変速ダブルヘッダー

今日は試験最終日です。なんでも、試験のあと全校集会をひらくとか。で、わたしにもしゃべれと。
うーん…。わずか10分程度とは言え、新ネタやな。これは考えなきゃ…。てことで、考えたネタがこれです。

わたし、うちの学校の口コミをたまに見に行くんやけどね。「上り坂がきつい」「服装頭髪点検がイヤ」みたいな、ありがちな口コミに混じって「先生と生徒が仲がいい」「クラブの先輩が優しい」みたいなのがあって、さらに「いじめは見たことがない。ないんじゃないかな」みたいなのがあって、とてもうれしかったんですよね。
でも、今回「いじめアンケート」をとったら、やはり「いじめ」の案件が出てきました。なので、ここはやはり、人権担当として話をしようと思います。
なぜ人権担当が話をするか?
「人権が守られている状態」について、1年生のみんなには4月に話をしましたね。おぼえてますか?
「みんなが幸せであること」
って言いました。これは別に、みんなが「ハッピー!」と思っている状態じゃないです。「いろんなめんどくさいことやイヤなこともあるけど、それでも生きていてよかったよ」というのが「幸せ」なんです。でも、いじめがあった。いじめられて死を選ぶ人もいますよね。ということは、そういう人は「幸せ」とは言えない。そして「幸せじゃない人がこの中にいる」ということなんです。となると「人権ポリスがファンファンファン」ですよ。

意図的ないじめは話になりません。例えば「排除」。3年生にはこないだ話をしましたね。「あいつは違う。わたしら同じ」これが部落差別の根源でした。例えば、口をきかないとか、遊びの時にわざと誘わないとか、あるいはライングループから外すとか、そういう仲間はずれ。こんなことをやる人は「わかってやってる」から、当然指導の対象です。学校の外の社会だったら、「本物のポリスがファンファンファン」ですよ。
今日話をしたいのは「いじり」についてです。
先日、教職員研修がありました。その中で「いじり」の話が出てきました。「生徒のいじりに先生はのっていませんか。同じように生徒をいじってませんか?いじられていい生徒なんて、いるんですか?」と言われたんです。ハッとしました。もしかしたら自分もいじってるかもしれないと思いました。
もしかしたらいる?(おれ、いじられた。おれも!)
マヂか、ごめん。(ええよー(笑))
テレビにも「いじり」はあります。確かに「いじり」のない世界はおもしろくないんです。というか、悪いことのない世界なんておもしろくないんです。それはよくわかる。
でも考えてほしい。
1対1のいじりは◯です。1対2のいじりも◯かな。1対3のいじりもまぁええか。でもそれが、1対10になったら?1対クラス全員になったら?
あるいは、1日1回なら◯。1日2回も◯。でも、しょっちゅういじられたら?
どこかで質が変わるんです。それは人によって違います。どこで変わるかは、本人にしかわからないんです。でも、本人は言わない。なぜ?それは知られるのがイヤだからです。
理由はいろいろあると思います。「自分の弱さを認めることになる」「やっとできた友だちが去っていくかもしれない」「騒ぐともっとやられる」。でも、基本的には「めんどくさい」。めんどくさいことがいっぱい起こるんです。だから黙ってやり過ごせばいいと思っちゃう。これは、例えばいろいろなハラスメントとか、チカンとか、レイプとか、暴力とか、差別とか、そんなのと同じことです。
じゃぁ、どこで食いとめるのか?それは、いしっている自分たちで線を引くことです。「やりすぎちゃうか?」と、いつもビビることなんです。その感性を持つことが必要なんです。

で、こんなことが起こっていることは、きっとほとんどの人は知らないと思います。
それは、差別も同じです。自分の身のまわりで起こっていなかったら「ない」と思う。でも、どこかで起こっているんです。でも、そのことを知らない。それは、「人権を考えるアンケート」にも出てきます。
では、知らなければいいのか?
実は、当事者は常に出会っているんです。あるいは、ふとしたときに出会った経験をもっているんです。それは、来週配る予定の「君に伝えたい 大切な人権の話」を読んでほしいと思います。
そして、実は、「ある」ということは、非当事者にとっても出会う確率はゼロではないということなんです。そして、現実に出会った人がいるんです。そして、出会った人がアンケートに書いてくれました。だから、顕在化したんです。
だから、感謝をしたい。
そして、「いじめがあった」ということは「いじめられた人がいる」ということです。その人の心の傷は、そう簡単になくなるものではありません。傷を癒すためには、できればそっとしておきたいんです。でも、あえてこの場を借りて、やはり伝えなきゃならないことがあります。ごめん。
なぜ、傷をそっとせずにこんなことを言うのか。
かつて卒業生と呑んだときに「せんせいはなぜそんなに同和学習に力を入れるのか」と聞かれたことがあります。その時答えました。
「このクラスの中に部落の子がいるの、知ってるやろ?」
「うん」
「誰や?」
「S」
「そしたらな、もしもお前が将来どこかで差別と出会って、差別するか差別しないかの選択をしなくちゃならないとき、Sの顔が浮かぶやろ?」
「浮かぶな」
「そしたら差別するか?」
「せぇへんな」
「だからやるねん」
「わかった」
いじめはそんなに簡単になくなるものじゃなありません。だって、「いじり」がいじりかどうかは、なかなかわからないからです。「いじってる人」「いじられてる人」が意識しないいじりはあります。誰がそれを指摘できるのか。それは、わたしたちを含めたまわりにいるみんなです。まわりの人たちにしかわからないんです。
つまり、なくし続けることが必要なんです。なぜ?それは「みんなが幸せになる」ためです。
今日、みんなは「この学校にいじめがある」ことを知りました。そのことを通して、もしかしたら自分が「いじめ」と出会うかもしれないことも知りました。だから、「出会ったとき」にどうするかを学ぶ必要があるのです。考えることではなく、具体的に行動を起こすこと。そのことを、みんなに伝えたいと思いました。
最後までしっかり聞いてくれてありがとう。

で、職場をあとにして、おにぎりをぱくつきながら午後のお座敷の学校へ。
到着したのは20分前。とりあえず准校長室に通されたけど、あいさつしただけで、そのまま会場へ。ちょこっとセッティングしたら、すぐにつながったので、ほっと一息です。
そうこうする間にみなさん集まってこられました。てことで、2時間のお座敷スタートです。少し狭めの部屋ですが、それがかえっていいです。なんとなくみなさんとわたしとの間に一体感がある気がします。となると、テンションがあがってきます(笑)。で、気がつくとこないだと同じパターンです。
まぁ、あとからあとから新しいスライドを突っ込んでいったら、時間がかかるに決まってますよね。でもまぁええか。とりあえず与えられた時間分話をしたから。
終わったあとの准校長さんのあいさつは笑いました。「はじめに会った瞬間は頼りない感じで「大丈夫かな」と思ったけど、知らない話がどんどん出てきて、それにつれて尊敬の念が出てきた」とのことでした。まぁでも、知識は誰でも獲得できますからね。尊敬なんて必要ないです(笑)。

で、最寄りの駅からバスに乗って、お友だちと合流です。まぁ、悩み相談というかなんというか。とりあえずふたりでダラダラ話をしながらダラダラ呑んで、気がついたら10時です。これはアカン。帰らなきゃ^^;;。

ヤバい兆候

現在、1学期の期末試験中。途中2週間ほどのインターバルをはさんで夏休み。ということで、今日あたりから、ボチボチとお座敷がはいりはじめます。
てことで、久しぶりのお座敷に行きました。向かうは阪神沿線のとある高校。駅に着くと「いつきさん!」と声をかけられて、ひょいと見るとRくくんです。来たんかよ(笑)。ということで、道中、いろいろ話をしながら会場へ。
会場に到着すると、メッチャフレンドリーな校長さんが迎えてくれました。さすがは大阪です。ちなみに、なんでも今日は他校からも来られるとか。学校名を聞くと、聞いたことのあるというか、「うちの子がお世話になりまして」的なところが何校か。どうやら横の連絡をとりあってるみたいで、そういうネットワークとフットワークが、これまたさすがは大阪です。
ということで、今日の内容はミッション3です。

ということで話しはじめたのですが…。さすがは大阪です。まったくウケません。わたしごときの話芸ではアカンということですね。すんませんすんません。でも、ところどころで肩が震えてる人がいるから、よしとしましょう。
にしても、ミッション3は、なぜか力が入ります。やはり、ひとつはこなれていないということかな。それと、やはり自分のことじゃないから「へっへー(笑)」とはいかず「がんばるぞ!」ってなっちゃうんでしょうね。
てことで、時間はどんどん過ぎていきます。3分の1くらい話したところで、すでに1時間経過。でもまぁ、それくらいはかかっちゃうんですよね。本来大学の講義で4コマ分の内容です。でもまぁしかたないです。それを限られた時間でやるのがお座敷です。でなければ、連続講座か、はたまた大学の講義でしかできないわけで。
ついでに言うなら、一番はじめのネタから、基本的にはネタは増えていきます。それはそんなもんです。だって、ネタは育つもので、なぜなら「おべんきょ」するからです。なので、はじめは1時間半でいけたものが、2時間に伸びるのもよくある話で。
てことで、ウケもとれないから、ガチでしゃべったもので、気がつくと与えられた2時間が来てます。やばい!ということで、5分の4までいったし、キリもいいことだから、そろそろ終わりましょう。でないと、3時間かかるわ(笑)。
にしても、ヤバい兆候やな…。

終わってからは校長室で、しばし懇談。
「いつも、うちの子どもがお世話になりまして」
と頭を下げまくり。やはり教員って「なんとかしたい」と常に考えてるんですよね。でも、特効薬はないんです。だから、どの薬がいいのか。薬を出すか出さないか、いろんなことをやってみるんです。それは、傍から見たらもどかしいかもしれない。でも、その「傍の人」も、そこにいけば同じことになるんじゃないかな。
でも、だから教員なんて仕事が成立してるんですよね。やれやれ…。

「むずかしいこと」を「むずかしいまま」で

今日は京教のe-projectの一環でお座敷です。仕掛け人はTじさん。京教の後輩で、この間よくつるんでる人です。そういや、Iわ城さん、元気かな^^;;。
今日のお座敷のテーマは「セクシュアリティ概論」+「アライ」です。えーと…。これをわたしか?という話です。が、最近いろいろ考えることもあるし、弘前大学での財産もあるし。てことで引き受けることにしました。
なんか、ここ数年、誰でもセクシュアリティについての講演ができる感じになっているんですけど、なんとなく危ないなって思います。それは、あまりにも「お手軽」な感じがするからです。それこそ、どこかで誰かが言ってる「セクシュアリティの基礎知識」を孫引きか曾孫引きで引っ張ってきて、さも「新しいこと」であるかのように話すなんてことがおこなわれてるんじゃないかと。でも、その「基礎知識」がどのようにつくられてきたのかとか、そんな話はなーんにも知らない。そのことを痛感するのは、やはり東さんや池上さんの話を聞くと、深さがあまりにも違いすぎるからです。
本来「わかりにくいこと」を「わかりやすく」伝えようとすると、必ずどこかに切り捨てるところが出てくる。それを意識的にやるならまだしも、無意識に、あるいは無知故に「まぁここはややこしいから切り捨てよう」としちゃうと、結局その情報は「ウソ」になる。元来「わかりにくいこと」を「わかりやすく」教えるには膨大な知識と経験が必要なのは、教員ならわかることです。で、それだけの知識と経験がないなら、その「わかりにくさ」へのリスペクトは「わかりにくいまま」伝えることであらわすしかないだろうと思うのです。
ということで、今日のテーマは「わかりにくいことは、きちんと「わかりにくいこと」として伝える」です。なので、セクシュアリティだけで小一時間しゃべりました。ここでさらに「多様性」までもっていくと、簡単に2時間は突破します。でも、今日はそちらは要求されていません。なので、もうひとつのテーマ「アライ」について話をしました。
これも、賛否両論いろいろあるのですが、その賛否両論を踏まえた上で、さらに他の被差別解放運動の流れも踏まえながら、「いろいろありまんねんけど、わたしはこう思いまんねん」というあたりを話しました。
で、あとはグループ討論とか質疑応答とか。
そういえば、かつて「質疑応答がメインなので、経験があまりない人でもかまわない」なんて話をされて「オイオイ!」と思ったことがありますが、質疑応答はほんとに難しいです。特に今日みたいに、普段とは違うネタで話をすると、ほんとにむずかしい。でもその代わり、自分が経験したり考えたり学んだりしたことを総動員して応答するのはとてもスリリングで楽しいです。
てことで、2時間の予定だったのが3時間で終了。ちなみに、これはわたしのせいではなくて、Tじさんが「どこまでも伸びる設定」でいて、チラシの2時間はダミーだったという。

セミナーのあとは、しばしダラダラ話をしながら時間つぶし。そして、いつもの「なかま」です。京教生の心のふるさとです(笑)。
ここで、飲んで食べてしゃべって。担当の井谷さんも来てくださったおかげで、話は深く広く盛りあがって、メッチャクチャ楽しい呑み会です。でも、あまりにも楽しすぎて、ちょっと調子に乗ってしゃべりすぎたかなぁ…。さてと帰ろうと思ったけど、奈良線、電車、なさすぎ(;_;)。

シンポジウム「児童期の性別違和への対応―世界の潮流と日本の現状―」

朝、体調はまずまずかな。まぁ、朝ごはんはしっかりと食べておきましょう。一度部屋に帰って、ロビーに降りたら、Sさきさんとの待ち合わせに遅刻しちゃいました。で、電車にも乗り遅れてしまいました。さらにシンポ前のミーティングにも遅れちゃいました。すみませんすみません。
でもまぁ、このメンバーなら特に何もないでしょう。てか、精神科医の学会なのに、パネラーに精神科医がゼロって、康さん、どうよ(笑)。
で、シンポ開始。トップバッターは東さんによる「日本におけるトランスの病理化言説のクリティーク」。トランスジェンダーをめぐる世界的な歴史の変遷と現在の最新情報を短い時間で的確に伝えてくださいました。やっぱ、この人、すごいわ。こんな人にタメ口きいてていいんだろうかと、いつも思っちゃいます。
続いて、佐々木さんの「欧米と日本の比較からみた性別違和を持つ幼児・児童に対する対応」です。こちらも世界の趨勢を追いながらも、日本における臨床の現場からの話。ここで、東さんがわたしに向かってツッコミを入れまくりです。なるほど…(笑)。
そして、川端さん@大阪医大の「大学病院ジェンダー外来での子どもの支援について」。こちらは同じ臨床心理士ですが、大阪医大という現場からの報告です。なんか、東さんがもやっとしておられます。あとの討論おもしろくなりそです。
で、トリがわたしの「トランスジェンダー生徒の学校生活におけるジェンダー葛藤とピアサポートの可能性」。まぁ、中身はこの日の話に交流会の話をくっつけただけのことです。ほんとうは公開フルボッコ大会の時のネタを入れたかったけど、まだまだ未完成なのでやめておきました。
で、討論の時間。当然精神科医の学術総会だから医療寄りになります。が、東さんとわたしは全力で脱医療の立場をとってるから、はずれまくりです。でも、東さんは専門家だからまだいいけど、わたしは…。んー。やはりここはトンチの効いたことを言わなきゃ。
「なんか、疫学的な話って、後出しジャンケンな感じがするんですよね。まぁ、必要であることはわかるのですが、言ってみればPDCAサイクルみたいな感じがするんです。でも、医療にアプローチする人の人生は一度きりで、それにPDCAサイクルはなじまないと思うんですけど」
佐々木さんが深くうなずいてくださって、ほっとひといき。
と、「GID発達障害の鑑別は?」なんていう質問が飛び出してきて、康さんがていねいに答えられたあと、つい
「間違えたっていいじゃないですか」
と暴言を吐いてみたり。ここでも康さんが優しくフォローを入れてくださったり。
そんなこんかでシンポも無事終了。
あー疲れたけど楽しかったo(^^)o

「障害×学校教員」シンポジウム

朝から新幹線に乗って東京へ。とりあえずホテルに荷物を置いて、そのまま歩いて向かうは本郷三丁目近辺。とりま、ここの写真は撮らなきゃならんでしょう。

うーん、なにか物足りない。「富士には月見草が似合う」ではないけど、やはり、もう少し賑やかな方がいいですね。

てのはおいといて、向かったのは小柴ホール。今日は「障害×学校教員」シンポジウムがあります。
にしても、なんでわたしがこのシンポに呼ばれるねんという話なんですが、たぶん「障害概念」そのものを問いたいんでしょうね。というか、わたしのことをよく知ってくださっているKちゅかるさんからの依頼なので、シンポそのものについては安心して参加することができるんですよね。

てことで、シンポ開始。
わたし以外の人は、「ディスレクシア(K山さん)」「盲(N村さん)」「聾(W田さん)」といった、まぁ、ちゃんとした(謎)障害をお持ちの方々です。
まずは自己紹介です。トップバッターがわたしってなんでやねん(笑)。なので「なんでわたしやねん」という、当然のネタからスタートです。
なにせ「障害」と冠するシンポに出たら「やっぱりいつきは「障害」って考えてる」とか「普段言ってることと違うやん。その場その場で立場を変えるやつ」とか「結局いつきは医療モデル」とか、まぁうしろから砲丸が飛んできそうなのですが、実は前々から「障害でええやん」と思ってるんですよね。だって、「障害者解放運動」は「社会モデル」をとっていて、そこに学びながらやればいいと思ってるんですよ。というのは、障害者解放運動における社会モデルは、決して医療行為そのものを排除してるわけじゃない。必要な医療は必要だし、そこへのアプローチはいいんだけど、要は「Nothing about us ,Without us」なわけです。
なので、そんな話を補足。
そんな中で聾の方の自己紹介でぶっ飛びました。
「わたしは自分が障害者とは思ってません。わたしは手話文化を生きているだけです」
これかーo(^^)o
いや、手話文化ってものそのものは綾屋さんの話で知ってたけど、「その文化を生きているだけ」ってのははじめて知ったし、これはすごいなと。てことは、どうやら「障害」はアイデンティティなんだな。つまり、他者から押し付けられるものではなく、自分がそれをどう解釈し
、どうそれとつきあっていくのかみたいな。
そこからはなんかとてもスリリングです。ディスレクシアの方からはカミングアウトの問題が引き出されてきました。まさかここでと思ったけど、「ノンカムフルバレ」の話から、でも必要に応じてカミングアウトせざるを得ない局面もまたあるって話を正直にできたり。質疑応答の中で「ポストモダニズムは障害教員から」みたいな話が出てきて、思わず「お荷物教員(笑)でもええやん」と反論してみたり。なんかとにかく盛りだくさんなシンポで、また何らかの形で報告が出るのを待つしかないですね。
最後に「教員に多様性を開く」って話が出てきて、ここで盲の方が炸裂。「お金です」。いやあ、ほんとにその通り。お金なんですよ。予算をつけないと話にならない。さて、自分は何が言えるだろう…。

多様性は外にあるんでしょうか?
わたしはマジョリティの定義を「他者との違いに鈍感にされている人」って言ってます。本来、ひとりひとりが多様性を持っているにもかかわらず、そのことに気づかれなくされている人たち。そんな人たちが自らの持つ多様性に気づくその延長線上に「開かれた多様性」があるんじゃないか。
そのためには「当たり前」とされていることに疑問を付す。例えば「元気で明るく大きな声の授業がいい」と言われたら、「ほんとにそうか?」と考える。元気ないけどギリギリの体調や精神状態で来ている生徒にとって「朝から元気なヤツはうざい」と思うかもしれない。そんなときに「二日酔いでしんどいねん。大きな声を出すヤツめんどくさいよな」っていう教員がいてもいい。
当たり前のことに疑問を付して、少しずらす。そこからはじめる必要があるんじゃないかと思います。

まぁ、いつも言ってることですけどね^^;;。
そんなこんなでシンポ終了。与えられ期待された役回りに応えられたかな?もしも応えられたら、それはわたしからの恩返しです。

あとで、facebookで次のようなコメントがありました。

横からすみません。懇親会では、パネルディスカッションをずっと見ていたTさん(○○書院社長、わりと辛口)が、「中身が濃かった、おもしろかった」とおっしゃった上で、一人だけ名前を挙げたのがいつきさんでした。それも「社会モデル」の普遍化を体現している人、みたいな意味で。主催者としても、友人としてもとても嬉しい出来事でした。ほんま、ありがとさんでした!  追記:障害学とクィア研究の接点を日本でいちばん考えている(←と私は思う)飯野さんもいつきさんをほめていたなー。

うれしい!もしかしたら、少しは恩返しできたかな。
でも、わたしはわたしの戦線で、これからさまざまな解放運動から学びならやっていくだけですね。

今年度初

激しくお座敷に行った3月が終わると、まったくお座敷のない4月があって、だいたいこの時期からお座敷の声がかかりはじめます。今年は5月にレジェンドな人たちと話をしましたが、本来ピン芸人なので、まぁイレギュラーだったなと。
ということで、今日は今年度初のグランドメニューなお座敷です。
毎回年度始めのお座敷はすごく緊張します。だって、ネタを忘れてるかもしれませんからね。いちおう会場に向かう電車の中でコチョコチョ中身を見たり、少しだけいじってみたり。
で、少し早く着いたので、一駅歩いてコクリュウに行って、YきみちゃんとかTーますとかを驚かせてみたり。
それにしても、体調が悪いです。どうしたものかなぁ。まぁ、お座敷で適度に運動して、そのあとビール呑んだら治るでしょう。
今日、与えられた時間は1時間半。尺が収まるかどうか、不安です。なので、マクラは「北摂共和国」くらいで少なめに。そこからは快調に飛ばします。
最近困っているのは、openofficeのimpress上で動画が流せないというトラブルが発生していることです。それも、昨日まで大丈夫だったのに、ある日突然流せなくなったので、さっぱり原因がわからない。しかたないので、Alt+tabでVLCに切り替えて流すことにしています。でもこれ、PCが離れていたらめんどくさいんですよねー(;_;)。でも、画像が大きいというメリットがないわけでもないので、とりまよしとしましょう。
今日はパターン2の話ですが、ところどころに出会い頭のネタが仕込んであります。そこでちゃんと反応してくださるのがうれしい。やはり、北摂共和国と京都・神戸は仲がいい(笑)。そんなこんなで快調に飛ばして、5分オーバーで終了。てか、はじまったのが5分遅れなので、まぁオンタイムです。ホッとしました。
終わってからの校長さんのあいさつに「元気の出る話」ってフレーズがあったり、「あの時、キャッチボールができたかもしれなかった」なんていう気づきを話してくださる方がおられたりして、かなりうれしいお座敷でした。

その後、再びコクリュウへ。
近くのお店で、Tーます、Kきぴ、米子の人、Yきみちゃんの軽く呑み。てか、「一杯だけ」とか言いながらどんだけ料理を頼むねんと。
でも、時間的にはほんとうに一杯だけで、外に出たらまだ明るい。ここで
「なんか、朝6時の感じやなー」
「ほんまやなー、夜通し飲んだにしては楽やなー」
としょーもない話で笑いあって、Yきみちゃんとわたしは十三へ。ここでサシのみしながら、少し深い話をしたりして、今日はさっさと帰ることにしましょう。明日は朝が早い。

transgender 性同一性障害? −みんなで語ろう過去・現在・未来−

今日は東京レインボープライドのトークライブ「transgender 性同一性障害? −みんなで語ろう過去・現在・未来−」が新宿であります。
これ、3月9日のレインボー国会の時だったかに杉山文野さんから声をかけられて、「いいですよ」と返事しちゃったのですが、やがて送られてきた企画書見て「なんじゃ、こりゃ!」とビックリしました。なにせ、登壇するメンバーの多さと、その多彩さが半端ないです。

よくこんだけ人を集めたなと。
てことで、新宿に向かうべく、10時頃に家を出て、新幹線の中で東さんと待ちあわせ。2時間半ぐらい、今日のトークの打ち合わせとか、某セミナーの謀議とか。昼過ぎに新宿に到着して、まずは腹ごしらえです。東さんのご要望にしたがって、富士そばへ(笑)。何を食べようか迷ったけど、菊菜の天ぷらのそばにしました。

うまいわ。
会場に着いたら、まだ早すぎて閉まっています。まぁそりゃそうだ。てことで、1階のファミレスに移動して、東さんは今日のプレゼン作成、わたしはペーパーの読み込みです。そうこうするうちに、「会場開きましたよ」と声をかけられたので、わたしは移動。しばし椅子並べを手伝ったりしていたのですが、スタッフに間違えられてしまったり(笑)。まぁそりゃそうですよ。
と、三橋さん登場。「ちょっとこっち」とか呼ばれて、今日のトークの打ちあわせ。
そうこうするうちに、虎井さん・とまとさん・野宮さんと続々登場。そして、山本蘭さんも登場。濃いぃわ。ちなみに、若手の人たちもおられるのですが、薬師くんくらいしか面識がないわたしは、たぶん関西人なんですよね。
てことで、トークスタート。
まずは自己紹介から。にしても、東さん、こんなのつくってたんだ。

うまいわ。
まずは、「LGBTという言葉について」とか。いきなりそれかいな。ここは、一家言ある野宮さんとかとまとさんの守備範囲でしょうね。わたしのところには発言機会はまわってこない(笑)。その後、「性別を聞かれたら?」みたいな。もちろん、わたしの答えは「2時間ぐらいかかるけど」です。笑いがとれました(笑)。「ロールモデルは?」という質問には「「フルタイムできるんだ」と思ったのは、いずみちゃんの存在」みたいな。当然ここではとまとさんが反応。わたしは孫世代ということで。まぁ、こんな感じで進んでいくのですが、アウェイ感半端ないです。それはやはり関東の人ばかりの中でたったひとり関西の人間ということは大きいですね。あと、わたしのデビューは2000年以降ということもありますか。まぁ、不完全燃焼で前半終了。
休憩時間、東さんが「大丈夫?」と近寄ってきてくださいました。ありがたや。
てことで、後半スタート。ここからは「特例法」にかかわる話です。まずは「特例法成立の頃、なにをしていた?」と聞かれたので「玖伊屋でビール呑んでた」という答え。笑いがとれました(笑)。もちろん『トランスジェンダリズム宣言』の執筆も忘れちゃいけません。続いて、「変えるならどこ?」という質問。わたしの答えは「戸籍制度解体」。拍手が出てきたのはびっくり。このあたりでだんだんエンジンがかかってきて「わたしのことを「医療モデル」と考えておられる方もおられるみたいですが、わたし「黒ヘル」です」と発言したけど、これはさすがに滑りました。
最後のあたりでは「若手世代に伝えたいこと」という質問が出てきたので「障害者解放運動・在日外国人教育運動・部落解放運動・フェミニズムなど、先行する人権運動から学ぶこと」と答えたら、ここでも拍手が起こったり。そうそう、野宮さんが「personal is political」を出しておられたのは印象的でした。そして、最後に若手からの質問「長く続けるためにはどうしたらいいか?」。わたしの答は「なかまをつくること。そして、なかまをつくるためにはひとりになること」でした。
そんなこんなで、あっという間の3時間でした。が、聞いている側からしたら長かっただろうなぁ。
最後に記念写真。

ここに並ぶことができたのは、あらためて光栄なことだなと思ったり。そういう機会をつくってくれた杉山文野さんに感謝ですね。

終わってからは打ちあげです。中華料理屋でワインを飲みながらグダグダになってしまったり。で、お外で記念写真。

その後、昼に入ったファミレスで2次会。なんか、悪い人たちの集合写真ですね。

そうこうするうちに、「いつきさん、間にあわないよ」の声。ほんとだ、間にあわない。ということで、新宿バスターミナルまでタクシーを飛ばして、なんとか夜行バスに間に合いました。まぁ、これだけ呑んでたら寝れるでしょうね^^;;

筋肉痛の中でバタバタと

朝起きると、身体が猛烈に痛いです。でもまぁしかたないです。だって、一昨日昨日とコブとポールをやったわけですからね。と考えると、翌日に筋肉痛なんだからよしとしなくちゃならんでしょう。
そんなことを考えながら、北摂共和国のとあるラーメンで有名な街へ。今日はここにある中学校でお座敷です。実はこの日のお座敷のあと問い合わせがあって、こんな年度末に研修かと。みなさんえらいなぁ。と思ったら、わたしの前にも研修されてるとか。年度末に研修日があるんだ…。
担当の方の話によると、なんでもこの学校はマンモス校だとか。なので、教員にもいろんな方がおられて、そこに少し刺激を持ち込みたいようです。刺激なぁ。まぁ、ところどころのツボに刺さればよしということにしてもらいましょう。
ということでしゃべりはじめたのですが、これがなかなかハードです。なにせ、全身筋肉痛とうことは、頭の中はスキーモードなわけです。しかも、こないだプレゼンをいじった気がするのですが、どこをいじったか覚えがありません。これはこまった…。でもまぁいいやと、いつもの調子でしゃべりはじめました。
にしても、アカンな。やはりネタが古すぎるようです。笑いが湿ります。いや、ネタのせいじゃないですね。もう少し根本的な話で、たぶん言葉が滑ってる感じです。滑舌が悪い。これはアカンなと、途中水を飲んだり、話のペースを少し落としてみたり。でも、湿り気のある笑いは最後まで続くわけです。いや、もちろん、ずっとニコニコとウケてさる方はおられるわけで、ほんとにありがたいなと。
そんなこんなでお座敷が終わったわけですが、養護教諭の方が来られて質問されたり、帰り際に「長くてすみません」と謝ると「いえいえ、ぜんぜん長くなかったですよ」と言ってもらえたりして、少しホッとしてみたり。
そんなこんなで、今年度最後のお座敷が終わりました。
てことで、今年度は…。ろ、ろくじゅういっかい^^;;!

密度が高い集まり

今日は午後から、少人数ながら密度の高い学習会があります。
ということで、主催者の方とランチビール(笑)を食べながら、学習会をするにあたっての要望をきかせてもらいました。知識量はバラバラで、よく知っている人もいればまったく知らない人もいる。さらに、わたしの話を何回か聞いたことがある人もいれば、1回くらいは聞いたことがある人もいれば、まったく聞いたことがない人もいる。えーと、どうしろと(笑)。
てことで、急遽お題を変えて再構成し直すことにしました。さらに、「できればこの話も入れてほしい」という要望もいくつかあったので、それにまつわる小ネタを第3バージョンのプレゼンに仕込んでみたり。でも、そういう作業って、バージョンアップしていくためにはとても大切な作業なので、うれしいですね。
ということで、昼から2時間半ばっかのお座敷です。
本人としてはゆっくり目に話をしたんですが、かなりのペースだったらしいです。すみません。でも、小ネタもそれなりにウケたし、まぁ、それなりに話ができたかな。
やはり「学習会」は、聞いてくださる方によって全然違います。反応の具合ももちろんあるのですが、それ以上に大きいのは、聞いてくださる方がどのようなフィールドを持っておられるかですね。フィールドを持っておられる方はそれと比較をしながら聞いてくださる方が多いです。そして、自分のフィールドに変換しながら考えていかれます。それに対して、フィールドがない方は、話を「そのもの」として聞かれます。もちろん、バイアスが入らないという意味では後者の方もいいのですが、前者の方ははまるとすごいです。
たぶん、今日来られた方々は、前者の方のようです。それは、話を聞かれている間、ご自分の関係するフィールドの人々の顔を思い出しておられる感じが伝わってくるんですね。もちろん、それはトランスの人のことじゃないです。例えば、障害のある子どもや不登校の子ども、あるいはそうした「マイノリティ」とされる子どもたちだけではなく、授業で出会っている子どもたち。さらには、過去に出会ってきたさまざまな人々。そんな「人」を通しながら話を聞いてくださるのは、やはりうれしいですね。
とにかく2時間弱話をさせていただいて、あと30分は質疑応答・意見交換。なかなか密度の高いひとときを過ごさせていただきました。

ほんとうは、このあと呑み会があるらしいですけど、それに参加したらガチで帰れません。駅までタクって、エアポートに乗って、フェアウェルドリンクを飲んで、飛行機に乗って、なんとかかんとか家に帰ったら0時をまわってました。
お腹が減ったので、「卵かけごはんごま油塩味つけ」を食べてねましたとさ。
てことで、今年のGID学会も無事終了。来年は東京か…。

なんか、やっぱりいいな

今日は、休みなのに7時起きです。眠いなぁと思いながら移動開始。新幹線に乗って着いたのは東京です。今日はN教組の青年部の学習会でお座敷です。
少し早めに着いたので、とりあえず、事務室に行ったら、なにやら悪い人たち*1も会議をしてるらしく、思わず
「クンクンクン、悪いやつの匂いがするぞ」
と部屋に乱入しちゃいました。えらい人に苦笑されちゃいました^^;;
それはそれとして、古くからのお友だちとしばし話をしたりしたあと、会場へ。さすがは青年部です。若いわ。というか、会場暑いわ(笑)。
で、お座敷スタート。今日も「パターン3」で攻めることにしました。みんな「知りたい」って考えてくださっていて、それならやはり一番情報量の多いネタで攻めようかと思ってみたのですが、とにかくこれ、伸ばそうと思えばどこまでも伸びるネタなので、時間内に終わるかどうか不安です。ただ、あらかじめ「時間の枠はテキトー」って聞いていたので、まぁええかと(笑)。
てことで、2時間弱しゃべりまくりました。でも、みなさん、メッチャ食いつきがいいです。しかも、笑ってくださる。しゃべってるこちらが気持ちがよくなるくらいウケてくださいます。たぶん、しゃべる時のリズムがあうんでしょうね。てことは、わたしのしゃべりのリズムは20歳から30歳の人のリズムなのか…。そりゃ、市民向けとか普通の教職員研修だとキツイわけですわ。
で、終わってからはグループ別討論の時間です。みんな、真剣に話し合ってます。そう言えば、こんな真剣に楽しそうに話し合ってる青年層の人たちを見るのはいつ以来だろう。なんとなくうれしくなってきました。

終わってからは、当然のごとく呑み会です。みんな強いな。赤ワインのボトルがどんどんあいていきます。それにともなって、話題も進みます。なんか、ついついわたしも年寄りくさいことを言ってしまったりして^^;;。

青年部、いいなと思いました。若いです。未熟です。そして、未熟であることがわかってる人が集まってもがいている。そんな感じがしました。
未熟であることを許される空間は、かつてはあちこちにあったけど、いまはずいぶん減ったような気がします。でも、青年部って未熟であることを許してもらえる「場」なんじゃないかなって思いました。だからこそ、継続的に、かかわれる範囲でかかわれたらいいなって思えました。

*1:人権教育関係ね