3年連続で最下位?それは誇りに思うべきことだと思います。それほどまでにしんどい家庭や子どもたちを引き受けてきた、その結果だからです。んなもの、3年間でどうにかなるものじゃないです。
ついでにいうと、小学校で成績が上昇していることと中学校で成績が変わらないことも、「当然やなぁ」と思います。しんどい地域であればあるほど、小学校段階での「できる子」は、たいていの場合中学では私学へ行きます。小学校段階で力をつければつけるほど、その傾向は強くなり、成績上位層が大量に私学へ流れていきます。
小学校段階で学力的にクラスを引っぱっていた層がずっぽりと抜けた中学校は、ほんとうにしんどいです。
教室の崩壊を食いとめるかどうかは、実はこの層がどの程度のパーセンテージいるかにもよるように思います。経験的には、「授業なんてどうでもいい」と思っている人数が、教室の3割を超すと、いきなり教室は崩壊する。そんな気がしています。
きちんと調べていないのでよくわかりませんが、秋田と大阪の私立中学校への流出者のパーセンテージを比較するとおもしろい結果が出るんじゃないかなぁと思います。さらには、私立中学校の全国学力テストへの参加率とかね。
でもまぁ、そんなことを考えるまでもなく、わたしの知っている「しんどい学校」と言われる中学校の教員を見る限り、大阪の教員の指導力は全国でもピカイチだと思いますがねぇ。そんな人たちだから、とてもしんどい状況であっても、なんとかなっている。
大阪は最下位であることを誇りに思っていいと、わたしは思います。
日: 2009年8月28日
テストの意味
わたしはテストには2種類の意味があると思っています。
すごく簡単に言うならば「入り口のテスト」と「出口のテスト」ということになるでしょうか。
「入り口のテスト」は、それを評価の対象にするのではなく、今後の指導の資料とするものです。「出口のテスト」は、まぁいってみれば「到達度」を測るもので、それを評価の対象にする*1ものです。
ところで、全国学力テストって、どっちなんだろう?
本来的には「入り口のテスト」なんじゃないかと思うのですが、実際には、地域・教育委員会・学校・教員の「評価」として使われている気がします。
これ、意味をはき違えている気がするのですが…。
*1:この場合の評価は、必ずしも生徒だけじゃなくて、実は教員自身の(自己)評価にもつながると思いますが
それって対処法か?
朝のニュースで全国学力テストの話がありました。
で、まぁいろいろいろいろあったわけですが、「結果に対する対応」について聞いている時に「へ?」と思ったことがひとつ。
なんでも「研修を充実させる」とのこと。
この手の「対処法」を聞くたびに、「ハイハイ、現場の教員が悪いんですね」と思ってしまいます。
何かおこったら、すぐ「研修」です。
別に自分自身のスキルアップをしたくないわけじゃないです。というか、わたしは研修を受けることについて、拒否をしようとは思っていません。それどころか、「どんな(つまらないと思われる)研修からも学ぶことがある」と、どちらかというと肯定的にとらえている人間です。
でも、それと「対処法が研修」ということとは別です。
「研修」という名のもとに、現場の教員がどれほど子どもたちに投入する時間を奪われていることか。研修だけじゃないですね。さまざまな書類を書くことを要求されて、これまた子どもたちに投入する時間が奪われている。
仮に「よい研修」を「たくさん」受けた教職経験ゼロの人がいるとするならば、その人に一年授業を持たせればわかります。その人が教科指導力があるかというと、必ずしもそうはならないだろうと思います。
きっと、研修「だけ」ではなにも解決しない。にもかかわらず、真っ先に「研修」が出てくる。
なんと安あがりな対処法だろうと思います。