最大値・最小値理解マシーンver.2完成

前につくった「最大値・最小値理解マシーン」ですが、どうも操作性に難がありました。で、今朝通勤時間中にいろいろ考えていて、ふとひらめきました。でつくったのが「最大値・最小値理解マシーンver.2」です。

簡単に言うと、「最高最低温度計」みたいなものでして、

横棒の白いところがグラフを沿うように動かします。すると、y軸に仕掛けられた「最大値」「最小値」の紙が動きます。で、それぞれ最大・最小の場所まで行ってしまうと、あとは横棒がどれだけ動いてもそこにあると。で、
「ほれ、ここが最大値、ここが最小値」
とやってやる。あとはまぁ計算したりなんだのかんだの。
でもまぁ、頂点(極値)を含む定義域の場合、これ、直感的にわかりやすいんじゃないかと。

早速教授業で見せたら、いちおう
「おぉ〜!」
という声をあげてくれました。いい子どもたちです。

怒濤の2日間(その5)・「関パレ」ではなく「完バレ」で

で、終了後、あわてて駅まで送ってもらって電車に飛び乗って、到着したのは新大阪。今日は「トランスジェンダー生徒交流会」です。
ふだんは11時にはじめる関係で、10時ぐらいから準備を開始しているのですが、今日はとうてい間にあわないので、M木ちゃんとかYちゃんとかにそのあたりをお願いしてあります。さらにこちらの交流会にはたくさんの大人がかかわっていますから、まぁそんなに心配はいりません。
到着したら、すでにみんな本日のメニューのそうめんをすすっているところでした。で、わたしはとりあえずビール。ゴクゴクゴクっと呑んで、ようやく一息です。
おなかがかなり減っているので、そうめんをツルツルッとやったら、あっという間におなかが一杯。いったいどうなっているんだろう。
で、人心地ついたところでようやく自己紹介。今回ははじめて来られた人も何人かおられました。特にある参加者は鬱状態でありながらの参加みたいで、自己紹介の時はかなりしんどそうでした。まぁあんまり無理をさせないでおきましょう。
一通り順番がまわったところで、あとはふたたび「ご歓談」です。と、初参加の人、みんなの話の輪の中に入っています。と、笑顔が出てきました。
うん、あの笑顔を見られただけで、
「今回やった意味があったよ」
と思いました。
もちろん人数を集めることも大切です。でもそれだけでは「集まる意味」の半分でしかないとも思います。はじめて参加した人が笑顔で帰ってくれるかどうか。何度も参加してくれている人が、ほんの少しでいいから変化をしているかどうか。そんなことを確認する場でありたいなぁと、わたしは思っています。

そうそう、今回は「関西レインボーパレード」の人が何人か来てくださっていました。
わたしはねぇ…。意義は十分に認めます。でも、個人として参加をするかどうかとなると…。まぁ行きたい気持ちもないわけではないのですが、「万難を排して行くかどうか」となると、いささか微妙なものがあります。
もちろん
「こんなにたくさんのLGBTが存在している」
ということを、「当事者ではない人」に伝えるだけではなく、「当事者」にも伝えてそこで元気をもらう。あるいは、クローゼットの人が年に1回自分を出せる場所。そのことの意義はよくわかります。
でも、「完バレ」のわたしのキャッチフレーズは「24時間一人パレード」です。365日ずっと自分の生活の現場でプラカードを持って歩き続けているわたしにとって、もしもパレードの一日がプラカードを降ろして休める日であるなら、どちらかというと「休み」を選択したい。まぁそういう感じなんですよね。もっとも主催者からすると、
「おまえが休むのは勝手にしたらいいから、わざわざそんなことを言うな」
ということでしょうね^^;;。

怒濤の2日間(その3)・才能が開花か?

生徒たちの交流会が終わったら、続いて卒業生の交流会です。
とりあえず生徒交流会の台所の片づけが終わったところで、いったん「〆」です。ここからは卒業生の会。
まずは卒業生の会用の買い出しです。
実は
「料理人になりたい」
というYさん。さっそくAさんと一緒に買い出しに行ってくれます。すごく頼もしいです。その間、わたしはチューハイを飲んで、参加者から
「またや」
と笑われながらダラダラします(笑)。
今回は渡日間もない中国人の子が来るという情報が入っていたので、中国人の卒業生に動員をかけていました。いや、元来動員は嫌いなのですが、「どうしても必要な時」はやっぱり
「来てくれ!」
とメールをします。
卒業生たちもそこのところはよくわかっているので、
「来てくれ!」
のメールは、わたしのヘルプだと思い、万難を排して来てくれます。ほんとうにうれしい。
今回は結局その子は来なかったのですが、まぁ卒業生の会でのんびりするのも卒業生たちにとっては大切な時間だと思います。いつもはマダンセンターの和室が人で埋めつくされるのですが、今回はいつもより少なめです。どうやらあまり連絡がうまくまわらなかったみたいです。
「連絡方法、考えないとあかんなぁ」
とだべりながら、Yさんのつくってくれた「豚バラと白菜のミルフィーユ」をつつきます。これ、マジでうまい。ミルフィーユですから、かなり手がかかるのですが、これをていねいにやっているからこの味が出るんでしょうね。もしかしたら、Yさん、かなりやるぞ…。次回の玖伊屋でつくろうかな。
てな感じで、ボチボチやっているうちに、それでもボチボチ人が集まってきます。まぁこんな感じもいいかもしれません。人数がすべてじゃないってことで^^;;

怒濤の2日間(その2)・民族文化の継承か?

とりあえずお座敷が終わったら、少し雑談をして、速攻会場をあとにします。
電車に飛び乗って、京都に逆戻り。で、1時間半後に到着したのはマダンセンター。今日は「京都・在日外国人生徒交流会」です。
元来開始が11時なので、今日はK淵さんに早めに行ってもらうように頼んでいました。今日はこの間の事前合宿に参加した二人が来るのがわかっていたので、ある意味安心です。
会場に着くと、この間いろいろサポートしてくれているAちゃんも来てくれていました。台所はすでに戦場になっています。なんでもフィリピン系の揚げ春巻きをつくるとか。和室では在日コリアンのYさんがひたすらチヂミを焼いています。
Y「実はチヂミをつくるのはじめてなんです」
い「へ〜」
Y「家に電話して粉の調合教えてもらったんです」
い「ほ〜」
Y「一口食べてみてください」
食べてみると、外カリ中フワです。すごい!とてもではありませんが、はじめてつくったとは思えません。
Y「うち、ふだんニラと豚バラでつくるんで、それでやってみました。あと、卵がたっぷり入っているのでふわふわなんだと思います」
味はわかっているわけです。あとはそれをどうすれば実現できるかなんですね。一枚一枚、焼くたびにだんだんおいしくなってきます。これはすごいです。
そう言えば、フィリピン人の子も前回も今回も料理のつくりかたを家に電話して聞いていたな。
もしかしたら、「食べてもらう」というモチベーションの中で、やっぱりおいしくしたいし、そうするためには「家に聞く」のが一番確実になるのかもしれません。で、はじめてつくったものが
「おいしい」
と食べてもらえると、ますますモチベーションが高くなります。
もしかしたら、当事者自身が自分のエスニシティと肯定的に向きあうきっかけとして、「食」はあるのかもしれませんね*1

3Fという言葉がありまして。「Food,Fashion,Festival」の略で、わたしたちのギョーカイでは
「んなことばっかりやっていてもアカンで」
の表現方法として使われます。
でも、ここで力点が置かれているのは
「ばっかり」
なんですよね。3Fはあくまでもきっかけ。そこからどう話を深めていくのかが、実は大切なわけなんだと、あらためて思いました。

*1:もっとも、「キムチ嫌いな朝鮮人」も山のようにいますから、必ずしもそうは言えないのはわかったうえでの話ですが…

やってみた

5時間目の1年生の授業。
どうしようかと思ったけど「非現実的な夢想者として」を生徒たちに配って読ませてみました。
はたして読むだろうかと思ったけど、半分以上の子が一生懸命読んでいました。
で、子どもたちが読んでいる間に独り言のように黒板に書いたわたしのメモ。

我々は被害者であるとともに加害者である。
→「なぜ「加害者」なの?なにもしてないのに…」
→「なにもしていない」ってどういうこと?
→「我々」って誰?「みんな?」「国民?」「民族?」「日本人?」
→わたし(たち)の言う「我々」と、村上春樹の言う「我々」は同じ?

みたいな*1
まぁわかろうがわかるまいがいいんです。でも、どこかでふと思いだしてくれたらなぁ。

あ、もちろん授業もしましたよ(とアリバイづくり)。

*1:全部は覚えていないんですよね

事前合宿の朝

朝起きると、かなり眠たいです。でも起きなくちゃなりません。いつも朝には後悔するのですが、夜には忘れるという繰り返しです(笑)。
とりあえず朝ご飯を食べて、部屋の片づけをして、子どもたちの話しあいに少し参加して、合宿所を後にします。
そうそう、昨日の話しあいの中で気になったことを子どもたちにひとことだけコメントしました。
在日外国人生徒といっても、やっぱり話しあいの中で「男性同士のペア」みたいな話が出てきたら笑いが起こったり、ジェンダーロールにしばられた発言が出てきたり、いろいろあるわけです。そのことだけは話しておかなければならないと思いました。なにより、この交流会の卒業生の中にもゲイの子がいて、その子が現役時代はどうしても話ができなかったということを、後に聞かせてくれたりもしましたからね。
そんな話をしたら、子どもたちの中にきちんと伝わったみたいです。それは顔を見ればわかります。
きっと本番の全国交流会では、そういう話が出てきた時に、子どもたち自身がなにかを言ってくれるだろうと思います。

で、事前合宿

子どもたちとわかれて、わたしはなぜか生駒へ向かいます。
今日〜明日、全国在日外国人生徒交流会・事前合宿が生駒であります。去年は京都からは実行委員が出なかったのですが、今年はすごく積極的な生徒が来てくれて、
「実行委員になる!」
と手をあげてくれました。
そんな関係で、ほんとうならば最初から合宿に行かないといけないのですが、コンテストの関係で遅れての参加です。
合宿所に到着すると、子どもたちはすでに最初の話しあいを終えてお風呂に入っているとか。その間、引率はミーティングです。で、晩ご飯を食べて[1]Bール抜き(;_;)、ちょっと休憩。引率でお風呂に入りたい人は入って態勢を整えます。で、7時半頃から「話しあいpart2」の開始です。
いきなり深いです。重いです。
どうやら「話しあいpart1」でかなりのところまで話し込んでいるみたいで、それにもとづいて、みんなが自分の生活や思いをドンドン出しています。さっきまで笑顔でヘラヘラしていた子が、実はすごくしんどい生活を抱えていることが、ここではじめてわかります。
「きっとうちの子らもそうなんやろうなぁ。やっぱり教室の顔だけではわからへんなぁ」
とつくづく思います。まぁ教室が勝負の場所ですから、教室でそういう話ができるようになれば、それはそれでいいわけですが。
消灯の11時を過ぎてもまだ話しあいが続きます。結局終わったのは11時半ぐらいかな。
それから子どもたちは自分たちの部屋でさらにもう少し、引率は引率でちょっとだけ話しあいの時間を持って、1時頃に就寝です。
ふぃ〜…。

footnotes

footnotes
1 Bール抜き(;_;

人権学習

てことで、今日は3学年一斉の人権学習です。1時間目と2時間目があいていたので、ここでいろいろ仕込みをします。で、3・4時間目に授業をして、ここから一気になだれこみます。特に2年生の1学期は部落問題についての講演。今年の講師は昨年と同じく谷川栄一さんです。
それにしても、うちの生徒たち、人権学習の講師については、ほんとうに幸せだと思います。1年生は具志アンデルソン飛雄馬さん、2年生は谷川栄一さんで、3年生は中倉茂樹さんです。かなり豪華としかいいようがないですよね。

谷川さんの講演は、ある意味とりとめがないんですよね。メインテーマがどこにあるか、あまりはっきりしていない。でも、それこそが魅力なんです。
つまり、ひとりの人間の生い立ちは一本の道であらわされるものではなくて、さまざまに寄り道をしながら、いろんなことが重なりあって、今に至るんじゃないかと思います。そして、その複合的な結果「今やっていること」にいたります。なんというか、「これがあったからこうなった」ではない。それがおもしろい。
だから、もしかしたら生徒たちにとってわかりにくいかもしれない。でも、それを越して谷川さんの話には魅力があります。その魅力を引き出すのは、実はわたしたちの仕事なんだと思います。
月曜日の授業で
「いやぁ、谷川さんの話聞いたけどなぁ、わたしは◯◯と思ったわぁ」
と生徒の前でふとした感想を言うことで、子どもたちになにかが伝わると思うんですよね。

講演が終わってから小部屋でふたりで話をしていると、やんちゃ坊主がやってきました。
坊「バイク、なに乗ってるんですか?」
谷「スカイウェーブ」
とたんにやんちゃ坊主の目が輝きます。
坊「やっぱり改造してるんですか」
谷「うん、◯万円ぐらいかかってるよ」
坊「チームとか入ってるんですか?」
谷「30過ぎてチームはいってたら恥ずかしいやんか。でも、ツーリングチームには入ってるよ」
坊「オレも将来スカイウェーブ乗りたいんです」

もう、やんちゃ坊主、キラキラしています。まぁそんなもんですわ(笑)。

人権教育研修会

今日はうちの職場の人権教育研修会です。講師は磯野雅治さんです。テーマは「人権教育をどうすすめるか」。
とかく「人権教育」というと、「人権についての教育」=「特設の人権学習」となってしまいがちです。でも、実際には学校教育*1全体に位置づけられるものだと、わたしは常々思っています。具体的には、それぞれの授業、行事、クラブ、掃除などはもちろん、カリキュラムのつくりかたなど、学校運営にかかわること。さらには、休み時間の子どもたちとの会話など、隠れたカリキュラムの中にも人権教育は存在すると思っています。それをどう意識化していくのか。このあたりがとても大切な気がしています。
で、今回磯野さんにはそういう話をしていただこうと思い、講演をしていただきました。
わずか1時間ほどの時間だったけど、かなり盛りだくさんな内容でした。
キーワードになる言葉もいくつかいただきました。「人権教育のベースは自尊感情を育てること」「自尊感情は教室で育つ(学級づくりの重要性)」「「知識の教え込み」型人権学習の変革」「否定語や「ねばならない」で語る人権教育を超える(肯定語で語る人権教育)」。
いずれも、「そうそうそう!」と納得できる言葉でした。

ところで、途中で「教師として自分のいいところを3つあげてみましょう」というお題が出されて、あてられてしまいました。で、わたしの答え。

  1. 笑顔
  2. 声が小さい
  3. 腕力がない

まぁそんなもんですわ。

*1:と、ここでは狭くくくります