ボーとした一日→前を向く

今日から平常営業です。でもなんか、身体というか頭というか、そんなのがうまくマシンクロしてる感じがしません。まぁしかたないです。正月はずっとふとんに潜って原稿書いてましたからね。
てことで、出勤。
なにやら、昨日のうちに人権学習で少し動きをつくってくれたみたいで、それにともなってちょっとだけやりとり。みんな「ひとりでやる」のがイヤなのかなぁ。わたしとか、生まれてはじめて担任やって、生まれてはじめての同和学習の時、同和部に行って「なにをやったらいいですか?」って聞いたら
「自分を語れ」
って言われて、2時間話をしたけどなぁ。
昼にひとつ発見。
そうか、wordpressって、テーマのディレクトリにアクセスできなかったらそうなるんだ。てか、なんでそこだけアクセスできないかなぁ(笑)。
午後は一発授業。子どもたち、なんかダレてます。
その次の授業は「走り」があったので、わたしも参加。1ヶ月ぶりです。走り終えると身体が痛い。でも、これもまた「走りはじめた」証拠です。
そんなふうにして1日が終わったのですが…。
ずっとローテンションな理由がなんとなくわかってきました。
「おたふく閉店」という現実がまだ受けとめきれてないんですね。そりゃそうです。はじめて行ったのは12年前。てことは、12年間通ったんですよね。それまで、いろんなところに行くのを楽しんでたけど、おたふくと出会ってからは根がはえちゃった。そこが突然なくなるわけですから、喪失感はハンパないです。
でも、2週間後にはその現実を受けとめなきゃなりません。この間、ずっとどうするか考えてました。でも、今日、なんとなく「あそこに行こう」という気持ちになりました。
はたしてあのお店、わたしを受けとめてくれるかな。新しく「ここに来よう」って思わせてくれるかな。ドキドキするけど、でも、ワクワクもします。というか、はじめて「おたふく」に行った時、今みたいになると思わなかった。だから、あの店も気がついたらそうなっていたってなったらうれしいな。もちろんダメならダメでいい。またお店を探すだけです。
もっとも、12年通ったら…。いくつになってるねん(笑)。

終わってからは一歩&こんちゃんのおうちへ。今日は洋食パーリーです。なので、「お好み」エントリの特別編です。
テーブルの上に並んだものを見ただけでよだれが出ますo(^^)o

いよいよ焼きはじめます。これは反則です。ネギうまそー。こんにゃくもちゃんと味つけしてあります。手が込んでます。そしてなにより、油カス!切りがデカイ!

焼けるのを待ちながら、今日の話の感想なんかを聞かせてもらいました。
なんか、こんちゃんさんとわたし、保育と高校なのでぜんぜん違うんだけど、テイストが同じらしいです。それをひとことで言うなら「子どもを信じる」かな。「やる」と信じる。「できる」と信じる。「やらなくなる」と信じる。「信じてくれる」と信じる。信じることを引き受ける。でも、はじめからそうじゃなかったなぁと、今日の話を振り返って思います。わたしが少しずつ子どもを信じていく過程が、子どもたちの姿を通して伝わってきます。
そんなことを考えていると、焼き上がりました。

しょうゆをひとまわしして、一味をふって食べると、メッチャおいしい!ビールにもあうけど、ワインにもあいます。なんでも、一歩くんの出身地では、祭の時にこれを焼くそうな。
なんとなく、あの小さいムラの中で、みんながワイワイしている中で、これが焼かれてるんだなぁ。大人も子どもも一緒になって、「あふっ!」「んまっ」とかやってるんだろうなぁ。そんなことを考えると「そこに生きている人がいる」ってことをしみじみとうれしく感じるのですが、そんなことをしていたら、アカン、帰れなくなるわ^^;;

でべそ@南王子村

和泉市で午前にお座敷と言えば、昼ごはんはお好みでしょう。というか、市役所のあたりでそれらしきところを見ていたのですが、「なに考えてるねん」と。「南王子村じゃないか!」と。
てことで、あわてて過去ログを見てみると、かつて「ふみ」に行ったことが判明。そう言えば、あの時「うわ、みんな閉まってる」って思ったんだっけ。ということで、気になってた店に行くことにしました。
お座敷に呼んで下さった方にはもうしわけないけど、最寄りの駅まで送ってもらって、あとは歩きです。歩きが楽しい!
ほどなく、前に気になってたお店に到着。にしても、我ながらよく覚えてます。6年前ですよ(笑)。まぁ、人の名前は覚えられないけど、お好み屋さんの場所は覚えられるってことです。

お店に入ると、すでに地元のおじさまがふたりおられます。
「カスのお好みありますか?」
「あー、ないなぁ。カスになる前のやったらあるけどなぁ。ホルモンやけど」
「あー、あのトンなんとか…」
「トンチャンやな。ここらへんはみんなそれやわ」
ということで、トンチャンのお好みをお願いしました。
とりい出したるは白い宝石です。これを鉄板で軽く炒めます。

そして、生地に投入。練り込みです。

あとは、フタをしながらひっくり返していきます。あまりにも美しい焼き目です。

最後は、驚いたことに、マヨネーズと練がらしとケチャップをトッピングします。

最後にソースをからめて、マーブル的な表面になりました。

混ぜ込まれたトンチャンはこんな感じ。

あくまでも柔らかくジューシーです。が、あまり脂こくないです。やはり、あらかじめ軽く炒めてるのがいいんでしょうね。
生地はふかふかです。おいしい!
それにしても、お店の中の話もディープです。おじさまから、まずは軽くジャブが飛んできました。
「こごり、知ってるか?」
「知ってますよ(^^)」
「ほな、馬の肉、さいぼし知ってるか?」
「知ってますよ(^^)」
「なんや、勉強してんのか?」
「いや、むかし、京都のムラに15年住んでましてん」
ここで右フックが来ました。
「おれ、京都、キライやねん」
まぁそれはそうでしょう(笑)。
「あんた、よう知ってるな。学生さんか?」
ここでクロスカウンターです。
「もう50過ぎですねん」
と、さかさず左ストレートが飛んできました。
「兄ちゃんやろ」「いや、姉ちゃんや」
「わたし、女ですよ」
かろうじて逃げ切りました(笑)。
そのあとは、おじさまふたりとお店のお母ちゃんで、昔話。
「あそこの角っこ、お好み焼き屋やったな」
「あー、洋食言うてたわ。べた焼きやな」
「あそこにあったし、○○ちゃんの家もやってたしな」
なんか話を聞いてると、そこいら中にお好み焼き屋さんがあったみたいです。でもまぁそうなんでしょうね。粉と鉄板があればできるのが「洋食」です。ここらの人は、それを食べて大きくなったんだろうから、やっぱり関西のムラのソウルフードです。
「前に来た時は、ここ閉まってたんで「ふみ」に行きました」
「「ふみ」な、ここの下のところにある。あそこ、閉めはったわ。もう、2〜3年前かなぁ」
そうなんだ…。
さてと帰ろう。
「いくらですか?」
「んー、1080円やけど、1000円でええわ」
すごいわ、いろいろo(^^)o

てことで、恒例のdata

とん玉 580円
ビール キリン一番搾り中瓶500円
スタイル 練り込み系
その他 サイドメニューは豊富です。壁には「こごり350円」とありました。あと「トンチャン炒め」も気になるところです。あと、焼きそば入りのお好みは「モダン」で、焼きうどんだと「ハイカラ」らしいです。この店、虎ファンです。なんでも、チューハイは「掛布チューハイ」らしいです。懐かしすぎます。とにかく地元の人のサロンですね。そして地元の人はとてもフレンドリーです。
独断的評価 ★★★★★(トンチャンは、たぶん奈良の「チヂ」ですね。食感が不思議です。油かすとはまた違いますがジューシーです。あと、このあたりはマヨネーズ入りがデフォルトのようです)

さらに詳細なリンクも更新しましょう。

みなみ@高木

この「お好み」エントリは、「ムラ中カス入りお好みを食べる」というのが基本的なスタンスです。たた、これ、必然的に「ある場所」と「ない場所」が出てくるわけで、それをたどっていくと、「カス入りお好み文化」がどのあたりに分布しているかわかってくるわけです。
現在、北限はおたふく@蓮台野(京都市)で、南限が亮@芦原(和歌山市)、そして東限がうきなみ@八幡(伊賀上野市)であることが確認されています。特に、南限と東限については、それぞれその先にある新宮や徳島、そして松阪で食べられている「カス」は「油カス」ではなく「炒りカス」であることからも、たぶんこのあたりが境界線なんじゃないかと推測できます。ちなみに、なぜ「徳島が和歌山市の先か?」というと、かつて徳島には和歌山から船で行くルートがメインだったからです。
問題は西です。こまつ@津山市にはホルモン文化はあるものの炒りカスではありませんでした。また、かっちゃん@米堕(加古川市)では油カスの使い方をご存知なくて、出されたものはスジの炒ったものでした。とにかく西限を調べたいというのが、わたしの目下の関心事です。
そんなわたしですから、ムラ中に「お好み焼き」と書いた提灯と暖簾がさがっていたら反応して当たり前です。このあと懇親会はあるのですが、とりあえず食べたい!

てことで突撃です。でも、4時だからやってるだろうか…。
「かまいませんか?」
とドアを開けると、地元のおばあさまがすでにおられてビールを飲んでおられます。
「ええよ」
の声に誘われてお店の中へ。
「すんません。カスのお好み、おやつなんで、2枚だけなんですけど、いいですか?」
「はいよ、2枚ね」
と快く焼いてもらえました。
と、突然粉からタネをつくられます。あれ?と思ったら、すでに冷蔵庫の中に入っているものだけでは足りないからみたいです。ちなみに、粉は「日清のお好み焼き粉」でした(笑)。が、そこにたっぷりのとろろを投入。さらにダシも入れておられます。もちろん「混ぜ系」です。これはフカフカになりそうです。
鉄板の上に置かれた一人前が大きい!そこへカスがトッピングされます。

すばらしいo(^^)o!
片面焼き上がったところでひっくり返すと、美しい!

そして、再度ひっくり返すと、カスがしっかり残っています。

テーブルに提供するときは鉄板に乗せて出されます。

ひとくち食べると、たしかにフカフカです。そりゃお好み焼き粉にあれだけトロロを入れたらそうなりますわな。油カスは少し固めです。でも、ダシは残っています。たぶんあんまり油っぽくならないように仕上げてるのかな。
それにしても、気になっているものがあります。
「すんません、「こんごり」ひとつ」
アキレスの「こごり」です。けっこう薄味でおいしいです。口の中でコラーゲンがほろりと溶けます。と、おかあさんが
「これも食べ、サービスや」
マジッすか!出てきたのは焼きレバーです。これが分厚くておいしい。臭みもほとんどありません。
「このへんに屠場はありますの?」
「川の向こうにあるわ」
なるほど、新鮮なホルモンが手に入るわけです。でも、油カスだけは大阪から入手しておられるとか。
「ところで、ソースは何を使ってはりますの?」
「おたふくとな、あとはブレンドや。おたふくだけやと甘いからな」
そりゃそうです。
にしても、にぎわいこそ違うけど、たぶんこの店、「おたふく的」なんだろな。ここにチョコチョコ来るようになったら、もっぱらサイドメニューや裏メニューでビール飲むことになりそう、そんなお店です。

てことで、恒例のdata

カス卵 800円
ビール スーパードライ大瓶?円
スタイル 混ぜ系
その他 とにかくサイドメニューが魅力的です。たぶん、冷蔵庫の中にいろんなもんが入ってそうです。そして、お客さんのおばあさまがまたいい。ほんとにいかにも「ムラ中のお好み焼き屋さん」です。夕方に来たらおもしろいだろうなと思います。
独断的評価 ★★★★☆(生地の食感はものすごく好みなんですけど、お好み焼き粉を使ってるのが「うーん」です。あと、油カスはもう少し柔らかめがうれしいな。でも、あの生地のフカフカ感だとこっちなんだろうか…。10段階評価だと9ですけど、5段階にしたら4になっちゃったという感じです)

さらに詳細なリンクも更新しましょう。

りんご(再訪)@安堵町

10月のお座敷で「りんごネタ」でもりあがり、気がつくと「また行きたい!」ってことになっていました。だって、りんごのほんとうの味はソースではなくしょうゆっていうことでしたから、それはしかたがないでしょう。さらに、とってもおいしいデザートまであると聞いたら、行かないわけにはいきません。
ということで、今日の昼ごはんは「りんご」にて。いや、「りんご」、昼間しかやってないんですよね。で、駅でT岡さんと合流。一路「りんご」へ。お店が近づくと、なんか懐かしい感じがします。2度目なのにね。で、お店の中へ。すると、すでに予約をしてもらっていたみたいで、焼きはじめてもらっていました。今回のメニューは…。なんだろ…。全部乗せみたいな。具材は、「天ぷら」「コンニャク」「げそ」「テッチャン」「油かす」そして、この店ならではヘッドです。全部乗せたらこんな感じ。

かなりボリューミーです。でも、おいしいに決まってます。ちなみに、玉子は焼いてもいいけど、通は生卵乗せで食べておられるようです。まぁ、いうなれば、おたふくの「かっくんスペシャル」みたいなものですね。

で、今回は念願のしょうゆで食べることにしました。ちなみに、ここのしょうゆは、どうもブレンドしておられるみたいです。少し甘めなんですが、これがなんとも。なんでも、焼き餅につけると最高においしいらしいです。
さてと。お味のほどは…。
うまいわ。これ、うまいわ。かなり高カロリーなのはわかっているのですが、おいしい。
と、「焼きそばと焼きうどん」というオーダーが入りました。焼きそばは塩こしょう。焼きうどんは、やはりしょうゆです。これがまたおいしい。
と、「これ、ちょっと食べ」。いや、他のお客さんの焼きめしをもらっていいんですか?いいんですか?どうやらいいらしいです。ここの焼きめしの味の決め手はもちろんヘッドです。なにせ、ヘッドは自家製。ということは、油かすも自家製です。そりゃおいしいわけです。でも、ヘッドはあくまでも味の決め手みたいです。お姉さん*1曰く「お米をつぶさへんねん」。なるほど、コテを縦に使って切るようにしてさばいておられます。「ムラができてると思う。でもな、ええねん。ベシャッとさせたらあかんねん」。なるほど。キャベセンがいっぱい入っているのに、ふんわりしています。これはすごいわ。
そして出てきました。デザート。

生地に水を混ぜて、たくわんを入れて、軽くしょうゆで味付けしただけです。それなのに、甘い。
ちなみに、ここの生地は、完全に粉と水だけだとか。これもまた不思議です。
食べてみるとトロトロです。これはおいしい。別腹です。
ということで、1時間のランチタイム。堪能しました。というか、これ、2時間かけたらきっと食べきれません。たっぷりビールも呑んだし、満足です!
帰りに「特製しょうゆ」のおみやげまでもらって、もう、至福です。
でも、「りんご」で夜の宴会してみたいなぁ…。

*1:「おばさん」と言ったら怒られるとの事前情報あり

山崎@東町

こないだ松阪に行った時に、ちょうど昼時だったので、「やはりここは東町の」と思ったのですが、果たしてあるんだろうか…。とりあえず、マップで調べてみると、なんか、あるよ!ならば行かねばなりません。ただ、ムラの範囲がわからないので、その店がムラ中なのか外なのかがわかりません。期待と不安を胸に、その店に向かいました。
さてと、到着。ひと目でムラとわかりました(笑)。で、お店の中に入ったらマダムたちが仲よくランチを楽しんでおられます。友だちが
「みなさん、ご近所の方ですか」
と聞くと
「みーんな近所や」
と笑顔で答えてくださいました。そりゃそうでしょう(笑)。
さてと。オーダータイムです。
い「あの、カスのお好み、ありますか?」
A「天カスか?」
い「いや、油カスです」
B「お肉のカスのことや」
A「あー、うちはお肉のカスはやってへんわ」
実は、松阪にも油カスはあります。が、いわゆる丸カスではなく、徳島の炒りカスに近いものです。好きな人は軽く炒ってしょうゆと一味で食べられます。
B「ほな、ペンペン焼きやな」
A「せやな、あれやったらカスが入ってるわ。天カスやけど」
ということで、ペンペン焼きをオーダーすることになりました。
鉄板に敷かれた生地は、べた焼きへといきそうですが、なにやら広くて少し厚めです。そこにいきなり削り粉と青のりをふんだんにまきます。そして、千切りキャベツをバサリ。「わかばのおかあちゃん」が怒りそうな千切りですが、たぶん「わかば」とは逆に、キャベツの汁がまわることを想定しているみたいです。そしてそこにチクワと天カスと紅しょうがのみじん切りをトッピング。上からたらりと生地をかけると、こんな感じです。

これは「洋食」@非京都って感じですね。ちなみに、京都の「洋食」は「赤と白」です。
これをひっくり返してしばらく焼いて、もう一回ひっくり返して、ソースを塗って、半分に折って、再びソースを塗って完成です。

でかい!
デフォルトでお好みを半分に折るのは、徳島や和歌山と共通しています。
ひとくち食べると、けっこうヘビーです。天カスからしっかりとダシと脂が出てきます。そして、食感がなんともムニムニしておいしい。味つけは…。あれ?ソースじゃない。これ、しょうゆか…!
これはうまいです。
ちなみに、
「切るもん出したるわな」
と出てきたのは、これ。

一般家庭サイズよりも大きなテコです*1
いや、おいしいです。これはパクパク食べられます。でもそのわりに、ちゃんとお腹にきます。これで油カスが入っていればと思いますが、たぶんそれは違うんでしょうね。
それにしても、「油カスのお好み」の最東端がうきなみ@八幡だとこないだ考えたのですが、「ムラ中の粉もん」でいうと、このあたりまで来るのかな?
ますます謎は深まります。だから、楽しいo(^^)o。

てことで、恒例のdata

ペンペン焼き 250円
ビール 400円
スタイル ベタ焼き系
その他 今回頼んだ「ペンペン焼き」はべた焼き系ですが、「お好み焼き」は不明です。もしかしたら、「混ぜ系」かもしれません。それにしても、250円は安い。きっと、かつては親が忙しかったりしてごはんのしたくができないときなんかに「山崎行っとき」とかいっておなかを満たしてたんじゃないかなぁ。ちなみに、豚玉も380円です。とにかく安い。また来てみたいです。というか、油カス持ってきて「これ入れて」とか言ったら、やってくれそうなフレンドリーな店です。
独断的評価 ★★★★★(油カスじゃないので、番外ではあります。が、これはこれでそうとうおいしい!)

さらに詳細なリンクも更新しましょう。

*1:テコかコテかは論議がわかれている

香(かおり)@下之庄

なんか、今週は「お好みエントリ」がハイペースです。
今日は午前午後がダブルヘッダー。間の昼ごはんをどこで食べるかが問題です。なんしか、生駒から大和小泉までの間です。はじめは「まぁてきとうに…」とか思ってましたが、ふと「下之庄があるじゃないか!」ってことに気づきました。
下之庄には、かつて「下之庄歴史研究会」というのがあって、部落史研究では非常に大きな成果を出されています。そこが明らかにしたことのうちのひとつとして、竜田神社のお祭りがあります。
従来はカワタの人々は「ケガレ意識をもとに、祭から排除されてきた」とされてきました。しかし、竜田神社ではカワタの人が来ないことには祭ははじまらない。つまりキヨメとして重要な役割を担っているということ、排除されるどころか主催者であることが明らかにされたんですね。
で、今から10数年前フィールドワークで下之庄に行ったことがあって、その時に聞いた話も衝撃的でした。なにせ、ムラの中に映画館なんかもあって、ものすごく栄えていたということなんです。まぁでも、同じようなことは末広でも言ってたから*1、たぶん「産業が成立しているムラ」は、かつてはそうだったんでしょうね。
で、そんなこんなの歴史を知っている以上、ぜったいにお好みもハンパないだろうなと思っていましたが、前に行ったフィールドワークの時は「仕事」だったので、あまり勝手な行動ができず、お好みを断念していました。なので、今回はその時のリベンジってことです。
大きいムラなので、とりあえずアテをつけないと果てしなくさまよい歩くことになりかねません。幸い、少なくとも2軒あることはわかりました。最初に見つけたのは「いしだ」でした。が、暖簾はかかっているものの「準備中」の札が出ています。じゃあ、もう一軒の店「香」にチャレンジしましょう。
しばらくうろついていると、ありました!店に入るなり、さっそく「カスのお好み、ありますか」「あるよ」「お願いします」と注文です。さてと、どんな感じだろ…。
生地をおいて、上に…。カスをひとつかみです。え?ひとつかみ?少ない店だと「ひとつまみ」なのに、この店は「ひとつかみ」です。生地の上一面にカスが乗ってます。

「この店、何年くらいやってはりますの?」
「30年や。まだまだやわ」
30年ではまだまだ修行中らしいです。ま、そりゃそうか。山辺食堂は57年ですからねぇ。
「どっから来はったんや?」
「京都からです」
「そうか、うちの店、どっかに載ってたか?」
食べログには出てますけど、何も書いてないですよ」
「そうか、でも遠くから来はるで。東京からも来はるし、外人さんが写真撮ってはるわ」
不思議なもんです。お好みをひっくり返してしばらくすると、カスの脂が溶けてパチパチいいはじめます。久しぶりです。
そうこうするうちに焼き上がりました。

生地に埋め込まれたカスの大きいこと多いこと!これはすごいです。
さっそく食べはじめました。生地は表面がパリっとしていて、中はふんわりしています。キャベツの食感がとてもいいです。粗めのみじん切りなので、水分がキャベツの中に残っていてジューシーです。時々あたるネギの香りがいいです。そして油かす。どこを切っても油かすo(^^)o。

しかも「切り」が大きいので、香りがすごいです。
さすがに一枚でお腹いっぱいです。と、気になったので、質問です。
「ソース、どこの使こてはりますの」
NISHIKIソースや」
初耳です。どうやら、奈良の醤油屋さんがつくっているソースのようです。味はそんなに特徴があるわけではないのですが、香りはいいです。たぶん、すごくいいバランスでつくっておられるんでしょうね。
さてと。満足です。午後のお座敷のために出なきゃ…。
「ごちそうさまでした。おいくらですか?」
「550円」
「え…!」
あの量のカスで550円だと、ほとんどカス代じゃん…。

てことで、恒例のdata

カスのお好み焼 550円
ビール キリン・スー○ードライ大瓶600円
スタイル 混ぜ系
その他 とにかく、圧倒的なコストパフォーマンスです。しかも、下之庄にはまだまだお好み屋さんがあるそうな。おそるべしです。
独断的評価 ★★★★★(そらもう、これです。が、カスの量がすごいので、わたし一人で一枚はもったいないです)

さらに詳細なリンクも更新しましょう。

*1:「デパートが2軒ある」とか

大西@渡辺村

「お好み」エントリをはじめた理由のうちのひとつは、この間書いたように、「第二のふるさと」の名店「やのさん」が突然なくなった喪失感でした。が、もうひとつあったのは、ここ「大西」でした。たぶん、ムラ中のお好みを食べはじめた頃、10年くらい前に食べて、「もっかい食べたいな」と思って再訪した時のことだと思います。その日、やはり「大西」のシャッターが閉まっていて、すごくショックを受けて、本格的に「お好みエントリ」をつくった記憶があります。
ところがその後、あまり渡辺村に行かなくなってしまい、「大西」のことも少し忘れかけていたのですが、何かの折に「やめてない」ってことがわかって、「これは行かねば!」とずっと思っていました。ちなみに、おとついつまんだお好み焼き屋さんはすぐ近くにあるヒロでした。で、なぜヒロに行ったかというと、ちょうどお母ちゃんがお店を閉める時だったからです。、ちなみに、「大西」の閉店時間は4時。メッチャ早じまいなことがこないだわかって…。ということは、こんな時にしか食べられないってことです。

お店に入って「カスのお好みありますか?」と聞くと「今日、なくなってしもたわ。今日はみんなカスやったんや」とのことでした。で「スジでいくか?」と言われたので、ここは素直にスジにしました。

渡辺村のお好みの特徴は、全体的に小さめってところです。なるほど、スジの炊いたんが入っています。ちなみに、生地を混ぜておられるところを見たら、山芋を入れておられるみたいですね。
ひっくり返すと、きれいに焼けています。

お店の向かい側は広大な空き地です。
「ここ、もとは団地ですか?」
「そうや」
「また新しく建てはるんかなぁ」
「いや、ほったらかしやろ。たぶん市が業者かなんかに売って建売でもできるんとちがうか」
こないだのヒロでもお風呂がなくなったことについて話しておられましたが、ムラの人が市への何とも言えない気持ちを持っておられることがわかります。
「今日はリバティか?」
「いや、太鼓の出演交渉で支部に来ましてん」
「そうか」
さりげなくも、妙に濃いぃ会話です(笑)。
やがてできると、デフォでマヨネーズがかかりました。

てことは、上からソースを落としてマーブルにせねばなりませんな(笑)。

スジはほどよくホロホロで臭みはまったくありません。生地は…。記憶にあるほど特徴的な感じではないですねぇ。おかしいな…。でも、とても食べやすいのは、やはり渡辺村のお好みの特徴ですね。パクパク食べていると、あっという間になくなる感じです。そういう意味では、マヨネーズがデフォってのはなんとなくうなずけます。ただ、具がスジなので、これがカスだともう少し変わるんでしょうね。
食べ終わったところで「ソースは菱梅ですか?」とたずねると、満面の笑顔で「そうや!菱梅や!でも、いろいろ混ぜてるけどな」と、これまた定番のお答えです。

てことで、恒例のdata

スジお好み焼 500円
ビール スー○ードライ大瓶530円
スタイル 混ぜ系
その他 お好み焼きの種類は豊富です。たぶん、お店にあるものであれば適当につくってくれる気もします。味的には充分においしいのですが、やはり「お好みエントリ」の他店と比較すると、ひとつパンチがたりないかなぁ。でも、たぶん、ほんとにベーシックというかオーソドックスというかリファレンスというか、そんなお好み焼きです。終了時間が早いので注意が必要です。
独断的評価 ★★★★☆(やはり「これ」というものがないのが…。でも、近くにあったら、結局通う気がしますね。)

さらに詳細なリンクも更新しましょう。

やまだ@南松原

今日は日曜日だけど、文化祭のからみで昼前に出勤です。なんか、放送部の連中が「幕があかない」とか言ってるので修理してみたり。にしても、動きを見て、考えて、原因、わからんか?

てことで、いろいろ修理も終わったところで、さて昼ごはんをどこにするか。そういえば「猪ラーメン」の店があったなと車を走らせているうちに、「ここまで来たんだから、第二のふるさとのお好みにチャレンジしてみよう」と。
第二のふるさとのお好みは、わたしにとってのソウルフードです。はじめて「カスのお好み」を食べたのはここでした。当時、誰もが認める「やのさん」というお店がスタートでした。練り込みなのに白っぽくてぺったりしていて、でも、口に入れるとふんわり。で、少し脂っこいんです。何とも言えない不思議な食感は忘れられません。「やのさん」のもうひとつの名物は鍋焼きうどんでした。真夏にカレー鍋焼きうどんを頼んで一味をたっぷり入れるのが正しい食べ方です。ちなみにビールはおいてませんが、向かいが酒屋で、わたしがここに住みはじめてからヱビスを置くようになったので(笑)安心して買いに行けました。
このブログの「お好みエントリ」をつくろうと思ったのは、この「やのさん」の突然の閉店がきっかけでした。あの時のショックたるや…。あの味は永遠に食べられないけど、せめて画像とレポートだけでも残したかった。そう思ってはじめたエントリでした。
ちなみに、第二のふるさとにはお好み焼き屋さんは現在3軒あるらしいことはわかっています。が、一軒はいつもシャッターが閉まっていて、もう一軒は冬にならないと鉄板に火を入れません。もう一軒は、もともと住んでいたところの至近距離にある店で、わたしが住んでいた頃はおじいさんが食料品店をやっていました。てことで、シャッターの店からチャレンジ。閉まってました。てことは、「やまだ」が開いてなければ、今回もチャレンジ失敗てことになります。どうだろ…。
開いてた!
とにかくカスのお好みです。

カスはゴロゴロという感じ。
焼いてもらいながら「昔、このあたりに住んでたんですよ」って言ったら「あー、せんせいやなぁ」と覚えてくださっていました。ま、ほんまにご近所やから当たり前かもしれませんが、やっぱりうれしいです。
お店の人はひとりだけですが、焼きを担当するのはお店の人の友だちらしき人です。この人は隣のムラの人らしく、わたしのことも「知らんな」と言っておられました。そりゃそうだ(笑)。ちなみに、この人たぶん従業員ではありません。入ってこられた時のお店の人との会話は
「ひさιぶりやな*1
「せやな、ひーふーみー、5日ぶりやわ」
思わず心のなかで「5日で久しぶりかぃ!」とツッコミが入ります。たぶん、遊びに来て、忙しい時は「てったい*2」してるんだと思います。なにせ今日は日曜日。てんぷらの日ですから。
そうこうするうちに蒸らしは終了しました。蒸らしの終わった画像を撮れなかったのは痛恨の極みです。ふんわり蒸しあがった生地の上に透明に輝く油カスのおいしそうなこと!この画像を撮るためだけにもう一回来なくちゃなりません。
で、ひっくり返すといい色です。

ちなみに、油はラードを使っておられます。なんか、いきなり冷蔵庫から牛乳パックを切ったのが出てきたと思ったら、鉄板に塗り塗りされました。それがラードを固めたものだと気がついたのは、それが冷蔵庫に収まってからでした。これもまた撮らせてもらおう。
で、ダラダラと「あの人、知ってるか」話をしていると、焼きあがりました。

まずはひとくち。んまい!
「やのさん」とはまったく違います。もう生地はホットケーキのようにフカフカです。でも、ラードの脂っこさは「やのさん」に通じるところもあります。そう言えば、りんごも激しいラードでした(笑)。
ソースはたぶんツバメですね。てか、ツバメ教えてくれたのが第二のふるさとの人でしたから、ここのムラではツバメがスタンダードです。
「辛ソースいるか?」
「はい」
もちろん澱ソースです。
油カスはあまり多くないけど、味はふんわりと漂ってきます。お店の人「子どもと一緒に樟葉に行ってお好み食べたら子どもが「油カス入ってへん!」って言うてな(笑)」と笑っておられます。さらに続けて「油カス入れるのは特殊なところしかないねん(笑)」って言っておられて、なんか感慨深かったり…。
なんしか、おいしい。たぶんそのおいしさは、ラードをつかっているところにもあるんでしょうね。あっという間に食べ終わりました。
そしたら「コーヒーかコーラか、なんか飲むか?」と聞かれてしまいました。なんかもう。ほんとのほんとにムラ中のお好み焼き屋の、しかも地元民対応です。メッチャうれしい!
そうそう。てんぷら、家族へのおみやげに持って帰ろう。「こんにゃくとたけのことするめ」を頼みました。こんにゃくとたけのこはしっかりと下味がついているのでめっちゃおいしいんですよね。
さてと。帰ろう…。すると「これ、おまけや」と言ってかぼちゃをおまけしてくださいました。

で、お会計。なにやらふたりで話をしておられます。「お好みいくらや?」「500円」。思わず「あの、油カス入れたし」。お店の人、黙って首を横に振られます。これ「ええねん、いらんねん」の意味です。
もう、胸が熱くなりました。
「また来てや」
「はい、来ます!」

てことで、恒例のdata

お好み焼 中500円、大600円
ビール なし
スタイル 混ぜ系
その他 基本、昼間のお好み焼き屋さんです。夜の営業はありません。営業時間は平日14時まで、日曜日は16時まで。お好み焼きの生地にはデフォルトでイカが入っているみたいです。これがいいダシでした。トッピングは油カスとすじが100円で玉子は50円。てんぷらはひとつ80円です。てんぷらは絶品です。
独断的評価 ★★★★★(ほんとにベーシックなお好み焼きです。でも、このベーシックさを出すのが難しい。生地もさることながら、焼き方もありますね。これらが高いレベルで出ています。)

さらに詳細なリンクも更新しましょう。

*1:発音は「ひさっぶりやな」みたいな。

*2:このムラでは「手伝い」は「てったい」という。