合宿の最中に1本の電話がありました。雪と氷の世界の校長が亡くなられたとのことでした。
なんか、じんわりとしたショックがあります。
考えてみると大学時代からお世話になってるので、40年近いつきあいです。はじめは大学時代のそんなに親しいわけではない友だちのひと声に乗って行ったスクールでした。でも、そこでスキーにはまって、気がつくとレッスンをする立場になってました。
スキーに対してはメッチャクチャ厳しい人で、スタッフは飲酒禁止で、夜遅くまで勉強をしてました。でも、たぶんそのおかげで今の自分のスキーがあるんだと思います。そしてとにかくスキーがうまい。どんな斜面でも軽々と飛びまわります。ほんとに鍛えられました。
生え抜きのスタッフじゃないわたしだったけど、なんだかんだでかわいがってもらってたなと思います。
ただ、トランスについてはしんどかったです。あからさまになにかを言うとかではないんです。でも、シスジェンダーでヘテロセクシュアルであることがすべての前提という感じだったので、とてもではないけどカミングアウトなんてできるとは思えませんでした。なので、こんなこともあったわけです。でも、その翌年はリンク先みたいなこともあって、なんとなく空気が変わってきて、気がつくと宿の温泉は女湯を使わせてもらえるようになってました。てか、2年ほど前に一緒に温泉に行った時は別々のお風呂に入りましたしね。ちなみに、その時は校長に
「わたし、こっちなんで」
って言ったら
「おぉ、そうか」
のひとことでおしまいでした。今にして思うと、それがカミングアウトだったのかなぁ。
なんか、毎年雪と氷の世界に行ったら会えるなと思ってたのに、シーズン直前の知らせが、いまだに実感がわきません。