人権文化の花咲く学校づくり

今日の午後は地域の人権教育研究会の出張です。なので、リハビリがてら定時に出勤。
いろいろものを考えたり、本を読んだりして午前を過ごそうと思ったけど、「◯◯先生はおられませんか?」という電話がかかってきたり、夏休みなのに反省文を書きに来る子がいたり、「いらんものを持ってきました」とかいう教員がいたり、はたまた用事から帰ってきてドタンバタンする人がいたり、なかなかにぎやかな環境なので、進みませんね。
それでもバトラーを少し読んでみました。が、すでに赤線が引かれていました。そうか、ここは読んだのか。忘れてるな(笑)。それでも、第1章にいくつかメモ。
で、午後の出張に向かいます。前半が全体会で講演。後半が分科会でレポート発表のようです。会場について資料をもらって、レポートをざっと見ました。
えーと…。
「Aさん」へのかかわりがずらりと並んでいます。まぁそれはいいです。外国籍生徒についてのレポートが1本。それ以外は、基本的には「発達障害系」と「不登校系」のレポートですね。きっとていねいにかかわってはるんだろうな。でも、結局「マジョリティへの適応」なんだな。「Aさんを矯正しました」的な。まぁ高校も同じなんだけどな。
とにかく前半の公園からですね。講師は土田光子さん。とりま来られたのでごあいさつ。
「いつきさんやん」
「よろしくお願いします」
さて、どんな話かな。
「まずはじめによくある例を出しますね。ただし、著作権があるからね。でも、主人公を変えたら大丈夫」
どんなボケやねんと。ということで、クラゲさんとタコさんとウツボさんとマンボウさんの話がスタートです。でも、メッチャわかりやすい。そして、それらがヘイトの三角形につながる。なるほどなぁ。これなら小学生にも伝わりますね。もちろん、高校生にも伝わる。
「うまいなぁ」
とかつぶやいていましたが、隣に座ってる若い教員の方、わたしのつぶやきをどう捉えておられただろう。
とにかく強調されていたのは、「構造」の話です。
「優しさや思いやりは道徳。それはいらないわけじゃない。でも、人権は構造。守備範囲が違う」
まさにその通りです。そんなあたりから、集団づくりの話へと持って行かれます。ひとりのしんどい状況の子どもをめぐって、子どもたちがダイナミックに動いていきます。でも、土田さんは
「それでいいのか?」
と常に子どもたちに問いかけられます。そうやって、子どもたちに自分の行為を検証することを促し、子どもたちはさらに自ら成長していきます。あぁこれ、レポートへのアドバイスですね。きっと「Aさんにかかわったわたし」しか出てこないレポートを読んで、「人権教育はそうじゃないよ」「これは人権教育のレポートじゃないよ」ということを、少々辛口ではあるけど伝えたいという思いを持っておられるんだろうな。
ということで、講演終了。問題は、土田さんのアドバイスをどれくらいわかったかってことですね。
会場から外に出たら、土田さん、本売りをされてました。で、わたしにこっそり
「レポート読んだけど…」
と言われたので、思わずヘッドバンキングしてしまいました。
研究会が終わってから、土田さんとしばしお茶。ちなみに、入ったのはこれがある店です。

甘いけどうまいな。
でも、あっという間に食べてしまい、コーヒーもなくなったけど、ここから2時間くらい延々と話。
そうやねん、そこやねんと思うなど。
土田さんとはじめて会ったのは1997年にあった全同教第49回熊本大会でした。土田さんもわたしもレポーターでした。土田さん、わたしのレポートを聞いたあと、喫煙所(笑)で、うちの当時のボスに「こんなていねいな実践をする教員がいるんだ。実践において大阪の高校は京都に負けた」と言われたんだとか。まぁそれは京都の高校の方が楽で、ピンで動けるからってだけのことなんですけどね。印象的だったのは、他のレポートを読んで
「落ちてこん」
と首をひねっておられたところでした。そうなんやな。「落ちてくる」レポートと、「落ちてこない」レポートがあるんだな。それを見極めることができるのは、自分に実践があるからなんだな。
わたしはその後担任から離れたけど、それでも実践は積み重ねたいと思っています。そして、今、自分が実践する相手に教員もいたりします。
まぁそんなこんなで、楽しい2時間を過ごせました。
帰り道、ふと思いついたことがあったので、帰ったらPCを開いてメモ。
さて、あとはビールだ。

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