出会いをつくる人

今日はトランスジェンダー生徒交流会がらみで保護者の方のランチタイム。
おひとりはお酒が苦手ということで、ランチバイキングのお店に行くことになりました。とは言え、わたしは当然のことながらビール→ワインを注文するわけです(笑)。
ま、それはいいとして。
もちろんトランスの保護者にもいろいろおられるとは思うのですが、なんか、みなさんすごいなぁと思いました。
自分の子どもが「まさかトランス?!」みたいな、たぶんすごいショックなんでしょうね。で、拒否と受容の間を大きく振れながら日々を送られます。いや、あるいは「拒絶≒無視」かもしれない。ある時は証拠探しのために子どもの過去を振り返りながら「徴」を探したりする。なんか、そんなのをくぐり抜けて到達した場所で発せられる言葉にはすごい重みがあります。それは、当事者本人には到達できない地平なのかもしれません。
「あの子が今日の出会いをくれた」
「あの子がいなければわたしはもっと狭い世界で生きていた」
「あの子がわたしの世界を広げてくれた」
すごいなぁ。
うん。親にこんな思いを抱かせる子どもにぜひ会いたいなぁo(^^)o。

伝書鳩の会

朝、やはりしんどいものはしんどいです。ま、今日のスケジュールは10時からなんでのんびりしましょう。
で、ギリギリまで部屋で粘って、野口ふれあい交流センターへ。いやぁ、2年前だったかに全外教の大会で来て以来、また来るとは思いませんでした(笑)。
今日は大分でしみじみと開催されている当事者交流会である「伝書鳩の会」です。会長はめったと来ない人ですが、実際仕切ってるのはSちゃんとM野さんなんで、それはそれでちゃんと活動できているみたいです。
それにしても体調が悪いのでモーニングチューハイなんかは飲まずに参加したのですが、えらい驚かれてしまいました。って、なぁ^^;;。
しかし、伝書鳩の会、玖伊屋に負けず劣らずゆるいです。プログラムは自己紹介のみ。あとはてきとうにしゃべれと。まぁ、実際それでいいと思いますけどね。よほどの必要がなければプログラムなんてなくていいと思います。実際、みんなそれぞれ必要な人と話をしていますから(^^)。
さて、わたしはというと、たったひとりヒールを買い出しに行って、おべんと食べながらビーフを飲んでました。そのおかげで、後半は体調がいいものの、ほろ酔い気分でメチャクチャやってたみたいです(笑)。でもまぁ、それも許されるかな^^;;。

で、交流会〜玖伊屋

ひと通り終わったところで、わかばに移動。実はマダンセンターで交流会をしようかと思ったけど、やはりめんどくさいので、日本一おいしいすじ肉を食べてもらおうかと。
ここで、K野さんが語る!そうですよねぇ。

で、8時前にマダンセンターに移動。ここからは玖伊屋です。なんか、シームレスです^^;;。
今日のメニューはガンボーと冷やし汁的なものにしようかと。とはいえ、つくる気はまったくありません。指示だけ出して、あとはダラダラ…。いや、かなり身体が疲れてます。
とにかく、ウォッカのジュース割を呑んで、疲れたところでベッドに寝転んで、K田さん→Iずみちゃんに激痛マッサージをしてもらって「ぐわー」とか言っているうちに寝てしまいました。

カミングアウトの壁

最近、考えが深く潜ってしまって、なかなか世間の話題についていけないのですが…。でも、いろいろ考えることはあるのです。
例えば「カミングアウト」について。
「カミングアウト」ってなんだろう。単なる告白?それとも、互いの関係を揺るがすもの?
「周囲の人にカミングアウトしたけど、みんな変わらず接してくれた」
とか
「周囲の人にカミングアウトしたけど、みんな受け入れてくれた」
みたいな話を聞くことがあります。
「ほんとかなぁ」と思う一方、そんな人には悪いけど「そういう周囲なんだろなぁ」とも思うのです。
ひとりの人間の性別が変わるってことは、その人を取り巻く人間関係が変化するってことだと思います。その影響って、そんなに小さくはないんじゃないかと思うのです。つまり、必然的に「変化」せざるを得ない。あるいは、受け入れにものすごく時間がかからざるを得ない。にもかかわらず「変わらず」とか「受け入れ」ってどういうことなんだろう。
まぁ、例えば10歳の周囲との関係と30歳の周囲との関係は厚みが違うにもかかわらず、それを同レベルで考えてるのかなぁ。
それとも…。
あの「カミングアウト」のくだり、時代とともに変化してきてるんじゃないかなぁ。だって、周囲との関係が希薄であればあるほど「受け入れ」は容易だと思うんですよね。
それとも…。
あ…。
もしかしたら「カミングアウトの成功」のテンプレが「変わらず接してくれた」なのかなぁ。うーん。

まぁなんしか、どうやら「カミングアウトの壁」は、すごく低くなってきているような感覚はあります。その低さは、社会の理解が進んだ結果なのか、人間関係が希薄になってきたことのあらわれなのか。

幸、多からんことを!

今日はトランスジェンダー生徒交流会です。今回もあちこちからアクセスがあったので、どうなるのか、わくわくものです。
集合場所に行くと、なにやらいっぱいいます。これはえらいこっちゃなと。てか、誰が当事者なのか、ほんとうにわからなくなってきてます。初参加の人は、かなり緊張気味です。が、これまた当事者なのかなんなのか(笑)。
とりあえず、みんなでハンバーグづくり。これは今回最年少参加者のリクエストです。が、来られなかったのは残念。ま、最年少参加者さん、ほんまにおちびさんだから、しゃーないです。
みんなでつくったハンバーグをみんなで食べて、そのごみんなで「だるまさんがころんだ」をやりにお外へ。あ、わたしも誘われましたが、「いつきさんがころんだ」になったらシャレにならんので、わたしは会場の中でワインを飲んでました(笑)。
その後、話しあい。
今回はMTFFTMでわけてみました。もちろん、どちらでもない人はどこでも自由参加です。ちなみに、小学生は「MTFってどういうこと?」と真剣に聞いてくるのがメッチャおもしろいです。でもま、そりゃそうだろな。
で、集まった時点で「しまった!」と。MTFはほとんどが小学生です(笑)。こんなん、どないやって話しあいをせいと(笑)。
と、ここでK子ちゃんが才能を開花させました!ひとりひとりをひざの上に抱っこして、いろんな質問をしていきます。みんな、真剣な眼差してその答えを聞きます。
「次、あんた、こっちおいで」
とK子ちゃんが呼ぶと、素直にひざの上にあがります。
なんか、そんな風景を見ているうちに、涙が出てきました。きっと、こんな風景を見たいからいままで交流会をしてきたんだろうな。
交流会に初参加の子は、きっと同じ思いをしている子と出会うのははじめてなんですよね。そんな子にとって、もしかしたらこの出会いはしんどいことかもしれない。でも、そのしんどさの先に、きっと「いい出会いだったな」って思える日がくるはずです。
そんな時まで、まだまだこの交流会は続けなきゃならんなぁ…。

調査結果が出た

今年1月に通知が出された調査の結果が出たらしいです。便利な世の中なもんで、いちいち新聞読まなくても記事は読めるし、さっそくあちこちでさまざまな論評がされているので、いまさら書くこともないなぁと(笑)。
なので、論評ではなく感想かな…。
まずは「ありがたい」ですね。
一定の数字が出ることは、なんだかんだいってもありがたいです。
で、なにが「なんだかんだいっても」かっていうと…。まぁ、なんだかんだですわ。
とりあえず、把握した限りで全国で606人。てことは、うちの交流会にはその数パーセントが来てる。もっとも、これがまた数値としては出ないんですよね(笑)。だって、来てることを学校が把握してなかったら、それはデータとしてはあがらない。
ま、そんな限界を抱えた調査ではあるけど、やはりありがたいです。

あー
でも、ここからいろんな動きが出てくるんだろうなぁ。うちみたいな手弁当のちっちゃなグループなんて、ブルドーザーみたいな力で押しつぶされるんだろうなぁ。あるいは宣伝上手な人たちが「他に類のない活動」とかやるんだろうなぁ。
でもまぁ、来た人間にはわかります。情けない飲んだくれがやる情けないグループにも、ちょっとはいいことがあるってこと。そして「ちょっとはいいこと」くらいでちょうどいいってこと。

自分探しは「まんまる」で。

今日は「まんまるの会」です。ちなみに、会場の「まんまる」が移転した関係で、使い勝手とかいろいろ変わっている可能性があります。でも、とにかく行かなきゃわかりません。
「まんまる」に着くと…。お店がえらい繁盛しています。よかったのはよかったんですが、「会」がはじめられんな^^;;。ま、ええか。
てことで、2階の会議室みたいなところで今回の第一部をやることになりました。
今回のお題は…。「雨にまつわる思い出」にしようかと思ったのですが、自分でもネタが思いつかないので断念。「まんまる」の移転もあったことで「引っ越しにまつわる思い出」ってことにしました。
みなさん、けっこう引っ越しをしておられるんですね。特にトランスにとっての引っ越しは、いろんな意味を含むのかもしれないと思いました。
例えば、引っ越しを機会に、周囲の環境を変えて、少しずつ性別を移行していく。あるいは、過去の関係を断ち切るために引っ越しをして、トランスの一歩を踏み出す。みんな、最初はお金がないので、はっきり言って苦労話です。「家賃は二万円で」「トイレ・炊事場・お風呂は共同で」。みんな、そんな状態でどうやってトランスするねんというような環境で、それでも少しずつトランスをしていくんですよね。
「引っ越しのことを思い出したら、トランスはじめた時のことを思い出したよ」
なーんて話も出てくる。なるほどなぁ。ライフヒストリーを語ることは、自分史を再編成することなんだなぁ。逆に言うならそうやって自分史の再編成ができるところまでライフヒストリーを語れる。そんな人たちが集まってるんだなぁ。

で、第2部突入。
ここで、最近受診された方からの悩み相談(笑)からスタートした「診察室あるある」です。
「診察時間が短い!」
そんなこと思ったこともなかったので
「何分くらい?」
って聞くと
「5分」「いや、3分」
な、なんで…?あたしゃ、短くても15分は遊んでますよ。下手すりゃ1時間くらい…。あ、診察はしてないな(笑)。
「先生、なんにも言ってくれないんです」
「あー、あの先生、厳しいからなぁ」
みんな深くうなづいています。たしかに厳しいです。
基本的に、トランスなんて、自分がやりたいことがあってそれを実現するために扉を開けていくものだと思っています。で、扉を開けるのは他でもない自分以外にはいない。なので、「開けたい」という意志を自分が持ってない限り、誰も何もできない。
「なんか、話題を持って行ったら?」
「話題、特にないんです」
うーん…。慎重であるなら、それはそれでいいんですけど、「やりたいことがない」なら、そもそもジェンダークリニックに行く必要はないと思うんですよね。「ジェンダークリニックは自分探しの場所ではない」って話もあるわけで…。
でもま、そういう話をしながらも、「集まり方は緩く」がまんまるの会です。まぁ、自分探しは「まんまるの会」で(笑)。

先達から学ぶ

で、今日、昼食を約束している「先達」のおうちへ。
なんか、Macだらけの部屋で、世界と日本のトランス業界の話とか、それぞれの生き方とか、考えとかを交流。とても刺激的な時間を過ごさせていただいたのですが、5時をまわったあたりでそろそろパワー切れです。
あかん。もう帰ろう。
家に帰ったら、お風呂入って、倒れてしまいました。ま、そりゃそうだわな^^;;。

なじみの世界〜半年ぶりの検査

えーと。2ヶ月に一回処方してもらってる「ヤク」が先週切れました。実は「ヤク切れ」はヤバイんですよね。まぁ、トランスなんて行為は、しょせんは「バランスを崩す行為」なんで、メンタル面なり身体面なりにいろいろ歪がくるわけです。その歪と折り合いをつけながらうまく手なづけた先に、ちょっとはマシな世界が広がるわけで。
てことで、行きつけのお医者さんに半年ぶりに行きました。って、メッチャ混んでますやん!これは1時間半待ちか?はたまた2時間待ちか?
でも、ヤクをゲットせにゃならんので、おとなしく待合室に座りました。さてと、どうしよう。
まずは、今日一日忙しくてネットに触ってなかったので、中毒症状を緩和緩和(笑)。
落ち着いたところで取り出したのが「セックス・チェンジズ」です(笑)。「今ごろか(笑)?」って笑われそうなんですけど、今ごろなんです。もちろん「読みたい」と思って買っていたわけですが、なかなか必然がないと読まない人間なんですよね。
ちなみに、昨日あたりまで読んでいたのが「ゲイ・スタディーズ」です。もう、さらに「今ごろか(笑)?」な本です。
で、読んでいたのですが…。なんでしょうかねぇ。体から湧き上がってくる「懐かしさ」。
「ゲイ・スタディーズ」読みながら感じていたのは「アウェイ感」でした。「自分の力になる言説はここにはない」でした。もちろんそれは当たり前です。「ゲイにとって力になる」本ですから。ただ、「そこから学びたい」と思うのですが、どうしても応用ができないところに突き当たってしまうんですよね。ものすごく特化されている。それは「ゲイ」にとってはとても大切だし、「非ゲイ」にとっても、そのアウェイ感こそが大切な問題提起になるわけで、なんら異議をはさむものではない。というよりも「成功している」と言えるわけです。
で、そんなアウェイ感にまみれながら、「セックス・チェンジズ」をパラパラとめくりはじめたのですが…。そこここに「見知った世界」が散りばめられています。もちろん、書かれた時代は少し前ですから、記述として古さを感じる場面があることは否めません。でもそれは、それだけ社会が変わってきた、というよりも少しではあれ変えてきた証左でもあるわけです。そして、その変化のまだ先を行くパトリック・カリフィアの記述に「愛おしさ」すら感じます。
と…。

もしトランスセクシュアリティのすべての痕跡を消し去ることができ、完全に男性として生活できるなら、わたしはそうするだろうか?多くのトランスセクシュアルがイエスと即答することをわたしは知っている。しかしわたしは、この<大いなるジェンダー分割線>にとどまり、苦くはあるが貴重な何かを見続ける。この眺めは、危険なほどの高みからではあるが、心躍る愉快なものだ。共感とは、常に孤独から生まれるものだ。

「誰が先に言った」とかは、なしです。
わたしはわたしなりの生き方や出会いの中で、暫定的ではあれ、ようやくたどり着いたところに、ちゃんと人がいた。そのことの喜びは、なににも例えられないものです。
やっと、自分がなじんできた世界と出会えた。そんな感じがしました。
あと何日かかるかわからないけど、とりあえず読みすすめることにしましょう。

で、半年ぶりの骨密度。

測定日 数値(g/cm2) 同年代女性(%) 若年女性(%) 同年代男性(%) 若年男性(%)
2011.4/1       36.6  
2012.5.11   120 112 98 95
2012.11.22 0.737     97 95
2013.4.1 0.749 125 116    
2013.11.11 0.718 120 115    
2014.5.26 0.752 127 116    

「あがってますねぇ」
「へ?」
受付の人からも
「なかなかあがらないですよ。よくて平行線ですよ」
といわれちゃいました。
よくわかりませんが、治療の成果が出たわけで、よかったよかった(^^)。
とりあえず、あと2年半、ヤクを飲み続けると。