gender identityってなんだろう

その後、当然のことながら呑み会です。メンバーは佐倉さんとかいずみちゃんとか、そしてもちろんYさんとか。
Yさんと話をしていておもしろかったのが
「トランスって言うけど、性別を移行するってどういうことですか?」
という問いでした。これ、古くて新しい問いなんですよね。もちろん、身体の形状だとか、IDの問題とかじゃないです。ほんとうに、何が変わるだろうと思います。でもまぁ変わるのは「人間関係」なんだろうな。つまり、genderの問題なんだろうな。となると、「わたし」自身は変化/移行するのか?っていう問いが浮かんでくる。
で、いろいろ話をしていたんですが、一番驚いたのは、Yさん、わたしのことに気づいていたらしいです。
Y「センセイ、きっと女の人になった方が居心地がいいんだろうなって思ってました」
マジか…。そういや、パートナーがわたしと結婚するのを決めた時、当時の技術職員さんから「あの人は女の人だからやめとき」って言われたとか。いやでも、当時、わたし自身自分のことに気づいていなかったわけで、なんでそれがわかるねんと。
そう考えると、identityってなんだろうと思うわけです。
現在「MtF」ではなく「トランス女性」を使うのは、「わたしは男だったことは一度もない」という主張がそこに含まれているからなんですよね。そして、Yさんがわたしのことに気づいていたということは、おそらくわたしが自分のことを「男」と思い込んでいた時も、すでに「女」だったと考えることができるわけです。もちろん、だからこそのidentity、つまり「一貫したもの」なんですよね。でもそうなると、自分が思い込んでいた「男」は、すでに「女」だったと考えることができるのか?という問いがまたまた出てくる。てか、そもそもその「女」とか「男」って、いったいなんなんだろう。さらにはgender identityっていったいなんだろう。だって、わたしが気づいていないことを他者が気づいていたわけです。すると「性別にかかわる自己同一性」の「自己」が自己ではなくなってしまう。
ちなみにYさん「いつ言ってくれるのかなぁ」とずっと思っていて、でもとうとうわたしが言わなかったから傷ついたとか。いや、それ、無理やし。言うも言わないも、当時は「女装趣味」と思ってて、そんなの話せるはずもないし、それ以上に「女性の身体を獲得したい」とか、誰かと一緒にいる時は完全に封印していて「忘れて」いたし。
まぁでも、そういうことを言ってもらえたのはうれしかったです。
てことで、Yさんとは再会を誓ってハグしてお別れ。さて、ホテルに帰ろう。

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