「性別が、ない!」

この15日からシネ・ヌーヴォで「性別が、ない!」が上映されています。で、なぜかわたしのところに「招待するよ」という声がかかりました。声をかけてくださったのは「Rainbow Tokyo 北区」の時枝さんです。実は「coming out story」の上映会に来ておられて、そこからのおつきあいです。で、
「じゃあ行きます」
と言ったら
「じゃあ、上映後にトークして」
って話になって、なんじゃこりゃと^^;。でもま、招待されるならしゃべらにゃならんかと。
ちなみに、「性別が、ない!」の主人公は新井祥さんです。たぶん直接は面識はない気がしますが、『性同一性障害 30人のカミングアウト』に載っておられて「こんな人がいるんだ」と思ってました。
で、映画を見てびっくり。顔が違う(笑)。まぁ、いろいろあったのかな。わたしも顔違うし(笑)。
てのはおいといて。
映画の感想は、ひとことでいうと「強い人たちだな」です。映画そのものは新井さんとパートナーのうさきこうさんを中心に展開します。そこに、さまざまなセクシュアリティを持つ人がからみます。それだけでなく、新井さん自身が取材を通してさまざまな人と出会われます。そういう「新井的日常」が淡々と描かれます。
全編を通じて伝わってくるのは、非典型的なセクシュアリティを持つ人の生きづらさと、その生きづらいこの社会をサバイブする登場人物たちの強さです。そしてその背後にはそういう強さを持たないと生きていけないこの社会のありようです。
ただ、あまりにも強い。そして、みなさん、自分の生き方や自分の存在を決めておられる。もちろん、それは先に書いたように「それを強いる社会」があるからなんです。でも「決めること」を強いられた時に、対処する方法は、ひとつは「非典型的な存在としての自分を決める」ことなんですが、もうひとつは「決めないこと」だと思っています。なのに、後者の人がほとんど登場しない。
もしかしたら、それは新井さんという人のまわりにいる人がそういう人なのか、あるいは新井さんという存在によって、そうなっていくのか。というのは、新井さん自身が、ずっとファイティングポーズをとり続けておられるんですよね。そんな新井さんに惹かれる人は、やはりファイティングポーズをとるようになるよな。
つい「coming out story」と比べてしまうんですが、真反対かな。わたしは「決めない」ことを言い続けてましたからね。もしかしたらそれはインターセックストランスジェンダーの違いなのかもしれないし、マンガ家という「タレント」を持つ人と教員という才能のかけらもない人間の違いかもしれないし、生まれ育った地域の文化の違いなのかもしれないし、それはよくわかりません。
でも、それはともかく、「今」という時代、まさに「生産性」という言葉を国会議員が述べ、それへの抗議があっても講義への反論の特集を雑誌が組むこの時代において、この映画に登場する人々のような存在があるということを知ることは、とても大切だろうなと思いました。

で、映画のあとは、20分ばっかトーク。相変わらずのグダグダトークで、それでも失笑がとれたからええかなと。その後、レインボーフェスタの実行委員の方から告知があったりして、無事トークタイムも終了。にしても、「性別が、ない!」のあとのわたしは、やはりあまりにも空気が違うやろ^^;。知らんけど。

トークのあとは、しばし呑み。でも、さすがに3日連続&昨日の転倒のあとです。9時すぎにお開き。それでも家に帰ったら11時過ぎ。
あー、疲れたけど、よく飲んだ充実した3日間でした。

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