http://mainichi.jp/life/dsd/news/20111225ddm013100187000c.html
境界を生きる:性別の違和感、映画で描く 密着取材から劇的展開見せる異色作 東京で来月公開
性別に違和感を持つ人々を追ったドキュメンタリー映画「Coming Out Story(カミングアウトストーリー)」(梅沢圭監督)が1月4日から東京都世田谷区の短編映画館トリウッドで公開される。カメラが密着した対象人物の生きざまに撮影スタッフ自身が揺さぶられ、予期せぬ方向へと向かう異色の作品だ。【丹野恒一】
“ストーリー”の中心人物は京都府の公立高校で教壇に立つベテラン教師のほにゃららさん。十数年前、トランスジェンダー(性別を越境して生きる人々)という言葉に出合って、ずっと閉じ込めてきた自分本来の姿に気付き、ホルモン療法などで体の女性化を進めてきた。
撮影が始まって間もなく、土肥さんは外性器の手術を決断する。在日外国人や被差別部落の人権問題にも取り組むエネルギッシュな土肥さんだが、命を落とす不安まで口にしながら手術に臨む姿は痛々しい。
ある日、撮影スタッフの一人が現場を離れるところから映画は趣を変え、緊張感が高まる。スタッフから監督に届いたメールには、性に関して隠し続けてきた秘密が書かれていた。土肥さんと時間をともにすることで刺激され、過去の自分を思い出すことから逃げたスタッフだったが……。
日本映画学校(現日本映画大学)の10年度卒業製作で作った映画を、梅沢さん自ら再編集した。元の作品は校内で最優秀監督賞の「今村昌平賞」を受賞した。梅沢監督は「企画段階には思ってもいなかった所に行き着いた。登場人物の声が、見る人の魂の根っこに触れ、生き方を問い直すきっかけになってほしい」と話す。上映時間60分。
「ベテラン教師」か…Oπ