あると思ったらなかった・雪と氷の世界(2日目)

今日のレッスンは昨日の午後と同じ人たちです。まずは昨日の夜少し雪が降ったので、新雪荒らしです。とはいえ、ほとんど先に滑った人がいるので、ちょいとキワモノ系のところを滑ります。でも、みなさんが楽しんでいる最中、わたしが見ているのは、みなさんのクセ。気になるのはストックワークです。てことで、今日のテーマはストックワーク。
まずはプルークウェーデルンでストックワークの確認です。んー、たしかにいちおう突いてはおられるのですが、突く位置もタイミングもバラバラです。どうすりゃいいかなぁ。
ストックって、案外大切なんですよね。とくに、ウェーデルンではそうです。ということは、ウェーデルンを多用する新雪やコブでは絶対的に大切です。ストックを突く時、気をつけなくちゃならないのは、ストックを突く腕とは反対の腕(肩)だと思っています。というのは、ストックを突くために手を出すと、ついでに肩が動いてしまって、反対の肩がうしろに下がってしまう。そのことで身体がまわってしまうんです。それを避けるために、反対の肩を意識的に前に出す。そのことによって、上体がブロックされる。ところがこれがなかなかうまくいかない。
もうひとつ、突くタイミングはターン弧の大きさやスピードで変わります。具体的には、大まわりではエッジの切り替えですが、急斜面のウェーデルンではエッジングの時です。それを両極端として、それぞれのターン弧とスピードで変化をします。が、その違いがまったくない。
そこで、ふと思いついたエアストックに挑戦しました。というのは、長いストックがあるから、それを動かすために身体が無駄な動きをするんじゃないかと思ったんです。ところが、これが笑ってしまうほどにうまくいかない。ストックを突くイメージができていれば、常に同じ位置にストックを持つ手がくるはずですが、来ない。あるいは、ストックを突くために手は下がるはずなのに下がらない。緩斜面でそうですから中斜面にいくとなおさらです。
これ、結局、「ストックを突く」ということを意識してないってことなんですね。だから、ストックがなくなると、なにをどうしていいのかわからなくなる。
「意識化して!」
って言うのですが、意識したことがないならイメージできず、したがって「エア」としての表現ができない。
みなさんに多大なるストレスと疑問を残して午前のレッスンは終了。午後のレッスンはこの続きをしようと思ったのですが、おわりのあいさつで、全員午前で終わりということが判明しました。「じゃ、今シーズンの課題はストックワークで」とごまかして、今日のレッスンは終了。
午後は若いスタッフとふたりでスタッフトレーニングです。この人、子どもの頃から一緒に滑っているので、お互いに「ややこしいところ」を滑るのが好きなのがわかっています。なので、ひたすら「ややこしいところ」を探して、キャッキャ言いながら滑りました。

で、スキーも終わったところで、本日の最大の懸案事項が勃発。
校長曰く「連れて行かなきゃならないところがある」とのこと。「準備をしろ」と。何なんだと思ったら温泉でした(笑)。
今から15年くらい前に校長と温泉に行った時は、校長はわたしに入浴券を渡して「ほら、行くぞ」と、なんの躊躇もなくわたしを男湯に連れていきました。その時の脱衣場の騒ぎたるや(笑)。
でも、それから15年たって、今同じことを繰り返すのは、さすがにきついです。どうしたものかと悩みまくったのですが、まぁなるようになるかと。
で、今回も入浴券をもらって、浴室方面へ。で、「分かれ道」で、思い切って「わたしは違う方へ」と言うと「おぅそうか」という、これがまたなんということのない答えが帰ってきました。あの躊躇はなんだったんだという気持ちと、なんだか「「理解ない人」って勝手に思ってて悪かったなぁ」という気持ちと、とても複雑だけど、でも感慨深いというか、ものすごくうれしいというか、楽になったというか、いろんな気持ちが押し寄せてきました。でも、すごく自然だったから、案外こんなものなのかもしれないなとも思いますね。
ということで、小一時間ひとりで温泉を楽しんで、晩ごはんを食べさせてもらって、宿へ。宿に帰ってバーに行くと、かつて担当したことのある生徒さんがおられて、明日のレッスンが入ったり。
おもしろいなぁ…。