今日の午前はオフです。引き続きゲンコと少し向きあいます。その後、昼ごはんのおにぎりをにぎって出発です。今日は「やましろ地域 日朝友好新春のつどい」で放送担当です。
ウトロ平和祈念館にほとんどなんの貢献もできていませんが、それでも副館長の金秀煥さんとは、なんとなく互いに無理を言いあい聞きあう関係な気がします。というか、無理を言っているから、何か頼まれたら快く引き受けなきゃなという気になります。
ということで、ウトロへ。まずは農楽隊の練習です。サクッとおさらいをしたら、そのまま放送セットをするために会場へ。すると、すでに重唱のふたりがリハをはじめてます。と、
「お久しぶりです」
と声をかけられて、よく見ると鄭雅美(アミ)さんです。覚えてもらってたんだ…。
てことで、大急ぎでセット開始。なんか大がかり感があふれています。まぁ、ワイヤレス4本とCDを流すので、けっこうな機材が必要になったりするわけです。
やがて本日の講師の安田菜津紀さんが登場。「音響担当です」とあいさつをするなど。
しかし、舞踊部のリハもあるし焦ります。焦ってたら、預かったCDがどこかに行ってしまって、ますます焦ります。結局、上着の内ポケットに挟まってました。てことで、なんとか1回だけリハができました。
やがて開会です。
まずは農楽隊。やはりみんなで叩くのは楽しいです。思わず笑顔になります。それにしても、オモニたち、どんどんうまくなってます。そうとう練習しておられるようですから、当たり前といえば当たり前です。しかし、その向上心に頭が下がります。
しかし、あの時の願いがほんとうに現実になったんですよね。
その後、舞踊とか重唱とか吹奏楽。みんなうまい。うちのガッコの規模で吹奏楽部が成立しないのに、朝鮮中高級学校で成立してるのは驚きです。
で、第二部。いよいよ安田さんの講演です。一度聞きたいと思ってました。
しかしうまいわ。つかみのところでちゃんと集中を促して、そこからは怒涛のように話が流れていきます。
話の中心は、自らのルーツを探す旅です。ほんとにハプニングとか偶然の繰り返しの中からハラボジのルーツをたどっていかれます。が、実はハルモニのルーツはたどれなかった。それはハルモニが女性だからです。そんなあたりの話も忘れずにされます。
しかし、話を聞きながら、
「ルーツかぁ」
と思うなど。わたしにはたどるべきルーツはないからなぁ。それは日本人ということではなく、トランスってことです。いや、あるか。それは獣道をつくってこられた先達たちですね。例えば東郷健さんとかカルーセル麻紀さんとかですね。でも、そちらであって、例えば家族とか「血」とかへのこだわりはほんとうにないですね。まぁでも、エスニシティ的マジョリティってのもあるかもなぁ。
そんなことをボヤーと思いながら話を聞いていると、あっという間に講演が終わってしまいました。そりゃそうです。1時間しかない。まぁそれ以上話されましたが、秀煥さんがカンペを出しまくられたので、やむなく終了ってことなんでしょうね。
その後質疑応答があって、片づけ開始です。バタバタやってると、いろんな人が手伝ってくださいます。ウトロでやるとそんな感じなんですよね。なんと言っても、帰りのついでにEVのZLX-15をぶら下げて出てこられるあたりは、本当に助かります。おそらく総連の商工会のおにいさまなのかな。手伝ってる感がまったくなくて、ほんとの「ついで」で、そのまま帰っていかれるさりげなさというか「当たり前感」はいいですね。
その後、ウトロ平和祈念館に移動してひと休み。てか、安田さん
「ビール!ビール!」
とか言って跳ねておられます(笑)。いや、Iるそんとすでに飲んでるがな。わたしは車だから飲めないです。
で、車を置いて、飲み会の場所へ。ナムへ。雅美さん曰く
「ドラえもんのどこでもドアみたいな入口です」
とのことで、行ってみるとたしかに…。
到着すると、秀煥さんと雅美さんがすでにおられます。秀煥さん曰く
「安田さん、今日は京都に宿をとってるって言ってたから、長いぞ…」
マジっすか。
やがて全員そろったところで乾杯です。おいしい料理が山のように出てくるのはいいんだけど、ほんとに無限に飲まれますね。そうこうするうちに話題は格闘技へ。なんでも安田さん、ボクシングにはまってるらしくて練習しておられるんだとか。ワン・ツー・フックを披露されたけど、マジで速い。ガチですね。そんな中から、ウトロ平和祈念館1周年で屋外リングをつくって試合をしようという話になったりして、マジかよと。もちろん煽りが入るから、投げつけられてもいいマイクを準備せねば(笑)。
でも、やはりここでも話題はルーツを探す旅ですね。まぁ、わたしもふっかけた感がありますが。で、わたしが感じたことを少し話すと、いろいろ考えられた感じですね。つまり「血」の問題と思ってたけど、案外そうでないのかもしれないと。つまり在日であっても、それは「家族」や「血」というよりも、そこで生き抜いてきたという意味での「闘いの系譜」みたいなものなのかもしれないなんていう話が出てきて、すんごい興味深かったですね。
そして2軒目へ。2軒目はオープンテラスのお店です。ここではなんとなく雅美さんになぜ劇団四季に入ったのかってあたりの話を聞きながら、
「ちょっとだけ、さわりのところだけ聞かせてくてさい」
とかいう、プロに対して一番やっちゃいけないことを言う人がいたりして。でも、雅美さん
「いいですよ」
とラフィキの最初のところを、おそらく20%くらいのパワーで歌われました。それでもメッチャすごい!と、隣のテーブルから拍手が。どうやら韓国から観光で来られてるらしく、向こうにも歌手がおられてエールの交換。それにしても、突然韓国語で会話がはじまるのが、この界隈のあるあるです。
そして3軒目へ(笑)。夜は長い。最後までつきあうことに決めたけど、ほんとに夜は長い。このあたりになると、ほとんど覚えていません。が、安田さんをホテルまで送ったところで、とにかく1日が終わりました。
明日は明日の風が吹く。