外国ルーツの高校生をエンパワメントする実践―大阪府立「枠校」の卒業生調査からー

今日は某人権教育研究会の総会です。なので、京都府中部の町まで出張。朝の乗客は多いです。それも学生さんが多い。沿線にはたくさんの大学があるからかな。ちょっと考えただけでも、佛大、花園大、立命館大、京都先端科学大、そして京都医療科学大と京都建築大か。その先には鍼灸大もありますね。すごい路線だな。
そんな感じで会場に到着。9時集合と言われてたけど、電車に乗り遅れて少し遅刻。いや、一本の遅れが大きくなるんですよね。
で、記録用のビデオカメラをセットしたら、特にやることもなく。そこへ本店のえらいさんが来られました。なにやら今日は午前中で帰るんだとか。これはイヤミを言いに行かなければ。
「なに?今日、午前中で帰るんやて?午後の講演を聞く気がないってことやな?つまり、在日外国人教育をやる気がないってことやな?」
まぁ、日程調整がうまくいかなかっただけってわかってるけど、イヤミは大切です。とは言え、今年度の本店主催の研修会にようやく在日外国人教育が入ったり、動きはじめてはいます。なので、それについては
「うれしかったよ」
とほめておきました(笑)。
さらに某在日外国人教育関係の全国大会の宣伝もおこたらず。なんか、2日目はさっきの研修会があるけど、1日目に来るかもとか。ならば2日目は若い衆に参加させろよと。
そんなふうにして会議がはじまりました。
室長の話を聞いていると、「外国人生徒の在留資格の把握につとめる」とか出てきて、やったなと。やっとの一歩です。しかし、その文章、今年のを読んでないんですよね。しまったな。いや、非常勤の人も含め全員に渡したら、わたしの分がなくなってしまったんですよね。ただ、別の文言も加わったらしく、めんどくさいなと。
そんなこんなで、午前の会議は終了。
午後は記念講演。タイトルは「外国ルーツの高校生をエンパワメントする実践―大阪府立「枠校」の卒業生調査からー」、講師は今井貴代子さんです(笑)。今井さんとのつきあいは長いです。交流会をはじめる前、stnで呼んだこともあるから、たぶん20年近いんじゃないかな。はじめてサシ飲みした時今井さんはまだ学生で、一緒に天一に行って、そのまま今井さんは帰れず、なんでも夜通しどこかで飲んでたとか。でも、ほんとうに在日外国人の子どもたちとともにいる実践者であり研究者でもある。なので、「枠校」の実践と、それが大阪府立高校全体へと波及している内容について話してほしいと思いました。山田さんの話もだけど、大阪の実践をそのまま京都にもってくるのは不可能です。ただ、ヒントはある。そのヒントをつかんでほしいという思いです。
まずは全体状況。マニアックな数字を持ってこられました。京都府の18歳までの家族滞在の人数です。なんと、16歳〜18歳が73人もいる。ということは、わたしたちの前で顕在化している生徒数は、ほんの氷山の一角ということです。そして多くの家族滞在の子らは高校以外の「どこか」にいる。
そういう状況と文科省の動きを説明されたあと、いよいよ「枠校」の話がスタート。枠校の歴史と現状、そこでおこなわれていることの紹介です。なかでも居場所の大切さは「だよな」と思いました。今井さんの話の中で繰り返し出てきたことは、ロールモデルの存在でした。それはかつての、そしてもしかしたら今もですが、部落の高校生のことと重なります。家族は全員土木業で、大学に行った大人はまわりにいないというのが普通でした。同じように、家族は全員工場勤務で、親戚は高校にも行けてないという外国人生徒が大学に行こうと思うにはロールモデルが必要です。そしてもうひとつ必要なのが教員の支援です。支援と言っても、たとえば「はげまし」「情報提供」といったあたりかな。ただ「はげまし」は誰にでもできるけど「情報提供」はむずかしい。
そこで必要となるのが教員のネットワークです。みんなで情報を共有する。
こうしたことに寄与するのが「外国人教育研究会」なんですね。つまり、教員のネットワークだけでなく生徒のネットワークもできる。後者が交流会です。
さらに今井さんは現在の課題も語られました。それは働き方改革です。そこで活用できるのがICTだったりします。そしてそれを担保する文科省の動きがある。そんなあたりを利用しながら、でも一番大切なことは、「社会的な障壁を取り除いくことで、その子が生きやすくなること」なんですね。
ちなみに、そのあといろいろ質問された方がおられましたが、たぶん府教委の人間とは違うと認識しながら、府教委の代弁をする大学教員って思ってたんじゃないかな。まぁ、今日の今井さんの出で立ちは、ふだんと違ってシュッとしてましたからね(笑)。

てことで、夜の仕事へ。
前回のリアクションペーパーに「専門家主義批判について、もう少し知りたい」というのがあったので、どんな動画を見せるか悩んだ末、これの全国放送バージョンを見せました。全国バージョンにはわたしはチラリとしか出ませんが、それでもみんなびっくりしたのかな。ただ、リアクションがなくてさびしかったり(笑)。
夜の仕事のあとはzoomで恒例の会議です。しかし、そんな感じで9時ころまでやってたら、さすがに疲れました。

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