セクシャルマイノリティ生徒交流会

現在、セクシュアルマイノリティの集まりの中で子どもたちをターゲットにしたものは、全国にどれくらいあるんだろう。青森の「トランスジェンダー生徒交流会」、東北の「サークル・カメレオン」、東京の「にじーず」、関西の「トランスジェンダー生徒交流会」、福岡の「FRENS」あたりが、まぁ老舗というか、ここ数年のグループですか。
でも、今年度新しく新潟でも交流会が立ちあがりました。それが「セクシャルマイノリティ生徒交流会」です。きっかけは、お友だちの高校教員A井さんが、トランスの生徒をトランスジェンダー生徒交流会に連れて行きたいと思ったんだけど、新潟からはあまりにも遠いので、どうするかと思っていたら、A井さんの仲間が「新潟でも交流会をつくったらいい」と言って、そこから立ちあがりました。ほんとに、極めて正しいですね。どこかの交流会が全国から子どもたちを集めるのではなく、各地にそれぞれの場所にカスタマイズした交流会があることがいいと、わたしは思っているので、「交流会をやった」と聞いて、すごくうれしかったのです。
で、今日は第4回の交流会。なぜかわたしも呼んでいただけました。
てことで、サンダーバード北陸新幹線と乗り継いで、上越妙高に移動。ちなみに、金沢駅のトイレでトレーニングウェアに着替えたり。で、上越妙高駅から会場までの4kmは恒例のジョギングです。25分かぁ。かつてより1kmあたり1分遅いです。でも、しかたないです。これでいいんです。25分走り続けられたことがうれしいです。

で、17時から交流会スタート。それにしても、うちの交流会とは違い、名義だけとは言え、すんごい後援団体の数です。A井さんのパワーを感じます。
今回は残念ながら現役高校生はひとりとのことですが、卒業して間なしの若い人が来ておられます。みなさん、「悩み」のまっただ中です。そんな人たちが、自分の思いを口に出してくれます。たぶん、すごいパワーを使うんだろうな。でもそうやってパワーを使って言葉にすることを通して、自分を見つけることができるんでしょうね。
それにしても、集まってきてる子ら、すごくしっかりしています。この交流会をやるきっかけになった子も来ておられましたが、前に一度会った時とはずいぶんと違っていて、自分を見つめてきたんだなとあらためて思いました。
そして、この交流会を支える大人達の多いこと!それも、教員が多い。京都で交流会をやったとして、これだけの教員が一緒にやってくれるだろうか。無理でしょうね。うらやましいです。
でもまぁ、あまり「すごいな」とばかり思っていてもしかたないので、ふだん交流会で「ツッコミ」を入れてるのと同じように、「自分を女/男と思う根拠はなに?」みたいな、ほとんど回答不能な問いを出してみたりしました。まぁ、ものわかりのいい教員のフリをしてもしかたありません。わたしが呼ばれたのは、子どもたちの脳みそをシャッフルするためだろうから、その役まわりを果たすのが仕事というものです。
てことで、1時間半の交流会は2時間になってしまって終了です。

そのあとは懇親会。A井さんが選んで下さったお店は「DINING BAR SUN LIGHT」です。ちなみに選択の基準はヱビスビールがあることです(笑)。てことで、ビール→ワインをガブガブ飲みながらも、もちろんわたしは「若者」と遊びです。でも、あまりわたしが独占するのもアレなので、、解放同盟の県連の人や、工業高校の教員なのに日本性科学会の会員という人や、議員さんなんかとも話。
議「LGBTの人たちが生きやすいようにするためには、どんな法整備が必要ですか?」
い「LGBTではない人たちと同じ処遇を得られることです。単にそれだけ、とても簡単です」
という、身もふたもない話をしたりして^^;;
そんなこんなで、懇親会も終了です。その後、A井さんの案内でフィールドワークをしながらA井さんのお家へ。A井さんはレズビアンカップルで生活しておられて、なんかとてもいい雰囲気の生活をしておられます。でももちろん、困難は山のようにあるんでしょうね。なんか、こういう家族に諸権利が与えられないことの理不尽さを、あらためて感じました。
とは言え、そういうややこしい話をするわけではなくて、ワインを飲みながら、なんだか話をしていました。が、そのうち、こたつにふとんを敷かれたので、そこに横になると、あっという間に爆睡です。そりゃ、走ってしゃべって呑んだら寝るわな。

始動

最近腰が痛いです。ひどくなったのはキックスケーターでこけたあたりですが、たぶんもっと前、たぶん1年半ほど前まで遡るんじゃないかな。
でも、この間の痛みは、ほんとによくないです。イスから立ち上がるのも用心しながらという感じです。なのに3kmばっか走ったりするのは、我ながらアカンなと思います。しかも、この土日は雪と氷の世界に行きましたしね。
ここで、この腰痛をどうするかです。
接骨院に行ったりマッサージに行ったりして「治してもらう」のもひとつの方法です。でも、たぶん、それはわたしが今までやってきた方法とは違うなと。やはりここは走らなきゃなりませんね。
ちなみに走ろうと思った動機はもうひとつ。こないだの雪と氷の世界で、ウェアを着ようと思ったら、正月の時より少しきつかったというのも大きいですね(笑)。
ちなみに、仕事はないわけじゃない。というか、頭の中は焦りでいっぱいです。でも、仕事ってずっとやってるわけじゃなくて、考えたり悩んだりする時間があります。その時間をイスでやるんじゃなくてグラウンドでやるだけのことです。

てことで、放課後ジャージに着替えてグラウンドへ。試験前なので、いるのは野球部だけです。
野「センセイ、走んの?」
い「うん、腰が痛くてな」
みたいな会話をしながら、まずはストレッチ。そしてジョギング開始です。
とにかく20分、とまらずに走る。決して飛ばさない。ゆっくりとでいいから20分動き続けることができる身体にもっていくのが大切です。そして何より大切なのが「気持ちよかったな」と思えること。もちろんしんどいです。でも、そのしんどさが「しんどかったけど気持ちいい」がいいんです。
20分だと、たいていグラウンドは8周です。はじめの2周は5分で走れたので「いけるかな」と思ったんですが、あれあれ?だんだん時計の針のほうが早くなっていきます(笑)。で、20分たったら6周しか走れてません。でもいいんです。20分たったからヤンペ。それ以上は走らない。
ジョギングのあとは補強です。実はこれが目的です。腰痛を治す一番いい方法は筋力をつけること。腹筋と背筋です。なので、Vシット・Uシット・ハーフスクワットを5回ずつ3セット。かつてはもっとたくさんのメニューを20回5セットやってましたが、そんなにやらなくていいんです。
とになくイヤにならない程度です。でも、明日もやる(^^)。

ジョギングが終わって、そういや試験前の補習をしてるなと、教室をのぞくと、いますいます。
生「センセイ、走ってたん?」
い「うん、おなかがプニュプニュでな」
生「細、見えるけどなぁ。着痩せするタイプか」
い「うん、脱ぐとすごいで」
みたいな会話(笑)。
帰り道は太ももがパンパンです。駅の階段の登り降りがきついです。でも、これは身体を動かした証拠です。おふろに入ってひと晩寝たらなんとかなるでしょう。

いきあたりばったり・雪と氷の世界(2日目)

今日も担当するのは昨日と同じく、常連の上級者のおふたりです。さてと、なにをしようかな。とにかく、まずは滑りたいところを聞きましょう。そのバーンでできることをやることにしました。
まずは一番上のゲレンデということだったので、そこに行くことにしました。そこのゲレンデ、一番上が超緩斜面で、次にいきなり2種類の急斜面がきます。とりあえず緩斜面で、昨日のビデオに基づいた練習をして、次の急斜面は、なぜかコブの練習です。にしても、急斜面のコブはあきませんわな。急斜面のあとの中斜面は快適にクルージング。そのあとは急斜面のコブはやめにして、もうひとつの急斜面を使って小パラ中パラあたりをしながらエッジを立てる練習です。エッジを立てるの、バンクを深めなきゃならないんですけど、案外これが難しいんですよね。なので、そんなのを体験してもらおうかなと。
午後の1番は、ほとんどレッスンで使わないバーンの探検です。が、残念なことに「競技の練習専用」とか書いてあるので断念。その後、朝に行った斜面がほどよく浅めのコブができていたので、そんな斜面パラレルで滑る練習です。コブで大切なのは、リズムを切らさず、決めたコブで曲がるということです。そのコブを逃しちゃうと、リズムは切れるはスビードが出るわで、ほとんどの場合破綻しちゃいます。そうならないためには、曲がると決めたコブで曲がる。あるいはリズムを決めて曲がることが必要かなと。
で、最後に別の尾根の急斜面でクルージングをして、本日ラストは天然もんのバーンです。ここ、このスキー場で一番好きなバーンです。
で、レッスン終了。そのあと、宿の人に少しレッスンみたいなことをやって、1本練習をして、今シーズン2回目の「雪と氷の世界」も終了です。
あとは帰るだけ。帰ってお風呂に入って、ビールを飲まなくちゃ(笑)。

酒のアテづくり・雪と氷の世界(1日目)

朝起きると7時過ぎ。でもまぁいいか。もしも今日の早朝にスタートしていたら、着くのは8時過ぎだから、しばらくゴロゴロさせてもらいましょう。ちなみに、雪と氷の世界の起床時間は7時です。雪が降っていたら、朝から雪かきがありますが、昨日の夜は晴れていたから大丈夫かな。
ということで、8時頃にのそのそ起き出して、朝のごあいさつとスキー出し。朝ごはんを食べさせてもらって、出動です。
今日は常連の上級者の方の担当です。いつも一緒に滑っているし、このお正月も一緒だったし、何を教えろと。でもたぶん、滑りに来ておられるんですよね。そして、ひとりで滑るよりも誰かと滑りたい。その中で、ひとつでも上達したい、あるいは自分の悪いクセを直したい。きっと一人で滑っていたら、上達も矯正もできません。というか、下手になるだけです。なので、わたしはそんなスキーのお手伝いです。
これ、楽しいというか、もうしわけないのは、わたしもまた同じ感覚なんですね。フリースキーはおもしろくないし、上達もしない。生徒さんと一緒に考えながら滑ること。見られていることを意識しながら滑ることが、自分自身の上達や矯正につながります。だから、他のスキー場に行かずに、雪と氷の世界でスタッフを続けているんでしょうね。
午前の前半は、主に脚の動きです。わたしもカービングはできません。なので、お客さんと一緒に「あーでもない」「こーでもない」と、いろいろ試しました。って、レッスンじゃないじゃん(笑)。午前の後半は、エンジョイスキー。でもその中で、やはり気になるのが姿勢です。なので、午後への課題として姿勢を残しておきました。
午後のレッスンは、いきなり泣く子も黙るギルランデ。連続山まわりというヤツです。これ、姿勢のクセがすごくわかるし、うまくできないからみんなが嫌う練習です。でも、だからこそやる意味がある。で、今日のテーマは「上体を動かさない」です。スキーって、回転するから上体が一杯動いているみたいだけど、基本的には動かしません。上体とスキーの位置関係が変わるだけです。でも、上体が動いてしまう。だから、上体をとめる。その練習です。続いて、腰の位置ですね。腰の位置は意識しないとすぐに落ちていきます。なので、それをあげる。今日担当しているおふたりは、もともと「できる」人です。でも、できていたことを忘れておられる。それを思いだしていただくのが今日のレッスンです。
で、これらをすべてビデオに撮りました。ちなみに、一本滑るたびに見てもらおうと思ったら「いいです」と。「これ、今夜の酒のアテです」とのこと。まぁそれもそうですね。夜にゆっくり見て、明日の意識づけに使ってもらいましょう。

夜は校長にごはんを食べに連れて行ってもらって、親の敵のような量の豚の生姜焼きを食べさせてもらいました。そのあとは温泉につかって、生徒さんと一緒にビデオを見ながらお酒を呑んで。こんなことやってていいのかなぁ。あまりにも楽しすぎる。

「みなす」「みなされる」

今日は第2のふるさとの人権教育研究会の総会です。記念講演は、「部落問題学習ネタをつくろう会代表の星野勇悟さんです。タイトルは「いま、自分が、ここで −部落問題学習をするということ−」。
実は、星野さんを紹介したのはわたしです。ちなみに、星野さんとはじめて出会ったのは14年前のことです。このお座敷の時に「とにかくいつきを呼びたい」と言ってくださった方です。ちなみにその時の事務局長が、S久間さん、のちのダースベイダー(by Tじさん)で、「そんなに呼びたいから理由を論文形式で提出せよ」と言ったらしく、必死で論文を書かれたとか。なので、今回はその意趣返しですね。てか、「部落問題学習ネタつくろう会」っていい感じですよね。きっと緩い感じを醸しながらガチでやってるんやろな。そんな星野さんと第2のふるさとのみなさんを出会わせたいと思ったんです。
で、会場に到着すると、さっそく呼び出しです。なんでも「講師接待をせよ」とのことです。なので、しばしグダグダ話。
で、時間が来たので、星野さんは演台へ。わたしは部屋の一番後ろの指定席へ。
星野さん、いきなり火起こしの話からスタートです。どこかで聞いたなと思っていたのですが、たぶんこれかなんかかな。でも、おもしろいです。社会の教科書の挿絵ひとつからここまでやるかということと、そこから「別火」へとつながっていく「伏線の張り方」はすごいです。
そして話はご自分の経験の話へ。そしてそこから「部落問題の本質は「みなす」「みなされる」というところにあると思う」と。なるほどね。そもそも「同対審答申」だったかにも、部落の定義として「まわりからそのようにみなされる地域」みたいなことが書いてあった気がします*1。でも、まさにそうですよね。住んでいる/いた場所や、親戚縁者が住んでいた/いる場所、さらには親族関係などで「みなされる」「みなす」わけです。ちなみに、現在部落の人と部落外の人の結婚が増えているので、部落関係者はかつてに比べて格段に増えているはずなんですけどね。
で、星野さんの話はとてもシンプルでした。「みなす人がいなくなればいい」。ただそれだけです。そのために部落問題学習をする。そして、「教員って、部落差別をなくすことができる仕事。とてもすごいことじゃないか」という、ものすごくポジティブなメッセージをわたしたちに伝えてくださいました。
話を聞かれたみなさん、元気をもらえたかなぁ…。

総会が終わったら、車で難波へ。今日は「おべんきょ仲間」と読書会です。テキストはフーコーの『知への意志』です。それぞれが章を分担して、自分の疑問や関心事を出して、それについてみんなで議論するというものです。今回は第1章から第3章まで。わたしが「担当します」と言ったのは第3章「性の科学」です。なんかももう「性」が精神病理化されていく歴史についてのフーコーの怒りみたいなものが奥底から伝わってきて、すごくおもしろい。やはり、こんな感じで深く読まないとダメなんですね。
第4章・第5章は来月です。楽しみですね。

読書会が終わったら、車で雪と氷の世界へ。到着したのは2時過ぎです。少しクールダウンのビールを呑んで、さてと寝ましょうか。今日は1日よく動きまわった。

*1:要、確認

親の思いを聞く

今日はトランスジェンダー生徒交流会です。交流会で一番大変で、一番大切なのは、実はメニュー決めと買い出しだったりします。なので、ここ数日、ひたすらそんな話がネット上を駆けめぐりました。で、結論は「キンパと鍋」になりました。妥当ですねo(^^)o。
で、いつもの時間にいつもの集合場所へ。すでに何人か来ておられます。今日もにぎやかなことになりそうです。
とりあえず、買い出し第一陣が到着。飲み物は確保です。そして、第二陣が帰ってきたところで調理スタートです。参加者のみんなはひたすら野菜きり。厨房では鍋のダシとキンパの具材づくりです。そしてわたしはひたすらビールを呑む(笑)。たまに厨房に入ってそこにあるものをつまむ、単なるジャマ者です。
子どもたちは公園で遊んでます。少し大きな参加者は、気がつくとあちこちで輪をつくって話しあってます。こんなのが自然発生的にできるのがいいですね。
そうこうするうちに、鍋の準備もでき、キンパの準備もできました。
公園から帰ってきた子どもたちはキンパづくりです。

メッチャ楽しそう!そしてひとくちほおばるとうまい!
鍋も豪勢です。

ひと通り食べ終わったところで、いつもの自己紹介です。今日はYーきがいないので、Rくに仕切りを頼みました。こういう感じで仕切りを頼める人がたくさんいてくれるのもうれしいです。
今回は年度末ということもあって、上の学校に行くにあたってのいろんなことがあります。小さな子どもの場合は、保護者が交渉しますから、子どもにはわからないこともたくさんあります。なので、保護者にも話をしてもらうことにしました。するとまた、これがすごいです。親の思いや子どもの思いが本当に出てます。
「子どもはここに来るのがほんとうに楽しみなんです。ほんとうに楽しんでるんです。でも、自己紹介でしんどい聞いたり話をしたりすると、普段の自分のしんどいことがフラッシュバックして、よけいしんどくなるんです。だから、話したくないんです」
なるほどなぁ。しんどいことを話すってことは、子どもにとってはそういうことなんだなぁ。でも、だからこそ話さなきゃならないこともあるんだけどなぁ。まぁ、それはもう少し先でもいいかな。いまは楽しんでもらえばいいのかもしれません。きっとそのうち話してくれる日が来るでしょう。
それにしても、ほんとうにきつい経験をしてますね。学校は精一杯配慮しています。いや、たぶんできる限りのことをしています。が、それは「できる限りのこと」であって、できないこともある。それは、今の枠組みを保持しているからという側面もあるし、生徒たちの心にまで踏み込めないということもあります。そんな中で、精一杯「自分」を生きている子どもたちは、本当にすごいなと思います。
で、ひと通り自己紹介が終わったところで、片づけです。でもわたしはマッサージタイム(笑)。いや、腰痛が^^;。

で、全部の片づけが終わったところで打ち上げです。交流会も大切だけど、打ち上げも大切です。まぁ、こちらは大人の交流会てすか(笑)。
向かうは「幸楽」です。ここはS輔の家のお店です。なんかもう、大人たちでワイワイと楽しく呑んで食べてなんですが、お酒もお惣菜もおいしい。すごすぎます。
結局12時くらいまで遊んでました。てか、終電じゃん^^;。

まさか同じ分科会?・近ブロ母女

今日は、近畿ブロックの「母と女性教職員の会」です。いちおうわたしは女性部長なので、行かなきゃなりません。が、ほんとうは9時に行かなくちゃならないんですけど、他の人にお願いして昼頃に行きました。
わたしの役割は、午後の分科会でレポートです。ネタは「リビングライブラリ」とか「シンポジウム」とかです。ちなみに、もうひとりのレポーターは前田良さん。えーと、いったいなんなんだ^^;;
てことで、昼ごはんを食べながら打ち合わせをして、その後分科会開始です。
まずは前田さんの話。話を聞きながら、いろんなことを思い出しました。わたしも第2のふるさとでトランスをはじめた頃は、まわりの人からいろいろ言われたよなぁとか、子どもが小学生の頃はいろいろあったよなぁとか、トランスしようと思った最初期に、まわりの人から「子どもがかわいそう」と言われたよなぁとか。なので、せっかくですから、ふだんはしゃべらない、そういう話を重ねてみました。
で、お次はわたしのレポートです。20分しかありませんから、フルスロットルです。しかも、なぜかマイクの調子が悪いから、けっこう広い会場だけどマイクなしです。いろいろたいへんだ。でも、一番言いたかった「被差別経験談のインフレーション」についてはきちんと話ができたからよかったかな。
質疑応答の後、最後にレポーターからのひとことの時間があったので、ここは一発stn21の宣伝です。宣伝した限りはきちんと活動しなくちゃなりません。そういう自分へのプレッシャーがなかったらダメなんですよね。

その後、懇親会。なにやら京都から出し物を出さなきゃならないらしいので、おとついの話とか昨日の話とかでごまかしました。まぁ、ネタには困りませんね。

短い!・日教組教研(2日目)

今朝は7時に目覚ましをかけたおかげで、シャワーも浴びたし朝ごはんのカレーもゆっくり食べたし。しかし、我ながら汚い朝ごはんだな。おいしいんですけどね。
で、電車に乗って分科会の会場へ。なんかユニフォーム着た一群がいるので「高校生の部活かな」と思ったら「静岡県警」とか書いてあって、なるほどなと。
で、分科会開始。今日のお題は「見直す 動く あきらめない」です。これをテーマに意見を求められるのですが、今日もひとり2分30秒ですか。しかたないですね。
わたしの最初の発言は「SOGIという言葉をめぐって」です。よくある説明は「SOGIの頭文字はこれこれで」でおしまいかな。少していねいになると「誰かを指す言葉から要素を指す言葉へと変化することで、誰もが当事者であるということを主張するパラダイムの変換が起こっている」という説明が出てきます。でも、わたしはそれでは不十分だと思っています。それは、さまざまな言葉が出てくるにはその背景があって、それは歴史的であるということを抜いちゃいけないかなと思っているからです。「SOGI」の前には「LGBT〜」がある。先の説明は、そこでのパラダイムの変換についてのものなんですよね。でも、「LGBT」の前は「sexual minority」であって、そこにもパラダイムシフトがあるし、「sexual minority」が出てきた時もパラダイムシフトがある。また、「SOGI→SOGIE→SOGIESC」にも意味があるし、「GSRM/GSRD」という言葉が出てくる時も、そこには背景がある。そのあたりをていねいに説明することを通して、セクシュアリティのダイナミズムとか当事者の「pride」と当事者性のpoliticsみたいなものが伝わると思っているんですよね。逆に言うと、それ抜きの説明は、その言葉をつくってきた当事者性を奪うことにつながると思っています。
ま、そんなことを2分30秒でしゃべれと(笑)。無理ですね。
その後、グループディスカッション。あまりしゃべらなかった人や、しゃべる機会のなかった人の話を聞かなきゃなと。にしても、小貫さん@東海大学、おもしろい!けど、話しはじめると長い(笑)。まぁ、おもしろいからいいんですけどね(^^)。
で、最後の総括討論。
言いたいことが、まだふたつあるけど、どうしたものか。にしても、東京高のKわら田さん、ええこというな。「もっと歴史を学ばなきゃならない」。その通りですよね。言葉の変遷史もそうだし、運動史や思想史もそうです。いや、もっともっとミクロな生活史からもたくさん学ばなきゃなりませんね。まぁ、Kわら田さんは教材作成チームに入ってるらしいからがんばれ(笑)。ちなみに、わたしはそういう「正規の話」にはたいてい入れてもらえません。けっこう深く長くかかわってるつもりなんだけど、たぶんズレてるんでしょうね(笑)。
で、わたしの発言は「被差別体験のインフレーション」です。「わたしはこんなしんどい障害を抱えて苦しんで、死にそうな手術を受けて、壮絶な闘病生活をして、でもその苦難を乗り越えて戸籍変更して、いま愛する人と結ばれて幸せです」みたいな話ってどうよってことです。
まぁ、わたしも死にかけたけど(笑)、これは自業自得か。でも、けっこう壮絶ではあったし、今もけっこうな生活を続けてるし。ついでに言うと、戸籍変更する気もないし。てか、先にあげたような語りをする人って戸籍変更を可能にするために闘ってきた人のこととか、そこであった論議とか、そこで死を選ばざるを得なかった人のこととか知ってるのかなぁ。
で、問題は、先にあげたような話って、実は人権にかかわる社会的な構造を問うという作業とはなんの関係もない、というか、逆にそれをジャマすらしてしまう。なぜなら、個人のライフストーリーに落としこむことで、「個人の努力」へと転化して、医療モデルへと流していくからです。さらに、ある強烈な被差別体験は、人の「共感力(笑)」をマヒさせて、さらに強い被差別体験を聞きたくさせてします。これがインフレーションです。そして、そんな話を聞いて自分の共感力を満足させて「いい話が聞けた」となる。そして、話を聞き終えたら忘れちゃう(笑)。そういうのは、もうやめようよということです。
実際のマイノリティは、そんな壮絶な被差別体験なんてそんなになくて、でも、引っかき傷のような小さな傷つきをしていて、そのことで「痛!」と思ったり、あるいは自分が傷を負っていることすら気づかない。ほんとうは、そういう話を聞かせなきゃならないと思っているということです。それは、隣りにいる子がそうかもしれないし、自分自身がそうかもしれないからです。だからこそ「ジブンゴト」になる。
そのための試みが、リビングライブラリであり、シンポジウムだったということです。
それから、言いたかったことのもうひとつがstnのことです。
つまり、教室と同様に職員室にもいるよということです。そして、時として職員室の中のほうが教室よりもカミングアウトのハードルが高いということです。つからこそ、子どもたちが交流会を必要とするのと同じくらいにstnの存在が必要だということです。そして、ぜひstnにつながってほしいし、つないでほしい。
そんな話をして、わたしの討論はおしまい。
それにしても、小貫さんの「セックスはドキドキしたり、気持ちよかったり。心が震えるもの。それを奪っちゃいけない」はよかったなぁ。思わずうるっときてしまいました。

なんか空回り・日教組教研(1日目)

朝起きると7時45分です。よく起きられたなと思いながら、バスの運行表を見ると、すでに間に合いません。でも、分科会開始は9時です。早すぎます。
なので、朝ごはんをさっくり食べようと思ってレストランに入って食べてると、一木さんが入ってこられました。マジか^^;。
てことで、ふたりでのんびりご飯を食べて、一緒に電車で移動開始。わたしはひと駅で降りちゃいました。東静岡駅の構内、メッチャ広い。駅前も広大です。なんか、人が歩いて移動すること、考えてないだろうというレイアウトです。うーん。
でも、駅前の分科会場に到着。いろいろあいさつしてるうちに、分科会スタートです。
昨日のうちに「意識・慣習」は終わっていて、今日の午前は「労働・家族」です。うーん。おもしろいんだけど、なんかピントがパシッとあう感じがないんですよね。大分の小学校とか、いつものことですけど、すんごい分厚いです。でも、unpaid workだけをとりあげるのは違う気がするんですよね。小学校1年生であっても、paid workとセットにして、その比率にジェンダー差があることを明らかにしないとアカンのではないかと思うのです。佐賀のレポートもおもしろいんだけど、なにかが足りないんですよね。栄養教諭の立場で食生活の自立を伝えるレポートで、その中には車いすユーザーの子も出てきて、すごいなと思うのですが、でも、「自立」のとらえ方が、ほんの少しずれている気がするのです。つまり「自立とは依存できる先を増やすこと」をも含み込んで考える必要があるんじゃないかと。新潟のレポートも教科の中にある平和やジェンダーにかかわる内容をとりあげて返すという、おもしろいレポートなんだけど、なんか平板な感じがします。なにかが足りないんですよね。もやもやしたまま午前の討論へ。討論は発言しなきゃ損なので(笑)、ガンガンいきましょう。
まずは新潟のレポートに対して「今の価値観で過去を断罪するのはやめよう」です。つまり、過去の人にとっては「「それ」が当たり前」だったわけです。それを断罪することは、未来から現在を断罪することにしかならない。ではなくて、過去の事実から現在の当たり前を問いなおすことが必要なんじゃないかということです。
次に、大分のレポートに対して「子どもの感想の中に、すでにpaid workへの題材が潜んでるのではないか」です。「お父さんが家事をしないのは、仕事で疲れているから」という子どもの感想に対して「それは言い訳」とはねるのではなく、その感想の中に、すでに「paid workとunpaid work」の評価の違いが潜んでいます。なぜその評価の違いが出てくるのかということと、それらを担う人のジェンダーの問題は、子どもたちはすでに「知っている」わけですし、それを使わない手はないと思うのです。まぁそんなこと。
最後に佐賀のレポートに対しては、「異性愛がわたしたちの価値観の中に無意識のうちに忍び込んでいないか」です。「〇〇さんと一緒に食べる朝ごはんを考えよう」というレポーターの方の問いかけについて、レポーターの人がどう考えているかはわかりませんが「一緒に食べたい人がいる」ことを前提にした問いかけにもやっと感が起こるのですよ。なので、ここはあえてぶっこんでおこうかなと。
そんなこんなで、「労働・家族」の柱はおしまい。ちなみに、午後まで食い込んでしまっていました。もちろん昼ごはんはラーメンを食べて燃料補給もしましたとも。
で、「性の教育」です。
東京高のレポートは、まぁ「ようやるわ」と。やはりなんでもありの社会科はええなと思いますね。大阪のデートDVのレポートは、見習わなきゃなと。まぁ、わたしのレポートもデートDVについてのものですが、「子どもを放ったらかしにしてもやりよった」というだけのレポートですからねぇ。で、兵庫のレポート。セクシュアルマイノリティについての学校ぐるみのとりくみです。これまた学校ぐるみってのがすごいです。
さて、ここで何を話せばいいのか。言いたいことは山のようにあるけど、午前の柱が食い込んで、ひとり2分30秒しかありません。しかたないので、「性別違和の所在」がとてもむずかしいことを、交流会参加者のメールを通して問いかけました。まぁ、カテゴリーを与えたら、自らを安易にcategoriseしちゃうので、与えるなら多様なカテゴリーを提示したうえで、フラットに選択できる環境をどうつくるかってことと、今の状況ではフラットな選択は難しいけど、そこにロールモデルがいることが大切っていう話です。
そんなこんなで、わたしにとっての1日目は無事終了。
さぁ、夜の分科会だな(笑)。

学校体育におけるジェンダーポリティクス

今日は、とある人権教育研究会の総会です。
なので、朝は少しのんびり。その後、会場に移動です。なんとか間に合いました。
午前は単なる総会です。なので、ボーとしてました(笑)。
午後は記念講演。今回の講師さんは井谷惠子さん。前から来ていただきたいと思ってました。
学校の中のジェンダーって、何がネックになってるからというと、そりゃすべてにおいてネックになっていますが、中でも体育にそのウェイトがかなりかかってるんじゃないかなと思います。てか、スポーツそのものがジェンダーに立脚して成り立っている。それは、女子選手が増えたとかどうとかいう話じゃなくて、性を「差」として認識することで成立しているがゆえに、性による「差」を生じさせるということです。特にそれは「競技スポーツ」において顕著にあらわれるわけですが、その競技スポーツをやってきた人が多くいる学校体育では、ジェンダーを所与のこととしてとらえる傾向がどうしても強くなります。だからこそ、学校におけるジェンダーのネックが体育になりうる。
で、そのあたりのシステムを、単に主張として聞くのではなく、学術的に聞きたいとずっと思っていました。それができるのは、おそらくたくさんおられるわけではない。なぜなら、学校体育にかかわる人でそんなことをする人って、ある意味、自分の靴紐を自分でつかんで宙を浮くような行為だからです。そのような中、井谷さんはそれをされているので、ぜひとも聞きたいなと思っていました。
で、お話を聞いて思ったのは、「ドラスティックだな」ということです。わたしたちが、常にすでにジェンダーにとらわれているんですよね。なので、なにかを考える時に、その枠の中で考えることに終始してしまいがちです。その枠の存在そのものは問わない。しかも、その枠の存在を意識すらしない。従って、枠組みそのものを変えるというよりも、つい枠組みの中で「小手先だけ」の変更でものごとを考えてしまう。でも、それではダメだということです。
まぁ、トランスのことであっても学校体育のジェンダーであっても、そのあたりは同じってことですね。そんなことをひしひしと感じながら、出てくる質問に「うーん」となったひとときでした(笑)。