今日は日教組の人権教育実践交流集会です。今年も去年に引き続きweb開催です。いや、ほんとうは広島でやる予定でした。フィールドワークなんかも準備されていました。が、やはりweb開催になってしまいました。それにしても、この2年間、ほんとにこんなんばっかりやなぁ。
ちなみに、今年も共同研究者です。考えてみると、現役教員でやってるの、わたしだけか(笑)。まぁありがたい話です。
てことで、午前は打ちあわせ。ところが、パスコードを蹴られてzoomに入れません。しかたないからタブレットから入って打ちあわせ。その間もPCからのログインを試みます。結局打ち合わせの最後あたりでようやく入れました。いったいなにがあったんだ?
で、昼ごはんはもちろんカツを入れます。
午後から集会がスタート。全体会の後、全体講演です。去年の講師は松村智広さんでした。今年は広島県のとある支部の支部長さんが講師でした。いきなり「部落差別の3つの命題」が出てきて、ゲゲって思うなど。いわゆる朝田理論というものですね。『同和はこわい考』の頃までひきもどされる感じでした。まぁでも広島ですからね。
話の内容は、「部落差別はあるよ」って話で、それはその通りです。で「同和教育はやらなきゃならないよ」って話で、それもその通りです。ただ、なぜ朝田理論がここで出てくるのかわからんなぁと思っていたのですが、講師の方が語られる経験談がすごい。露骨な差別発言がガンガン出てくる場所で生きておられる。支部長をやってる人が「隠したくなる」と思ってしまうほど、厳しい現実が、今もある。
そういうところからの発信だと知ると、あらためて「そうか」と思ってしまう話でした。
で、分科会。
まずは東さんから、昨年度に続く、今年度1年間のジェンダーにかかわるトピックスのまとめです。そうか、森善郎の「話が長くなる」発言からまだ1年か。そこから別姓のこととかLGBTの法律のこととか、子ども家庭庁問題とか、今年度も山盛りですね。どんな国やねん。
てことで、レポートです。
1本目は、性別によらない名簿の実施とか、メディアチェックとか、制服のスラックスの導入とか、女性の社会進出とか、そんなことをがんばっておられる実践です。ちなみに、クラスは3年B組なんだとか。いろいろな質問が出たけど、わたしからもしょーもない質問をひとつ。
「北海道の女性って、どれくらいスカートをはいておられます?特に冬」
誰もはいておられないようです(笑)。
2本目は性の多様性を伝える小学校の実践。小学校1年生・2年生に向けてやっておられて、とても貴重だなと思いました。が、内容は、これまでジェンダー平等教育でやってきた「らしさ」をめぐる話だったりして、1本目のレポートとつながっていたり。ただ、ひとつ「ジャイアンがままごと好き」「ドラえもんが笑う」というトピックスを使っておられて、ちょっともやってみたり。でも、これは最後にとっておきましょう。
その後、わたしからひとことコメント。レインボースクールプロジェクトの一部を紹介しながら、2007年当時、セクマイ[1]「へー、セクマイって言うんですね」って言われました。どうやら、死語らしいの人が性の多様性についての授業経験がどれくらいあったかとか、学校にどんなことを求めてるのかとか、そんなデータを紹介。ちなみに、2007年って15年も前ですが、実は、教員の研修経験とか授業経験とか、今もほとんど変わりません。まぁ、そんな衝撃のデータをなぜ知っているかというと、『こころの科学』に書かなきゃならなくて、一生懸命調べたのでした。
で、グループディスカッションを経て、最後にひとことタイムです。
なにをしゃべろうか…。
まずは、北海道の女性がスカートはかないのに、なぜ中学生はスラックスを選択しないのかって話ですね。もちろん、答があるわけではないけど、「なにかがある」ってことです。あとは、中学校のむずかしさですね。結局「性」が「生殖」とつながるのが小学校高学年から中学校なので、やはり「性差を意識させる」ことがタスクになってるんでしょうね。
あとは「性別違和のある子に出会った経験がある教員が多い」問題。これは、学校が性別違和を感じさせやすいからでしょうねって話。これを言ったら笑ってる人がおられておもしろかった。そしてジャイアン問題です。きっと、トランスガールの子は傷つく。もちろん、ジャイアンがトランスガールであってもかまいません。が、ジャイアンを引き合いに出すと、トランスガールって「ジャイアンみたいな男の子が女になりたいと思っている」という、ステレオタイプをつくりだしてしまいかねない。そうじゃなくて、「女なのに男扱いされている」のがトランスガールなんですよね。いわば正反対なんです。だから、教材をつくるときに、あまり「わかりやすさ」に引っ張られないようにする必要があるってことです。
あとは、心がけの問題じゃないって話かな。はじめは心がけでもいいけど、どこかで制度の問題を出さなきゃならないって話です。あとはこの日にした雑談のこととか。
東さんからもコメント。なんか、元気がでるコメントだったなぁ。ああいうコメントが出せるようにならなきゃならんのだろうなぁ。
てことで、今年の人権教育実践交流集会も「退出ボタン」を押したら終了。でも、何人かの人とメールでやりとりして、ほんの少し余韻を楽しみました。
来年は対面でやりたいなぁ。
と、facebookを見たら、野入さんがコメントされてました。
なんでも、ご恵投いただいた『沖縄のアメラジアン――移動と「ダブル」の社会学的研究』にわたしの名前を載せてくださっているんだとか。マジかと思って、そのページを開いたら…。
あった…。「なんちゃってフィールドワーカー」としては身に余る光栄です!
footnotes
↑1 | 「へー、セクマイって言うんですね」って言われました。どうやら、死語らしい |
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