昔と今をつなぐ・田川フィールドワーク

ホテルの朝ごはんのバイキングって、激しく迷います。パン中心でいくのかごはん中心でいくのか。ただこれ、両方のメニューが拮抗しているときは当然迷うのですが、拮抗していないときは迷いようがないはずです。が、やはりパンとコーヒーを朝ごはんとしたいわたしとしては、迷うのです。ちなみに、今朝のメニューはキャベセンとウィンナーとヨーグルトがパン用で、卵焼きと焼き魚と納豆と漬け物と味噌汁がごはん用でした。で、選択をミスってしまい、キャベセンとウィンナーと納豆と味噌汁とごはんとヨーグルトとコーヒーいう、わけのわからない選択をしてしまいました。

で、M井さんに迎えに来ていただいて、向かったのは「田川市炭鉱・歴史博物館」…の駐車場。中に入るとお金がとられるし、「炭鉱とは何か」の説明はあるけど「炭鉱労働者」については「表の歴史」しかないんだとか。なので、単なる集合場所でした(笑)。で、車に分乗して、フィールドワークの開始です。ちなみに、案内して下さるのは人権情報センターの光武さん。メッチャマニアックな方らしいです。

  • 田川翔魂之碑近辺

最初に向かったのは「田川翔魂之碑近辺」です。「近辺」というのは、この「碑」の下にあるお墓の中に、朝鮮人炭鉱労働者のお墓が無数にあって、そこを見に行ったからです。
なんでも、朝鮮人が亡くなった場合、焼いて骨壺に入れるところまでは会社はやるけど、「あとは自分で」となっていたそうです。で、その骨壺を夜中にお寺に持っていって放置する場合もあれば、夜中にお墓の適当な場所を掘って埋めて、その上に標識として石を埋める場合もあったそうな。で、この「碑」に下一帯に、そのようなあるとのことです。
まずは入り口。

これが日本人炭鉱労働者のお墓です。

ボタでできた墓石には、番号がふってあります。

そして、これが朝鮮人炭鉱労働者のお墓です。

なんでも、上に埋めてある石は珪石らしく、えらい堅いんだそうな。中には埋めてあった骨壺が表面に出ていることもあります。

で、「田川翔魂之碑」は、そんな朝鮮人炭鉱労働者の無念の死を祈念したものだそうです。

近くに市民プールがあって、キャアキャア楽しんでいる声が聞こえてきます。それとは対照的な風景がありました。

続いて向かったのは「三井寺」です。これ、関西の人間は「みいでら」と読みますが、こちらは炭鉱の所有者である「三井」がつくったので「みついでら」と読みます。
まぁ、お寺そのものは水子供養とか馬頭なんちゃらとかいろいろあって、それはそれでおもしろい。

でも、光武さん、そのあたりの説明はメッチャ簡単です。そして「いつきさんが好きそうなのはこっちでしょう」と案内してださったのは、三井寺の奥にある「捕虜収容所跡」でした。

なんか、興奮がマックスになるのが悲しい性です。ここ、裏がガケになっていて、とても逃げにくい地形だとか。

表に出ようと思って、そこにあった木のポールを見ると、こんなものが!

閂か何かのあとですね。なるほどなぁ。

  • ボタ湯

続いて向かったのは「ボタ湯跡」です。ちなみに、ここからは場所はさっぱりわかりません。なにせ、車でグルグルまわって、わけがわからなくなってますから。
ボタ山にはボタと混じって石炭も入っています。そんなのが自然発火して熱を持ちます。そこを通った水はお湯になります。それを使った温泉?が「ボタ湯」です。
立派な建物です。

ここ、現在は倉庫として使っておられます。中に入れてもらいました。女湯の脱衣室。いっぱい宣伝ポスターがはってあります。

鏡台跡かな。下には椅子が転がっています。

こちらは男湯。湯船の跡がはっきりわかります。

炭鉱労働で汚れた身体をきれいにし、疲れた身体を癒していたんだろうなぁ。
ちなみに、当然のことながら、裏にあるのはボタ山です。

が、現在は火力発電所の火力調整にボタを使うので、ほとんどボタ山は残っていないとか。

ここで、お昼ごはん。向かったのは「幸楽園」。ここで冷麺を食べました。うまい!

  • さりげなくある坑道入り口

お昼ごはんを食べたあと、ふたたび博物館の駐車場に集合。まずは添田のめんべい工場に行って「おみやげ」をゲットしました。ここからは、川崎に移動。完全に廃墟探訪がはじまります。
まずは、道から見える坑道の入り口です。

普通に家の裏にあるのでビックリします。たぶん、家の倉庫として使っておられるみたいです。てことは、裏山は石炭をガンガン掘ってるところだから…。こわいな。

  • 線路跡

続いて行ったのは「線路跡」です。

石炭を掘って、それをトロッコに乗せて外へ運び出す線路が、今も残っています。なぜかここ、入れます(笑)。

延々と線路が続いて、やがて行き止まり。

奥から見ると、遠くに外が見えます。

なんか「地下水道」を思い出します。
ちなみに、ここに光武さんの案内で入ったのは、わたしが2人目だとか(笑)。

  • 第一坑扇風機跡

続いて行ったのは「第一坑扇風機跡」です。これは、坑道に空気を送り込むための巨大な扇風機を格納していた小屋です。

近くには、なぜか山の方を向いたスピーカーが設置されていました。

共愛寮」は、朝鮮人炭鉱労働者が収容された「寮」です。入り口の代わりにメタセコイアが植えられたとか。

ちなみに、ここ、たぶん道から100mぐらいしか奥まっていないのですが、薮こきしないと行けなくて、たぶん1時間半ぐらいかかるとか。てことは、わたしのお座敷1回分ですね(笑)。

  • 排気口跡

お次は「排気口」の跡です。遠くにトランペット型のコンクリートが上を向いて設置されています。

  • なんかの台座跡

完全に苔むしていてわかりにくいですが、巨大な台座です。

  • ポイント切換小屋跡兼国語講習所跡

今は何が何だかわからなくなっている建物です。

もともとここは石炭を運び出す線路のポイント小屋だったそうです。その後、一時「国語(クゴ)講習所」として使われていたそうな。看板があります。よく見ると、「南朝鮮」とあります。

  • 排気口跡2

炭鉱は、三井みたいな大企業も持っていましたが、個人経営の炭鉱もあったとか。なかにはムラの人が持っている炭鉱もあって、そういう人は、当然かなりのお金持ちなわけです。「でも、ムラの人なんだよね」とは光武さんの弁。まさに部落差別ですね。
そんな、おそらくは小さな炭鉱の排気口の跡です。

これ、なんと個人の方が保存をされているとか。すごいなぁ。
神棚があります。

この穴は坑道の上にあけられています。

排気するときは、坑道の入り口を閉鎖して、上向きに扇風機を設置したとか。

  • 炭住

そして、再び伊田に移動して、「炭住(炭鉱住宅)」です。これがもっとも古いものだとか。


ちなみに、ここは「跡」ではありません。なぜなら現在も住んでおられるからです。ちょうどここを去ろうとした時に、郵便屋さんがバイクで入っていかれました。
そこから少し移動すると、炭住群があります。ここ、区長さんとの取り決めで写真撮影が許可されているとか。ちなみに、道の下側は長屋で、道の上は戸建てです。



近くには「炭売(炭鉱売店)」があります。

ここ、現在も現役の角打ちです。中にはビアサーバーもありました。スーパードライですけどね^^;;

ということで、田川のフィールドワークは終了です。
あとは、小倉の駅まで送ってもらって新幹線で京都へ。
長い長い1週間が終わります。

田川のホルモン鍋

ホテルにチェックインして、とりあえずあまりにも身体がゴキゴキなので、とにかくマッサージにと思ったら、向かい側がマッサージ屋さんでした。ということで、30分のコースをお願いして、肩と首を押してもらいました。それにしても、施術される方が最初に言われたのが「派遣で来られてるのですか?」だったのには笑うというかとまどうというか驚くというか。でも、そう言えば、鳥取で泊まったホテルにも地球改造業従事者っぽい人がたくさんおられたし、今日のホテルにもおられるっぽい感じがします。もしかしたら、交通の便が少し悪いところにあるビジネスホテルって、今風の飯場的な使われ方をしているのかもしれません。
で、呑み会へ。M井さんの車に乗せてもらって向かうは「朝日屋」です。ここ、田川のみなさんが前に京都にいらしたときに「とにかくうまいホルモン鍋がある」と言っておられたので、ぜひ行きたいと思っていたところです。ちなみに、「朝日屋」の「朝」は「朝鮮」をあらわし、「日」は「日本」をあらわしています。
出てきたホルモンがこれ。

メッチャおいしそうです!てか、ホルモンもだけど、やさいがぜったいおいしいぞ!そんなおいしいホルモンと野菜をつつきながら、話はなにやら「部落差別をどう教えるか?」とか、「子どもにセクシュアリティをどう教えるか?」みたいな話に移行していきます。というのは、若い職員の方が研修会の講師をしなくちゃならなくて、やはり悩んでおられるんですね。なので、わたしなりにわかる範囲で問題提起をしたりして。
そんなことをしていると、楽しい時間もあっという間に終わり。
で、2次会。お店に向かう道すがら、なんか、商店街のシャッターはすべておりています。まぁ、時間が遅いことはもちろんあるでしょうが、人が歩いていない。きっと炭鉱が元気だった頃は、ものすごい人が歩いていたんだろうなぁ。と思ったら、M井さん曰く「昔は身体を横にしないと歩けなかった」とのこと。ほんとに「地方」と言われる街がどんどん元気をなくしていく様を目の当たりにする感じでした。
で、到着したのは「」というバーです。

別に仕組んだわけじゃなくて、2次会の案内をして下さった方が、ことを知っておられただけのことです。そういうたまたまってうれしいな。
わたしが頼んだのはジンリッキー。もちろん、Kうさんへのリスペクトです。ドライなジンを飲みながら、話題はどういうわけか、車談義とバイク談義。つい興奮して「わたしのレガシーは、四駆のとうふ屋」とかいらんことを口走って、こちらは昼間と違って爆笑されたりして、よかったよかった。
ということで、楽しい夜は更けていくのですが、みなさん、明日は仕事とちゃうん?

咀嚼せずに飲み込む

朝、しばらくT部さんのおうちでゆっくりして、最寄り駅へ。乗ったのは鈍行。これから約2時間の鈍行の旅、向かうは田川伊田駅です。今日は「田川地区人権センター」主催の「人権講座」です。去年、田川のみなさんが京都にいらして、少しフィールドワーク的なものをして、その後の呑み会で「呼ぼう」と言っていただいて、今日のお座敷が決まりました。まぁ、わたしのお座敷は酒がらみが多いですね。
ということで、M井さんが迎えに来て下さって、再会を「わーい」と言うまもなく、会場へ。会場について「プロジェクターは?」と向井さん。「ないよ」と人権センターのみなさん(笑)。このええかげんさが好きです。でも、きっとM井さんは困ってるだろうな。
わたしはコーヒーを飲んで、おいしいサンドイッチをいただいて、その後お座敷のセッティング。今日聞いてくださる方は、主として行政の方とのこと。そこに数人の教員と当事者もおられるとか。あまりにも層が広すぎます。今日のお座敷はどうなるだろうな。
で、お座敷開始。最初に注意事項をふたつばかり話をした上で、本格スタートです。ところが困った。リアクションが薄い。あらためてわかったのですが、わたしはリアクションに乗せられて話をするタイプなんですね。だから、リアクションが薄いと、なんだか空回りをしている気がしてしまうみたいです。いや、確かにリアクションはしておられるんです。どころか、一部の方は声を出さずに爆笑しておられます。「だから、頼むし声を出して!」と思うのですが、なかなかそうもいかないみたいです。
ちなみに、たしかにわたしは早口です。が、実は全編早口なわけじゃなくて、大切なところはそれなりにゆっくりと話しているつもりです。どちらかというと、早口なところは「どうでもいいところ」とか「リズム感」「スピード感」が必要なところに限定しているつもりです。が、たぶんみなさん、どうでもいいところの早口につられて、ゆっくり話しているところも早口と錯覚しておられるのかもしれませんね。
とにかく、リアクションが薄いままで終了。うーん…。でも、話しおえたあと何人かの方に感想を聞いたら「おもしろかったよ」「ずっと笑ってたよ」と言っておられて、「それなら声を出してよ(;_;)」と思ったりもするわけです。
で、M井さんにホテルに送ってもらう道すがら、そんな話をしていたのですが、どうやらわたしの話はかなり情報量が多いようです。そして、それを噛み砕いて理解をしようとしていると、すでに話は次に進んでいる。すると、笑える話なのはわかるけど、笑う前に次に行ってしまう。なので、笑うよりも先に考えざるを得なくて、だから真剣な顔になってしまう。そんな悪循環にはまってしまっているみたいです。なので、みなさんガッツリ聞いておられたとか。
それを聞いて「あー、なるほど」と。考えてみると、わたしは誰かの講演を聞くときに、ほとんど「理解」しようとせずに、その人が話をしている内容を、いったん鵜呑みにしてるみたいです。つまり、「咀嚼せずに飲み込む」感じなんですね。だから、とりあえず聞きとれさえすれば、あとはまぁなんとかなるかなと思っていたのですが、どうやらそれは間違っているみたいですね。でも、今さら芸風は変えられへんしなぁ…。

人権教育からの誘い

合流したのはT部さん、K口くんのおつれあい。
まずはひとしきりK口くんのdisり大会(笑)。わたしにも刺さります。
で、向かったのは「武蔵」です。なんでも、超人気店だとか。
ここで呑んだのは、山口県同教のみなさん。とは言え、なんどもご一緒させてもらっているので、「お久しぶりっす」という感じです。まぁ、最初はたわいもない話をしているのですが、徐々に核心に迫りはじめるのはいつものことです。メインの話は「なぜ両性にいるのか?なぜ人権に来ないのか@教研」です。んな難しいことを(笑)。
わたしが両性に張りついているのは、単に居心地がよくて楽しいからです。居心地のよさは、もちろん友だちがいることも重要ですけど、そこでの論議が楽しいし、重要とも思っているからです。
わたしがはじめて行った頃の両性は、主として「授業制作」や「授業実践」が論議されていました。でも、人権あがりのわたしはそれに違和感があったんですね。やはり、個々の子どもに迫る話が大切だろうと思っていたのです。で、いま、だんだんそういうレポートが増えはじめた。その一方、近年の両性で性の多様性が論議されていることに違和感を持っています。やはり、この分科会は「女子教育問題」が原点であること、そしてそれがなんら解決していないことを再認識しなくちゃならないんじゃないか。そんなことを思っているのです。
まぁ、そんな話をしながら、2軒目の「KEN」へ。ここで、ギネスを呑みながらしゃべっていたのですが、そうこうするうちに、みなさん倒れて行かれます(笑)。これはアカンな。
ということで、お開き。その後、T部さんのおうちへ。ここでしばし部落差別についてのスライドとか、世界人権宣言についてのスライドなんかを見てもらって、本日の呑みも終了です。

今日は移動日

朝ホテルで目を覚ますと、身体中がガキガキです。これはあかん。チェックアウトからバスの時間まで2時間ほどあるのでマッサージでもと思っていたら、メールが来ました。送り主はS田さん。
「朝風呂行く?」
しばし考えて
「行きましょう」
マッサージよりも身体にいいかもしれません。
ということで、皆生温泉へ。
朝風呂は300円。これはいいです。メッチャ気持ちいい。ほんのり磯の香りがするお湯が身体に優しいです。展望風呂に行って、海を見ながら、S田さんと同和教育をめぐるさまざまな話。やはり、解放教育の仲間との話はおもしろいなぁ。
それにしても、ふと自分の不思議さに気づきました。S田さんって、メッチャ鋭い感覚をしておられて、少しでも疑問を持ったら、そこをズバリと突いてこられます。そんな人だから、当然たいていの教員は少しビビリながら話をするわけです。ところが、わたしは今までS田さんからそういう「ズバリ」を言われた経験がありません。それは、わたしがトランスだからということでは、たぶんない。というのは、そもそもわたしはムラの人から「ズバリ」と言われた経験がほとんどないんです。思い返すと1回か2回くらいはあったかな。ちなみに、T川さんからも言われた経験がありません。なぜなんだろう…。
S「「ズバリ」というよりも、いつきさん、今は違うけど、かつては謎やったもん」
あー、そういうことですか。でも、それは過去の話。現在はどうなんだろう。
I「もしかしたら、無邪気だからとか…」
大爆笑されてしまいました。やはり、それか^^;;

で、S田さんの家に帰って、水分補給です(笑)

ビール→ゆずのなんか→梅酒とやりながら、お風呂の話の続きをしたり。そうこうするうちに孫を連れたお子さんが来られたり。S田さんがおばあちゃんやってる姿は、なかなかほっこりしますね。
で、昼になって駅まで送ってもらって広島行きのバスに乗車。しばし爆睡です。でも、広島の街中にはいったあたりでふいに目が覚めました。しばらく走ると川があります。あ…もしかしたら…。あった。

で、広島駅でバスを降りて、新幹線です。それにしても、このバスターミナル、この夏2回目だな。

そして向かうは新山口

で、打ちあげ

夜は再び米子にもどって、大山町・伯耆町のみなさんと打ちあげです。すでにさんざんしゃべってきたのに、まだしゃべる自分って、いったいなにものなのかなぁ。でも、両町とも同じ話だったので、その背後にある基本的な考え方を披露しなくちゃならないかなと思ったのです。で、さらに、なぜそう考えたかというと、大山町・伯耆町のみなさんは、例えばN村IソンさんとかKちゅかるさんとか、そんな人たちとも交流があって、簡単に言うなら、人権のベースがものすごく幅広いんですよね。だからこそ、「解題」をしても通じるところがあるかなと思ったのです。
まぁそんなこんなで話をしていたのですが、さすがに最後は横にならざるを得ないほどフラフラになってしまいました。
ということで、お開きです。
ホテルにもどって爆睡しました。

鳥取県西部におけるチャレンジ!(2日目)

朝、身体が動きません。でも、S田さんはちゃんと「そら」の散歩に行かれたとか。えらいなぁ。とにかく、わたしはギリギリまで寝させてもらって、今日の会場の尚徳中学校に移動です。

  • ミッション3のフルバージョン@尚徳中学校(3/5)

会場に着いたのは、お座敷開始5分前。普段はまずありえないことですが、そう言えば、1回中津で30分遅刻したな^^;;。てのはおいといて、あわててセッティング開始。ところが、設置してあるプロジェクタとつながりません。困ったなと思ったら、ちゃんと別のプロジェクタとスピーカーも持ってきてくださいました。ありがたや!
実はこの尚徳中学校、2年生の人権学習のテーマがLGBTなんだとか。なので、すでにみなさんはかなり熱心に学習をしておられます。てことは、みなさんの既習の内容を上まわる内容をしゃべらなきゃなりません。これまたプレッシャーです。でもま、提供できる内容は、しょせんわたしがしゃべれる内容でしかありません。背伸びをしてもしかたないので、「ありのままのわたし(笑)」でいきましょう。
てことで、お座敷スタート。今日は2時間もらっているので、ミッション3をノーカットでいけそうです。こんなの久しぶりです。うれしいな。
話しはじめると、みなさんメッチャガッツリと聞いておられます。実は、多目的教室なのか視聴覚教室なのかわかりませんが、カーペット敷きの地べたに思い思いのかっこうで座っておられるのですが、それだけに真剣に聞いてくださっているかどうかは姿勢に如実にあらわれます。みなさん見ていると、うなづきながら、あるいは微笑みを浮かべながら、真剣に聞いてくださっているのが、すごく伝わってきます。となると、わたしものってくるわけでして^^;;。ということで、開始が10分遅れたので、終了もちゃんと10分遅れました。

  • 企業の人に通じるか?@大山町(4/5)

で、大山町の方のお迎えの車に乗って昼ごはん。向かうは「すし弁慶」なる開店寿司。うわ!めっちゃおいしい!

ビールがほしいけど、ここはガマンです。
で、大山町の役場へ。今日の午後は企業の方々対象のお座敷です。企業の方が対象となると、ミッション2はありえません。あれは、あまりにも学校に特化しています。与えられた時間は1時間半なので、ミッション3の学校部分をカットする作戦に出ることにしました。うまくいくかな…。
それにしても、放送設備が妙に充実しているのが気になります。というか、タイピンマイクがあまりにも「もの」がいいです。いったい、この町はなんなんだ…。
そんな疑問を持ちながら話しはじめたのですが…。く、空気が…。とにかく真剣にメモをとっておられる方がおられるのですが、その真剣さは、わたしのお座敷にはあわないと思うのですが^^;;。もっとも、ミッション3の最大の特徴「苦手分野に言及する」というところから、
「話に余裕がなくなる」→「笑いのツボを用意できなくなる」→「笑いがない」→「ガチになる」→「息をさせなくしてしまう」
という悪循環の40分ぐらいが生じてしまうのは、ある種しかたがないという話もあります。もちろん、後半は「得意分野」なので、ここは笑いのツボを用意する余裕もあります。なので、このあたりになると、みなさんの顔にも笑いが出てきて、ところどころで笑い声も聞こえるようになってきて、よかったよかった。
やはり、あの40分間をどうするかが課題だな。でも、たぶん、笑いはとれないだろうから、後半とのギャップでなんとかするしかないかな。
ちなみに、お座敷のあと、会場の横にある倉庫の中を見せてもらってびっくりです。なんじゃこりゃ!

完全にプロの音響屋さんの倉庫です。というより、プロより充実しています。
「大山の山開きが」
って、そういう話じゃないでしょう(笑)。
うちの放送部員に見せたくなって、思わずラインで写真を送ったら
「スピーカーひとつくらい持って帰ってもわからんのちゃう?」
という、わたしと同じことを考えた部長がいて笑いました。

  • プロがいた!@伯耆町(5/5)

お座敷の最後あたりで、再びS田さん登場。わたしをホテルまで送ってくださることになっているというか、ホテルまでの途中に温泉に寄ることになっているというか。てことで、温泉へ。いやぁ、気持ちいい。特に、ちょっと濁りのある、どうやら超音波が出ているっぽい浴槽が気持ちいいです。少し熱くなったところで、露天風呂へ。夏だけど、ほんの少し涼しい風が心地いいです。
お風呂上がりは大山ビールで水分補給(笑)。ビールは水分補給じゃないらしいですね。
で、ホテルにチェックインして、ちょっとひと息。気持ちを整えて、次の場所へとモチベーションを高めます。
で、本日のトリプルヘッダー最後の場所、伯耆町に向かいます。車に乗った瞬間「はい、、水分補給」とプレモルを渡されたのは、ここだけの話です(笑)。会場に少し早めに着いたので、入念にチェックをして、19時スタートです。50人分ほど用意してある席はほぼ満席です。
伯耆町に限らずですが、とにかく驚くほど参加者数が多いです。米子市は平日昼間なのに80人ぐらいの席がガチで満席。南部町に至っては、週はじめの夜なのに100人以上来られます。今日の午前と午後は一般市民のみなさん対象じゃないのでおいといて、今日もまだまだ週はじめの夜ですが、やはり満席。ということは、主催者が予想・予定されている参加者数とほぼ同じというか、どちらかというと上まわっているのかな。住民のみなさんの人権への関心の高さはほんとうにすごいというのを、聞いておられる態度だけじゃなくて、こういった参加者数でも感じさせられます。それはやはり、主催者である行政の方の本気度が住民のみなさんに伝わっているとも言えるのかな。その要因として、もしかしたら、過剰に大きくない規模の街ということもあるかもしれません。
で、お座敷スタート。午後にやったお座敷が1時間半を5分オーバーくらいでいけたので、同じパターンでやればいけるはずです。そう考えて話しはじめたのですが、なんとなく違います。なんだろう…。ぜったいにビールのせいではありません。やはりそれは聞いてくださるみなさんの姿勢なんでしょうね。最前列の方が、考え込んだり、首を振ったり、笑ったり、いろんな表情を見せられるのが、すごく気になります^^;;。そういうのって、やっぱり、その場その瞬間の「評価」ですからね。そんな「評価」に乗せられて、つい多めにしゃべってしまい、15分オーバーで終了。みなさんに深く深く謝って、さて終わりかと思いきや、ここでおふたり質問をされました。いや、もうすでにかなり時間をオーバーしてますよ。早く帰りたいとか思わないんですか^^;;。この質問がまたすごい。おひとりは医療従事者で、完全にプロの質問をされました。いやぁ、まいった。ほんとにすごいわ。

ということで、怒濤の2日で5回のお座敷を無事終えました。
ほんとうに主催者のみなさん、聞いてくださったみなさんに支えられての2日間でした。

長い夜

で、再び米子市内まで送ってもらって、向かったのは「炉端かば」です。
ここ、はじめて米子に来たときに連れてきてもらったお店で、とにかくもう一回来たいと思っていました。
お店に到着すると、すでにみなさん呑んでおられます。まぁ当たり前です。到着したのは10時過ぎです。これから呑みはじめるって、ある種おかしい。しかも、明日の朝にもお座敷があるし。というか、そおお座敷の先の方も3人来ておられるし。
でもまぁええかということで、わさわさワインを飲んで、しゃべってしゃべって、笑って笑って、0時頃まで楽しい宴が続きました。
で、今夜泊めていただくS田さんのおうちに移動。ここで、ビールを1杯飲んで、アルコールの分解のために水を飲んで、なんとなくそのままよもやま話をしていると、気がついたら4時。S田さんは朝の犬の散歩があるし(笑)、わたしはお座敷があるし。アカンやんということで、速やかに寝ましたとさ。

鳥取西部におけるチャレンジ!(1日目)

朝、やっとの思いで起き上がり、とりあえず朝ごはんのユッケジャン定食を食べて元気を出します。そして、すみやかに移動開始。向かうは羽田空港です。なにせ、経路の混み具合がわかりませんからね。で、無事飛行機に乗れて、降り立ったのは米子空港です。今日明日で5回お座敷という、わけのわからん過酷な2日間がはじまります。
とりあえず、迎えに来ていただいた方の車に乗せてもらって、昼ごはん。向かったのは「手打ちそば 昌庵 」。ちなみに、別方面から「朝ごはんはユッケジャン定食だからかぶらないように」という指令が行っていたとか。別にユッケジャンでもいいんですけどね^^;;。でも、メッチャおいしかったです。京都にはこういうおそばはないよなぁ。
で、米子市の人権情報センターに到着。お座敷第1弾です。

鳥取西部第1弾は米子市です。内容は、ミッション番外編です。というか、いきなりかなりチャレンジングな内容、いや内容というよりも、お客さんの年齢層ですね。なにせ、夏休みということで、小学生から大人まで、それも人権講座の常連さんが来られるとか。誰をターゲットに話を組み立てる?いろいろ考えた結果、子どもがおもしろいと思う話は大人もおもしろがってくれるだろうということで、小学生をターゲットにした話をすることにしました。が、お座敷前に話をしていると、なんでも2時間あるとか。へ?小学生に2時間?あの番外編は1時間を想定しているんだけどなぁ。ということは、かなり詳しい話ができるはずですよね。というか、よくある大人の設定である1時間半より長いやん(笑)。
ということで、番外編の番外編としてミッション1とミッション3をまぜたのを急遽つくることにしました。
で、お座敷開始。たしかに小学生のみなさんが5人ほど来ておられます。みなさん、なかなかしっかりした感じです。とにかく、ひたすら子どもたちの顔を見ながら話をさせてもらいました。それにしても、大人の人たちの反応がすごい。ミッション1が他のものと違うのは、出会ってきた生徒の話が多いところにありますが、そこを聞かれるときの集中力が半端ないです。やはり、このあたりはこれまでの人権啓発でしっかりと種を蒔いてこられたからなんだろうなと思いました。
ということで、あっという間に2時間が終わって、その後、情報センターのみなさんとしばし雑談。米子市をあとにしました。

  • お座敷前のガソリン補給のおかげ@南部町

本日の夜の部は南部町です。こちらは、あえて「基本を」という依頼があったので、ミッション1です。ミッション1は、聞いてくださるみなさんの反応に大きく左右されます。なので、はじまる前はそれなりに緊張します。
ところが…。
会場に向かう道すがら、ムラを案内してもらっていて、A井さん曰く
「ここがわたしの家ね。あ、もうみんな集まって呑んでるわ。一年で364日ぐらい、みんなが集まって呑んでるんよね」
そんなことを聞いたら、わたしも答えるしかありません。
「じゃ、ちょっと行きましょ」
ということで、A井さんのおうちにおしかけて、ビールを2杯と日本酒を軽く一口いただくなど。それにしても、出された白いか・ブリの刺身のおいしいこと!そんなわたしを見た、A井さんは「やめて!やめて!呑まないで!」と必死でとめられます。大丈夫です。そんなに呑みませんって^^;;
で、会場へ。
南部町も人権啓発にはかなり力を入れておられます。なんでも、年間通して連続講座があって、スタンプラリーをしていて、年間通してもっとも多かった人は翌年度表彰されるとか。逆に話す側としては、それだけ耳が肥えておられるわけですから、これまたプレッシャーです。
で、お座敷開始。
最初のつかみはみなさんキョトンとされています。これは、もしかしたら「笑っちゃいけない」と思っておられるのかも。ならばということで、笑っていただけるための「誘い水」をさしました。ここでようやく緊張が解けたのか、あとはみなさんニコニコワハハという感じで聞いていただけました。
それにしても、フルバージョンで2時間半ある話を1時間半で話をするのは至難の業です。だって、話っていうのは複雑に入り組んでいて、話している本人もわからない。まぁ、言うなれば「BASIC」の「スパゲッティプログラム」状態になっているからです。話を構成した当初に構造化しておけばよかったと思うのですが、すでに手遅れです。まぁでも、スパゲッティプログラムの非可読性も、お座敷ならば「意外性」につながって許されるかな。
そんなことを考えるまもなく、マシンガントークで1時間半を乗り切りました(笑)。でも、聞いてくださったみなさんもそこについてこられるわけで、これはもしかいたら「共通の了解事項」があるのかななどと、ふと考えました。

いずみちゃんナイト♯15

たしかGID学会が終わったあとあたりだったかに、いずみちゃんから「久しぶりに「いずみちゃんナイト」をやろうと思うから、日程調整を」って言われて、「やるんだぁo(^^)o」と思うと同時に、過去の記憶がよみがえって、ちょっと不安になったりもしたのですが…。でも、「そういえば、8月19日に神奈川に行くわ」「じゃ、20日にしましょう」ということで、いずみちゃんナイトの復活に立ち会うことができることになりました。
イベント会場は「高円寺pundit」です。到着したら、前のイベントの片付け中でした。続いていずみちゃんナイトのセッティング開始。なんでも、事前申込みが39人だったとか。すごいわ。
で、いずみちゃんナイトの開始です。
第一部は、いずみちゃんの「この13年間」の報告です。実は、みなさんにとっては新鮮かもしれないけど、わたしは案外知ってたりすることも多くて、でも、その経緯を聞くと「なるほどな」と納得することも多々ありました。というか、いずみちゃんと呑んだ過去の一回一回が、いずみちゃんの歴史のそこに位置づいていたのかと、あらためて理解することができました。それにしても、マニアックやな。あれだけ「知識」に裏付けられてたら、深い楽しみ方ができるでしょうね。
当日のスライドはこちらにアップしてくれてます。
第二部は「ヘルメットを知ろう」です。なかなかの爆笑タイムでした。
で、いよいよ第三部。なんといっても、いずみちゃんはブランクが長いので、最新の情報をかき集めるのはかなりたいへんだったろうな。特に、今のトランスジェンダーをめぐる医療の状況は、こまかいニュアンスに敏感にならざるを得ない状況なので、いろいろたいへんです。そんななか、わたしの役回りは「生徒交流会」を通して、トランスの運動と他のマイノリティの運動を「つなぐ」というあたりだと思ったので、スライドにも在日朝鮮人教育とか部落解放運動とか障害者解放運動とかのテイストを散りばめてみました。たぶん、そうすることを通して、トランスの解放運動(?)の普遍性に気づいてもらえると思うし、それができれば他の運動をやってきた人の知的理解もしやすいだろうし、ストラテジーも立てやすくなるんじゃないかという目論見でした。会場のみなさんの「熱」をかんじる限り、たぶんそのあたりはうまくいったかなという気はしました。ただ、わたしはそのあたりにこだわりすぎたからかな、本来の「キラキラLGBTの影と闇」から遠ざかってしまったかなという反省はありますね。ま、でもそのあたりはいずみちゃんが最後に総括してくれたからよしとしましょう。
てことで、10時前に終了。なんでも40分オーバーだったとか(笑)

その後、ダラダラとあいさつしながら呑み。あまりにもおなかが減ったのでカレーをお願いしたら「まかないです」って出してくださいました。

ほんとにありがとうございます。メッチャおいしかったです。ちなみに、いずみちゃんにもオムライスのまかない。

うれしい心づかいです。
なんでも店主の奥野さんも楽しんでいただけたとか。うれしいなぁ。
そんなこんなで、punditを出たのが11時半過ぎ。ホテルのチェックインが0時過ぎ。フロントの人にはほんとに申し訳ないことをしちゃいました。
でも、とにかく寝よう。明日も早い。