だけどきっとしあわせなんだよ、みんな

で、午後から講演開始。はじまってしまえばこっちのもんです。あとはついでなので興味のある話を聞かせてもらいます。今日は、保健部関係の講演会だったので、性教育あり健康教育ありで、けっこうおもしろいです。でも、なかでもやっぱり聞きたいのは「薬物依存」の話。だって、DARCの人が来てくれて*1、自分の話も含めて聞かせてくれるんですよ。この方、毎年来て下さっているんだけど、なかなか聞けなかったんですよね。
へんに「薬はこんなに危険で、やっちゃいけない」とは言わないんですね。あと、薬の「害」ばかりを言うんじゃなくて、「やったらその時はほんとうにいい気持ちになるんだよ」という話をされるんですよね。でも、それと引き換えに失うものがたくさんある。それを経験した者として「やるなとは言えないけど、やらない方がいいと思う」という話をされるんです。
単なる「否定」は、ヘタすると「道徳話」になるんだけど、こうやって語られると「自分を大切にするために」という気持ちになるから不思議なものです。やはり、これがサバイバーの持つ力であり、それ以上にDARCというところでサバイヴの活動をされている人の持つ力なんでしょうね。

それにしても、うちの生徒は幸せだと思います。3年間の間にどれほど多くの当事者の話が聞けるんだろう。このDARCのひとはもちろん、部落や在日外国人の当事者から毎年講演を聞くことができます。そんな3年間は、おそらくは自ら望まなければ決して得られないと思います。だからこそ、一回一回の講演を、そこで語られるひとことひとことを大切にしてほしいなぁ。

*1:どうやら直接この人を呼ぶことができないみたいなので、名目上は保護司の人が講演者で、その補助という位置づけらしいですが、当然主役はDARCの人です。

てんやわんや

今日の時間割は「金曜特別校時」てやつです。これ、全高一斉の講演会がある時の校時なんです。こういう日、午前中はまるっきりヒマですが、午後からはとんでもないことになります。
さて、優雅な午前、こういう時はテープおこしをするに限ります。にしても、すごくやりにくい。講演者のしゃべるスピードがえらい速い&語尾がはっきりしない&センテンスを途中で切って別の話題を入れるetc.。聞いている時はおもしろかった*1んだけど、文章化するとこうもたいへんなんだと再認識します。まぁ、このあたり、自戒の念を込めてということで…
昼ご飯を食べ終わったところで、てんやわんやの午後がはじまります。
なにせ、同時に3会場で講演。うち2会場はプレゼンテーションソフトを使ったりビデオを使ったりとかいうらしい。残りの1会場には放送設備がないので、これはこれでめんどくさい。数日前から「準備するよーに」とは言ってあったけど、いざ準備をはじめると、あちこちに不備なところが出てきます。「わたしを走らせるなよ(笑)」と昨日言っておいたけど、思いっきり走らせていただきました。

*1:もちろん、「興味深かった」の意味

美しい日本の慣習(笑)

例えば、教員の前で堂々とタバコを吸う生徒がいたら、どういう反応をするかなぁ。
もちろん、その生徒ごとに対応は違います。でもね、心の奥底で考えるのは、「なんで堂々と…」なんでうしょね。
あるいは、制服・半キャップで校区内をバイクで走りまわる生徒がいたら、どういう反応をするかなぁ。
これまた、その生徒ごとに反応は違うだろうけど、やっぱり「なんで堂々と…」って考えると思います。
基本的に「悪いこと」って認識していたら、隠れてコソコソやろうよ。逆に「堂々と」っていうのは「悪いと思っていない」わけで、そこから話をしなくちゃならないんですよね。
「あの子、よくなったよ。前はトイレだったけど、最近は校舎の裏で吸うようになったんだ」みたいな話がたまにあります。笑い話みたいなものだけど、一片の真実(?)がそこにはあると思うんですよね。「引け目の美学」ってヤツかなぁ。

米原子力空母G・ワシントン、横須賀配備」のニュースを見て、ふと思ったんですがね…。

やっぱ慣れない

「慣れ」っていうことについて、ちょこっとだけこの間書きました。
これ、あくまでも「伝える」という行為についてだけなんですよね。
個々の「出来事」については、おそらく慣れることは一生ないんじゃないかと思います。ひとつひとつの「出来事」は鮮明に覚えているし、それがフラッシュバックすることもある。ましてや、最近の出来事については、まだ「生の感触」なんですよね。
今日、その「生の感触」に触れることがありまして…。やっぱしんどいですね。だんだん気分が悪くなってきて、その場所から出て行きたくなりました。でも、出るわけにもいかないわけで、いろんな人がいろんなことを話しているのを遠くの方のこととして聞き流し続けたんですが…。

それでも、そういうことを言える人がいるっていうのは、まだマシなのかもしれない…。

一日中遊んだ

休みの日に限って朝早く起きるの、なんとかしたいです。しかも、しんどくないんですよね、これが…。
そこから寝るわけにもいかないので、下の子どもの自転車のパンク修理なんぞやって、とりあえず懸案事項をひとつ解決。
その後、家族を放ったらかしで遊びに行きました。
秋の一日、気持ちよかったです。

にしても、最悪だな>自分

夜は大阪へ

なんか、中崎町近くのマンション4階(笑)に呼び出されたので、行くことにしました。
とりあえず、しんどかったので、到着早々「君たち、人使いが荒い」などと思わずグチってしまいましたが、結局缶ビールを一本もらったら機嫌が治りました(笑)。お手軽なわたし…。
いま、なにやらプロジェクトを持っているらしく、それの相談とのことです。まぁ1時間半ほどグダグダしゃべったら、だいたいOKだったみたい。
その後、軽くワインなんぞを呑んで、そっこうお家へ。だって、終電が…。
てか、20時から大阪はきついっす。

そんな翌日は

朝、身体が動きません*1
それでもなんとか朝の行事をこなして出勤。出勤途中、1時間目に授業があることを思い出しました。どうしよう…。
と、職場でパソコンを見て過去の「財産」をサルベージすると、ちょうどいいのがあります。少しリメイクして印刷。今日は楽勝さっ!てか、子どもたちも喜ぶし(笑)。

*1:こんなんばっか

千葉の人々

7時前、I0さんから電話がかかってきました。
「いつきさん、なんの用事だったっけ?」
「いや、ムラのフィールワークを…」
「いつそんな話をしたっけ」
「いや、1次会の終わりに。覚えてます?」
「あぁ…。あったかなぁ。段取りします」
てことで、今日の半日の行動が決定。
9時頃に、今回のお世話をして下さっている、I3さんと一緒に、近くのムラに向けて出発。
「あの道の向こう側がムラなんです」
「うわぁ!」
マジで、「人間みな兄弟」の冒頭のシーンです*1
その後、今回案内をして下さるAさんのお家へ。めっちゃきれい!めっちゃ大きい!この家だけを見たら、「どこに差別があるねん」と思われそうですが…。
「この家になるまで、いろんな思いがあったんですよ」
と、自分の生い立ちをいつの間にか語られはじめるAさん。そんな話、いきなり行ったわたしに話して下さるの?というくらいしんどい話を、それでも話して下さいます。
今から考えたら、ものすごく小さな家&劣悪な環境の中で住んでおられた話。でも、まわりがみんな同じようなところで住んでいたから、それが当たり前だと思っていたという話。でも、「なんとか自分の家を持ちたい」という両親の思いで、自分たちで畑を均して、ようやく家を建てた話。やがて、ご自分が結婚されて、ようやく今の家のある場所に移って来られた話。そんなこんなの話をしながら、言われたひとこと。
「この家は、わたしの両親・両親の両親、そういう人たちの思いが詰まった家なんです」
と同時に、こんなことも言われました。
「このあたりの家を見たら、たしかに立派な家があります。でも、ムラの子どもたちの進路を考えると、もしかしたらそうした家を維持することができなくなるかもしれない。わたしが死んだ後、このあたりはもしかしたら、また昔みたいにボロボロの家が並ぶところになるのかもしれない」
そうなんだよなぁ。だからこそ、「同和教育の総和は進路保障である」なんだよなぁ。
やがて、I3さんに電話がかかってきます。「みんな待ってるらしいです」。どうやら、だれかのお家の庭でみんなで集会をしておられるそうな。ムラの中をブラブラ歩いていくと、いますいます。庭でたむろしながら缶チューハイを飲んでいる人々。
ムラを一回りした後、さっそくわたしたちもまぜてもらいます。まずは、「これ食べ」。ゆでピーナッツ!うまい!これ、抜きたてのものを塩ゆでしたものだそうです。そんなん、関西では食べられませんよ。
しばし、わたしの性別ネタで遊んだ後(笑)、昼ご飯の話に。いや、ムラでは、ごはんを食べたかどうか、ごはんを食べるかどうかは、とっても大切な話なんです。なにせ、あいさつは「メシくうたか?」ですから。
「昼ご飯、新幹線の中で食べようか、東京駅で食べようか、千葉で食べようかと迷っているんです」と、ほとんど「なにか」を期待する答えをすると、きっちり「そしたら食べていき」と期待通りの答えを返して下さいます。やっぱり、ここはムラやなぁ。
あとは、ひたすらみんなが食材探しをして下さいます。
「干し肉あるか?*2」「ない」「あご肉*3あるか?」「こないだ食べた」「セージッカラ*4は?」「ない」「◯◯に電話してみ!」「…ないらしい」
みなさん、マジです。結局関東のムラの食材はなかったみたい。残念!それでも、タケノコを炒めたのとか、キュウリの古漬けとかいろんなものを出して下さいました。そうそう、おそばもおいしかった!
あとは、グダグダと東西ムラネタ対決をしながら、楽しい時間を過ごします。
そうこうするうちに、あっという間に1時。
「そろそろ帰らないと、夕方には家に着かないよ」
と言われました。
「えー…。帰りたくない〜」
とダダをこねながらも、ものすごく重くなった腰を、しぶしぶあげます。

近くの駅まで送ってもらって、あとは寝ながらJRを乗り継いで、6時頃にはお家へ。
今日は実家で晩ご飯なので、パートナーの運転で実家へ。でも、ほとんど食欲はありません。ビールだけ呑んで、ごちそうさま。
家に帰って9時半頃には爆睡です。

そうそう、ぜひとも千葉の皆さん、京都にいらしてくださいね!最高級のもてなし*5をしますから!
って、こんなところ、読んでないか(笑)。

*1:「道がある、道が狭くなる。そこに部落がある」

*2:サイボシだけど、馬じゃなくて豚肉らしいです

*3:これもブタのあご肉だそうです。ちなみに、ブタのテールもおいしいそうな

*4:これは、ブタのカスです

*5:あちこちのムラのフィールドワーク&カスのお好みツアー

これしかないな

今回、千葉に呼んでいただいた時の条件が、「交通費の赤字が出ないこと&宴会」*1だったので、当然のように懇親会。ここにもたくさんの人が来られます。おいしい料理&お酒をいただきながら、いろんな話。
そのうち、自己紹介がはじまります。話を聞いていると、みなさん、ガチです。やがて、わたしを迎えに来て下さった方が話しはじめられます。それ、自己紹介ちゃうし。怒ってるし。こわいし。
後で聞いたら、「優しい部類」とのことでした。印旛同研、こわ…。
その後、2次会。このあたりになったら、わたしもグダグダです。なんか、いろいろ話をしているうちに、お開き。
なんかわからんけど、熱い一日が終わりました。

*1:これは、基本的にはどこでも一緒です(笑)。ちなみに、宿泊は誰かの家の玄関先のシュラフでOKです(笑)。

初千葉

で、酒々井に到着。ホームを出ると、いかついあんちゃんがおられます。印旛同研のSさんです。なんで同和教育関係の教員はこういういかつい感じなのかなぁとは思いながら、その髪の毛の下にあるなつこ家顔が人を惹きつけるんですよね。
で、到着したのは、なんかえらい大きいホールです。千葉の同研の方々とあいさつしながら、お弁当をいただきます。けっこうお腹は一杯だったんだけど、たべちゃいました。太るな…。
で、高座の開始。
はじめに仁義を切っておいたので*1、それなりに反応があってホッとしました。
今回は、高座が2時間+質疑応答45分+総括討論1時間という、いまだかつてないガチな集会だったのですが、結局、高座2時間15分+質疑応答1時間+総括討論15分にしてしまいました。しゃべり過ぎでした、すみません。
にしても、すごいよ、印旛同研!

そうそう。10年前に、ある研究会で会った人*2が、今回来られていました。その方の感想。ちょっと心に来るものがありました。こんな感じの感想でした。

10年前にお会いした時に「いつかスカートをはいて学校に行きたい」って言っておられました。そのことが、ずっと気になっていました。
今回お話を聞いて、「あぁ、スカートをはかなくても大丈夫になったんだなぁ」と思いました。

たしかに、それがこの10年間のわたしの歩みなんでしょうねぇ。

*1:「ネタを振るので笑ってね」というお願い。はじめての場所ではお願いをすることが多いのですが、芸人としてはアカン部類ですね

*2:当然、ヒゲがあった頃