さぁ出動。
会場に着いたら、昨日の面々がワラワラいます。とりあえずあいさつをかわして、オープニングセミナーへ。
今回は、ATACという団体のセミナーのひとつのセッションとして「リビング・ライブラリ」が行われるらしいです。
さて、ATACってどういう団体だろうと興味半分斜めから見てみたのですが、いい感じの「ゆるさ」を持った、なかなかおもしろい団体のようです。
とりあえず、オープニングセミナーで主催者の中邑さんが提示された*1内容を途中からとったメモ。

社会の「速度」がどんどんあがっていく現在。その中で、さまざまな理由で情報に「ついていけない」人が生み出されてくる。
では、社会の速度を落とすことはできるのか?→容易ではない。
(情報)から取り残された人々、混乱した人々に対し、われわれひとりひとりが人の多様性に気づき、認めた上でともに生活する気持ちを有することは可能では?ECO?時間の浪費が必要では?

・テクノロジーによるエンパワメント
・コミュニケーション技術
・環境調整
  物理的環境整備。
  人の環境整備
   障碍理解
   リビング・ライブラリ
     固定観念を崩す。溶かす。

完璧にバラバラなメモなので、もしも聞かれた方で補足があればお願いします*2
続いて、今回のオープニングセミナーの目玉。リビングライブラリーの創始者のうちの1人、ロニー・アベルゲル(?)さんの講演です。
タイトルが
「Don’t judge a book by it’s cover(本を表紙で判断しないで)」
なるほど、「本」を提供しながらも、それを「表紙*3」で判断するなっていうの、いい感じです。「まぁじっくりと中身を読んで下さいな」というところでしょうか。
もちろん(?)講演は英語です。てことは、わたしにはそのままでは「情報」はほとんど伝わりません(笑)。でも、ところどころに聞き覚えのある言葉が出てきます。例えばそれは、これまでにどんな「本」が提供されたかというあたり。真っ先に出てきたのが「transgender」ですよ。ところが、同時通訳の人の訳を聞いて「にゃ?」。わたしのメモ。
ホモセクシュアルと訳したよ!」
まぁいいけどね(笑)。
そう言えば、朝日新聞のリビングライブラリーの紹介記事には「性転換者」と書いてあったけど、あれ、たぶんもともとは「transgender」なんでしょうね。
ロニーさんの講演のメモ

divercity(多様)な方々から学ぶ。
情報を報道から得ている人がほとんど。
でも、例えばtransgenderにとって、手術の選択をどのようにするかは人それぞれ。
internetも大事だけど、顔と顔をつきあわせて話しあうことが大切。
日本は23番目。8年前デンマークではじめておこなった。
ともすれば反対側になってしまう人たちに橋渡しをする
「権利を認められたい」「受けいれられたい」という気持ちは、普遍的なもの
(出てきた写真を見ると、あちこちにレインボーがあるなぁ…)
図書館のルールは以下の通り
・静かである必要はない
・借りた時と同じ状態で返す
・本は大切に(セッションを中断する権利がある)
・時間を守る
・書き込み・破りはダメ(笑)
リビングライブラリーの成果は次のとおり
知識を得た、見方が広がった。語り部は肯定的な感想。
来年、コペンハーゲンで世界大会がある。
「みなさんはどういう本になるか?」「どういう本を借りたいか?」

これまた、完璧にバラバラなメモなので、もしも聞かれた方で補足があればお願いします*4

で、いよいよ図書館開館です。
ひとつのセッションが30分。30分の休憩をはさんで次のセッションになります。全部で5回のセッションで今日は終了です。ちなみに、予約が入っていなければそのセッションの時間は休憩です。予約状況は、司書コーナーのディスプレイに表示されています。「×」がついていたら予約済み*5、その時間にどうしてもということであればキャンセル待ちになるそうな。で、自分のところを見てみると…。全部「×」がついてるよ(;_;)。
さぁ、どういうふうにはじめを切り出そうかと思ったのですが、いい切り出し方を思いつきました。
「どうしてわたしを選ばれたのですか?」
そうか。これがリビングライブラリーなんですね。
ふだんの高座だと、聞かれている方々の個々のニーズを拾いあげることができず、とりえず最小公倍数でしゃべってしまいます。当然「ネタ」も振らなきゃならないし(笑)。でも、リビングライブラリーは1対1(〜3、4人)。だから、相手のニーズによって話す内容を変えることができるし、こちらから質問もできます。「効率」は悪いけど、「効率」を追い求めないことが大前提なので、そんなことを考える必要はありません。
てことで、それぞれの方のニーズを聞いて、最後は自分の「落ち」に持っていくというスタイルがとりあえずつくれました。
聞かれる方々は、ほんとうにさまざまなニーズを持っておられます。単に「知りたい」という方から、なんらかの当事者性を持っていたり、なんらかの悩みを持っていたりして「ヒント」を求めておられる方まで。とにかく、30分を5回、合計2時間半の濃密な時間を過ごしました。
にしても、疲れたよ…。

*1:ただし、講演というよりも漫才形式(笑)

*2:って、誰も読んでねーよ(笑)

*3:みてくれ?カテゴリー?

*4:って、誰も読んでねーよ(笑)

*5:なんでも、「新幹線ふうにしました」とのことです。よーわからんけど(笑)

語る方法

今日は、加古川で高座。
その前に、ちょっと腹ごしらえ。加古川と言えばカツメシです。お友だちのYさんと合流して、旭食堂へ。ここは、寺家町商店街をずい〜っと奥へ進んで、商店街が切れてしまった先にある昔ながらの食堂です。
このカツメシ、まずは安い!だって、お皿の上のごはんがほぼ隠れるくらいのカツ*1が乗って、その上にカツメシのソース*2がかかっていて、800円です。もともとサクッとしていたカツの衣にソースが適度に染み込んだ感じが、なんとも言えません。それなりの量あるように見えて、あっさりと食べられます。ソースも、なんというか、昔ながらの洋食屋のソースですね。おもしろい味です。
で、食べ終わったら、会場へ。
今日は性教協の高座なので、あまり基礎的なところをやる必要はありません。それだけに、難しいというか、自由というか…。
で、話しはじめたのですが、ある人から鋭いツッコミがガンガンはいります。
「それ、もう少し説明して下さい!」
「しゃべったのはあなたですか?生徒ですか?」
etc,etc…。
そのうち、だんだんわかってきました。わたしのしゃべり方って、主語が欠落することが多いんだ…。そら、わかりにくい人にはメチャクチャわかりにくいはずですよ。で、そのツッコミを入れている人は、そういうことがわかりにくい人*3だったんだ。
じゃぁ、あの人にわかってもらうためには…。わかってもらえるように、わたしが話す以外、法はないですよね。
そこから、できるだけ主語と述語をはっきりと提示するようにしたのですが…。
これがまた難しい。わたしは「横道にそれる」芸風なんですが、これがたぶんその人にとってはすごく不親切なんだと思うんです。というのは、横道にそれたところは、本筋を考える時には、一部スルーして、ちょこっと本筋に応用みたいな感じなんですね。この「スルー」が、その人にとってはたいへんなようです。
まぁこのあたりについては、しゃーないので、「ゴメン」と思いながらやることにしたのですが…。

でも、自分の語りを自分自身で分析的に聞くっていうのは、すごくいい勉強になりました。きっと教室にいるであろう、その人の「仲間」のためにも、ほんとうにいい気づきをさせてもらいました。

そうそう、当日参加された方で、「あれ」が必要な方は、こちらまで。

*1:関西で「カツ」は、当然牛です。

*2:デミグラスソースみたいなもの

*3:早い話が発達障害の人

タイトルとストーリー

12月に京都で開催されるATACカンファレンス2008の一環として、「リビング・ライブラリー」が開催されるみたいです。今年の6月28日に朝日新聞紹介されて、その日にはあちこちのブル具で反響があったみたいです。ちなみに「リビング・ライブラリー」でググッても、ほとんどが「居住空間の中の書架」みたいな感じですわ(笑)。「生きている図書館」でググると山のようにでてきます。
で、先ほどの「リビングライブラリー」のリンク先を見ると、なにやら見慣れた文字列が…。
いや、突然メールが来て、そういうハメになりました(笑)。
その日、わたし、本になっていますので、まぁそういうことで^^;;

そうそう、今日、事務局の方から「本のタイトルとストーリーを教えて」という電話が来たので、ちょこっと考えました。で、次のようなタイトルとストーリーにしました。

「自分の航路を刻もう!−トランスジェンダーという生き方−」
「ありのままのわたし」を生きるための手がかりを、セクシュアリティという側面から考えてみませんか?

あぁ、またうさんくさい言葉を使ってしまった_| ̄|◯

とか言いながら(笑)

夜は八幡市で高座。
1時間半の予定が、いろいろあって1時間10分ほどしかありません。大いにあせりましたが、みなさんの反応がすごくいい!そのおかげで、つい延長してしまい、結局1時間半ほどしゃべれました。よかったよかった(笑)。
いや、基本的には「延長」はあかんと思っているのです。なので、途中でちゃんと仁義を切りました。
「あの、すみませんが延長します。用事がある人は帰って下さってけっこうです。みなさん全員が帰られても、わたし一人でしゃべってますし」
これがウケたみたいで、みなさん最後までおられました。すみませんすみません。
結局、話が終わって、その後会場におられた方々といろいろ話をして、最後は
「このあたりでおいしいお好み焼き屋はありますの?」
という定番の話をしたりして、そうとう楽しかったです。

今日は、午後からオリーブというところで高座です。ここは「こころの保健室」というのをやっていて、毎回精神障害にかかわる体験談を聴く講座をしておられるようです。で、なぜかわたしのところに話がやってきたみたいです。はじめのうちは、「いや、もうちょっとマシな方に話をしていただいた方がいいんじゃないですか?」みたいなことを言っていたのですが、「かまわない」ということだったので行かせていただくことにしました。でも、ほんまにええんかいな…。
最寄りの駅を降りて、会場に行く途中お好み焼きを食べるべく「ムラ」を散歩してみたのですが、ありませんでした。メッチャ寂しいなぁ。
で、会場に到着。
担当の方が「緊張してこられましたか?」と言われたのですが、そんなもんするわけないです(笑)。というより、ひたすら眠いのが問題です。どうなるやろう…。
で、高座開始。
障碍者施設というと、かつてピア大阪で高座をやったことがありましたが、あちらはどちらかというと肢体障碍の方々で、こちらは精神障碍の方々と、そのヘルパーの方々がメインです。やっぱり雰囲気が違います。でも、真剣に聞かれる空気はどちらも同じかな。
しゃべっているうちにアドレナリンが出てきたのか、だんだん元気になってきて、無事終了。
その後、すごい活発な質疑応答なんかもあって、かなり楽しませていただきました。

テンパってきたのに…

そろそろ2学期の人権学習が近づいてきています。
「例年通り」とか行けばいいのですが、そうはいかないところが悲しいところ。
今年はどうやら3学年ともつくりなおしが必要みたいなんですが、なかなか前へ進みません。
でも、こんな時に限って、午後から「第2のふるさと」で高座です。
なんでも、某地方紙に広告が出たとかで、20人程度の参加かなぁと思っていたら40人も来たそうな。たいへんですわ。終わったら、またまた某地方紙の記者の方が来られて、簡単にコメントを求められたりして、「いったいどうなってるの?」状態です。
でも、こんなことしてられないんですよ、ほんとうは。
さっさと職場に帰って、採点しなくちゃ(笑)

「教育のガン」の巣窟にて

今日の高座の場所は「教育のガンのすくつ@金沢」です(笑)。で、呼んでくださったのは、もちろん「教育のガン仲間*1です。

会場に行く途中、某NGOセンターの事務局長さんにメール。すると、
「いま講師中なので、のちほど電話します」という返信。
「わたしも今から高座なんで、5時頃にでも」と打つと
「あなた、高座って!いっそのこと、僕と新しいコンビはいかが(-.-;)」という返事。
え〜と、わたしからしたら、あなたの話のほうが「高座」だと思うのですが…。
というのはおいといて…。

会場に到着して軽く打ちあわせ。開会行事の最中に、舞台裏で「石川って組織率高いですよね。だったら、学力低いですよね?」と質問すると「いや、うちの県、けっこう成績よかったんですよ」と軽く笑われてしまいました。そうか、ここにも例外が(笑)。てか、例外の方が多いかもしれないと思うんだけど、まぁ、「そんなの関係ねぇ」なんでしょうね。

で、高座の開始。みなさん、いい反応をして下さいます。ほんとうに話しやすい。となると困るのが、話しすぎること。話をしながら、チラチラと時計を見るのですが、「あと30分しかない」「あと15分」「やばい、前半ネタを振りすぎた」。
結局10分超過して終了。すみません、すみません。
それでも感想を読ませていただいたら、とてもあたたかい言葉がいっぱい書いてあって、すごくうれしかったです。

*1:石川県教組の金沢・石川支部の人権教育推進委員会

初千葉

で、酒々井に到着。ホームを出ると、いかついあんちゃんがおられます。印旛同研のSさんです。なんで同和教育関係の教員はこういういかつい感じなのかなぁとは思いながら、その髪の毛の下にあるなつこ家顔が人を惹きつけるんですよね。
で、到着したのは、なんかえらい大きいホールです。千葉の同研の方々とあいさつしながら、お弁当をいただきます。けっこうお腹は一杯だったんだけど、たべちゃいました。太るな…。
で、高座の開始。
はじめに仁義を切っておいたので*1、それなりに反応があってホッとしました。
今回は、高座が2時間+質疑応答45分+総括討論1時間という、いまだかつてないガチな集会だったのですが、結局、高座2時間15分+質疑応答1時間+総括討論15分にしてしまいました。しゃべり過ぎでした、すみません。
にしても、すごいよ、印旛同研!

そうそう。10年前に、ある研究会で会った人*2が、今回来られていました。その方の感想。ちょっと心に来るものがありました。こんな感じの感想でした。

10年前にお会いした時に「いつかスカートをはいて学校に行きたい」って言っておられました。そのことが、ずっと気になっていました。
今回お話を聞いて、「あぁ、スカートをはかなくても大丈夫になったんだなぁ」と思いました。

たしかに、それがこの10年間のわたしの歩みなんでしょうねぇ。

*1:「ネタを振るので笑ってね」というお願い。はじめての場所ではお願いをすることが多いのですが、芸人としてはアカン部類ですね

*2:当然、ヒゲがあった頃

夜の高座

今日は、夜、京都府中部で高座。職場を定時に出て会場に向かいます。
それにしても、ほんとうに今年は土・日と夜の「お声」がかかります。でも、夜はなんとなくしんどいんですよね。いや、わたしは別にアドレナリンが出るからいいんだけど、効いて下さる人がたいへんだろうな、と。だって、仕事や家事を終えてから来られるわけで、それだけでも頭が下がります。
で、せめてそれなら楽しんでいただこうと思ったのですが…。
なんか、このところあまり疲れをとるヒマがないのか、アドレナリンの分泌が少なかったみたいです。となるとつらい…。
あえなく玉砕だったような気がします_| ̄|◯

ちと固かったか…

夜は100kmほど離れたところで高座。
奨学金の受給にあわせて、奨学生に人権講演会をしているそうです。この街、すごいとりくみをしておられるなぁって思います。
でも、こういうところって、聞きたくて来ているというよりも、義務できているという感じの人がけっこういるんですよね。
案の定、話しはじめたけど、雰囲気がすごく固い。いつも笑ってもらえるところでもちょこっと笑いが出てくる程度。やばいです。こういう時は、ついネタを振ってしまってそれが空振りになっての悪循環になります。どうしよう…。
まぁそれでも最後にはけっこうみなさんの顔が柔らかくなっていたので、よしとしましょうか。こんな日もあります。