某A新聞の昨日の記事。「橋下知事は教育介入を」府内市長から共感、賛同
そりゃまぁ、「首長」ってある意味同じ立場だから、「自分はこうしたい!」と思っている人にとっては同じ思いでしょうよ。そこで「切り込み隊長になってくれ」みたいな話なんだと思います。
記事の中には、
教育委員会は戦後、政治からの中立性を保つため、首長から独立した行政委員会として創設された。
とありますが、まさにその通りなわけで。それをあらわした条文が、「(旧)教育基本法」の
(教育行政)第10条
1 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。
という条文ですよね。
それに対して、
「選挙公約で教育問題を掲げても、首長ができることは校舎のトイレの修繕ぐらい。隔靴掻痒の思いだ」(岡本泰明・柏原市長)などの発言が続いた。
という発言をする人がいるそうな。別にトイレの修繕だけじゃなくて、他にもいっぱいできることがあるんだけど、あるいはやっていることがあるんだけど、こういう物言いはかなり恣意的なデフォルメだと思います。
ちなみに、「新・教育基本法」の「教育行政」の個所は
(教育行政) 第十六条
(1)教育は、不当な支配に服することなく、この法律および他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担および相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならないこと。
(2)国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならないこと。
(3)地方公共団体は、当該地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならないこと。
(4)国および地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならないこと。
となっていて、ここでも「適切な役割分担及び相互の協力」となっていたり、「必要な財政上の措置」となっていたりするわけで。まぁ、ここで「適切な役割分担及び相互の協力は、首長が介入することなんだ」とか、「必要な財政上の措置は全国一斉テストの結果の公開のためのお金なんだ」とか言う「理屈」を出すことが可能になったあたりで、この「新」の問題点が浮き彫りにされるのですが…。
にしても、今のところ、自分が言っていることが「不当な支配」をしようとすることであることがわからんか?
などと考えながら…。
かつて「教育委員会は敵」と目標を定めていたわたしが、今は養護する側にまわっているって、笑ってしまいますよ。