ご要望にお応えするためには^^;;・雪と氷の世界(1日目)

今日〜明日、今シーズン最後の「雪と氷の世界」です。
天気はまさに「ピーカン」です。

朝、校長から「話がある」と呼ばれまして。なんでも、今日の生徒さんのご要望は「コブ」だとか。コブですか…o(^^)o。いや、わたしが喜んではいけません(笑)。
コブをやるためには、姿勢ができていて、ウェーデルンができて、ベンディングができることという、かなり高いハードルが要求されます。しかも、コブの基本を練習できる斜面がないと、これまた練習にならないどころか、逆効果にすらなります。
さてと、生徒さんはどうかな…。
集合場所に来られる姿を見た瞬間、不安が胸をよぎります。ワンターン見た瞬間に
「あ、基礎練習からやらなくちゃ」
ってわかりました。なので
「あの、コブやるためには基礎が大切なので、午前中は基礎練習します。まずは「ここから?」ってくらいに基礎をします。とりあえず、直滑降ね(笑)」
てことで、直滑降やって、プルークボーゲンやって、斜滑降やって、横滑りやって、シュテムやって。まずは何も言わずに
「じゃこれを」
やったあとで
「こういう意味があるのでこれをやりました」
と謎解きをして、
「じゃ、もう一回」
です。なぜなら、動作を意識化するためには、まずは無駄な一本が必要だと思うからです。効率を求めたインストラクションは「頭」を使いません。「頭」を使わないなら本数を滑るしかないです。でも、シーズン通して滑ることができないわたしたちには、それは無理です。だから、「考える」ことで定着をはかりたい。そして「考える」ためには失敗が必要だと思うのです。
ま、そんなこんなで、午前は基礎練習。
午後はベンディングの導入をやって、コブに入ります。やはりたいへんですね。
でもいいです。たぶん今日が今シーズンの最終日。来シーズンの開始をドキドキワクワクしながら待つこの一年の間に、家でできる練習をしてもらうためには「憂い」を残すことが大切だとも思うのです。「うまくいかなかった一本」を悔しく思うことが、来シーズンの技術向上にきっとつながる。
なぜそんなことがわかるかというと、わたし自身がそうやってこれまで過ごしてきたからです。「あの一本」の悔しさを、次のシーズンにつなげてきた。オフシーズンの間、ずっとイメージを頭の中でふくらませ、身体で表現し、シーズンが来るのを恋い焦がれ、そして雪の上で通用するかどうかを試してきました。
それがわたしにとってのスキーの楽しさです。

さあ、今日の生徒さん、悔しく思ってくれたかなぁ(^^)。

レッスンのあとは自己練習。山は昼間とは違う、夕方の姿を見せてくれています。きれい…。これを見るためにスキーやってるんだよなぁって思います。

さっき生徒さんのために滑ったコブを自分のために滑ります。楽しい!
天気はいいし、あぁ、いい一日が過ごせました。

最前線の人々

今日はなんだか淡路でNPOなんかをやっている人たちの集まりがあるとか。で、京都のわたしは関係ないかというと、実は「トランスジェンダー生徒交流会」の会場は東淀川なんで関係があるんですね^^;;。てことで、「NPO法人JUMP」の名前で参加しました。
「軽食を食べながらやるので実費300円よろ」
と書いてあったので、
「あー、健全なミーティングなんだ(;_;)」
と思っていたのですが、レジュメを見ると「乾杯」とか書いてあります。あり?さらに、出された軽食を見て
「アテやん(笑)」
と。しかも、ぁゃιぃボトルやぁゃιぃクーラーボックスがあります。なんでも、こちらはカンパ制らしいです(笑)。
てことで、軽い自己紹介。みなさんの話を聞いてびっくりしました。それぞれが地域でガッツリと高齢者や障害者にかかわっておられる人たちです。+「中国帰国者センター」とか「ゆめ風基金」とか「子ども情報センター」とか地域を超えた活動をしておられる団体も来ています。
はじめは「ふーん」と思っていたのですが、徐々にこれはおもしろそうだなと。
で、乾杯すべくクーラーボックスの中身を見ると、スー○ードライと○番搾りが入っています。発泡酒じゃない!スー○ードライだけじゃない!すばらしい!
で、みなさんのそれぞれの活動を聞いていると、最前線で地域のマイノリティーとかかわっておられることがわかります。だからこそ、感度が高い。例えば、視覚障害をもつ人にとってのタンデム自転車の話が出てくると、すぐに反応されます。子ども情報センターの方は「しんぐるまざーずフォーラム」の人でもあったので、「ベビーシッター問題」を振ってみたら、「地域の高齢者と子育て」みたいな話になって、みなさん「うんうん」と。あるいは、みなさんが関心を持ったのが「中国帰国者センター」の活動でした。なんでも、地域に「中国帰国者センター」があるってしらなかったそうです。すぐに
「もっとつながりたい!」
と。
集まってこられた人は、みなさん、決して「若者」ってわけじゃありません。「若者は敏感」とか「若者の好奇心」とか、若さがもてはやされることもありますが、最前線で豊かな経験を積んでこられた方の感度の高さは、「若さ」とはまったく違うような気がしました。
終わってからも、当然場所を変えて呑みです。
ここでまたディープな話ができる。
淀川地区はすごいわ。

藍染め体験とか

今日はなぜか大和郡山へ。目的地は箱本館「紺屋」です。なぜに藍染め体験?てことですが、藍染めを楽しむというよりも、このお店のための制作のお手伝いです。てことは…。初体験だけど失敗が許されません(笑)。
9時にK田さんと待ちあわせ。で、染めの開始です。藍の入ってる壺に手を深く突っ込んで、布をゆるゆると泳がせます。ゴム手袋をつけて手探りって、メッチャ難しいです(笑)。何度か布が手から離れて、一度は布を壺の中に落としてしまったり。それでも、一枚あたり4〜5回。10枚を二人でやるので、ひとり5枚ずつ。さすがに最後の方は慣れてきました。とは言え
「ちゃんと手を動かしてる?」
「指先で動かしてるよ」
「小手先の(笑)」
「まぁね(笑)」
みたいな…。
とりあえず10枚染めて、K田さん宅へ。ランチビールをいただいて、K田さんが型紙つくっている間、いきなり爆睡です^^;;。
で、夕方から抜染開始。わたしの役割はドライヤー係です。ひたすら乾かして、なんだかんだで7枚完成したところでタイムアップ。K田さんの保育園のお迎えタイムがきました。
てことで、わたしも帰ることにしましょう。
しかし、これはたいへんな作業だわ…。

第16回GID学会(2日目)

朝、いやがる身体をなんとか起こして、朝ごはんを食べて、さて出発です。朝日が眩しいのは自業自得です(笑)。
で、2日目開始。

  • シンポジウム3『地方のGID診療の現場から』

主として沖縄九州の医療の状況でした。たまたま「GID島之絆」のレンチュが近くにいたので
「ウッチー引っ張り出すか」
とか笑いながらも、いろんなことを考えさせられました。
ひとつは、教員の意識の問題とその評価の問題です。福岡の黒岩さんから「人権教育研修会に来た教員にアンケートに協力してもらい、その結果と医療者の予想を比較した」って話が出てきました。結論は「案外教員の意識、高いじゃん」って話で、それはそれでうれしいわけですが…。それ、人権教育研修会の参加者だからじゃないかなぁ。生徒指導研修会とか教務研修会だったら、また変わるんじゃないかなぁ。
あと、みなさん、口をそろえて「九州のお国柄」みたいなことを言われて、それはそれでその通りだろうなと思っていたのですが…。たぶんそこで欠けてはいけない観点は「医療者自身もそのバイアスの中にいる」ってことではないかと思うのです。いや、たぶんこのギョーカイの人はバイアスは少ないだろうとは思うのですが、でも、きっとある。そういうバイアスは、ほんの小さな言葉の端々に出てきます*1。「バイアスがない」ことが大切なのではなく、「バイアスがある」ことを前提にして、それを修正しながら考えることが大切なんじゃないかなと。
もうひとつ考えたことがあったのですが、それは今回のまとめにもつながるので、のちほど。

  • 特別講演3『魚は性を自由に換える』

どうしようかと思ったけど、お腹減ったのでパスm(__)m。これを食べに行きました^^;;。

  • シンポジウム4『教育・児童・家庭への支援』

さて、個人的には今回もっとも関心のあるセッションです。
とはいえ、石川直子さん(特定非営利活動法人 性同一性障害まりあの会) がしゃべっておられる最中、「まりあちゃん」とキャッキャ言いながら写真を撮っては加工して遊んでいたので、どこまでマジメに聞いてるねんという話なのですが^^;;。あ、康さんに「おい!」って怒られちゃいました^^;;。
で、感想は…。寒竹葉月さん(一般社団法人 gid.jp 日本性同一性障害と共に生きる人々の会 沖縄支部)、すごいなと。いまから17〜8年前によくぞ望みの性別でガッコに通ったなと。
で、もうひとつは…。
やはり、他のマイノリティのとりくみにもっと学ばなきゃならないんじゃないかってことです。「違い」はあるんだけど、「共通点」を探すことも大切だと、わたしは思っています。で、おそらくら先行するどのとりくみも「ピア」を大切にしているように、わたしは思います。で、それができるひとつの場が「学校」だと思っているのです。
現在、トランスの子どもたちのサポートのHUBとして期待されているのは専門家≒医療者です。でも、医療や心理ができるのは、個へのかかわりです。そしてそれは、「当事者を変える」ことでしかないと思います。でも、それだけでいいんだろうかと、常に考えています。わたしは、同年代交流やロールモデルに出会わせることをもう少し大切にしてもいいんじゃないかと思っています。なので、そんなことを話したのですが…。
康さんと佐々木さんと石川さんくらいにしかウケてなかったかな^^;;。

ミーハー心がうずいたけど、ここはお勉強!ってことで、不参加です^^;;。

  • 一般演題 7/調査

えーと…。

  • 一般演題 8/性別違和

一般ピーポーに「自認する性別」を想像してもらって、それと反対の性別の服装を切ることへの拒否感のアンケート結果の報告があったんですけど、なかなかおもしろかったです。で、FTMの服装への拒否感にその結果をもっていってたんですけど、MTFのハードルの高さ&顕在化のしにくさとの関連もあるんじゃないかなとも思いました。

  • 一般演題 9/ホルモン・遺伝子

「遺伝子的にマーカーがあれば、子どもに対しても躊躇なく治療ができる」って話で…。なんか、とうとうGIDも遺伝病になるのかなぁと。
でも、そのシステムは難しくてわかりませんでした。ちなみに、阿部さん@阿部メンタルクリニックも同じ感想をもらしておられました。

  • 今回の感想

宮島さん(クリニックおもろまち)のお話の中に「中核群」「辺縁群」という話が出てきて
「久しぶりだなぁ(*´∀`)」
って思ったんですけど…。
なんか、いまのGIDをとりまく問題の問題って、「中核群にスポットをあてすぎてる」ことにあるんじゃないかと、ふと思いました。
「こんなにつらい思いをしている人がいる」というロジックは、同時に「そこまでではない人」を排除してしまう。それが例えばMTFへの医療のハードルをあげる=受診者数を引き下げることにつながるんじゃないかと。いや、MTFの「つらさ」がマシというわけではなく、「さまざまな抜け道」があるので、ガス抜きがしやすく、結果、あたかも「そこまでではなくなることも可能になる」ということなんですけどね。
でも、この発言を受けて、松本さん(岡山大学)が「臨床やってる人間なら、中核群の人たちにアドバイスすることはほとんどなくて、辺縁群の人のほうがサポートが必要であることはよくわかっていること」って言っておられました。
つまり、サポートが必要な人間にスポットがあたらず、アドバイスが不要な人間にスポットがあたっているあたりが、変なねじれを生み出しているんじゃないかなと思ったんです。
もう少していねいに言うならば、1997年にスポットをあてなきゃならなかった人と、2003年にスポットをあてなきゃならなかった人と、2008年にスポットをあてなきゃならなかった人と、現在スポットをあてなきゃならない人は変化をしている。でも、それはあくまでも「世間に理解してもらうため」のスポットであったわけで、潜在的には「アドバイスがいらない」=「やることがわかっている人」ではなく、「辺縁群」こそがサポートが必要だった。
なんか、そういう意味では「辺縁群」という言葉が「あとからでいい」みたいなニュアンスを持つので、よくないんじゃないかぁ。

もうひとつ思ったのが、「中核群」「辺縁群」ともかかわりますが、あまりにもホルモンとSRS(と乳切)に話が偏りすぎているのではないかと。例えば、わたしの場合、すごく大きかったのが、脱毛でした。これはわたしの場合であって、人によっては髪の毛であったり、服装であったり、FSSであったり、本来QOLがあがる要因はさまざまなはずです。であるにもかかわらず、ホルモンとSRSのみが話題にあがるのも「中核群へのスポット」と軌を一にしているのではないかという気がします。そしてそれが、ひいては「当事者」がホルモンとSRSに「のみ」QOLの向上の方法を見出すことにつながっているのではないかという気がしました。

てなことで、今年のGID学会も終了です。来年は…。大阪かぁ^^;;。

*1:例えば「「いまだ」戸籍変更をしてない方」みたいな(笑)。

第16回GID学会(1日目)

で、遅刻覚悟でGID学会の会場へ。と、まだはじまってませんでした^^;;。てか、受付9時からって、大会そのものがそんなに早くはじまるわけないか。

ということで…。

  • オープニングイベント

こんなんあるんだ…。てかこんなことやっちゃったら、これから毎年やらなきゃならないプレッシャーがかかりますがな。来年はなんなんだろう(笑)。

  • 会長講演『沖縄のGID診療の歴史・現状・課題』山本和儀さん

山本さん、けっこう昔からやっておられたんだなぁ…。&勉強熱心なんだなぁ。にしても、やはり沖縄のFTMの多さは…。

  • 理事長講演『性同一性障害に関する社会的課題と学会としての対応』中塚幹也さん

やはり学校問題と保険適用ですよねぇ。
学校への医療者からのアプローチ、実は、ありがたいけど、ビミョーなんですよね。発達障害もそうなんだけど、「いや、ビョーキだからしかたないのはわかりました。でも」なんです。教員は基本は善意の人なんだけど、システムを変えようとまでする人はほとんどいないんです。で、その板ばさみになると。てか、「ビョーキで解決」はなぁ…。
保険…。かつて「貧困ビジネス」って話もあったしなぁ。なんとなくだけど、それなりの「ハードル」って大切な気もするんですよね。

  • 特別講演1『Lost in Transition: trans people, recognition, pathology and rights』Sam Winterさん

基本的には大阪で聞いた話のまとめって感じです。一度聞いたのみならず、手元にその時の配布資料があったので、すごくわかりやすかったです。てか、東さん、疲れましたよね。途中マイク落とすし(;_;)。

  • 一般演題 1/心理

後日

  • 一般演題 2/児童・学校

いろいろあるけど後日

  • 一般演題 3/職場・雇用

かなりお腹減ってたけど後日

疫学を明らかにするのは大切だとは思います。とはいえ、GIDの場合、難しいでしょうね。だって、基本的には「自己申告」ですからねぇ。多分に文化的な要素があるわけで。そういう意味では中村かれんさん(エール大学大学院 文化人類学部)に話してもらったのはすごく意味があったんじゃないかなと思います。にしても、中村さん、こまかく笑いをとりにこられて^^;;。

また余裕があれば、メモを見ながら追記するとしましょうか…。

明けて現役の会・どこまで続く?(2日目)

5時半くらいにふと目が覚めて、ベッドに潜り込んで再び爆睡。9時前に起きて、和室と台所の窮状を見て、「これはあかん」と直感。だって、11時には現役生が来ます。
今回は働き者の卒業生が多くて30分ほどで片づけ終了。それから、昨日の鍋に辛ラーメンを放り込んだ朝ごはん。おいしいけど、食べ過ぎそうです。
そうこうするうちに、11時です。ボチボチ現役生が来る時間。
「おー」
「来たでー」
「今日、何つくるん?」
「鍋」
てことで、みんな買い出しに行きました。さて、なにができるんだろ。
帰ってきた中国帰国の子、土鍋に八角・ナツメ・くこの実・人参・ニンニクあたりを入れて煮出しています。すごいよ!さすがは中国料理!医食同源です!肉団子を鍋にくぐらせては取り出します。
「固くなるしな」
もうね!感動です。
やがてできあがった鍋のおいしいこと!
そんな鍋をつつきながら、話はディープに進みます。
「ルーツ、どこやったっけ?」
「ややこしいから言わへん」
「せやけどな」
そこからルーツにこだわる、パラムの会からはじまるわたしのストーリーがはじまります。「ネーチブややこしい」に対抗するためには「自ら求めたややこしさ」でいくしかないです。だって、自覚的にややこしさを選ぶって、「選べずに担うしかない」というのとは違うややこしさをはらんでいるんですよね(笑)。
なんだろ…。
逃げられたのに逃げなかった。ので、逃げられなくなった。それはそれで変なんですよね…。
で、なおも突っ込んでいくと、ボチボチと「ややこしさ」を話してくれます。だって、同じ親から生まれたきょうだいだけど、生まれた場所が小さな海を隔てただけで国籍が違うんです。国籍ってなんだろう。民族ってなんだろう。わたしがわたしであることと、国籍や民族はどのような関係にあるんだろう。そんなことを、子どもたちの言葉を聞きながら考えさせられます。
こんな時間は至福の時間です。こんな時間を独占するのはもったいないなぁ。みんな来たらいいのになぁ…。
そんなことを考えているうちに、話題は「たいしたことない」話へと。まぁ、ガチな話は長続きしないです(笑)。
てなことやっているうちに、お部屋の片づけしなくちゃならない時間に。でもわたしはそろそろダウン気味^^;;。
まぁそんな現役の会でした(笑)。

卒業生の会からはじまる・どこまで続く?(1日目)

今日の午前・午後は、某在日外国人教育関係の会議です。いろいろ情報交換をしたり、いろいろ将来を展望したり。展望できる将来、ないなぁ(;_;)。
で、そんな人たちと夕方呑み。なんか、ほっとできる会話を楽しめました。F知さん、ありがと*1

で、東九条へ。今日は「卒業生の会」です。
この会、発足当初はけっこう勢いがあったんですが、最近参加者が少なくなって寂しい思いをしています。なんでかなぁ。
たぶん、発足当初のメンバーが大学を卒業式、あるいは仕事が充実し、あるいは結婚し。そんな中で、それなりにしっかりとした日常を送れているからなんでしょうね。まぁ、「便りがないのは元気な証拠」ってヤツです^^;;。それからもうひとつは、現役大学生の忙しさかなぁ。みんな、バイトとかサークルとかでバタバタしてるみたいです。
でもね。たぶん充実し、あるいは忙しい日常の中で、ふと立ちどまって考えるひとときは大切だと思うのです。だから、やはり「卒業生の会」は続けたい。
そんな中、最近よく来てくれる子が、今回も「行くよ!」と手をあげてくれました。俄然ファイトがわきます。で、Tーマスがやってくれました。「Fぁよんが行くよ」「Sーじが行くよ」。Jョディも顔を出してくれるみたいです。気がつくと、なかなか賑やかな会になりました。

酒を飲みながら、笑いながら、あるいはデッドボールすれすれの珠を投げながら、「自分って何人?」「自分って何?」という、ともすればスルーしがちな会話が延々と続く空間に自分が身を置くことができることは、どうしようもない幸せです。
そんな幸せを感じながら、ふとんにくるり沈没をしていく「いつまで続くのか?」の日々の一日目は終わります(笑)。

*1:こんなとこ見てないだろうけどね(笑)。

歯止めは必要なのかなぁ

何が悲しくて1日おきに難波まで行かなきゃならんのかと思うのですが、今日も難波です(笑)。
今日はこれの第2回目です。
今日は織田さんvsWinterさん。さてさてどうなるかな。
まずは織田さん。
織田さんは、ブルーボーイ事件から30年の空白があったこと。そのために、治療が再開した時、少数の病院に人が殺到したこと。そのためにインフラの整備が追いついてないこと。しかし、医療はインフラの整備なしにはできず、結局、精神科医が治療をしながらガイドラインも考え、インフラの整備もしなくちゃならなくなったというあたりの話をされました。で、だからこそおもしろいんだけど、新規に参入してくる人にとってはハードルが高いだろうなと。そりゃそうですよね。
で、印象的だったのは…。
ひとつはインフラの整備について引用したのが「戦争で玄人は兵站を語り、素人は戦略を語る」だったっていうことですね。「よりによって戦争かよ!」って思いながらも、なるほどなと。
あと、自殺対策について元警視総監が話した内容を引っ張ってこられたんですけど、で、それはそれでいいんですけど、「講演を聞きながら、ずっとGIDにひきつけて考えていた」って言っておられたんですよ。てことは、織田さんの中で、今GIDが中心課題なんだなって、あらためて思いました。

で、Winterさんは「Gender recognize」の必要性と「特例法批判」(笑)でした。
まずは、国際人権規約とか社会権規約とかジョグジャカルタ原則なんかを引っ張ってこられて、「Gender recognize」の正当性を主張されました。そういう意味では、特例法は正当であると。そのあと「however(笑)」と続くのはお約束です。会場にさざなみのように笑いが広がりました(笑)。
で、拷問禁止の条約とかいろんなものを引っ張ってこられて、手術要件の不当性を主張されたのち、イギリスの性別承認法やアルゼンチンの性同一性法(Gender identity law)なんかを紹介して「性別承認に医療が一切関与しない国もある」とされました。

で、質疑応答。
まずはこんな質問。
日本においてはもともと性別移行のハードルが低い文化があるのではないかと。で、例えばアルゼンチンのようなことをしたら、とめどなく性別移行の人が出てくるんではないかと。歯止めはどうなるのか不安だと。

で…。
わたしなんかは「いいじゃん」と思うんですよね。というのは、本来性別なんて何回変えてもいいし、その重みがもっと減ればいいと思っています。で、例えば、ネタで性別を変える人がいてもいいとも思っています。なぜなら、「望まない性別」での生活がとてもしんどいということをGIDという存在が証明している(はず(笑))だからです。まぁ、そんなもん、続きません。
これ、学校の制服についても言えるわけで、ネタでスカートはいて女子生徒の生活やって、果たして何日もつかなと(笑)。で、もしもそれが居心地よかったら「よかったね(^^)」なわけです。そんなのでいいと思っているんです。
で、はじめのうちは、たぶんいろんな人がいろんな形で性別変更していくだろうけど、結局はどこかで平衡状態がやってくる。つまり、必要な人はするし、不要な人はしない。そんなところにくるんじゃないかなぁ。
で、何が問題かというと、そこに外科治療が必要となるったところだと思っています。という意味では、Winterさんの話は、深く納得がいくんですよね。
で、わたしもひと波乱(笑)ののち質問。
わたしの質問は、ひとつは「(未成年の)子なし要件」のもたらすストレスについてでした。「子どもがいるためにトランスできないストレス」「トランスしたらしたで性別承認されないために実態的な性別とは法的には反対の性別になり、それが子どものための稼ぎを邪魔する可能性が高いというストレス」みたいなのを考えると、「(未成年の)子なし要件」はかなりまずい要件なんじゃないかと、かねてから思っています。Winterさんは心理学者で臨床もしているということなので、そのあたりについて聞いてみました。
あ、そうそう。日本では性別移行の縛りはゆるいかもしれないけど、「家族の縛り」はきついように思うし、いまそれをますます強くしようとする動きもあるように思いますねぇ…。
それから、もうひとつは「移行した性別での承認が簡単になると、さまざまな不利益は性別移行をすることで回避する回路ができ、それはひいては「あえて性別移行しない人」へのバッシングの強化につながるのではないか」ということでした。
で、結論的には、どちらの質問も意図を汲んでもらえなかったなぁと(笑)。
ま、そんな感じで2回目終了でした。

どの角度から語るのか

今日はウトロのフィールドワークです。
大雪注意報が出て、京都府南部にも小雪がちらつく今日、なにが悲しゅうて外を歩くねんって話ですが、夏に日程を決めたのでしかたないんです(笑)。
今日お願いしていた講師はもともとはS藤さんって方だったんですが、体調を崩されて、急遽T川さん*1って方がピンチバッターです来られました。
T川さんの話、とてもよかったです。
もちろんS藤さんの話はウトロの現実をとてもていねいに話されて、すごく勉強になります。それはそれでとても大切だと思います。それに対して、T川さんの話は「守る会」としての話なんですね。つまり、支援者としてウトロをどうまなざしてきたのか。そして、自分にできることはなんだったと考えたのか。そして、支援者として今後ウトロにどうあってほしいのか。そんなことを話されたように思います。
これ、一歩間違えると「当事者の主体性をさしおいてなにを」みたいはことになりかねないのですが、きっと、いや、絶対にそうはならない。なぜなら、ウトロと守る会はそういう関係をつくってきたからです。その何人かのうちのひとりがS藤さんでありT川さんである。そして、T川さんの「役割」は、たぶんT川さんが語られたことなんだろうなって、わたしなりの20年のウトロとのつきあいの中から感じました。

ひとつの町をめぐって、いろんな語り口がある。ひとつの物事には多面的な見方がある。そんなあたりまえのことを、今日再び感じさせてもらいました。

*1:外川さんではない(笑)。って、わかんねーよな^^;;

リクエストに応えて

昨日のレッスンの最後に
「あんなところの滑り方が知りたい」
というお客さんからのリクエストがありました。
「あんなところ」って、悪雪じゃん^^;;。
でも、お客さんのリクエストであるなら仕方がありません。ご要望にお応えしましょう。
てことで、午前のレッスンは「ややこしいところ」ツアーです。
まずは「あんなところ」と言われた悪雪からです。荒らされた新雪を一晩おいた雪です。滑る場所と滑らない場所が混在していて、しかも適度に重い雪がある。これはどう滑る?答えはジャンプですね。
お次は40度くらいの短い斜面です。たぶんはじめて立つ人にとっては崖です。ここは…。やはりジャンプですね。
で、天然物のコブ。リズムが読めないのがたのしい。ここは…。ベンディングですね。
そんなこんなで、午前2時間、たっぷりと「あんなところ」を案内しました。
で、午後は基礎練習から応用へ。そんなことをしながら、フォームに刺激を入れて矯正です。
レッスンが終わってペンションで再び出会うと
「いやぁ、よく滑った」
とのお言葉。密かに心の中でガッツポーズです。

帰って行かれるお客さんたちを見送って、さぁ、わたしも帰るかな。明日から日常だ?