8月、場所探しをはじめました。
10月、はじめに考えていた場所がポシャりました。
11月、途方に暮れました。
11月の終わり、光が見えはじめました。
12月、できるかもしれないという気がしはじめました。
2月、現地の宴会(笑)に参加して、ほんとうにできるんだということがわかりました。
5月、事前合宿の打ち合わせがはじまりました。
6月、事前合宿ができました。
7月、なにをしたらいいのかわからなくなりました(笑)。
8月、ようやく動きはじめました。
今週、ようやく事務作業ができるところまで来ました。
そして、今日から2日間、1年間準備を*1してきた全国在日外国人生徒交流会が、甲良町ではじまります。
9時半、京都のスタッフが京都市内某所に集合。全員がそろうのは今日がはじめてです。わたしの車に乗り込んで、現地に向かいます。途中、買い出しをしながらこっそり「燃料」をゲット。とにかくどこかのタイミングで燃料補充をしないと持ちませんから(笑)。
12時、甲良町に到着。お昼ご飯を食べながら最後の打ちあわせ。そして、準備の開始です。今まで細かい話をシミュレーションする機会がほとんどありませんから、ぶっつけ本番に近い感じです。
1時過ぎ、集合場所のJR河瀬駅に向かいました。「ほんとうにはじまるんだ」という気持ちが起こってきました。やがて、改札口の向こうから、次々に生徒たちが姿をあらわしはじめました。「久しぶり〜!」「よろしく〜!」いろんな声をかけあいながら出席チェック。それにしても、あたりは「外国人」だらけ。たぶんそこにいた人はびっくりしたやろうなぁ…。なにせ、今回の交流会、生徒だけでその数129人。ルーツは単純にカウントして11ヶ国。そこに引率を含めると、200人弱の大所帯ですから。
2時半ごろ。ほぼすべての生徒が会場の甲良東小学校に集合。実行委員の生徒たちと最後のミーティングをやります。「とにかく班行動を中心に据えることをしたからね。君たちにすべてがかかっている」とハッパをかけました。
で、全体会。司会の生徒が少々照れながらも声を出します。すると、集まってきた生徒たち、ひとことひとことに拍手喝采。いい滑り出しです。実行委員長もしっかりと話をしてくれました。つきあいはじめて3年だけど、ずいぶんしっかりしたなぁ…。
そして班別活動開始。部屋の看板をつくったり、名札をつくったり。料理づくりを含めて3時間以上の長い長いアイスブレーキングです。実行委員の生徒たちにはあまり詳しいことを話す時間がなかったのですが、それでもわたしの意図をくみとってうまく活動してくれています。そして最大の山場、料理づくりの開始。
小学校の調理実習室に130人を越す生徒・引率がはいって調理をするのですから、もう、祭り状態です。料理担当の教員は「もう、カオスです」と音をあげていました。
調理って、すごい作業なんですね。はじめは形があるものなんですが、切り刻むことで一度形がなくなります。調理台の上は混沌としていきます。でも、それらが混じり合い調理が進むにつれて、再び新しい形を取りはじめます。そして、ひとつの形をつくりだした時、ひとつの食べ物ができます。その過程は、子どもたちの「集まり」ができていく姿とすごく似ています。調理が終わった時、なんとなく班ごとの「形」ができていった気がしました。
食事の後はルーツ別の話しあい。当初、この時間はあまりきちんと位置づけられていなかったのですが、実際に話しあいがはじまると、けっこう深く話をしている感じが、教室の外からもうかがわれました。
そうそう、今回のわたしの役割は「総括」。ですから、子どもたちのここの話しあいにはほぼノータッチです。とにかくひたすら歩くこと。子どもたちの姿を教室の外から「見守る」こと。交流会がはじまった時点で、それ以外にできることはなにもありません。
一方、この時間はお風呂の時間でもあります。宿泊した小学校から少し離れたところにお風呂があるのですが、ここに1時間以内に3交代でほぼ全員を入れる必要があります。なにしろ、これができないと、班別の話しあいの時間を確保できません。バスはお風呂屋さんまでひたすらピストンをしてくれます。それにしたがって、分刻みで入浴をしていきます。こちら(小学校)と向こう(お風呂)にスタッフがはりついて、心を鬼にしながらとにかくタイムスケジュールを守ってくれました。最後のグループがお風呂から帰ってきた時間を見ると、みごとにオンタイムです。すごい…。
時計は21時45分。ここからが、いよいよ本番です。班ごとにじっくりと自分たちの話を出しあいます。教室の外から見える子どもたちの姿は、ほんとうに真剣さが伝わってきます。一人一人の声に全員が耳を傾けている姿が見て取れます。たぶん、そこで話されるひとつひとつの言葉に自分の経験を重ねているんだろうなぁ。
11時に本日の話しあい・プログラムは終了です。
で、これで終わるはずがないのも、これまた交流会です。なにせ、全国から集まってくる機会は1年に一回しかありません。ここでしか自分と同じルーツを持つ「仲間」と出会えない子どももいます。1秒でも長く語りあいたい気持ちはすごくよくわかります。でも、企画する側としては、子どもたちの健康のことや明日の話しあいのことを考えると、なんとかして寝させる必要があります。ですから、ここからは「闘い」です。
午前0時30分。いっこうに寝ようとしない子どもたちの状況を見て「全員ミーティング」の実施が決まりました。子どもたちを一堂に集めて、生徒実行委員長から、引率の教員から交流会への思いが語られます。わたしもひとこと「もしも君たちがこの交流会に来てよかったと思うなら、君たちの後輩に同じ経験を保障するために、いま何をしなければならないかを考えてほしい」と語りかけました。全員ミーティングの後は都道府県別のミーティング。地域によっては卒業生が一生懸命生徒たちに語っています。「毎年続ける」ということは、横のつながりだけじゃなくて、縦のつながりもできていくんだなぁということを、そんな姿を見て感じました。だから「続ける」ことが大切なんでしょうね。
そんな甲斐もあって、ようやく全員がとりあえずふとんの上に身体を置くところまでは行きました。といっても、寝るかどうかは別ですけどね(笑)。
結局、引率教員が寝ることができたのは、早い人で3時。遅い人では4時過ぎだったみたいです。
あ、わたしは「あしたがあるから寝て」とみなさんに言ってもらって3時就寝組でした。