カラフル

年明け早々ですけど、カラフルのゲストスピーカーに行ってきました。内容は「カムアウト」。
会場について打ち合わせをしたのですが、「いつきさんには職場でのカムアウトについて」って言われました。わたし、職場で特にカムアウトしてないんですけど(笑)。てか、単なるバレバレなだけで、あとは単純に押し切っているというか流しているというか…。
とは言え、そんなことも言っていられないので、とりあえず、自分のカムアウトヒストリーみたいなものを並べてみることにしました。
考えてみると、いろんな時期があったなぁ、と。

最初の頃は、「トランスジェンダー」っていうことに気がついて、それまで押さえつけていたものが爆発するような感じで、とにかくいてもたってもいられない。言わなきゃ気がすまないという感じ。ずいぶんとまわりの人たちも迷惑しただろうなぁ。
やがて、自分(達)の「しんどさ」を訴えるためのカムアウト。考えてみると、押しつけがましかったよなぁ。いや、もちろんしんどいのはしんどいし、「なんとかしてくれ」みたいな気持ちはあったんだけど、あまりにも直球、しかも、あさっての方向に飛んでいく球を放られて、みんな困っていただろうなぁ。
そんなこんなのうちに、だんだん「自分って何?」ということを考えるようになって、「トランス」を実践しはじめて。そして、日常ではだんだんと言わなくなってきた。どちらかというと「なるようになる」というか、「出たとこ勝負」というか、「なげやり」というか(笑)。

きっと、はじめのうちは「自分が自分を認めるため」のカムアウトだったんだと思います。それが、今度は「相手に認めさせるため」のカムアウトに変化していった。でも、たぶん「自分へのカムアウト」をまだできていなかったんだろうな。「自分へのカムアウト」をする過程で、だんだんと「レッテル」を拒否しはじめていったような気がする。と同時に、「わたしはトランスジェンダー」から「いつきはいつき」になっていったような気がする。
で、最近は…。かっこうよく言うなら「生きていることがカムアウト」。だから言う必要がなくなってきた。

ま、そんなことを話してみました。でも、実際にはいろいろあるわさ…。

わたしが話をした後、ゲイの人の話。特に親との関係についての話でした。すんごいおもしろかった。芸が生きていく上でなにが障害になるのかとか、カムアウトの必然性がどこにあるのかとか、トランスとの違いがよくわかったし、すごく刺激的でした。いや、話聞けてよかったっす!
しかし、しゃべりすぎたな…。ごめんなさい。

忘年会

なぜ渋谷まで来たかというと、今日はなぜか渋谷で忘年会なんですよ。集まってきた人たちはここの人たちと、こんな人たちです。
正直言って、なんでここに自分がいるんだろうと思いながらも、まぁ、話のネタとしてはけっこうくいつきがいいかなぁということで、小遣いをはたいて参加することにしました。
まぁ、忘年会なんて言うものは、しょせんは忘年会なわけですが、なにせ、今日は怒りのモードが全開なので、あちこちで火炎放射をはきまくっていました。
でも、それはそれとして、いろんな話ができたり聞けたりしました。やっぱり、収録という限られたオフィシャルな場面だけじゃなくて、アンオフィシャルなところで話をすることって大切なんだなぁと思いました。
忘年会がお開きになったのが1時頃*1
実は、今晩の宿を取っていないんですよね。まぁ、そのあたりのマンガ喫茶で寝たらいいかと楽観的に考えていたんです。すると、忘年会の参加者のうちのひとり*2から「ウチにとまる?」というありがたいお言葉がもらえました。で、その言葉にあまえて豪徳寺へ。そういえば、今をさること3年前、聖地ウィメンズセンターでGID研究会があった夜、豪徳寺で合宿をしたよなぁと思いながら、おふたりのお家に行きました。途中、コンビニに寄って食料と飲み物をゲット。それからおふたりのお家に行って、まずはお家の作法*3を教えてもらって、再度呑み直し。といっても、そんなにのめるわけがないです。いろんな話をしながら、結局4時頃に轟沈…。

*1:だったと思う

*2:というか、正確にはワンペア

*3:自分のやりたいことは自分でしよう!みたいな

残りの半分

ようやく、いろいろあった今日一日も半分が過ぎました(笑)。
続いて行ったのは、近所の授産施設です。ここで、関西医科大学ジェンダークリニック受診者の会(仮称・まんまるの会)があります。この会を立ち上げて、これで1年ちょっとになりますか。「受診者の会」っていったら、立派な自助グループかと思いきや、まったく違います。たんなる宴会グループです。どうやら、わたしが歩いた跡には宴会グループができていくようです。
ちなみに今日は「クリパ*1」。
なんだかんだでちょっと遅くなり、会場に着いたらすでにみなさん飲み始めています。で、わたしが着いたところでふたたび「かんぱーい!」。しばらくすると、また別の人が到着。すると「かんぱーい!」。誰かが「ええなぁ、何回も乾杯するのは…」とつぶやいています。
もしかすると、そうなのかもしれませんね。来る人ごとに乾杯をすることって、「その人のために乾杯をする」ことだし、それって、「その人を大切に思う」こととつながるのかもしれません。まぁ、単純に「乾杯好き」というのはあるでしょうけどね(笑)。
会がはじまって2時間ほどしたところで、乾杯もようやく一段落。忘れかかっていた自己紹介なんかもやります。しんどい話もあるんだけど、必ず入るツッコミが、この会のいいところです。その後も延々と会は続くのですが、わたしは、まだ「一日目」であることを思い出して、10時過ぎに帰ることにしました。
しかし、みんなあれからいつまでやっていたんだろう…。「家に帰りました」というメールがあったけど、タイムスタンプが午前1時頃だった…。

*1:なんか、なつかしい響きやなぁ…。バブルの頃を思い出します。

精神科の診察

続いて、河岸を変えて精神神経科へ。
部屋に入って、まずはごあいさつ。続いて、O田さんから質問です。
「最近のいじめ問題、どう思われますか?」
まぁいいですけどね(笑)。
それからかれこれ30分ほど話をしていましたが、さすがに最後にO先生「う〜ん、今日はちょっと診察とは言えないので、再診予約をしに来られたということにしますね」。正直な人や…。

計算はきちんとしよう

ここで2ヶ月ぶりのヤクの処方です。前回、5錠の日と4錠の日を交互にすることにしました。女性診療科のIちゃんさんから「どうですか?」と聞かれたのですが、「さぁ、どうでしょう…」としか答えようがありません。まぁ、前に5錠飲んだ時ほどのことはないようですけどね。
なので、2ヶ月ばっか5錠でやってみることで妥結しました。
と、ここで、Iちゃん曰く「う〜ん、量が1.5倍になるから…。あれ…?」ちゃいますがな。1.5倍になるのは2錠を3錠にした時でしょうが(笑)。Iちゃんさん、_| ̄|◯してました。
そうそう、言うの忘れていましたけど、診察室の前の張り紙、「やむおえず」じゃなくて「やむを得ず」ですよ…。

最後の秘境

まぁ、なんだかあちこち顔出しをしているんで、世間のたいていの人にはばれているだろうと思っていたのですが、ところが、ぜんぜんばれていないんですよね。
そういえば、前に書くのを忘れていたけど、いままで町中で一回だけ声をかけられました。あれは、忘れもしない11月9日のことです。
昼間、用事で京都駅で切符を買っていたら、突然「あの…」という声がかかりました。で、振り返ると
「テレビに出ておられた方ですよね?」「はぁ」
「あの、先生されているんですよね」「はぁ」
「見ました。こんなところで会うなんて…。わたし、別の意味で当事者なんですけど、とても勇気づけられました。ありがとうございました」って。
いや、本当にびっくりしました。でも、なんとなくうれしかったです。たった一人かもしれないけど、確実に一人の方が「勇気づけられた」って言って下さったわけですから。なので、「こちらこそ声をかけていただいてありがとうございました。すごくうれしかったです」と答えました。

で、これはまぁいいとして…。
実はわたし、毎年冬にスキースクールにスタッフをしに行ってますが、ここにはまったくカムアウトをしていないんです。去年とか、校長から
「おい、行くぞ」
って言われて「どこですか?」と聞くと
「風呂行くぞ」って言われてしまいました。
「え゛〜」と思ったのですが、しゃーないです。行きました、男風呂。そらもう、みなさんの視線を一身に集めてしまいました。てか、子どもさんなんて正直なもんで「お、お父さん!女の人が入ってきた!」。で、お父さんは「み、見るんじゃない!」って。まぁ大騒ぎでした。もっとも、すぐにみなさん慣れたみたいですけどね(笑)。
で、今年です。
この間の骨折で、今年の正月はスタッフで行くのは不可能になってしまいました。なので、
「すみませんが、今年は行けないんです」
と電話をしました。すると、
「あら〜、それはたいへんね〜。でも治ったらまた来てね〜」
といつもの調子です。
「すみません」と謝っていると
あ、そうそう、テレビ見たわよ!
「へ?NHKですか?」
「そうそう。いや、うちの子どもがね、「あれ、土肥先生がテレビに出てる」って言ってね、みんなで「うそだろう」って言ってたんだけど、みたら、土肥さんじゃない!」
「はぁ…」
「まぁ、いろいろあるもんね〜。また、電話ちょうだいね〜!」
…。
最後の秘境も、簡単になくなりました。
さて、次にスタッフで行ったら、どうなってるかなぁ…。

トランスジェンダー生徒交流会

今日は、トランスジェンダー生徒交流会の開催日。いや、いちおうこんなんもあるんです。
で、とりあえず、行きました。
着いたらとりあえずごあいさつ。「いや、昨日ね、こけてね、鎖骨にヒビが入ったの(笑)」。みなさんも、とりあえず「大丈夫?」とか言いながら、最終的には笑ってました。まぁ、そんなもんです。
前回はマジに話をしたのですが、今回は、一緒にごはんづくりをしようかな、と(←こればっか)。いろいろ考えたのですが、結局出てきたのは「水ぎょうざ」「チヂミ」という、なんの交流会かわからないメニューと、「こんにゃくとゴボウの汁」になりました。我ながら、発想が貧困だなぁ_| ̄|◯
でも、それなりに楽しくワイワイとつくって、楽しく食べました。
食事のあとは、話しあい。教員も含めて、少し長めの自己紹介。それから、そこに来てくれていたトランスの大学生からさらに長い自己紹介。一方、FTMのトランス(専門学校生)から若者ならではの悩み相談。いろいろと、いかにもトランスらしい話が出しあわれました。みんな「自分ってなに?」という問いかけをし続けているなぁということを感じて、わたしと一緒やなぁと思いました。
終了後、みんなはカラオケへ。わたしはさすがにしんどかったので、お家へ。
家に帰って熱を測ったら、微熱がありました。さすがにちょっと無理をしたのか。はたまたちょっと引っかけた焼酎が悪かったのか(笑)?

大学生のインタビュー

東京にあるK大学のSさんという方から、「トランスと教育」みたいなテーマで論文を書きたいのでいたビューをさせてほしいという依頼が、ちょっと前にありました。ちなみに、姐さんのところにも「K大学のSさんからのインタビュー」という文字があったので「おぉ!」と思ったのですが、別人でした(笑)。
夜、待ちあわせをして、居酒屋に行って話をしたのですが…。なんか、とりとめのない、しかも「勢い」ばかりの話をしてしまいました。ええんだろうか…。てか、あれで論文のネタになるんだろうかと、ちょっと不安…。でも、最近もやもやとしていたことが、しゃべりながらではあったけど、少し整理できた気もしました*1
で、ついつい話が盛りあがってしまって、気がついたら11時過ぎ。やれやれ。

*1:「両性の自立と平等」の作風と「解放教育」の作風のこととか…

1.5世代

今日は、大阪の某市で漫談。なんでこんなに高座の声がかかるのか、どうにかしてるなぁと思いながら行ってきました。ちなみに、ふだんよりまじめな場所なので、今日は珍しくスーツを着ました。で、会場に行くと…。みなさんすごくまじめです。なにせ、みなさんちゃんと前を向いておられる(笑)。新鮮ですね。
で、漫談が終わって一息ついたのですが、なんか気持ちが高ぶったままです。クールダウンをしないといけないので、ついでなんでヨドバシカメラに行って、iPod関連でほしかったものをゲット。
で、京都に帰って、Yちゃんと合流。
行こうと思っていた「スタンド」が定休日*1だったので、結局いつもの「たつみ」へ。ちょっと一杯のつもりが、結局閉店まで居座ってしまいました。
で、話の方はというと…。
相も変わらず黒いところで盛りあがったのですが、残念ながらほとんど伏せ字…というか、おぼえていないです。で、その中でおぼえていること。
杏野丈さんのところで前にあったけど、今って「2.0世代」なんだなということ。一方、今メディアで活躍されている方々*2は、やっぱり「1.0世代」。いや、どっちがいいかという問題じゃないです。でも、それこそ特例法以前の世代、あるいはガイドライン以前の世代と今の世代にはものすごいギャップがあるわけです。そして、なによりも問題なのが、そのギャップを埋めるための営みを、双方がしていない、あるいはしているとしてもそれが希薄であるということです。
たしかに、ガイドラインや特例法によって「性同一性障害*3」をめぐる状況は激変しました。でも、歴史っていうのは重層的です。それまでにどういう論議があり、いま何が問題として残されているのかということを学ばないと、これからを展望することはできないんじゃないかっていうこと。もちろん、「負の部分」もあるし「受け継ぐべきこと」もたくさんあります。そういうものをどうやって伝えていくのかということを、真剣に考えないといけないんじゃないかなぁと。
そんな話をY子ちゃんとヘラヘラと話しあいながら、わたしは密かに自分は1.5世代なのかなぁとか、だからこそできることがあるかもしれないなぁなどと考えていました。。
もしかしたら、そんなことをするための「なにか」をするかもしれません。そんなときは、ぜひともよろしくね!できないかもしれないけど(笑)。

*1:_| ̄|◯

*2:人ごとや(笑)

*3:あくまでも性同一性障害だけどね。

アイコンタクト

ところで、話をする前にちょっとレジュメをとりに行った、その時。ビビッと来る視線を感じました。瞬間「仲間や!」。終わったら「こっちへ」と言われたのですが、「仲間が来ている感じがしたので、会場に行って来ます」というと、おられない_| ̄|◯。とそこへ、目の前にあらわれました。いや、よかったです。会えて。うれしいなぁ…。
しかし、どこでこの高座(笑)の情報、聞いたんだろう…。