「るるくめいと」公演

今日は午後から神戸で「るるくめいと」の公演です。「るるくめいと」は、1999年からはじまった松原高校の生徒達によるHIVの啓発活動のプロジェクトです。と、一言でいうと、まぁそれはそれだけのことなんですが、中身は非常におもしろい。まぁ言ってみると、世代交代を続けながら、常に進化し続けるプロジェクトということになるでしょうか。いや、世代交代を続けるからこそ進化し続けるのかな。その「変化」を、高校生たちが担っているからこそおもしろい。
マネージャーのH野さん*1
「自分はマネージャー。自分の仕事はそれぞれの場所のおいしいスイーツとおいしい洋食*2を探すことにある」
という言葉が、まさにそういう理念を支えているんだろうなぁと思います。
わたし自身も放送部の活動で同じことを考えているんだけど、なかなかうまくいかない。ちょっとうらやましいプロジェクトです。
実際に公演を聞いて・見て、「新しい知識が得られたかどうか」という観点で言うと、ほぼゼロです。もしかしたら、しゃべくりもわたしのほうがうまいかもしれない。でも、それとは異なる「空気」があります。なんというか、高校生たちが「おもしろいと思ったことを伝えたい」ということを、世代を継ぎながらつくり続けたきたところにあるのかな。さらに、コンドームのつけ方講座までやってしまうから、きわめて実践的です。
なんか、うちの放送部に体験させたいなぁという公演でしたね。

公演のあとは、「るるくめいと」のみなさんは合宿らしいです。わたしはそこのゲストスピーカーとして呼ばれました。
前日にH野さんに
「講演がいいですか?それとも出たとこ勝負がいいですか?」
と聞いていたのですが、H野さんから
「出たとこ勝負で」
というオファーを受けていたので、少々緊張しながら子どもたちと同じ輪に入りました。でも、緊張とは異次元の感じでした。子どもたちから来る「問い」のひとつひとつが、とても考えさせられる内容です。考えながら答え、答えながらさらに自分の思索を深めていく。みなさんとの対話を通して、自分自身が高められた気がしました。

*1:松原高校の教員

*2:実はH野さんが洋食好きらしい

慣れるとこうなるのか・リビングライブラリ(2日目)

朝起きると、えらいしんどいです。まぁ当たり前です。
それでもなんとかお風呂に入って、ゆるゆると動きはじめます。今日はいい天気なので、自分の自転車で会場まで行きます*1
会場に入って「おはようございま〜す」と声をかけると、みんなやたら疲れています。まぁ当たり前です(笑)。
今日はいきなり「定員なし」のセッションからです。でも、部屋にはいると3人しかおられません。結局、普段通りのセッション・45分バージョンになりました。その次のセッションの時間帯はお休みです。
にしても、今回はあまり定員ギリギリまで入りませんねぇ。まぁしゃーないです。なにせ今年のメンバーは濃い!てことで、午後一番のセッションはお二人相手でした。まぁその後4人(満杯)が続くんですけどね。
今年の参加者の方は、去年の方に比べて積極的に質問されます。まぁ、ATACカンファレンスに参加している人のみが参加なので、そういう傾向になるのかもしれませんが。なので、必然的に時間が延びます。さらに、わたし自身も話す内容が固まってきたので、「あれとこれとそれと…」と全部を突っ込もうとします。すると、時間が延びます。
本来は30分枠なのに、午後からはすべて50分ぐらい話してしまいました。まぁ自分の休憩時間が減るだけなので、それをよしとすればいいわけですが、さすがに事務局長から「ちょっとちょっと」と言われてしまいました。まぁわたしだけじゃないんですけどね(笑)。
てことで、あっという間の2日間もおしまいです。
去年もそうでしたが、今年も書庫の中で本同士がすごく濃密な関係をつくることができました。これが「本」になる醍醐味なのかなぁ。

*1:昨日は雨だったのでパートナーのママチャリで行った

新ネタに挑戦・リビングライブラリ・1日目

通常リビングライブラリは、1対1、あるいは多くて3〜4人を対象に「本」が自分の話を語ります。ところが今回は「実験」ということで、定員10人のセッションと定員無制限のセッションがそれぞれに1回ずつ割り振られています。これ、かなり微妙です。
わたしはたいてい「ニーズ」を出してもらって、それに即して話をするようにしています。なにせ、30分という、かなり限定された時間ですから、そうしないとどうしようもないんです。ところが、10人以上が対象になると、どちらかというとミニ講演会になってしまいます。最初のセッションがいきなり定員10人パターンです。どうしようと思いながら会場にはいると、おられるのは3人(笑)。だったらいつもの通りでOKです。
ところで、今回のわたしが与えられたお題は「家族」です。これ、自分の中では、あるいはわたしたち家族の中ではほとんど解決済みのことであると同時に、わたし一人の問題じゃないので、ちょっと話しにくい内容ではあります。どう話せばいいかなぁとは思っていたのですが、まぁ、リソースはそれなりにある*1ので、そのあたりを思い出しながら再構成すれば、なんとかなるでしょう。逆に、30分という枠なので、自分がトランスするまでの話は完全になしです。ということで、完全な新ネタですね。
で、与えられた4つのセッションでいろいろ話をしているうちに、ぼんやりと「こんな感じで話せばいいのか」ということがわかってきました。まぁ、まだ2時間のネタまでは成長していませんが、
「続編を」
と言われたらなんとかなるかもしれないという気がしてきましたよ(笑)。

*1:福祉ネットワーク」とか「ハートをつなごう」とか「朝日新聞の「家族」」とか

N吉高校へ

朝、さすがにしんどい…。でも、なんとか起きて動きはじめると、動けるものですねぇ。
とりあえず上の子どものお弁当をつめて出勤。
1時間目の試験監督が終わったら、速攻家に引き換えします。で、向かうは大阪市南部のN吉高校。
ここは新渡日の子どもたちの受け入れをやっている単位制の高校で、「全国在日外国人生徒交流会」にも、毎年多数の生徒を送り出してくれているところです。すごくいい学校だと思うんですが、あまりにも自由なシステムなために、近隣の住民からは評判が悪いとか。う〜ん、もったいない…。でも、人気が上がるとしんどい子が入れなくなるしなぁ…。ジレンマですね。

で、教職員研修会の開始。
集まってこられる方々、すごく互いに仲がいい感じです。ワヤワヤと入ってこられて、みなさん笑顔で話をしておられます。「研修、イヤやなぁ〜」という感じがまったくありません。すごい学校です。
話しはじめると、反応がいい!なにより校長にウケまくっています*1。いい人です。
てことで、2時間きっちり、すごく楽に話をさせていただきました。ほんとうにわたしも楽しませていただきました。

*1:わたしのネタは遵法・違法のギリギリのラインを狙っているところもありまして^^;;

K中学校へ

今日は朝から滋賀県にあるK中学校へ。ここの人権総合学習のメインイベントらしいです。
とりあえず「1時間、ただし若干の延長プレイあり」ということなので、この間のパターンで行くことに決定。まぁなんとかなるでしょう。
で、話をはじめたのですが…。
いやぁ、反応がイイ!ネタでは笑ってくれるし、みんなまっすぐな目で聴いてくれるし、ツッコミを入れると返してくれるし、最高のお客さんです。
大いに楽しませてもらったので、結局1時間20分話してしまいました。でも、生徒さん達「まだええで」のオーラがあります。好き者やなぁ…。

大学生やなぁ…

パートナーに握っておいてもらったおにぎりを受けとって、電車に飛び乗ります。で、向かったのは大阪府立大学。今日は、毎年恒例の社会福祉関係のお座敷です。
今年はどんな感じなのかなぁと思ったのですが、やっぱりいい感じでみなさん聞いて下さいます。中には本当に食い入るような目つきで一生懸命聞いて下さる方もおられます。もう、なんか、恐縮です。惜しむらくは「笑い声」が小さい。いや、確実に笑ってもらっているのですが、どうもとまどいがあるみたいです。でも反応がいい感じだったので、枝葉が多すぎて、最後まで行くのがえらいこってした。
途中、「わけわからん」という顔をしている人がいたので、どういう人か聞いてみたら、中国からの留学生だったとか。あかん。コテコテの関西弁で偉い早口だから、わかるわけがないです。ふぅ…。まだまだ修行が足りません。

終わってから、しばし研究室で「変態であるかどうか」についてのよもやま話。「ノイズであり続ける」ということの大切さと、そのことのしんどさみたいなことについて話が出てきました。ん〜。たしかにノイズであり続けることはしんどくないと言えばそうなんですが、「キメ」てしまえば、それはそれなりな気がする。っていう感覚なのが変態なのかなぁ。
その後、講座担当者同士の会議がはじまります。にしても、来週の講座の内容を今話さなくちゃならないという、えげつない状況なんやなぁということを実感しますねぇ。

III部の迫力

今日は夕方(というか、夜)に桃谷高校III部*1の人権学習の時間にお呼ばれです。単なる定時制ではない。単なる通信制でもない。桃谷III部ならではの雰囲気があると聞いているので、ちょっと緊張気味です。
基本的には聞くか聞かないかは本人の自由。制度上は「聞いたら(たぶん特別活動の)出席」になるというだけのこと。それだけに、「聞こう」という人が来られるわけです。
教室に集まってこられた人を見たら、身が引き締まる思いです。いわゆる高校生世代の子どもたちはどちらかというと少数派です。一番前に陣取っておられるのは、ハルモニ・ハラボジたち、ムラのおじちゃん・おばちゃんたちです。
この人たちの思いにつながるためには、やっぱりわたしの実践を差し出しながら、自分の思いを話すしかありません。この人たちが聞いてくれたら、きっと高校生世代も聞いてくれます。聞いてくれさえすれば、やっぱりIII部に来ている子だから、どこかでつながれるだろうと思いながら話をしました。
なんというか、ウケるところが「通」です。うなづかれるところでは、首がちぎれるほどうなづかれます。
与えられた時間は1時間ちょい。逆に言えば、それ以上伸ばしてしまうと、きっとみなさんしんどくなるはず。
普段よりも実践をたっぷりと話し、自分の話は枝葉を刈り取って最小限にとどめながら、それでもなんとか話せました。
終わった後の拍手、すごく暖かかったです。いい経験ができました。「新ネタ完成」という意味でもね(笑)。
今回段取りを組まれたC原さんが
「いつきさん、III部に来たくなったでしょ?」
ときつい球を放ってこられます。
「でもね、夕方ビールが呑めないから却下(笑)」
まぁ、理由はそれだけです(笑)。

*1:夜間通信制

で、本番

何が困ったって、「つかみ」が思い浮かびません。どうしたものやら。
でも、長崎の人はとてもノリがいいみたいで、前回もかなり笑ってもらえたので、なんとかなるかと。
とりあえず、定番の「入り」からちゃんと反応してもらえて一安心。あとは昨日の懇親会ネタあたりから流していきます。もらった時間は1時間45分。び、微妙です。笑ってもらえたら、ついしゃべりすぎる傾向があるので、用心しなくちゃ。と思っていたのですが、結局10分オーバー。修行がたりませんわ…。
それでも、『トランスジェンダリズム宣言』も『30人のカミングアウト』も売れたみたいで、よかったよかった。
終了後、みなさんとちょこっと話。生徒さんを連れてこられた方もおられて、「来てよかった」と言ってもらえたとか。ちょっと気になっていたので、一安心です。
さぁ、帰りましょうか。

で、本番

こっちが本番なんですよね。
なにせチーム紀伊水道として、はじめてのとりくみだそうです。自然とこちらにも気合いが入ります。とは言え、気合いを入れすぎるわけにもいきませんから、淡々とパソコンに向かってお好みレポートを書いて時間をつぶします。と、そこに交流会に来ているMTFの女子高生登場。いつものことながらかわいいなぁ…。
最前列に座っておられる方が
「これ、渡してあげて」
と言っておられます。花束です。こんなのはじめてです。かなりうれしいです!
時間が来たところで、代表のE澤さんがあいさつされます。ポケットから大量の紙を出されるのですが、ぜんぜん読まれません。どうしたんやろうと思っていたら、すべて白紙でした。細かいウケをとられます。すごいよ…。さらに、わたしのことを「師匠」と呼んでおられます。いや、そんな大それた^^;;。
今日は2時間半ほど時間がもらえているので、けっこうゆっくりと話ができます。和歌山の人はマジメだと聞いていたので、少々緊張しますが、前の方の人がけっこう受けてくださったり、後ろの方の人のニコニコとした笑顔が見えているので、ホッと一安心です。そうこうするうちにゼロ島さんも登場。いやぁわざわざすみません^^;;*1
とりあえずしゃべりきったところで質疑応答です。普段はほとんどでないのですが、今日はディープな質問がいっぱい出てきます。すごく前向きに聞いてくださっていたことが伝わってきます。当事者の方もいっぱいおられます。そんな人たちが、これまた感想や質問を出されます。きっといろいろあったんだろうなぁ…。

すごく真剣で、それでいてアットホームな感じは、やっぱりチーム紀伊水道のみなさん、特にE澤さんの人柄なんでしょうねぇ。と同時に、「やっとこういう時間が持てた」ということもあるのかなぁ。ほんとうに感謝です。

*1:他にも今日は某所でイベントがあったとか(笑)

中高生相手の3時間

今日の午後からに備えて塩漬けした白菜を京都駅南側にある某所に搬入。その後、茨木へと向かいます。到着したのは、コリア国際学園です。今日は中学生高校生を相手に、3時間連続*1の授業をします。
あくまでも授業なので、50分+10分×3コマが基本です。でも「フレックスでもかまわない」とのことだったので、体力が残っている1時間目は10分オーバー。2時間目は50分。3時間目を40分で考えました。
1時間目はいろいろ考えたけど、せっかくだから普段と少し順番を変えて、いままで出会ってきた子どもたちのことを話すところからスタートすることにしました。にしても、みなさんいい生徒さん達ですね。ちょっとやんちゃ気味の子どももいますけど、真剣に聞いて下さいます。リアクションも抑制がききながらもきちんと返ってくるし、ふともらす笑顔がいいです。
2時間目はライフヒストリーセクシュアリティの基礎あたりを話します。さすがに2時間目の最後のあたりは疲れが見えてきます。休み時間中に「バタッ」としている子どももいます。話をしたのが音楽室だったので、思わず「3時間目の最初はケンガリでも叩こうか」とか雑談をします。
で、3時間目は「性の多様性」→オチです。
質疑応答では、生徒さんも話をしてくれるし、教員も話をしてくれるし、いい感じです。出がけに最後まで手を振ってくれた生徒さんもいたりして、すごくいい気持ちで学園を後にすることができました。

*1:「2009年度の授業内容はこちら」をクリックするみたい