まつりな日々4日目・番外編がおもしろい

昨日、Gさんから「いつきさんの話を聞かせたい高校生がいるんだけど」というオファーがありました。なんでも、竹田高校では人権についての課題別の調べ学習をしておられるとか。で、かつて久住中学校で話をさせていただいた時聞いて下さった卒業生が、今年「性同一性障害」についての研究をされているとか。たまたま一昨日、Gさんにその卒業生から「資料を貸して」という電話があったので、「ちょうどいつきさんが長湯に来ているから話を聞いたら」ということになって、調べ学習をしているグループとの懇談会になったという…。
まぁ、「性同一性障害」についてわたしから話を聞くというのは、そうとうにゆがんだことになるので(笑)、そのあたりについては若干の配慮もしながら、それでもふだんの高座では決して言わないところまで、ふんだんに話をすることができました。
でも、なんで話ができたんだろう…。そう考えると、高校生たちがわたしから話を引き出してくれるんですね。ひとつひとつの質問にていねいに答えようと思うと、単にその質問に答えるだけじゃなくて、それにまつわるさまざまなことを言わないと、ほんとうに答えたことにならない。その「周辺」のことを考え、言葉化していく作業の中で、自分が気づいていなかったいろんなことがつながっていって、そこから新たな言葉が生み出されていくんですね。
その一例。

問「男性だった頃はつらくなかったんですか?」
い「…。つらくなかったですね。だって、あきらめていたもの。あきらめていたらつらくないです。逆に、あきらめなくなってからがつらかったんですよ」

これ、言われるまでわかりませんでした。でも、そうだったんですよ。「あきらめる」っていうことはそういうことだし、「あきらめない」っていうことはそういうことなんですね*1
たった2時間の懇談会だったけど、すごくたくさんのことを発見というか発掘させていただいた気がして、すごく充実した時間を過ごさせてもらった気がしました。

*1:なんだか、わけわからんな(笑)

いつもの長湯

大分に来ると、会いたい人がたくさんいます。前半戦は、そのうちのひとつの人々。後半戦は、もうひとつの人々との宴会です。
竹田のあたりでSンチョルさんとわかれて、Kさんの車に乗せてもらって、Kさんのお家へ。長湯のKさんGさんとは家族ぐるみ*1でつきあわせていただいているお友だちです。はじめはいつもごちそうになっていたのですが、最近はわたしも京都で仕入れた一品をつくらせていただくようになっていて、今日も到着したら、すぐに台所を借りてビェンローに着手します。とりあえず火が通ったところで、いったん火をとめて、温泉へ。
Kさんはわたしのことをよくよくわかってくださっているので、家族風呂をひとりで貸し切ってくださいます。家族風呂をひとりっていうの、たしかに寂しいのですが、今日は違います。ほんとうに「ぜいたくさせていただいているなぁ」と思いながら、3日連続の高座のテンションをゆっくりと下げさせていただきました。
Kさんの家に帰ったら、ビェンローの仕上げをして、Gさんがつくってくださったおでんと一緒にのんびりとした宴会の開始。大分の教育の状況や京都の教育の状況。お互いの悩みを出しあったり楽しかったことを出しあったり、ほとんど1年ぶりに話をしているので、いろんなことの話が尽きません。やがて、子どもさんが2階から降りてきて、なぜか「デスノート」の鑑賞会。まぁいいでしょう。飼っておられるネコをいじったりしながら、のんびりした夜がふけていきます。外では霧のような雪が降っているみたいです。
あぁ、なごんだなぁ…。

*1:といっても、わたしの家族は行っていませんが^^;;

まつりな日々3日目・久々の高校生相手

朝起きたら、やっぱりなに気にお腹が減っています。Sンチョルさんと「どこに行こう」と相談しながら、ホテルをチェックアウト。
S「無難なところはローソン?」
い「ジョイフルもあるよ」
S「ジョイフル行きましょうか?」
い「ジョイフルで何食べるねん?」
S「ジョイフルごまだれ*1
い「んなもん、あるかい!」
みたいなどーでもいい会話をしながら、結局入ったのは「すき家」。うどんがあるかと想ったら、牛丼関係しかないのが誤算でした。ミニを頼んだのですが、ダメ。
S「あとちょっとやん」
い「あのな、山頂が見えていても、「あかん」と思ったら引き返す勇気が必要やねん」
なぜか牛丼が登山の話になりながら、すき家をあとにして、目指すはH南高校。
今日は、どういうわけかH南高校の生徒相手の「保健講話」らしいです。にしても、わたしの話が保健かどうかもたいがいだし、「講話」じゃなくて「高座」なんですが…。
高校生相手って、やっぱりあんまり経験ないし(笑)、しかも60分とか言われているのでメチャクチャ不安でした。いや、クラスでの授業とかとはぜんぜん違いますから…。でも、生徒さんたち、すごくいい子らなんですね。去年行った隣の学校とは、またちがう子どもたちです。なんというか、ほんわかと聞いてくれる感じがとってもよかったですね。さらに、今年は養護教諭の方がすごく熱心にとりくまれていて、保健委員会の主催という形でした。なので、司会やあいさつは、すべて生徒。これもよかったです。はじまった時の「不安」とはまったく違う「安心感」を、60分後にはもらっていました。
高座のあとは、生徒さんたちとの交流会。もちろん、ノンアルコールです(笑)。ひとりひとりの生徒さんたちが、一生懸命質問を考えてくれています。それにひとつひとつ答ながら、60分の中では伝えきれなかった思いを話せます。こういう時間が必要ですよね。
中には「家族への伝え方」を聞いてくれた人もいました。無理に伝えなくてもいいんだと思います。ほんとうに「伝えたい」と思うことが大切。でも、そのためには「自分へのカムアウト」が、まず大切なんだよね。なんてことを書いていても、たぶんここ読んでないよな(笑)。
今回は、高校生だけじゃなくて、昨日も来てくれていたHでくん。さらには卒業生のJくん。ほんとうにありがとう!また会おうね!
ってことで、Sンチョルさんの車に乗って、ふたたび竹田方面へ。

*1:「ごまだれ」は佐伯名物のうどんです

当然の懇親会

話のあとは、当然宴会です。
大分の高教組には「3Wたなべ」といわれる人がおりまして、そのうちのひとりが佐伯におられるとか。たしかに異彩を放っておられます。
はじめのうちは、ごく普通の会話をしているのですが、気がつくと、ふたりで「かつて担任したしんどい子」比べがはじまります。で、互いに「そうそうそう」とか言いながら、どんどんエスカレートしていきます。Wたなべさんもたいがいですが、わたしもたいがいなことがよくわかります。
その場におられたみなさん、ほんとうにすみませんでした。勝手に変な方向で盛りあがってしまいまして…。
で、宴会もお開き。表に出ると、半分以上の方の姿が見えません。まぁそりゃそうでしょう(笑)。残ったメンバーで、おしゃれなバーへ移動。ここでようやくグダグダ話からちょっと脱出しながら、おいしいカクテルをいただくというまともな時間がきました。
やがて、Wたなべさんが寝始めたところで、本日の宴会も終了。
ホテルに帰って、シャワーを浴びて、ほっと一息ついたところで落ちました。

まつりな日々2日目・やっぱ同業者

ノソノソ起き出して、ダラダラとテレビを見ながら、ボーっとする朝です。こんなに朝ゆっくりするのはいつ以来だろう…。
ボーっとテレビを見て、姫さんのつくってくれた朝ご飯を食べて、またまたボーっとテレビを見ていると、やがて姫さんがあせりはじめました。
「何時に家を出るの?」
Sンチョルさんの答「11時」
姫さん「あと10分やん」
Sンチョルさん「だって、やめられへんにゃもん」
てなことを言っていてもしかたがありません。そこからバタバタ出発準備をして、11時過ぎにはスタートです。姫さん、お世話になりましたm(__)m
さて、目指すは佐伯市
Sンチョルさんとの珍道中開始です。
しばらく車で走っていると、さっき朝ご飯を食べたはずなのに突然お腹が減りはじめます。
い「ラーメン、どこかおいしいところ知らへん?」
S「九州のラーメンはダメやき」
い「なんで?」
S「とんこつに醤油とか入っているの、わけわからんき。とんこつはとんこつ。しょうゆはしょうゆやし」
どうやら、北海道人には九州ラーメンはダメらしいです。
ということで、想夫恋へ。う〜ん。食べたことがない食感ですね。でも、一回このつくりかた、やってみよう。
昼食のあと、あーだこーだと言いながら佐伯市に到着。今日は、高教組の佐伯支部の高座です。
高教組というと、早い話が高校教職員の集まりです。もう、思いっきり同業者です。もちろん年代も近い人が多いです。となると、話やすさという意味ではこれ以上の人たちはありません。同業者ネタをあちこちにふりまぜながら、好きなようにしゃべらせていただきました。
っていうのはいいんだけど、いったいあたしゃ、いつでもなんの話をしているんだろう…。

まずは初日

で、降り立ったのは、中津。
すでにNさんとMさん*1が来て下さっています。車に乗せてもらって、向かうは日田。もちろん途中でドラッグストアに寄ってヘパリーゼ内服液を調達するのは言うまでもありませんが(笑)。
到着して、まずはK町へ。ここで元支部長さんのK商店に表敬訪問です。表敬訪問と言っても、単に時間つぶしという話もありますが。
「こんにちは〜」と言ってあげてもらうと、いきなりおいしそうな香りがしています。Mさんは「唐揚げの臭い?」とか言っています。で、臭いの正体は、コタツの上にある唐揚げでした。「食べたらええがな*2」というお声に甘えて食べるとおいしい!そうそう、どうやら大分県、特に中津近辺では唐揚げは必須アイテムなようです。ちなみに、大分市近辺の場合は「とりてん」になるみたいです。
どうやらK商店では、今日宴会があるみたいで、そこで出されるつまみが徐々に出てきます。「つまんだらええがな」のお言葉に甘えて、チョコチョコつまむのですが、これがまたうまい!やがて、K商店の主Kさんが帰ってこられました。で、話をしていると、驚くことにわたしのことを覚えておられます。さすが元支部長さんというか、単にわたしが目立っていただけか。でも、そう言えば、「これ、持って帰れ」と一升瓶をもらって家までかついて帰ったことがありましたよ。
てなことしていたのですが、あとに焼肉が待っています。てことで、今日の呑み会の場所「春香苑」へ。
ここでは日田でいろんな活動*3をしておられる「ムジゲの会」の忘年会に合流。なんだか途中からえらい熱く語っていたのを覚えているのですが、何を語ったか覚えていないという(笑)。
やがて焼肉の会も終了。ほどよく酔ったところで2次会へ。「どこに行こう」と相談していると、「どうせK商店でまだ宴会しているわ」ということで、ふたたびK町へ。案の定、まだ呑み会の真っ最中です。ここで再びワイワイ呑みます。それにしても、ほんとうに「古きよきムラ*4」という感じです。なんだかんだいううちに、そろそろ限界がやってきます。
てことで、本日宿をお願いしているSンチョルさんのお家へ。
布団に入りながら、Sンチョルさん、姫さんと3人でまたーり話をしながら、いつのまにかおねむ…。

*1:Mさんは、T川さんの連載にも登場されている人

*2:関西弁に変換しています

*3:てか、なにしてるか知らない(笑)

*4:っていうのがあるのかどうかわからないけど

まつりな日々開始・すごい同業者がいた

起床は7時。ていうか、7時では遅いのですが…。
とにかくコーヒーを飲んでスタート。目指すは六甲です。
毎年この時期に突然(笑)くる神戸大学での高座。いや、ほんとうに毎年声をかけていただいていて、「今年もあるのかな」とか思っているのですが、突然来るんですよね。でも、精一杯のわがまま*1を聞いていただけるので、毎年行かせていただいています。
一度六甲から歩いてみようと思って、今年はブラブラ歩いてみたのですが、結局、「ブラブラ」ではありませんでした(笑)。いや、なんせすごい坂の上にあるんで…。
学生さん、あまり人数は多くないのですが、みなさんけっこうきっちりと聞いてくださいます。たくさんの人相手とはまったく違う、反応が直で伝わってくる時間を楽しませていただきました。
話のあと、「同業者です」という方が来られたのですが、なんと大阪の松原高校の教員の方です。話をすればするほど「あぁ!それそれ!」という感じ。で、ふと思い出して、「そう言えば、車一美さんのビデオ、見るたびに涙が出るんですよ」というと、「あの子、担任していました」とのお答え。「在日外国人問題の原点を知る」というシリーズのビデオ、その方がおられた時に撮影されたとか。いや、びっくりしました。
でも、そう言えば、平野智之さんという名前、聞いたことがあるなぁ…。
なんて話をしながら、さらに今回お世話になったH木さんとDVの話なんかをしながら*2、大急ぎで新神戸の駅まで送っていただきまして、とりあえず新幹線にセーフです。

*1:「平日昼間はダメなので」と言ったら「土曜日でもいい」という返事をいただけます。これは究極のわがままかなぁと思っています。

*2:って、えらい軽く書いてますが、けっこう深刻ですわ

いい線攻めたか(笑)?

ラジオって、ネタがてんこ盛りですねぇ。
京都府の情報を流すコーナー。今日は京都府HIVへのとりくみの紹介です。
担当者の方がいろいろ話をしていたのですが、ヒットがふたつ。
ひとつは、相談業務について。
「男性同性愛者の方の電話相談をMASH大阪に委託しています」
同性愛者を「いないこと」にせず、きちんと広報しているんだなぁ。
もうひとつは、感染経路にかかわること。
「もっとも多い感染経路は性交渉です。無防備な行為を避けるようにしましょう」
さすがにセーファーセックスとは言わなかったけど、「無防備な行為」の裏返しは「セーファーセックス」かな?少なくとも、道徳(笑)の徹底で予防をしようなんていうことは言わなかったわけで。
「やるやん」と思いました。

言葉

朝、久しぶりに車で出勤です。
車の中でラジオを聞いていると、パーソナリティーが「橋下知事文科省にアカと言った」と言っていました。文部科学省は「言葉に気をつけてください」と言ったとか。
もしも「いつきはアカだ」と言われたら、わたしはどう答えるかなぁなどと考えていたんですが。
で、ニュースを検索したら、実は「バカ」だったと。ちょっとテンションが下がりました(笑)。

にしても、同じようなものですわ。
アジテーションと恫喝を繰り返すと、それがだんだん「普通」になっていくように思います。大声を聞き続けると、それがだんだんと「普通」になっていくように思います。
でも、大切なのは、小さな声に耳を研ぎ澄ますこと。アジテーションや恫喝に従うのではなく、つぶやきに突き動かされること。

そうそう、「いつきはアカだ」と言われたら「すみません、クロです」がわたしの答かなぁ。

人を動かす方法

一番簡単な方法は、「危機感をあおる」ですね。
これ、正直わたしも使わないことはない。でも、どこかに「スキ」をもぐり込ませておいて「ネタや」とわかる仕掛けを入れておきたいですね。
こわいのは、その「危機」をあおる人自身も信じている場合です。さらに、それを聞いた人が判断停止になってしまうとどうしようもありません。まぁ、こんなの歴史的にも現在も、あちらこちらに普通に存在していると思いますが…。

でも、まわりくどくても、めんどくさくても、すぐに効果が出なくても。たったひとりであっても、自分自身が納得して、内発的な動機によって動く。そんな互いの関係をつくっていきたいなぁ。