某アンケートの答えを考えている時に、ふと思ったこと。
当事者は「情報を受けとる側」と限定されてしまっている気がしました。これ、きっと「患者イメージ」が強いんじゃないかと思うのです。「受診者イメージ*1」だとずいぶんと違う気がするんだけどなぁ。
*1:医療を受ける主体者という感じ?
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なんで↑みたいなことを考えたかというと、「トランスジェンダー生徒交流会」のことを考えたからなんですけどね。一度見に来れば、ヤツらがどれだけおもしろいかわかるんだけどなぁ…。まぁ関西の片隅でやっている小さな活動だからねぇ(笑)。
わたしはこの「土の人と風の人」というのが嫌いなんですよね。その根拠がどこにあるのか、漠然と考えていたんだけど、今日、ふと「これかな」というのを思いつきました。
まぁもともとの出典をよく知らないのでなんとも言えないんですけど、わたしの感覚として、「土の人」=「体を動かす人」という感じ。に対して、「風の人」=「情報を動かす人」という感じがあるのかな。
まぁ「情報」を得るためには体を動かさなきゃならないということはあるだろうけど、「土の人」の動かし方とは根本的に違います。さらに、情報を得るための体の動きが鈍い場合、自分では情報を動かしているつもりかもしれないけれども、その情報そのものが少ないので、ぜんぜん動いていない。となると、そんなものは「風」でもなんでもないわけです。
情報格差みたいなことが言われますが、それ、いろんな意味であるのかなあと思います。
ある側面で言えば、情報が局所に集中するということはあるかもしれない。でも、別の側面で言うならば、「自分の所に情報がある」と思ってしまうがゆえに、情報を知らないということもまたあるのではないかと思うわけです。つまり、自分の所に届いていない情報は「ないこと」になるということかな。そして、動きが鈍くなると、「あるかもしれない」という想像力がなくなってしまう。すると、「ない」と思い込んでしまう。
社会学とかの世界では、1次資料にあたるか2次資料で「よし」とするかみたいなところになるのでしょうか。1次資料を求める人は、ほんとうに体を動かします。でも、2次資料で「よし」とする人はネットと電話でことを済ませてしまいます。
「風の人」の知らないところで、今日も「土の人」はたくさんの「情報」を生み出しているんですよね(笑)。
今年もやってきました、東九条マダン。
にしても、今年はやばすぎです。なにせ、昨日の夜遅くまで雨が降っていました。しかも、今日は冬型が強まって、えらい寒いとか。どうなることやら…。
会場へ向かう路面はフルウェットです。かなり不安です。会場に到着。案の定、グランドはグッチョです。
でも、空はなんとか晴れ。11月3日は「特異日」ですから、なんとかなるでしょう(笑)。
車から荷物を下ろして、しばし「待ち」です。そうこうするうちに、生徒たちが三々五々集まってきます。とりあえず看板づくりからスタートです。やっぱ「生徒交流会」の看板は子どもたちのテイストがないといけません。今年の看板にはキティちゃんが登場しました。
頃合いを見て、炭に点火。いよいよ焼肉屋開店です。
なんしか、肉が売れないと儲からない。儲からないと、交流会の活動資金が出ない。活動資金が出ないと、活動できない。このことを生徒たちも知っていますから、必死です。
でも、この必死さがいいんですよね。「しらけ」とは無縁な必死さが、「仲間」へと変化していくんだと思います。このあいだの交流会で初めて参加してくれた子らも、気がついたら必死で肉を売っています。
なんとなく動きはじめたので、わたしはフラフラと放浪の旅に出ます。
と、知りあいが向こうから歩いてこられます。
「紹介したい人がいるねん」
と隣の女性に合図しておられます。この方のパートナーさん、中国人って聞いていたので、そうかなと思っていたら、突然その女性が言われます。
「同じなんです」
「へ?」
完パスです。キレイ。やっぱ、MtFたるもの、こうじゃなくちゃいけないんだろうなぁ。でもまぁ、わたしは汚れ系だから、それはそれでええことにしましょう。
やがて昼。ここが勝負所です。さすがにわたしも働くことにしますか。肉をムンチェ*1して、炊けたご飯をパックに入れて。注文もガンガン入りはじめます。こうでなくっちゃ!
今年はなんだかそのまま流れていきます。気がつくと、肉が全部売り切れ。珍しいです。
「あまったご飯で焼きおにぎりをつくって売ろ!」
ということで、おにぎりづくり開始です。わたしもちょこっとおにぎりをにぎりましたが、さすがに疲れてきました。
「飽きた…」
とか言って、戦線離脱です。しばしあちこち歩きまわって、知った顔にあいさつあいさつ。
そうこうするうちに3時過ぎ。お店をしながらも片づけ開始です。
今回は遊びに来た上の子どもやパートナーも手伝ってくれるので大助かりです。バタバタ片づけていたら、いつの間にかマダンも終了。
あぁあわただしかった。
それにしても、出店の後ろから見る風景はほんとうにいいです。子どもたちが「マダン」で出会う。このあいだの交流会の顔と、今日がはじまった時の顔、そしてマダンが終わった顔。ぜんぶ違うんですね。こういう姿を見ていると、やっぱりどうしてもやめられない*2。
きっと来年も「しんどいなぁ」とか言いながら、肉を焼いているんでしょうねぇ。
荷物を載せて車を走らせていると、打ちあげに行く生徒たちの楽しそうな姿が見えました。まぁあまりはねたらあかんで…。
わたしの授業のテンションは、だいたい次のような感じです
4月 はりきっているので大丈夫
5月 ゴールデンウィークと中間試験があるので、なんとかもつ
6月 だるいけど夏休みを目指す
7月 期末試験と夏休みでもつ
8月 授業なし
9月 文化祭でごまかす
10月 中間試験でごまかす
11月 疲れがたまってキレやすくなる
12月 11月の反省で優しくなる
1月 半月で中間試験が来るので、なんとかなる
2月 あまり授業がない
3月 ほとんど授業がない
てことで、11月が一番ヤバイ月なんです。まぁ机を蹴ったりひっくり返したりするのは、たいてい11月ですね。
そういう自分のペースがわかっているので、11月の最初には生徒に警告をすることにしています。
「あのな、11月、キレやすいし、あまり刺激するなよな」
で、授業の受け方を再度説明です。
「教卓まわりでわたしがしゃべっている時に君らがしゃべるとキレるもとになるし、それは避けてな」
「あとな、あまり大きな声を出させるの、やめてな。小さな声で授業をしたいねん」
まぁ、今年の子どもたちとはそれなりにテンションがあっているので、なんとかなりそうな気もするのですが、予断を許しませんな。
倒れそうになりながらも、卒業生に家の近くの美容室まで送ってもらって髪の毛をカットしてもらいました。途中寝ちゃいましたよ(笑)。
で、家に帰ってベッドで横になったら、やっぱり爆睡です。
まぁ寝なくちゃ体力は回復しませんよ。
高校生たちの交流会が終わると、続いて「全国在日外国人生徒交流会・卒業生の会」の開始です。こちらはまぁ楽と言えば楽です。わたしは呑みながら「いる」ことが仕事みたいなものでして(笑)。
にしても、今回はみんな出足が遅い!話をしながら待つのですが、全然来ない。思わず既に来ている連中が
「なにしてんねん」
と電話しまくりです。
それでも10時過ぎにはなんとかみんな到着。そこから晩ご飯づくりです。結局みんなで乾杯したのが11時過ぎ。呑みながら今日の議題を話していたのですが…。わたしは当然ダウンです。ふぅ…。
今日は「お座敷」と並行して「京都・在日外国人生徒交流会」をやっています。わたしがいない間に、卒業生にたのでいるんだけど大丈夫かなぁ。今日の作業は「キムチづくり」「タレづくり」で、これはまぁいいとして、初参加の子がいるという話だったのでそちらがちょっと心配です。
会場に到着すると、すでにみんなでわいわいと作業をしています。みんななんだかなじんでいて、誰が初参加なのか、わからない感じです。よかったよかった。
「お腹が減った」とか言う子がいるので、すぐに昼食の買い出しに行きます。せっかくなので、今日は野菜たっぷりの鉄板焼きにしますか。
作業が一通りすんだところで、お昼ご飯を食べながら交流。その後、ちょっと深めの自己紹介。最初に卒業生がきちんと話をしてくれるので、初参加の生徒もそれなりに話をしてくれます。
このあいだ、友達とケンカした。相手の子は最後に「中国人」と言った。その言葉を聞いて、何も返せなかった。
みたいな。卒業生達は、それぞれに自分の考えを返していきます。そういう子どもたちの姿を見ながら、やっぱりこういう「場」が大切なんだなぁと、つくづく思います。
やがて4時。そろそろ終了の時間です。次は3月だな。
今日の午後からに備えて塩漬けした白菜を京都駅南側にある某所に搬入。その後、茨木へと向かいます。到着したのは、コリア国際学園です。今日は中学生高校生を相手に、3時間連続*1の授業をします。
あくまでも授業なので、50分+10分×3コマが基本です。でも「フレックスでもかまわない」とのことだったので、体力が残っている1時間目は10分オーバー。2時間目は50分。3時間目を40分で考えました。
1時間目はいろいろ考えたけど、せっかくだから普段と少し順番を変えて、いままで出会ってきた子どもたちのことを話すところからスタートすることにしました。にしても、みなさんいい生徒さん達ですね。ちょっとやんちゃ気味の子どももいますけど、真剣に聞いて下さいます。リアクションも抑制がききながらもきちんと返ってくるし、ふともらす笑顔がいいです。
2時間目はライフヒストリー→セクシュアリティの基礎あたりを話します。さすがに2時間目の最後のあたりは疲れが見えてきます。休み時間中に「バタッ」としている子どももいます。話をしたのが音楽室だったので、思わず「3時間目の最初はケンガリでも叩こうか」とか雑談をします。
で、3時間目は「性の多様性」→オチです。
質疑応答では、生徒さんも話をしてくれるし、教員も話をしてくれるし、いい感じです。出がけに最後まで手を振ってくれた生徒さんもいたりして、すごくいい気持ちで学園を後にすることができました。
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