こういう時って、「わたし」が生まれてから出会ってきたたくさんの人々と出会う時でもあります。これがまた、ややこしい。
弟はみなさん簡単に認識されます。「久しぶり」「この度は…」「弟さんですよね。ぜんぜん変わらないわね」などなど、懐かしむように声をかけておられます。続いて「お兄さんは?」。
すると、弟は「あそこに」。
「へ?いや、お兄さんのお嫁さんと違てお兄さん」
「あそこ」
「いや、あなたのお嫁さんと違てお兄さん」
「だから、あそこ」
「へ?いや〜、えらい変わらはって、ぜんぜんわからんかったわ〜」
でもそこからは
「いや〜、けんちゃん、久しぶり」
と、ごく気軽に声をかけて下さいます。わたしのほうもだんだんめんどくさくなってきているので「あ、お久しぶりです。謙一郎です」と自己紹介をするようになりました。
まぁ、どのみち「連続」が大切と思っていますから、そこを否定しちゃいかんのだろうなぁと思います。
もちろん、わたしが「いつき」として生きている事を知っている人たちは、わたしのことを「いつきさん」と呼んで下さいます。
結局、「いつき」が「わたし」であると同じくらいに、「謙一郎」も「わたし」なんだろうなぁ…。
カテゴリー: trans
やったね!
ところで、死亡届には届出人の欄があります。わたしが持っていったので、やっぱりわたしの名前になります。性別欄がないので(笑)、生年月日を西暦にする以外は書きにくいところはありません。
で、「これ」と出したのですが…。
「あの…。届出人はご長女ですか?」
\(^o^)/
「あの、戸籍上は長男です」
「あ、ごめんなさい」
「いえいえ、長女と言ってもらってうれしいです」
「あ、そうですか(笑)」
なごんでいただけたかな(笑)。
ちなみに、窓口には「印鑑登録証明申請書等から性別欄は削除しました」という張り紙があります。で、根拠として「特例法」があります。ふぅむ…。
異様な人数
いや、参列して下さった方がという意味ではありません。出席して下さった方の中のセクマイ率が高いんですよね。
実に、MTFがわたしを含めて4人。ビアンが1人。これ、あくまでも「わたしが把握している」という範囲です。トランスはともかく、ビアン・ゲイの人は他にもいたんじゃないだろうか。そうそう、弔電も他にもうひとりMTFから来ていたし。
まぁ、そういう人だったということなんでしょう。それが、朝日新聞の特集「家族」に出てきた
やがていつきは数学教師になって、淳子(じゅんこ)と結婚。学校に来ない生徒たちの家に通ううち、校区内の被差別地区に住まいも移し、地域とかかわるようになった。在日外国人の子どもたちを支える活動もしていると聞いた。理論家である昭夫にはできない実践だった。改めて口には出さないが「よくやっている」と思っていた。
そのいつきが、性別を超えるトランスジェンダーとして生きていくという。ならば自分から言うことはない。遠いところへ行ってしまう寂しさはあるが、「そこを信頼し、支えるのが親だろう」と思った。
それより前、同志社大時代の教え子がレズビアンだと明らかにした。同性愛者がキリスト教団の牧師になることへの慎重論もあった中で、受け入れられ、堂々と生きていることを、昭夫は誇りに思っていた。セクシュアル・マイノリティー(性的少数者)としてのそんな生き方も、いつきを思うとき思い出した。
という記述にもつながっているんでしょうね。
忘れてた!
混乱の素
ところで、警察の人、わたしにいろいろ言うのですが、なんか雰囲気がおかしいです。あとで子どもに聞いてみると、子どもに「お父さんはどこにいるの?」と聞いていたそうな(笑)。
ちょっとホロリ…
今日は終業式。長い長い1年が、とりあえず終わりです。
で、式が始まる前に、ちょっと「ガンバった」かっこうをしている連中は「別の列」に並ばされたりするのですが、まぁ、そんな中によく知った子がいたりするあたりが…。
で、式のあと、そんな中の一人と話をしていると…。その子の友達でやっぱり「別の列」に放り込まれていた子が、いきなり話しかけてきました。
「なぁ、一青窈のあの歌、知ってる?」
ん?あ、昨日の夜テレビでやってやつか…。
「あぁ、テレビでやってたなぁ。見ようと思ってたんやけど、寝てしもたんやわ」
「あれ、ええ歌やなぁ。性同一性障害の人をテーマにしてるんやてなぁ。あれ聞いて、ぜったいにどひちゃんに教えたろうと思たんや」
「そうかぁ、ありがとう」
そういやこの学年、1学期に話をしたんやったっけ。覚えてくれてたんやなぁ…。
ちょっとホロリ…。
第10回GID学会・その他
第10回GID学会・夜の部(笑)
懇親会
呑みました。
それにしても、いろんな人としゃべったなぁ。今回は、やっぱりそれなりに緊張もしていたし、前日もそうとうなプレッシャーを感じていたので、2日分の解放感があわさっていたのかもしれません。
あと、こっそり「いいものありまっせ」と本売りをしてくださった方もおられて、これまたいい感じ。
2次会
東京勢はほとんど9時過ぎの新幹線でお帰りです。そうとう残念。でも、もう少し後のバス*1で帰るKぼりえさんとかもおられたので、高槻駅前で2次会。それにしても、懇親会のあとの2次会を設定する役がY子ちゃんとわたしというパターンが、そうとう定着しているのはどうよ…。あ、今回は、まんまるの会の人たちが先行してくれて場所をとってくれていたんだ。ありがと!
だいたい25人位でワイワイガヤガヤ。となりの席の人は迷惑そうな感じで出て行かれました。すみません。
9時をまわったあたりで、スタッフの打ちあげから脱出してこられた「会長」が到着。うまそうにタバコを吸っておられました(笑)。で、ひとしきり苦労話を聞かせていただいているうちに11時過ぎ。解散です。
あとは、終電を乗り継いでお家へ。
長い長い長い2日間が終了。
*1:レディスドリーム
第10回GID学会・午後の部
午後の部がはじまる前に、昼ご飯。大切な役目も終わったことで、少し解放感もあります。人数をつのって近くの韓国料理の店へ。中にはいると、黒い人たちもいましたorz。
どうもこのお店、大量の客をさばくスキルがない店のようで、「飲み物」すら出てきません。でも、味の方はそうとういけます。これでランチ850円はけっこういいかも。
まぁ時間があったおかげで、三橋さんやその他一緒にお昼ご飯を食べた人たちと午前の「振り返り」をしたり、しょーもないネタ*1で笑ったりする時間がたっぷりとれました。
で、午後の部開始。
ミニセミナー「性同一性障害に対する外科的治療の現状」
講 師:山口 悟 (ナグモクリニック東京)
司 会:堀 貴晴 (大阪医科大学応用医学講座神経精神医学教室)
昼ご飯が長引いたのと、会場に入ろうと思ったら、「中は血だらけやねん。わしゃ、あーゆーのは苦手なんや」とおっしゃる方がおられて、結局そこにつきあっていました。なので、聞いていません。
総会では理事の選出に対する質問がありましたが、理事長は「大人の回答*2」をしていました。それにしても、あの「要件」はそうとう厳しいでっせ(笑)。
あと、次回開催地は長崎。2月14日(土)〜15日(日)です。なんでも春節にぶつかるそうで、早めに宿を押さえておくことというアドバイスがありました。ちなみに、その次の開催地は北海道ですわ…。う〜ん…。
特別講演「10 point plan for Achieving Transgender Health」
司会:針間 克己(東京武蔵野病院)
講 師:Eli Coleman
とにかく、ひたすら「トランスジェンダー」です(笑)。なんかすごく気持ちがいい講演でした。終わったあとの三橋さんの「返し」が、そんなわたしの気持ちを代弁してくださった気がします。
ただひとつ、惜しむらくは、昨日の無理がたたって&Colemanさんの口調があまりにも心地よすぎて、最初3割と最後2割しかきちんと聞けていないという(;_;)
シンポジウム2「Children with GID」
司会:東 優子(大阪府立大学)
「小学生のMTFの報告」 康 純(大阪医科大学応用医学講座神経精神医学教室)
「性同一性障害の精神性発達‐試論」 塚田 攻(埼玉医科大学かわごえクリニック)
「Children with GID」 Richard Green
康さんの話は、極めて具体的な話です。それにしても、もう一人行っているんだ。というか、若年層どころか小学生のGIDの時代なんですよね。そういえば、うちの交流会にも小学校6年生の時から来ている子がいるしなぁ。
塚田さんの話は、まさに「試論」ですが、「発達」というものの精神的側面をきちんとレクチャーしてもらった感じです。結論的には「いろいろあるけど、ちゃんと育つ」みたいな。これを言ったら身もふたもないですが、でもそこに至る「過程」の違いに着目すると、たしかにどこでどういうサポートが必要になるかということがわかるわけで、精神科医としては、あるいはサポートをする立場の人間としては、とても大切な「試論」だったように思います。
で、Greenの話ですが、一番困ったのが、同時通訳がわけわからない。Colemanの時は、ほんとうにすっきりとしていたんですが、Greenの時は、さっぱりわからないんです。これ、あとで理由がわかったんですけどね。
で、内容的には「小児性GIDは大きくなった時必ずしもGIDになるとは限らない」という話だったように思います。で、「そのうちのいくらかは同性愛になる」ということかな。それを数多くの症例とさまざまなグラフを使っていろいろ比較をしているわけです。ただ、前からよくわからないのが、おもちゃとかの話です。隣で聞いていたYちゃんが「昔からリカちゃんよりもガンプラなんですがなにか?」とか落書きしてたし(笑)。
あと、Greenの話はすべてMTFとゲイの話で、FTMとビアンの話が出てこないんですよね。さらに、「MTFとゲイに分化していく」という話なんですが、「じゃぁMTFビアンとかFTMゲイの存在はどうよ」というあたりの質問をしたかったのですが、東さんが「時間の関係でフロアからの質問は受けつけません」ということで_| ̄|◯。
実は、最後の疑問は塚田さんの「試論」に対しても持ったんですよね。
例えば、わたしの場合、小さい頃「女性」に対する思いは、「性的指向」と「同一化」とが混在をしていて、なにがなんだかわからなかったんです。でも、「男性」にそういうものがないところから、「自分は同性愛ではない」とは思っていたわけです。で、自分がMTFであることがわかった時に、「あ、同時に同性愛*3だったんだ」ということがわかった、と。
まぁ、またどこかでだれかに研究発表してほしいなぁ。
シンポジウム3「特例法に関する現状と今後について」
司会:中島豊爾(岡山県精神科医療センター)
「法律家の立場から」 大島俊之 (弁護士・九州国際大学法学部)
「精神科医の立場から」 針間克己(東京武蔵野病院)
「改定を含め、今後の展望について」 山本蘭(性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会)
中島さん、実は来られたのがColemanの話の直前でした。おもわずあいさつ。で、「実は交流会にも来ていただきたかったのですが」などと、しばし話。で、席を探しておられたので、通路をはさんだ隣を「ここ、あいてるみたいですよ」と言って、ちゃっかり隣同士で座っていました*4。中島さん、英語の講演を同時通訳なしで聞いておられまして、「さすが、すごいなぁ〜」と驚いていました。もっとも、たまに目をつぶっておられましたけど(笑)。
で、特例法の話。
大島さんの話の中で「おっ!」と思ったのは、「非婚要件の見直し」を考えているという話ですね。前から私は「非婚要件が本丸」と思っていたので、ちょっとうれしかったかな。もちろん、前々から思っておられたのでしょうが、それが全面に出てきたということですね。
針間さんの話は、「いつもの話」と言いながら、今回新たに年ごとの変化に着目をして診断書の発行数から読みとれることを話されました。依然、変更件数は増加していますが、だんだんそのカーブが鈍っているなぁという感じ。徐々に一定数におさまっていくんでしょうね。それにしても、FTMの増加の具合が激しい。これはやっぱり、内摘でOKという情報が出回ったのが大きいんでしょうね。ということは、その裏返しでMTFは激減しているということにもなるわけで。このあたりもおもしろい傾向*5ですね。
そうそう、手術の件数の比較の時に、「埼玉」のとなりに「和田」ときちんと書いてあったのが、すごく心地よかったです。
あと、細かく細かく笑いをとりにいくあたりに、針間さんの「心意気」を感じました。あ、開院おめでとうございます〜(笑)!
山本さんの話は、まぁ、政治情勢の話ですね。第3項が「成人していない子どもがいたらあかん」と変わるという情報提供と、そこにいたる苦労話ですか。なかでも、「運動が成功しなかった理由」は強烈でした。
1、運動が一本化できなかった
2、強力なリーダーシップをとる人がいなかった
3、一部当事者の勝手な行動*6
4、非当事者の介入*7
5、子ありたたき
よくぞ思い切られたなぁ、と。
で、そんなもやもやを最後の吹き飛ばしてくださったのが、中島さんの締めのひとことです。
「まぁ、戸籍制度をなくさないとダメということですね」
思わず拍手があちこちから起こっていました*8。
康さんの、すべてが終わったようなすがすがしい顔が印象的でした(笑)。
そうそう、康さん、タバコやめられたそうな…。
第10回GID学会・午前の部
朝、起きるとシュラフの中です(笑)。
で…。こ、声が出ないorz。まぁなんとかなるか(笑)。
もぞもぞと起き出すと、向こうでは寝ていない連中がごそごそしゃべっています。なんぼ元気やねん。
まだまだ寝ている人もいますが、そろそろ片づけをはじめないと間にあいません。まぁ、片づけをする音で起こしてみようかということで、ボチボチと片づけはじめました。
で、予定通り8時には終了。日之出の皆さんと別れて、高槻に向かいます。
途中、喫茶店に入ってモーニング。久しぶりにサイホンで淹れたコーヒーを飲みました。やっぱり、おいしいです、ほんとうの喫茶店のコーヒーは。ちょっと気分が和んだところで、いざ出陣。
今回のGID学会の目標は、「ロビー活動をしない」です(笑)。なにせ、去年はひどかったですから…。
さて、受付をすませて会場にはいると、今年の会場はけっこう広いです。まだまだ席もあいています。てことで、頃合いのよさそうなところに荷物をおいて席を確保。
まずは、「一般演題3 座長:池田官司 (北海道文教大学人間科学部)」からです。
ん〜と。いや、それはそうなんですが…。でも…。という感じです。言っておられることは至極まっとうなことなんです。同意同意です。でも、逆に言うと「それって、いろんな人(含む、わたし)も前から言ってるけど…」という感じ。
あと、なんとなく「印象」でしゃべっている気がしてならないんです。あるいは、「アジテーション」…。実証的なデータがない。どれくらいの受診者にあたって、そこにどのような規範意識が見られたかという感じではないんですよね。どちらかというと「規範にからめとられている」という結論からスタートして話を展開させている感じ。それはそれで、講演やアピールの時はかまわないのですが、というか、そっちの方がおもしろいのですが、場所が場所やから…。まぁ、「規範」に対して批判的な人は、「規範」にあてはまる人を「規範化されている」とラベリングしてしまうし、逆の人は逆の人で、逆のラベリングをしてしまうなんていうことは、どこにでもあることなんだろうとは思います。でも、実際には互いのラベリングの中にもいろいろな人がいるわけで…。
でも、たとえば「GIDという汚名(笑)をあえて拒否しないトランスジェンダー」みたいなのもありだと思うんだけどなぁ(笑)。
すみません。おもしろそうだったけど、前の演題のレジュメ*1を持っていったパソコンで打っていたら、ほとんど聞けませんでした。
山田さんにはずいぶんとお世話になっているんですよね。なので、一生懸命聞かなくちゃ。
というか、他の病院はわかりませんが、関西医科大学については「P.S.W(精神科ソーシャルワーカー)」の存在がとても大きいんですよね。で、それを打ち出していこうということみたいです。発表の中で「自助グループ」と表現されていたのが、「まんまるの会(ジェンダークリニック受診者の会)」で、そのままだったらどこかの「自助グループ」と連携をとっているような誤解を与える可能性があったので、あえて補足をしてしまいました。で、マイクに乗った声を自分で聞いて、そうとうorzとなりましたよ。さらに、足元を見たらスニーカーのままだったので、さらに_| ̄|◯となりましたよ。
実は、「まんまるの会は自助グループじゃなくて、宴会グループです」とウケをとろうかとも思ったのですがさすがにそれはやめました。ところで、わたし自身の問題意識としては、「まんまるの会」は、まさに「規範」にとらわれないものを「規範とされる場所」につくっていく、ひとつの「場」なんです。そんな思いは伝わったかなぁ…。
スポーツ界における、性の問題への意識・対応の現状 正岡美麻1)、内田直2)(1)早稲田大学スポーツ科学部、2)早稲田大学スポーツ科学学術院)
「組織」がどう意識をしているかということについての話だったかな。「なるほどなぁ」と思いました。というか、思ったよりは意識しているんですよね。
ただ、気になったのは、実際に「そこにいる人」がどういうふうに自分を表現しているか、例えば◯フトボールの日本代表に、例えば当事者がいるとして、その人は自分のジェンダーアイデンティティと自分のありよう、あるいは自分が「いる場」とのねじれや整合性をどう考えるかみたいな話に関心があるんだけど、そんなの発表できないでしょうねぇ…。
当院における包括的医療への取り組み(第2報) 山口悟他(ナグモクリニック)
なんか「勢いがあるなぁ」という感じ。他のところがいろいろな困難を抱えていて動きが鈍くなったりとまってしまったりしている中で、ナグモはいきいきしているという感じでした。やっぱり、「攻め」というのが大切なんだろうなぁ。
続いて、「一般演題4 座長:岡田弘司(大阪医科大学応用医学講座神経精神医学教室)」です。
GID治療における心理療法の意義と役割:心理専門職の立場から 金城理枝(医療法人社団康心会ティー・エイチ・ピー・メディカルクリニック/AGP)
休憩のあとの余韻があって聞いていませんでした(;_;)
MTF症例の思春期における心理と支援の実態 藤井友紀1)、佐々木愛子2)、松田美和2)、新井富士美2)、中塚幹也2)3)(1)岡山大学医学部保健学科、2)岡山大学病院ジェンダークリニック産科婦人科、3)岡山大学大学院保健学研究科)
トイレに行こうと思って下に降りると、変な人たちがいて、つい変な話で盛りあがってしまいました。まぁ、そういう時間も必要ということで…。しかし…。
性同一性障害当事者におけるストレスコーピング・スタイル −ジェンダー・アイデンティティに対する身体治療の効果を調整する認知スタイルとは− 佐々木掌子1)、尾崎幸謙2)(1)慶應義塾大学大学院社会学研究科・日本学術振興会、2)独立行政法人科学技術振興機構)
トイレの前でどうしようもなくグダグダになりかかった時に、佐々木さんの声が聞こえてきました。なので、「わーい!佐々木さんの話を聞きに行こうっと!」とスキップしながらあわてて会場へ(笑)
印象的だったのが、FTMのコーピングスタイルの中で「計画立案」というのが「いい方向」に行く要素という話。なんかこれ、ジェンダーの枠組みの話とからんでいるような気がしてなりませんでした。やはり、「計画立案」に携わる機会を「女性」が奪われている状況があって、そこに参与できるということは、とりもなおさず「男性」として「認知」されたということと結びつく。そのことが「いい方向」に向かうということなのかぁとか。
性同一性障害(GID)当事者の語る社会適応のあり方 −FTMおよび、その周辺群への心理的援助に関する一考察− 西野明樹(埼玉大学教育学部人間発達科学課程心理カウンセリングコース)
質問にたった黒い人(笑)が「なぜFTMだけなのか」とか「周辺群だけでデータを集めたらGID像が歪む」とかいう話は、そりゃそーだな、と。というか、数年前だったらこんなことは書かなかっただろうけど、最近は「いろんな人*2がいるよなぁ」ということをしみじみと感じていますんで…。でもまぁ、タイトルにも「周辺群への」ってちゃんと書いてあるんだから、それはそれでありなんとちゃうん…。
性同一性障害の当事者・非当事者の身体イメージとジェンダー・アイデンティティ 野宮亜紀(和光大学非常勤講師・Trans-Net Japan)
「野宮さんだぁ」とかぶりつきに行った、わけではないですが、かぶりつきに移動。
なんか、鶴田さんのパスにかかわる研究と野宮さんの今回の演題がすごく関係があるなぁと。で、下世話な書き方をすると「やっぱ女は外見よ!」という意識が、「女性」の中にあるよなぁという_| ̄|◯。で、「女性である根拠」がより弱いMTFは、その意識により強く反応するのかなぁなどと思いました。
で、休憩なしで「一般演題5 座長:土肥いつき(セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク)」です(笑)。
もう、心臓バクバクです。いや、自分が適当にしゃべるならばどうでもいいのですが、座長って話が続かない時や質問がない時に「じゃ、わたしのほうから」とか言って、場をつながなくちゃならないじゃないですか。で、前のお二人はさすがというかなんというか、それをされるわけですが、んなもんできねーよ。さぁ、どうする!
GID mediaの活動紹介ですね。話を聞きながら、「ようやくここまできたか」という気がしたのは、ちょっと傲慢かなぁ…。でも、「トランスジェンダーという生き方は選択である」という言い方は、そうとう前からやっているんですよね。
ところで、杏野さんの「優しいフォロー」がはいったりしていたのは、もしかしたら「ハート」つながり(笑)?
QOL向上のための当事者サポートを考える‐LIFE&LIVE‐ 真木柾鷹(ESTO)
ESTOの活動紹介ですね。そうか、TNJのあとをつぐという意識であの連続講座をやっておられるんだ、と、はじめて知りました。って、わたしも会員なんだけどね(爆)。
実は「まだ8分かかる。もっと削らなきゃならない」という話を聞いていたのでのんびり構えていたんですが、5分で終わられたらなにかしなくちゃならないじゃないですか。でも、質問なんてしようがないし…。会場にふったのに乗らないし(笑)。しゃーないから「補足は」と聞いても「ありません」だし…。そのご質問が出てきてホッとしました。
ちなみに、LIVEを「ライブ」と読んでしまったのは、ここだけの話です(笑)。
「トランスジェンダーではない人」の社会的特権‐The Non-Trans Privilege‐ ひびのまこと(関西クィア映画祭)
わたしは性的指向の説明をする時、最初に「異性愛者」という言葉について説明するようにしています。これは、「ふつう」という場所から「異性愛者」もまたラベリングされる=相対的な位置関係にするという意図があるからです。そして、「方向の違いでしかない、しかし、人数のアンバランスがある」と続けることにしています。それを「トランスジェンダーではない人」についてもやることで、トランスジェンダーと非トランスジェンダーが対等な関係になるための「入口」にしてみませんか?という提案かな。ひびのさんは、仮に「シスジェンダー」という言葉でそれを試みておられました。
なるほど、示唆に富む話やなぁと思いました。こんどやってみよう。
いい提起をありがとうございました!
で、この演題の後半はここにかかわる話。ここでは「患者」と「医療者」の「対等な関係」についての話。ひびのさんもっとも大きなこだわりが「そこ」にあることがよくわかりました。
てことで、午前の部、終了。