久々にアクセル踏んだわ

朝、メールチェックをすると、メッチャメールが来てます。てことは、メールの返事祭り?てことで、ひたすら返事を書いたのですが、返事を書くと返事が来るのがメールというものです。アカンやん(笑)。
あとは夏休みの宿題をつくったり、なんだかんだとやってたのですが…。

問題は授業だな。
そもそも、なんでこんな時期に授業があるねん。進学校は知らんけど、そうじゃないところも進学校にならって授業がある。というか、わけのわからん「授業時数確保」とかで授業がある。だって「内容的な必然」でやるなら意味があるけど「確保」のためなら、単なる穴埋めですよ。
そもそも、わたしが教員になった頃は、「試験休み」なるものがあって、期末試験と長期休業の間は成績処理のために授業がなかった。ところが「試験返しをせんとあかん」という理由で「休み」がなくなった。そこからなし崩し的に試験返し→授業になって、すると採点の時間を確保しなくちゃならなくなって、試験が前倒しになって…。すると試験前の期間が短くなって単元を終えるのがきつくなる。ほとんど本末転倒です。
さらに言うなら、授業時数を確保してたくさん授業をやったら学力があがるのかというと、そんなevidenceはどこにもない。てか、PISAあたりのことを鑑みると、日本は授業時数が多い割に、授業時数が少ない国よりも点数が低い。じゃ、なんのための「授業時数確保」なんだと。
ほとんどかつての「スポコン」の世界です。ちなみに、スポーツの最先端は「根性」ではないですよね。科学的なevidenceに基づいてトレーニングをしている。スポコンがまかり通ってるのは授業くらいですよ。
さらに、大学までも「半期15コマ」が厳守だとか。なので、土曜に振替をやる。でも、そんなんイレギュラーだから、例えば土曜日に定期的に用事を入れてる学生は出られない。もっと言えば「学生ローン大国」の日本では働かなきゃ大学に行けないわけで、なのに「半期15コマ厳守」とか、ムリじゃん。必然的に振替の日は出席率は低くなる。言い換えるなら学生の学習権が侵害される。でも「自己責任」となる。
構造を問わずにこの責任にしたら楽ですよね。
で、誰がこんな世界にしたかというと、おそらくは制度と現場が相互反映的にやっていったんだろうとは思うど、その最初の「言い出しっぺ」はいるわけです。それは、おそらくは「教育の素人」だろうと思われるわけです。
誰が教育の玄人かというと、ひとつは教育学者です。あとは、現場にどっぷりと浸かり込んでいない教員です。ちなみに、現場にどっぷりと浸かりこんでる教員は、「舵取り」はできません。「考え」ではなく「感覚」で判断してるからです。
てことで、教育の素人が口を出すなと。

まぁそんなことを考えざるを得ない、週末に1日たりない木曜日なので、思わず子どもたちに
「なんでこんな日に授業やねんと思わへんか?」
とグチモード。すると子どもたちはポカンとしてます。そりゃそうだな。子どもたちはこれが当たり前だから、自分の置かれてる状況を疑いようもないよな。
てことで、一席ぶったあと、しかたないので授業です。
単元は「不等式のあらわす領域」です。

まぁ、社会もふたつにわけたがるよね。例えば、この出席簿に書いてある君たちも、ある記号でふたつにわけられてるんですよ。なにかわかる?「性別」です。
そんなん、当たり前やんと思ってるやろ?じゃ、女って何?男って何?「そんなん、チンコがあるのが男で、マンコがあるのが女やん」と思ってるやろ?でも、実際には身体の性はスッパリと二分できないんだよ。「だって、書類に書いてあるやん」と思ってるやろ?でも、世界の中には「X」っていうのがある国があるねん。実は、そんなに簡単なことじゃない。
そもそも、「男とは何か、女とは何か。誰が男と言われ、誰が女と言われるのか。男とは誰で、女とは誰か」ってことを考えるのが、わたしが大学で研究しているテーマなんですよ。
人間をわけるのは、他のことでもいい。例えば、アメリカでは肌の色でわけてきたし、今もわけてる。日本でも部落か部落外かでわけてきたし、今もわけてる。あるいは、日本国籍を持ってるかどうかでわけてる。いろんなわけかたがあるのに、なぜ「性別」でわけるのか。
それは、この社会は「異性愛」だからですよ。だから、ふたつの性別が必要となる。
例えば君たちは、制服を着ている。制服はふたつの性別でわかれてる。君たちは制服によってふたつの性別にわけられてるんですよ。髪型は自由意志?でも、だれかモデルになるものがあって、そのモデルにしたがってわけられてるんですよ。
そうやってふたつの性別にわけたうえで、男性中心の社会をつくってる。そういう社会をつくるために女性を利用する。
だから、「性別」があるんですよ。
まぁ、領域も同じようなもんでね。ある直線を境にふたつにわけるんだよ。じゃ、例23を見てみようか。

久々にアクセル踏んだわ。
でも、ポカンとしながら、必死でこっちを見てる子がいたのがうれしかった、夏休み前の授業のひとときでした。