で、今日こそミルトン・ダイヤモンド

去年の8月に話が聞けると思ったミルトン・ダイヤモンドの講演会。ようやく1年半待って実現です。
今回は、女性研究者の会主催の、ほんとうに小さな講演会です。でも、集まってこられているのは、マジで筋金入りの女性研究者ばかり。かなりアカデミックな感じです。ドキドキ。
今日の講演会のタイトルは
「Psychosexual Development of Gender Identity
Nature and Nurture Cooperation and the Consequence」
すでになにがなにやらわかりません(笑)。

まずは開会の挨拶。いきなりみなさん英語でしゃべりはじめます。んなもん、わかるかい!

で、いよいよダイヤモンドの講演開始。
おどろきです!ダイヤモンドの英語は、なんとなく聞き取れます。ひとつには、非常にゆっくりとていねいに話をされます。だけじゃなくて、とてもわかりやすい言葉をていねいに選んでおられるみたいです。
「難しいことを難しく語るのは簡単、難しいことを簡単に語るのが難しい」
とは、教員たるもの心に刻まなければならない言葉と教わったわけですが、それを地でいっておられます。すごい!

話のほうは、まぁ、ある程度あちことで語られていたり、あちこちで読んだりした内容なので、あらためてどうということは、とりあえずはないのですが…。ひとつひとつの言葉に「優しさ」とか「美しさ」があふれている感じですねぇ。
一方、Hがしさん@O阪府立大学は、聞いている人たちの反応にかなり注目しておられます。
「The Primary Sex Organ lies not between the legs but Between the Ears.」
なんてフレーズが最後に出てくるわけで、これ、受けとられ方によっては
「ほれ出てきた、本質主義者!」
というレッテル貼りがされてしまう可能性があるわけで…。実際、そういう聞き方をしておられる方もおられたようです。このあたりは、ダイヤモンド自身も
「右からも左からも利用される」
みたいなことを言っておられました。
にしても、豊富なトランスジェンダーたちの写真。豊富なISの人々の写真。さらには動物たちの写真。かなり圧倒されました。

で、みんなでお弁当を食べる時間。
ここで、司会の方が
「じゃぁ、自己紹介。逐次通訳の方も食事をされているから、各自英語で自己紹介をしましょう」
とムチャ振りをされます。でも、さすがはみなさん研究者。流暢に自己紹介をされるわけで。で、わたし。
「え〜と、high school teacher.Mathmatics and humanlights.え〜と、トランスジェンダー生徒交流会をやってます」
と、結局日本語で自己紹介をするわけで^^;;。

その後質疑応答。
ちょっと迷ったけど、せっかくなんで質問してみました。

あの…。ジェンダーアイデンティティってなんですか?
ダイヤモンドさんは「内なる声」という、とても素敵な表現をされていましたが、そもそもわたしには、男とはなにか、女とはなにかということすらわかりません。にもかかわらず、シスジェンダーの人たちはそのことを疑うことすらしません。なぜみなさんが自分のことをわかっておられるのか、それがとても不思議なんです。
ジェンダーアイデンティティってなんですか?

で、ダイヤモンドの答え。

あなたはすでにその答を知っておられると思います。
みなさんが「男である/女である」という気持ちがどのように生まれてきたのでしょうか。子どもたちはみんな他の子どもと自分を比べています。他の子どもに洞察力が働きます。そして、同じ状態の人と一緒にいると楽なんです。
そして、一緒にいて楽な子どもたちが、「どうやら女と呼ばれているらしい」「どうやら男と呼ばれているらしい」と観察します。
また、ある子に対して、まわりの子どもたちは、残酷にも「違い」をわかるように言います。例えば「太っている」とか「やせている」とか、「あなたは男だ」とか「あなたは女だ」とか…。
そんな中で、トランスジェンダーの人たちは例えば「母親は「あなたは男だ」というけど、自分は女の気がする」と感じます。そして、それは性器の形とは無関係なのです。

「誰と一緒にいたいかは性別とは関係ないと思う」という、別の人の質問に対して。

その質問をされるあなたは、いま大人として質問をされています。3歳の子どもの時のことを考えてください。
子どもたちがしたいのは、このように討論をすることではなく、遊ぶことです。そして、どんなゲームをしたのか、どんな遊びをしたのか。人形で遊びましたか?それともボールで遊びましたか?そういう遊び方は、文化に関係なくどこにでもあります。
もちろん、誰といたいかということがそのまま実現するわけではありません。そこには親からの圧力があります。
その子がどう感じているかということと、社会のありかたの相互関係の中で、その子は生きているのです。

みたいな感じ。かなり間違っていると思うけど。
これだけをみたら、かなり本質主義的に思えるんですけど、おそらくは違います。「べき」で考えるならそりゃぁそう考えられるかもしれません。でも、おそらくダイヤモンドは「現実」からスタートしている。どの社会でも、人形遊びをするのは女の子が多く*1、ボール遊びをするのは男の子が多いということが、現実で、その現実に左右をされるということを言っているんだと思いました。
最後の方でこんなことを言っていました。

自分の問題を自分のやり方で解決すればいい。でも、心の中で考えることと社会が許してくれることのコンビネーションで、さまざまなことが起こります。

そうなんだよなぁ。
そうそう、いつものフレーズ、こんなんでした。

Nature Loves Variety
Society Hates It

そうか…。原文は「hates」だったんだ…。

*1:「野球をする子もいる」ということも同時に言っていた

まぁこれもよしとしよう・リビングライブラリー(2日目)

わたしは、基本的には、リビングライブラリーって、「未完成」な話があって、そこからいろいろ一緒に話をしていくのがいいんじゃないかと思っています。なので、できれば30分をすべてわたしがしゃべるんじゃなくて、まぁ20分ぐらいは話をするけど、あとはいろいろよもやま話ぐらいでちょうどいいんじゃないかと思っています。ところが、今回*1、30分全部しゃべってしまうんですよね。しかも、「まぁこんな感じで生きてます」ってところまでいってしまう。こうなってしまうと「オチ」がないわけです。これが困る。
実はこの悩み、昨日からずっとあったんです。
でも、今日、最後の2セッションを話しながら、
「もしかしたらこんなんでもいいのかもしれない」
という気がしてきました。
たしかに、トランスのこと「を」知りたい人もいるのかもしれません。でも、ことによったら、トランスの話、あるいはわたしの話を聞くことを通して、まったく別のことを考えてもらえるかもしれません。なんか
「今日、話を聞いて元気をもらえた」
と言ってくださった人がおられたんですよね。これって、わたしもまた元気をもらえるし。

*1:前回もか

時間が足りないかも・リビングライブラリー(1日目)

さて、いよいよ今年のリビングライブラリーの開始です。今年わたしに与えられたテーマは「教壇にあがるとザワッ −トランスジェンダー教員の風物詩−」です。1年目はわたし自身のこと、2年目は家族のことだったので、今年は生徒との関係を語ってほしいということのようです。
やっぱり「物語を語る」って、けっこう難しいです。というのは、「今」を知ってもらうためには、やっぱり「その前」を知ってもらわないといけません。ところが、このあたりの話をすると、これが長い…。まぁ、さすがにセクシュアリティの基礎知識みたいなことは言いませんが、やっぱりある程度自分のライフヒストリーを話さなきゃならないわけです。
さいわい、悪趣味なアルバムなんてぇのがあるので、こいつをリメイクして、まずはウケをとることにしました。これはこれで、それなりにいい感じです。そこからあとは、ある意味「話」としてはまったく新しいバージョンです。でも、そういう意味では「パート2」のためのいいネタづくりになった気もします。ラッキーかな。

もうやけくそだ

で、夕方*1Uさんとわかれて*2、そこからテクテク北上しはじめます。で、結局家まで歩いてしまいました。
出町柳から家まで、距離は約5.5kmですね。
さすがに家に帰ったらかなり疲れていました。で、パートナーが
「お風呂わいてるよ。あ、疲れてるんだったら、ワインを入れたらいいよ」
とアドバイスをしてくれました。で、ワイン風呂に入ったら、完全にのぼせてしまいましたよ(笑)。で、パートナー曰く。
「ごめ〜ん。お酒呑んでたんや」
呑んでるに決まってますやん(笑)。
さて、晩ご飯を食べて、早々に寝ますか。
なんしか今日歩いた合計距離は約14kmですわ。
にしても、あした、仕事か?

*1:何時か覚えていない

*2:だいぶ「一緒に歩こう」とかからんだみたいだけどね…

久しぶりの散歩

今日は10月にO市でお世話になった人々を案内して、いつものお散歩コースを歩くことになっています。なので、合宿の方は早々に退却。
とりあえず家に帰って体勢を立て直してスタートです。とは言え、しんどいわ…。結局昨日は全然寝られなかったしなぁ…。
で、京都駅で合流。そこからパッチギゆかりの地を訪ね、40番地跡を訪ね、オールロマンス事件ゆかりの地を訪ね、いつものパターンのお散歩がはじまります。もちろん今日はフルコース。なので、そこからさらに北上して、最終的にはおたふくまで歩きます。
まぁわたしにしてみたら「いつものコース」なわけですが、はじめてこられる方々にとっては、めまぐるしく変わる京都の風景は、やっぱり驚きなんでしょうね。おそらくは、京都って、聖・俗・賤が入り乱れた場所なんじゃないかと思うんです。で、それらはおそらくは一体となっている。ところが、京都をとりあげる時、どうもそれらのひとつひとつを独立して扱ってしまうんじゃないかなぁ。いつものお散歩コースは、そういう意味では、いい京都観光(笑)だと思いますよ。タダだし(笑)。
ちなみに歩いた距離は、約5.5kmですね。

今年は鍋か

今日〜明日、放送部の卒業生達主催の「裏合宿」です。
例年はもう少し早い時期にやっていますが、今年はいろいろあって、この時期にずれ込みました。さすがに12月は寒いので、焼肉はやめにして鍋にしました。とりあえず鍋は2種類やることにして、ひとつはわたしの担当と言うことにしました。なんか、連中はちゃんこをやるみたいですが、わたしはやっぱりビェンローです。
なんしか夕方に集合して、いつもやっているキャンプ場に行きます。で、さっそく準備。と言っても、すべて準備してあるので、あとは鍋にぶち込んでグツグツやるだけです。
バンガローにはこたつがあって、これがなかなかいい感じを出してくれています。やっぱり、鍋・こたつ・ビールは最高ですね。で、卒業生達と気のおけない話をしながら夜は過ぎていきます。
しかし、ヤツら、強いな(笑)。

やっぱりおもしろい

今日の午前は、某町の人権教育連絡会。これ、地域の保・小・中・教育委員会・児童館、そして高までが一堂に会して、地域の教育問題、とくに学力に関する研究をしているグループです。ちなみに、教育委員会が主催しているとは言え、相互の関係は完全にフラットです。誰がなにを言ってもかまわないというのがルールです。
で、今回のテーマは「家庭学習」。やはり小・中のとりくみはすごいです。学年として、あるいは学校として、明確な方針を持って全教職員が協力をしてやっています。振り返って、高校を見ると、やはり足並みが全然そろっていません。まぁ人数が多いということ、分業体制が敷かれていることは大きな要因ですが、それ以上に
「高校生は自分でやってあたりまえ」
という暗黙の前提があるんでしょうね。だから、そのことが全体の課題にならない。勢い、一部の人に負担がかかってしまう→中途半端になる→生徒がきちんとやらない→やっている人間の徒労感がつのる。という悪循環に陥ってしまうんじゃないかなぁ。
一度、中学校の実践をみんなで学ぶ必要があるのかもしれないなぁ。

trans teacher's networkの立ち上げか?

当然終わってからは懇親会。どこに座ろうかと思ったけど、話をしている最中ずっと笑顔で聞いてくださっていた方のところにいってみました。すると、そこにおられた3人、全員が同業者。いやぁうれしいです!
それぞれが職場でどんな感じなのかとか、いつ頃吹っ切れたかとか、そんな話をしみじみと話します。
在職トランスって、もちろん他の職場であってもわたしたちのギョーカイでも、その困難さは同じです。ですから、話題としては共有できるところはたくさんあります。でも一方、わたしたちのギョーカイならではの「やりやすさ」もあるし「困難さ」もあります。それは、他の職場であっても、それぞれの「違い」があるのと同様の話です。なので、在職トランス同士で話をしても、やはり同じギョーカイであれば、やはり重なるところが多いのは当たり前なわけです。そんな意味で、すごく共感を持てたんですよね。
で、思わず、
トランスジェンダーの教職員同士でゆるやかなネットワークをつくりませんか?」
と提案してしまいました。
ひとつは、トランスジェンダー教職員の課題の共有って大切な気がするし、もうひとつはトランスジェンダー生徒のサポートのためにも、そういうネットワークって大切な気がするんですよね。
といっても、まぁできることって、MLでダラダラしゃべったり、なにかの機会があったらオフ会をやる程度のことなんですけどね。

てことで、そんなことを考えているので、たまたまここを読んでいて、興味を持たれて、「ええなぁ」と思われた学校関係者の方がおられたら連絡ください。あと、3月のGID学会に参加されたりしていたら、声をかけていただけたらうれしいなぁと。

なぜか北の街へ

夕方、なぜか飛行機に乗り、降りたのは秋田。と、北海道のT村さんからきっちりメールが入ってきています。なんでも、駅前の飲み屋でスタンバってるとか。
急がなくちゃ…。つっても、急いでもらうのはバスなんですが。
ちなみに、バス乗り場の人にホテルの名前を伝えたら、鈍行のバスをすすめられてしまいました。まぁ親切なんだろうけど、15分遅くなるやんか…。

久々に!

何年ぶりでしょうかねぇ。ジャージを着て、ジョギングシューズを履いて、グランドに立ったのは。
いや、単に夏以降なんとなく身体がぷくぷくしてきたので、ちょっと危機感が漂ってきていまして。なので、マジで身体を絞ろうかと。
てことで、今日から走りはじめます。
とにかく、時間の隙間を見つけて走りましょう。

ちなみに今日は20分。たった20分だけど、けっこう気持ちよかった。