夜中に突然来たメール

Dear Ituki,

The awards committee of the World Professional Association of Transgender Health is pleased to congratulate you. You have been selected as the winner of the 2016 Outstanding Student Contribution Award. Because we had to select only two winners out of a pool of almost 20 candidates who all deserved awards, we chose based upon the following criteria:

The winners were people who had completed the work under consideration. They had published research, completed a project or initiative in such a way that the impact was far-reaching and clear. The work had to have made a positive difference in the lives of transgender people worldwide.

We send admiration and thanks for the amazing work that you have done, are doing, and will continue to do. Please say hello to us if you are attending the WPATH Symposium in Amsterdam next week. Will be be announcing the awards at the symposium and will send you a note when we know where and when.

Best regards,

Kit Rachlin and Colton Keo-Meier, Co-chairs of the WPATH Student Initiative Taskforce

リスペクト

たぶん、わたしは純粋な「おべんきょ人」ではないんでしょうね。こないだ書いた文章の中に、その存在は知っていたけど、そして気になってたけど、でもとりあげなかった、ある「先輩のおべんきょ結果」があります。これです。
とりあげなかった理由は…。たぶんご本人もどこかで書いておられたけど、誰もリファレンスとしてあつかっておられないんですよね。それがひとつ。あと、なんとなく「ご本人の専門とは違うところの発言」って思ってたのもありますか。あー、これは大きいかも。でも、もっと違う、自分の中の深い底にある「なにか」があった気もします。わからない。でも、そんこんなを含めて、自分が「おべんきょ人」ではないなと思わされているんですよね。
で、やっと読みました。
2002年の時点でこれを書いておられるのかと、あらためて思いました。
2002年といえば、わたしがGID研究会にはじめて参加した岡山のG研の時ですね。ちなみにその2年後、第6回の埼玉のG研でシンポの司会をして、第7回の神戸のG研では「若年層問題」についてのシンポを企画しました。それが2005年。G研で若年層問題をとりあげたのははじめてでした。ただ、あの時は誰も考えていないところをやっているつもりだったけど、そのはるか前にやっておられた。まぁ、2005年のわたしは「おべんきょ人」ではなく、純粋実践者だったので、やむを得ないのですけどね。
でも、今は「おべんきょ人」になりつつあるわたしが、「先輩のおべんきょ結果」にリスペクトをはらわないでどうするんだと、今あらためて思います。
たしかに、あの論文は扱いにくいんでしょうね。その扱いにくさは、いわゆる「医療化/脱医療化」という文脈とは違う、あるいは「GID/ニューハーフ・オナベ」とも違う、なんというか…。まぁ扱いにくさなんでしょうね。でも、扱いにくさがあるからといって、その存在が無視されちゃいけないとあらためて思いました。そして、読む前からそれをしていた自分を深く恥じ入りました。明らかに、わたし「おべんきょ」の内容は、あの「おべんきょ結果」の流れ先にあります。
ということで、今後は「学校の中のトランスジェンダーをあつかったものに三橋(2002)がある。三橋は、病理化された性同一性障害という概念にとどまらず、ニューハーフ・オナベといった人々も含め、広く性別違和(gender dysphoria)を持つ人々の学校生活の中での困難を、さまざまな文献の中にある当事者の記述にもとづいて明らかにした」のような一文は入れなくちゃと思います。
ま、そのあとに「さらに、当事者へのインタビューに基づいてトランスジェンダーが学校生活の中で持つ困難について論じたものに土肥(2015)がある。土肥はトランスジェンダー生徒の困難は、学校の性別分化がトランスジェンダー生徒にジェンダー葛藤をもたらすことによるとした」みたいなのはちゃっかり入れるんですけどね(笑)。

メールは突然に→電話は突然に

朝、メールチェックをすると、一通の英文のメールが来てました。なになに?なんか「ポスターがなんちゃら」って書いてあるぞ…。
あー、ポスター発表ってか!
えらいこっちゃ。
そういや、5月の中頃に新ネタをやらなきゃならないし…。
あー、6月〆切のゲンコ(;_;)。
とか思っていると電話。「あの、カウンターについて話を…」。それ、専門外やし。ふさわしい人、いっぱいいるし。そう思って「それ、ムリです」って言ったのですが、なんか歯切れが悪い。なんか、わたしに話をさせたいのか?
うーん
引き受けてしまいました。もうアカンやつや…。

英語と格闘

いよいよ明日から本格始動です。今日はそれへ向けた会議の日。なんというか…。例えるなら、ボートレースのスタート直前ですね。アウトをとってる人は、すでに全開です。まぁ、わたしはもちろんインをとってるから、あまりスピードは出しませんが(笑)。
とにかく、長い会議が終わって、しばし休憩中にも英語と格闘です。
ダメダメ先輩から「前にHがしさんが書いた英文を参考にしたら?」というメールが来て、そいつを探すと、なるほど、これは使えます!ってことで、いただきです。でも、「she」は「I」や「we」に変えなきゃならないし、文章も少しいじりたいし。
でもま、とりあえず完成…。だけど、絶対に短いな(;_;)。

しかし、こんなことばっかりやってたら、数学忘れるな(笑)。

「すき間」を探そう

今やらなきゃならないことは「すき間」を探すことです。言い換えると、そこが「すき間」であることを言わなきゃならない。
「すき間」を探すのは、けっこうたいへんな気がします。なにせ、「「ないこと」の証明」ですから、まぁいわば「悪魔の証明」みたいなもんです。でも、実際には不可能ではない。どちらかというと、壁の向こうに柱がない場所を探す感じですか。
「トントン」と叩く。手応えがある。ここは違う。「トントン」と叩く。妙に響く。もしかしたらここ?
そんな感じかな。ただ、壁の向こうの柱なら「ないところ」が多いんだけど、「すき間」は「あるところ」が多いという話。だから、あちこち叩きまくらなきゃしかたがない。そして、叩く場所が多ければ多いほど、「そこに隙間がある」ことがより確実に言える。
だから、たぶんここからはペーパー読みまくりな何ヶ月かがあるんだろな。ついでに言うと「すき間ありませんでしたー(笑)」ってなるかもしれない。
でも、それがおべんきょ(^^)。

ピーンチ!

とりあえず「abu-chan」を提出すべく、サイトにアクセス。ところが…。へ?そんなふうにするの?
わたしはてっきりファイルをアップロードするもんだとばかり思っていたんですが、テキストフィールドにコピペするんですね。それも「目的」「方法」「結果」「結論」にわかれてる。でも、わたしのはそんな構造にしてない。どないすんねん(;_;)。
しかたないから、これの「abu-chan」を流用することにしました。
まぁ、あれやな。通らへんやろな(笑)。

とりあえず完成か?

火曜日から木曜日まで、ずっとバタバタしていたけど、少しずつ前進させていた「あぶちゃん」も、やっと「abu-chan」にするところまで来ました。でも、その最後の作業をどうするか。
結局、いつものK淵さんにお願いです。
「あの店かこの店かその店でごちそうします。が、ペイがよければそれでも」
とメールしたら、
「9時にその店で」
という返事が来ました。さすがや。ビールなんだo(^^)o
てことで、居酒屋でごそごそ「abu-chan」を調整して、ようやく終了。
あとは、Hがしさんに送って、最終調整したらいいかな…。
突貫工事だったけど、しんどかった(;_;)。

わたしにとっての新データ

今月末が「Dead Line」と書いてあるところに原稿を出さなきゃならなくて、いま七転八倒してます。まぁ、アウトラインはできていますが、それを文字化しなくちゃならないのがしんどい。
とりあえず、昨日各種データをくみあわせて、ひとつのグラフをつくって、「なるほど、そういう数値か…*1」と納得していたのですが…。
そんな中、最新のデータを読んでいる時に、ひとつ「えっ!」と思うデータを読み落としてたことに気づいたので、さっそくそれをしらべようとしたのですが、出典が書いてない。なので、出典とおぼしき方に直接メール。こんな時に、アドレス教えてもらっていて助かったと思うわけです。で、そのデータによると、もうオーダーが違うわけです*2
うーん。ま、原因はいろいろあるだろうけど、その原因を追求するのは別の人がやること、あるいは、わたしがやるとしても今回のテーマではない。わたしが今回やらなきゃならないのは、このデータを元にして、なにをどうすればいいと考えるのかを明らかにすることです。
まぁなんしか、基礎データをもらったし、他にも興味深いデータはいろいろあるので、そこから組み立てていくしかないかな。

*1:25歳〜30歳では1:2000

*2:15歳〜20歳で1:50

思考がたりない

夏ごろからこっち、大切だけど、でもそれだけに大きな仕事を入れてしまい、そのために年末までいろんなものごとがストップしていました。年が明けて、ようやく「次」へと向かう時間ができたのですが、そのために必要なペーパーが書けません。
このペーパー、ある程度考えがまとまってないと書けないんです。「AはCなはず。その間を埋めるためにはBが必要で、それをやります」ってペーパーです。でも、たぶんAもCもまとまっていない。いや、漠然とはあるんだけど、すべてがあやふや。なので、いざ文字にしようとするととまってしまう。きっと自分の中でまとまるところまで行ってないんですよね。たぶん、キーワードが見つかっていない。
焦ります。でも、焦るとますます書けなくなる。時間だけが過ぎていきます。マジでヤバいです。

レジュメを切り切り

で、大急ぎで「おべんきょ場所」に向かいます。ほんとうは今日は丸一日おべんきょデーだったのですが、午前だけ失礼させてもらい、午後から参戦です。
今日のテーマは『在日朝鮮人女性による「下位の対抗的な公共圏」の形成』という本です。
これ、おもしろい。高いけど。
この本をみんなで読みながら、担当の人のレジュメに基づいて「あーだこーだ」と言いあうのがおべんきょです。これが楽しい!
みなさん、それぞれの「おべんきょネタ」がありますから、やはりそこに引きつけて本を読まれます。話を聞くにつれ「なるほどなぁ、そういう読み方があるのかぁ」と思います。
にしても、この本、もともとは太平寺夜間中学独立運動と、そこから生み出された「うり・そだん」「さらんばん」というふたつのコミュニティの成立過程と、そこから生み出された「下位の対抗的な公共圏」について論じられた大作です。で、「在日朝鮮人女性」という観点がおもしろい。一世や高齢の二世は、民族的な抑圧よりもジェンダー的な抑圧をより強く受けるんですね。そして、私的領域に追いやられている。こうした人々がいかにして公的領域に進出し、そこで何が起こったのか。そして、「文化=社会的仲介」が公的領域において行われた結果、それが例えば民族の継承にどのように影響を与えたのかみたいな話で、ものすごく興味深い内容です。
これ、例えば「ウトロ農楽隊」に応用すると、あの「場」をすごく興味深く考察できるんじゃないかなって思いました。
あと、あの本にはハルモニと後続世代の在日朝鮮人女性が主役として描かれていますが、おそらくは東大阪の解放運動や教員たちの力はそうとう大きかったんじゃないかなと。やはり、「問題提起」を「運動」にまで発展させるにはそれ相応のものが必要だし、そこには東大阪在日朝鮮人教育運動がそうとうコミットしていたんじゃないかな。そんな背景を少し想像するとおもしろいです。
でもその上で、東大阪にできた「下位の対抗的な公共圏」のすごさと魅力ーーそれは在日朝鮮人女性をしばるジェンダー規範の強さの裏返しでもあるわけですがーーを感じさせる本でした。
あぁ、お腹いっぱいo(^^)o。