闘う相手

で、控室でおべんとをいただきながら主催者の方々を交えて雑談。その中で出てくるのは、当然のことながら「理解増進」にまつわるあれこれへの批判です(笑)。もちろん、わたしもその文脈で発言したわけですが。
てことで、さらに村木さん・伊東さんと呑み。
ここでは悩める村木さんの話を聞くなど。そりゃひとつのNPOを維持するのはたいへんですよ。ほんらいビールを飲みながら仕事をしたかったはずなのに、そうもいかない現実がある。なので、こないだ元気をもらった「気づき」を紹介。
「わたしたちって、悪と闘ってるんじゃなくて、正義と闘ってるんでしょ」
村木さんの目が輝きました(笑)。アカンやつや。

当事者枠(笑)

今日は朝の9時に大阪に集合がかかってます。なので、7時過ぎにはスタートです。まぁ、少し早めに行くに越したことはないでしょう。
今日は大阪の臨床心理士の皆さんの集まりの総会があるらしいです。メインゲストで呼ばれてるのは虹色ダイバーシティの村木さん。で、わたしは村木さんから「当事者としてトークをしてくれない?」という依頼を受けました。
当事者(笑)
でもま、いちおう当事者ではあります。
こないだも、ある3人しか受講してない授業で
「わたし、ある分野の当事者なんだけど、わかる?」
と聞いてみました。
S「知らない」
い「わたしの性別、気にならへん?」
S「ならへん」
い「そうなんや。じゃ、わたしが入るトイレは男か女かどっちだと思う?」
S「…。女?」
い「まぁその瞬間の躊躇があるってのが当事者ってことだよ(笑)」
てことで、当事者らしいです。もっともなんの当事者かは言ってないのでカミングアウトではありません(笑)。
で、当事者として話をすることはなかなかないので、引き受けることにしました。が、当事者枠におさまるつもりもないので、与えられた20分のうちの半分は当事者枠で、あとの半分はトランスジェンダーの子どもたちのことを話ししようと思いました。
ちなみに、臨床心理士さんの仕事はある種のトランスジェンダーにかなり近いところにあります。例えば医療にアクセスした時の心理検査は臨床心理士さんの仕事です。あるいはトランスジェンダーの子どもたちが必要に応じて受けるかもじれないカウンセリング、特にスクールカウンセラー臨床心理士の方もやっておられます。なので、当事者としてやってきたことや、子どもたちのことをの届ける意味でも、あえて引き受けることにしたということです。

で、お座敷開始。まずは村木さんから「基礎編」です。「基礎」といっても、内容は豊富だし、多岐にわたっています。つまり、セクシュアリティについて話をするだけじゃなくて、同性パートナーで起こる諸問題やトランスジェンダーのことなんかも網羅されながらも必要最小限に絞り込んでおられます。そして、ところどころに挿入される「自分の話」が、話にリアリティを感じさせます。勉強になるわ。そして予定の1時間ちょうどで終了。勉強になるわ。
お次は伊東カナトさん。なるほど、村木さんが「当事者枠」をつくってるのは、「トランスのことはわからない」という正直な態度なわけですね。「よく知りませんが」と言いながら話すわたしよりもずいぶんと正直なんですね。で、伊東さんの話はなかなかよかったです。てか、わたしが話せる内容がなくなりそうです^^;
で、わたしの番。まずは写真を見てもらいながら「時期」について少し考えてもらいました。もちろん650人ほどおられるので、いちいちインタビューなんかはしません。すみやかにそれぞれの「時期」について説明して、「まぁ現実はそんなもんでして」と落としておいて、子どもたちの話です。こちらはいつもの話ですが、いつもの「ネタ」のところで笑ってもらえたので満足しました(笑)。やはりこの日をひとつの境に、たぶん自分のとるスタンスは変わったというか明確になったというか。なので、そんなあたりを「臨床心理士さん」にこそ知ってほしいと思ったんですよね。
で、村木さんに「あと何分?」って聞いたら「5分残ってるよ」と言われたけど、スライドも終わったからやめちゃいましょう。長いよりいい。
最後にしばし質疑応答。みなさんからの質問に対してことごとく蹴散らすような答えをしたのも、あえてのカウンターです。でも「配慮より権利」は、あとの控室での話題につながったな。