昨日買ったので、こちらの感想も。
つい、泣いちゃいます。5巻では、カミングアウトをめぐる本人や家族の葛藤。まわりの支え。でも、支えだけではない冷たい世間。それらをすべて、とりあえず自分で引き受けるということ。「何かを得るためには、何かを捨てなくてはならない」。使い古され、言い古されたことだけど、やはり重い言葉です。その言葉を笑顔で吐くことが大切なんですよ。泣き顔や苦しみ顔で話す言葉は、結局は他者の胸には届かないということ。
たしかに、ISの現実をすべては伝えきれていないかもしれない。でも、メッセージは充分に伝わってきます。
さてさて、このあとどんな展開になるんだろう…。
年: 2006年
ところで、第8話
で、女性診療科の待合室における読書の感想。
う〜ん、浅薄…。
ありえない精神科医の言葉*1。唐突な大学入学後の人権擁護サークルとの出会い*2とサークルの人たちの受容*3。さらには、唐突な彼女の出現*4。しかも、本人は「レズ」だの「ホモ」だのと言いまくっているしさ。「自分はレズやホモみたいなものじゃない。ちゃんとした普通の人で、たまたま肉体と心の性別がずれているだけ」っていうことなのかな(笑)?
しかも、いろんな「受容(笑)」は、すべてが天から降ってくる。なんでやねん。トランスの中にも、いわゆる性同一性障害という人だけじゃなくて、女装・をかまなどさまざまなアイデンティティをもつ人もいます。生きてきた軌跡にも、パートタイムという選択の中でふたつ(以上)の「生」を生きざるを得ない人、フルタイムという選択の中で周囲との軋轢に苦しむ人、引きこもりの経験者、周囲の白い目にそれでもひるまずに生きている人、いろんな人がいます。さらには、性的指向とのからみも大切だと思うのです。そういう現実に生きているさまざまな人たちから学ばないとダメっす。
他にもツッコミどころが満載です。
花見の時に、精神科のお医者さんに見せたら…。爆笑していました。なんでも、大学で告られたシーンで「彼女、性同一性障害らしい」とかいうところのあまりにも説明的なセリフにひっかかったようです。で、隣にいた人がまた爆笑。「こんなかっこいい精神科の先生はいないよ〜」ま、ひっかかるところは、人それぞれみたいです。あるFTM曰く「このままだったら、来週号でSRSするんとちがうか」。まぁそういうペースです。
さてさて、このあとどんな展開になることやら…。
その後、宴会受診者の会
「関西医科大学ジェンダークリニック受診者の会(仮称)」というのがありまして、まぁかれこれ10ヶ月(=5回)ほど活動してきたのですが、最近その性格があきらかになりました。単なる宴会グループです。まぁ、世話人と会場を貸してくれる人と集まってくる人の性格が、そういうものだということです(笑)。
今日は、第1部「保険について」ということで、保険屋さんに来ていただいて、いろいろ話を聞きました。まぁ個人的な感想は、「結局、他の病気と変わらない扱い」ということです。あ、SRSを考えていて、でもまだジェンダークリニックに行っていなくて、しかも保険をかけようと思っている人は、まずは保険をかけてからジェンダークリニックに行った方がいいですよ。そうすれば、SRSに保険が適用される可能性が大です*1。ちなみに、SRSを受けた後はきびしいです。ついでに、美容整形*2は、「医療行為」にあたらないと解釈される可能性がありますので、黙っておけばいいという感触も得ました。まぁ、ここだけの話ですけど…。
で、第2部は近所の公園で花見。7時頃からだったので、夜桜はきれいだったけど、寒かったっす。あまりにも寒いので、8時過ぎにいつもの会場にもどって、そこから再び宴会開始。終わったのは11時。なんちゅう会やねん(笑)。
でも、回を重ねるごとに、だんだんみんなが仲良くなってきて、だんだんみんなが互いのことを話しはじめて、すごくいい感じの会に成長しつつあるなぁと思いました。
病院のはしご・その2
枚方の駅ビルにあるお好み焼き屋で、◯×ールセット(ネギ焼き・笑)を食べて、滝井へ移動です。で、精神神経科。お医者さん、難しい顔をしています。「適応判定委員会で「聞いてきてほしい」と言われたことがあるんですよ」「じゃぁ通らなかったんですね!」。思惑通りです(笑)。で、適応判定委員会で出されたいくつかの質問*1。
- SRSについて、子どもたちはどう考えているか?
上の子どもは、「きっとあいつ*2は反対するで」と言っています。なにしろ、下の子どもはジェンダーの規範に忠実な子どもなので。上の子どもは、こんな話をしているくらいだから、まぁ大丈夫でしょう。
- パートナーは「夫」がいなくなることをどう考えているか?
いや、もうかなり前にいなくなっているんですけど。NHKでもそう言っていましたし。
- 夫の役割はどうするのか?
あの〜…。夫の役割ってなんですか?教えてください。
- 夫が妻になったら、妻が夫にならなくちゃならないのではないか?
はぁ?別にそうならなくてもいいでしょう。
- 妻・妻という家庭になるが、それでいいのか?
いや、だから、それだったらシングルマザー、シングルファーザーの家庭はどうなるのですか?わたしは、個人的にはふたり親の方がいいとは思うけど、それは、複数の目があるということに理由があるわけです。一人だとどうしても自分の考えで突っ走ってしまったり、揺れが起こった時も自分一人の力で解決しなくちゃならない。そういうリスクをさけるという意味でなんですけどね。
- 手術のリスクなどを子どもたちは理解しているか?
うちでまともに入院していないのは、わたしだけです。子ども2人もパートナーも、それなりに入院経験があります。ちなみに、わたしの入院経験はお酒を飲んでこけて頭を割った時の1日だけです。
- SRSをしたあと、男に走って家族が崩壊するということはないのか?
笑!「大きなお世話です」と答えて下さい(笑)。SRSをしようがしまいが、男なり女なりに走って家族が崩壊する可能性はあるわけで、そんな家庭はたくさんあるじゃないですか(笑)。SRSとは関係ないでしょ。わたしなんて、今までに崩壊の可能性は山ほどあったし(笑)。
てことで、わかったこと。適応判定委員会の人たちって、完全にヘテロで、かつ既存の家庭観の枠組みの中でのみものを考えているということ。しかも、かなり失礼。つーか、荒唐無稽。まぁ、わたしとの間に立っている精神科のお医者さんに同情します。
病院のはしご・その1
今日は、学校の方は病気休暇をとりました。ちなみに、病気休暇をとる時は備考欄に何か書かなくちゃならないみたいで、「関西医科大学附属病院通院」と書いて出しました。すると、教頭が「病名はなんや?」と聞いてきたので、しかたなしに「性同一性障害」と書いてしまいました。だって、「ヤクのゲット」とか書けないですがな。まぁ、教頭さんはえらいあわててましたけどね(笑)。
てことで、はじめて枚方病院へ。
いや、ホテルみたいです。入っていきなり「ド・トールコーヒー」があるのにはのけぞりました。呼び出しはPHSを使うようです。でも、行くところないし…。
しゃーないので、女性診療科の前の待合室でダラダラしていました。本をもってこなかったのは完全に失敗です。
と、そこに友だちからメール。「とりあえず今週も買った。が、あまりにも陳腐」。そういえば木曜日か…。ということで、病院内にあるコンビニに行ってさっそくゲット*1。で、待合室にもどって読みはじめました。感想は後ほど…。
で、2時間半ほど待って診察室へ。「あの後、どうされました?」「新大阪着の新幹線最終で帰ってきました」。いきなり、G研の「その後」の話です。たんなるよもやま話ですね。「それで、いかがですか?」「変わりなしです」「じゃぁ、何日分出しましょう」「どうしようかなぁ、友だちが闇で売りたいから余ったのを売ってくれって言ってるんですけど…」「協力しましょうか?」などというどこまで本気かわからない(笑)会話をしながら、いつもの通り診察が終了。最後に「わたしのイメージが崩れるから、こういう会話はやめてください」とお医者さんは言ってましたが、自己開示の必要性を述べておきました(笑)。
*1:今回は30代ピンク(笑)あー、まだこんなことやってる自分が好き!
ヤツが来た
いま、うちにはケーブルテレビをひいているのですが、これ、来ているのが居間なんです。で、ダイニングキッチンと壁をはさんでその向こうに応接間があります。応接間には、なぜかプロジェクターがあります。
前からケーブルテレビの出力をプロジェクターにつなぎたいと思っていたのですが、けっこうな距離と間に壁があるので、どうしようかと思っていました。前の家だったら、壁に穴を開けて、壁にコードをはわせたらよかったのですが、今度の家はそういう感じじゃないんですよね。一時は、天井を経由してとか考えていたのですが、それもなんだかなぁ…。となったまま、しばらくストップしていました。
で、ある日、放送部の業務上、ふたつの体育館で同時放送をするためのトランスミッターを探していました。最近、トランスミッターがはやってはいるんですけど、かつてみたいに「DJをしたい」とか「私設FM局を開局したい」みたいな妄想を具体化してくれるような出力をもつものがないんですね。やれやれ…と思いながらあちこち見ていると、VT-2400*1なんていうのがありました。なんでも、AV出力を飛ばすトランスミッターらしいです。現在引っ越し貧乏が続いているので、出費するかどうするかかなり迷ったのですが、まぁ必要なら買わなくちゃならないと決断をして、通販で買いました。
で、今日、来ました。つなぎました。つながりました。便利!
ちょうどサーフィンの放送をしていたので、ソファにダラーっとして見ていたのですが、迫力もあるし、いい感じです。これは、買いだったな。
家族で花見
朝、4人分のお弁当をつくって出発。わたしは仕事、家族は前に住んでいた京都府南部の町へ。
京都府南部のその町は、けっこう桜で有名な町で、京都の「桜の開花情報」にも出ています。実際、見事なもんです。とは思うけど、京都ってよく見たら桜だらけな気もするけど…。
で、仕事をサクッと終わらせて、家族と合流。河原に降りてビニールを敷いて家族と一緒につかの間のお弁当の時間。残念ながらまだまだ4分咲きといったところですが、でも逆に歩いている人も少ないし、のんびりできたかな。
その後、前に行きつけにしていたお好み屋というか飲み屋というか、そういう店が出している売店*1に顔を出してひとくさり話。パートナーは通りかかった友だちと話。まぁ15年住んだ町なんだなぁ。
さらにその後、パートナーの友だちが「今年はお米のできがよかったから安くでわけるよ」と言っているそうで、30kgのお米を受けとりに行って、またまたひとくさり話。で、その後その友だちに教えてもらったツクシの宝庫に行って、ツクシとり。と、そこに先ほどの友だちが子ども連れで散歩がてらツクシ取りにきたので、ツクシを摘みながら、またまたひとくさり話。
そろそろ夕方になってきたので、京都府南部の町にさよならして帰ろうと思ったのですが、ふと思い出して、なじみの立ち呑みによって、生レバー(パートナー)、ユッケ(上の子ども)、ドテ焼き(わたし)、エネルゲン(下の子ども・笑)で晩ご飯。
そういえば、去年までこういう生活をしていたなぁ…。
家に帰ったら、ここ数日の疲れがどっと出て、8時過ぎには爆睡でした。
*1:つっても、ブルーシートをひいて前に机を出して「壬生菜の漬け物」と「ホルモンの炊いたん」を出しているだけですけど(笑)。ブルーシートで常連さんが飲んでいるので、単なる友だち同士の花見にしか見えないので、売り上げは限りなくゼロに近いです。
4月4日かぁ
4月4日…。「カマ節句」とか「トランスジェンダーの日」とか「桜の日節句」とか「よよの日」とか「しーしーの日」とか、いろいろ言われてますね。個人的には、古の伝統を重んじて「カマ節句」かなぁと思うのですが、お祝いなんてしたことがない。まぁあえて言うならば、「はじめて「いつき」で免許の更新をした日」ていう感じかな。
みなさん、すみません。わたしはウソつきです。m(_ _)m
件のFTMの方から、stnの学習会で、ミッションを頼まれました。なので、仕事終了後、しこしこと文章を作成。しかし、方便とは言え…。まぁ転載します。あまりにも恥ずかしいので「注」をつけます。
2006年4月3日
株式会社 講談社
モーニング編集部御中セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク副代表
土肥いつきはじめまして。
現在「週間モーニング*1」に連載されている「GID」について、少々考えるところがありますので、手紙を書かせていただきました。
はじめに、わたしはMTF(男性から女性)の性同一性障害当事者である*2ことを明らかにしておきます。
作者の庄司陽子さんが「性同一性障害者への偏見を取り除きたい」という思いで、「GID」の連載をはじめられたことは、当事者*3としてたいへん評価するものです。しかし、読ませていただいているうちに、この作品は、偏見を取り除くというより、一歩間違えば、偏見を助長する危険性があるということを感じはじめました。その理由は大きくは次の2点です。・実際の当事者とはずいぶんと違う姿で書かれていること
私も含め、実際の当事者*4は、まわりの社会から押しつけられる性別と自分の本来の性別ありようの間で、さまざまな葛藤を感じながら生きています。しかし、紆余曲折を繰り返し、時として現実に頭を打ち*5、また妥協することを余儀なくされながらも、現実と折りあいをつけながら生活をしています。
しかしながら、「GID」の主人公の描き方は、そうした生き方とはまったく違い、私たち当事者*6から見ると「甘え」としかとらえられない刹那的な生き方として描かれています。このような描き方が流布をされると、「性同一性障害とは、結局はわがまま*7」というとらえ方を社会に広めてしまう危険性があります。
また、若年層の性同一性障害当事者、特にFTM当事者が、この主人公のような生き方が一般的であると誤解することも懸念します。実際に、学校をやめたり、家を飛び出したり、あるいは自分自身を見つめることなく性同一性障害を理由にさまざまな要求を社会にぶつける若年層当事者がいないわけではありません。しかし、こうした生き方は、結局は自らの首を絞めてしまうことにつながることがほとんどです。現在、直接私にアクセスしてくる若年層当事者にはそのような刹那的な生き方をしないように、ゆっくりと話を聞きながらアドバイスをしています。また、GID研究会(本年度よりGID学会)などでも、当事者にとってよりよい生き方を研究・模索しているところです。しかし、こうした地道な努力*8が水泡に帰す危険性があります。・FTM(女性から男性)の手術の方法や性別変更後の戸籍の記載についてなど、物語の構成上、必ずしも必要とは思えない内容が書かれていること
自分の下半身のことについて「暴かれる」ことを快く思う人いないと思います*9。とりわけ、性同一性障害の人間にとって、性器は最もこだわりを持つところであり*10、たいへんデリケートな内容です。このようなこだわりを持つ内容について無神経な書かれ方をすることは、当事者をたいへん傷つけることになります。また、陰茎形成術は術式によっては、外から見てそれとわかる傷跡を残します。従って、不用意に手術の方法について書かれることは、アウティング(他者のセクシュアリティを本人の同意を得ることなくばらすこと)につながります。
また、性別変更後の戸籍の記載についてさまざまなことを書かれることも、同様に*11アウティングにつながるものです。
こうしたアウティングは、平穏な生活を手に入れようとする性同一性障害当事者*12にとって、恐怖以外の何ものでもありません。『週間モーニング*13』は、発行部数もたいへん多く、社会への影響力も強く持っています*14。とりわけ、FTM当事者や、そのまわりの人たちに多数の読者がいます。それだけに、この作品の持つ悪影響を、たいへん懸念するところです。
以上のような意見が当事者から出ていること*15を念頭に置かれた上で、よりよい方向になるよう、今後の連載についてご検討いただきますようお願いします。また、御社サイトによると、現在「GID」の単行本化が予定されているとのことです。こちらについても、今までの内容がそのまま単行本化されるのではなく、当事者からの懸念があることを念頭に置かれた上で、善処されることをお願いします。
なお、私自身はセクシュアルマイノリティ教職員ネットワークの副代表をしておりますが、この文章は、個人として書いていることを申し添えておきます*16。何かあります場合は、下記住所、土肥いつきまでご連絡ください。
〒番号
住所
土肥いつき
しかし、閻魔様に舌を抜かれますな…。
でも、事は灸*17を要する状態だったので、ポストに入れてしまいました。あぁ…。
それでも仕事はある
気を取り直して、継続していた作業をしようと思ったら、宅急便が来ました。中には、仕事がつまってました。さいわい、このデータは仮パソコンの中に入っていたから助かったけど、これがなくなっていたらと思うと…。おー…。まじこわいわ。